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父は早速、伯爵を呼び出した。
伯爵は午後一番に汗だくで屋敷にやって来た。
「シンパニー公爵、お呼びと伺いましたが」
「掛けるといい」
父の合図で侍女がお茶を運ぶ
「早速だが、フローレンとリュート君との婚約を破棄する」
「えっ、何故ですか?」
「先日の夜会でもそうだが、彼はどうやら姉の男爵夫人と割りない仲の様だね。家の者に調べさせたよ」
あら、私、そんなこと知らないわ。
こっそりレオを見るとウインクして来た。
どうやら彼が調べたようね
「こちらをどうぞ」
取り出したのは、数枚の写真と証言入りのボイスレコーダー、それとホテルに直行している二人の出入りの時間の記録に回数
「ここからは目と耳を塞がしてね」
レオに目隠しと耳栓をされた。
何が起こったのか分からなかったが、
「もう大丈夫だよ」
目隠しと耳栓を取ると、真っ赤になった父と青くなった伯爵の姿がそこにあった。
まったく正反対の二人に思わず吹き出しそうになった。
「あ、あいつはな、何てことを仕出かしたんだ」
どうやら不貞の証拠を録画器で録画した物を見せたらしい。
レオの方を見ると
「汚いものをフローレンに見せたくないからね」
にっこり笑うその顔に黒さを感じたのは、見なかった事にしよう
「さて、伯爵これで婚約破棄の理由が分かりましたな。先日も王家主催の夜会にフローレン以外の女をエスコートして、王族の不信感を煽ったようですから、時期に不貞の処罰が下りるでしょう」
父はレオより黒い笑みを浮かべていた。
そんな父の娘の私も同じような顔をしていたと思う
伯爵は午後一番に汗だくで屋敷にやって来た。
「シンパニー公爵、お呼びと伺いましたが」
「掛けるといい」
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「えっ、何故ですか?」
「先日の夜会でもそうだが、彼はどうやら姉の男爵夫人と割りない仲の様だね。家の者に調べさせたよ」
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どうやら彼が調べたようね
「こちらをどうぞ」
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「ここからは目と耳を塞がしてね」
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