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宰相との秘密の話
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あれから三年たったある日の午後、公爵家に待望の男子が産まれた。
アルフレッドとエミリーは幼い息子を連れて祝いにやって来た。
「おめでとうございます。アマリリス様、オーガスト様」
「有難う。まだ産まれて日にちが経っていないから、お猿さんみたいだがね」
そんな風にふざけた様な口振りでも、顔は緩んで嬉しそうだ。
そう、アルフレッドとエミリーは思っていた。
するとそこに宰相閣下が、顔を覗かせた。
二人の子供を見ながら、アマリリスの抱いている赤ん坊に
「ほら、君のお友達が来たよ。仲良くするんだよ」
そう話しかけていた。
「以前にも不思議に思っていたのですが、義父上は侯爵夫人を知っているのですか?」
「ええ、オーガスト様、よく知っておりますよ。夫人の父親とは悪友でしたから、国王陛下と一緒に学園七不思議を解明したこともある程です。彼は謎解きが趣味の変わり者でしたから」
「あの父がそんな事をしていたのですか!?」
驚きを隠せないオーガストに
「ここは、女同士で、我々は彼方で雑談でもどうですか」
「そうですね。その方がアマリリスも気兼ねなく話せるでしょう」
そう言って三人は席を外した。
*********
ガゼボにある円卓を囲みながら
「あの折りはご協力頂き感謝しております。閣下」
実は、あの時のエミリー達の戸籍の写しは宰相が手配したものだった。
アルフレッドは改めて宰相に礼を伝えた。
「気にしないでくれたまえ、お礼を言われる筋合いの事でもないですからな」
「義父上、さっき言っておられた話なんですが、その国王陛下は学生時代何をしていたんですか?」
「まあ、ありとあらゆる悪戯を率先してやっていましたな。お陰で私は随分と後処理に追われました」
「一体、何してたんだ。あの親父は!」
段々言葉使いが荒くなり始めるオーガストにアルフレッドは苦笑いをしていた。
「宰相閣下、その様な事をお話するのはどうかと、私は部外者ですので」
「いや、君達にも関係はあるよ。エミリー・スタンレー侯爵夫人の父親、アーノルド・ブラウンいや元の名はアーノルド・シャンディガフ子爵子息と言えば分かりますかな」
「あのイザベル・デュルマン事件を解明した。あの人の娘なのか。夫人は」
「はい、国王陛下がおかしな事を仕出かすと決まって彼がフォローしてましてね。まあ、あの頃はかなり国政が乱れてましたから、ご本人も王太子になりたくなくてやらかしていたんですよ」
「父が迷惑をかけた様で申し訳ありません」
「いやいや、中々刺激的な学生時代を送れましたよ。二人のお陰でちょっとやそっとの事では動じない様になりましたよ」
「それは何とも…」
気まずそうに二人は黙った。
どうやら妻の父親は宰相と国王の悪友で妻の事を今も見守っているようだとアルフレッドは思った。
今、この話を出したと言うことは、「今度泣かしたらただでは済まさない」そう脅しているのだろう。
オーガストはこれは国王と宰相の友情から来るものかも知れないが、隣のアルフレッドが顔を青くしているのを見て、とんでもない嫁を貰ったんだなぁと同情していた。
アーノルド・シャンディガフ子爵子息は学園の伝説を作った人で今も崇拝者が多い。
まさか、国のNo.1とNo.2の二人の友人だなんて
「お前、早く女の子を作れよな」
「な、何を突然言ってるんです。オーガスト様」
「女の子が出来たらその子は家の嫁に貰うから」
「はあ!いきなり何なんですか」
「そうだね!それはいい考えですね。オーガスト様、アーノルドの血を受け継いだ子供ならかなり賢い子供に育つでしょう。そういう家系ですからな。あの子爵家は、これは長生きして、是非とも実現しなければ。楽しみが増えましたな。ははは」
「いや、そんな問題では…」
ゴニョゴニョ言っている。アルフレッドを他所にオーガストと宰相はのんびりアフタヌーンティーの時間を楽しんでいた。
アルフレッドとエミリーは幼い息子を連れて祝いにやって来た。
「おめでとうございます。アマリリス様、オーガスト様」
「有難う。まだ産まれて日にちが経っていないから、お猿さんみたいだがね」
そんな風にふざけた様な口振りでも、顔は緩んで嬉しそうだ。
そう、アルフレッドとエミリーは思っていた。
するとそこに宰相閣下が、顔を覗かせた。
二人の子供を見ながら、アマリリスの抱いている赤ん坊に
「ほら、君のお友達が来たよ。仲良くするんだよ」
そう話しかけていた。
「以前にも不思議に思っていたのですが、義父上は侯爵夫人を知っているのですか?」
「ええ、オーガスト様、よく知っておりますよ。夫人の父親とは悪友でしたから、国王陛下と一緒に学園七不思議を解明したこともある程です。彼は謎解きが趣味の変わり者でしたから」
「あの父がそんな事をしていたのですか!?」
驚きを隠せないオーガストに
「ここは、女同士で、我々は彼方で雑談でもどうですか」
「そうですね。その方がアマリリスも気兼ねなく話せるでしょう」
そう言って三人は席を外した。
*********
ガゼボにある円卓を囲みながら
「あの折りはご協力頂き感謝しております。閣下」
実は、あの時のエミリー達の戸籍の写しは宰相が手配したものだった。
アルフレッドは改めて宰相に礼を伝えた。
「気にしないでくれたまえ、お礼を言われる筋合いの事でもないですからな」
「義父上、さっき言っておられた話なんですが、その国王陛下は学生時代何をしていたんですか?」
「まあ、ありとあらゆる悪戯を率先してやっていましたな。お陰で私は随分と後処理に追われました」
「一体、何してたんだ。あの親父は!」
段々言葉使いが荒くなり始めるオーガストにアルフレッドは苦笑いをしていた。
「宰相閣下、その様な事をお話するのはどうかと、私は部外者ですので」
「いや、君達にも関係はあるよ。エミリー・スタンレー侯爵夫人の父親、アーノルド・ブラウンいや元の名はアーノルド・シャンディガフ子爵子息と言えば分かりますかな」
「あのイザベル・デュルマン事件を解明した。あの人の娘なのか。夫人は」
「はい、国王陛下がおかしな事を仕出かすと決まって彼がフォローしてましてね。まあ、あの頃はかなり国政が乱れてましたから、ご本人も王太子になりたくなくてやらかしていたんですよ」
「父が迷惑をかけた様で申し訳ありません」
「いやいや、中々刺激的な学生時代を送れましたよ。二人のお陰でちょっとやそっとの事では動じない様になりましたよ」
「それは何とも…」
気まずそうに二人は黙った。
どうやら妻の父親は宰相と国王の悪友で妻の事を今も見守っているようだとアルフレッドは思った。
今、この話を出したと言うことは、「今度泣かしたらただでは済まさない」そう脅しているのだろう。
オーガストはこれは国王と宰相の友情から来るものかも知れないが、隣のアルフレッドが顔を青くしているのを見て、とんでもない嫁を貰ったんだなぁと同情していた。
アーノルド・シャンディガフ子爵子息は学園の伝説を作った人で今も崇拝者が多い。
まさか、国のNo.1とNo.2の二人の友人だなんて
「お前、早く女の子を作れよな」
「な、何を突然言ってるんです。オーガスト様」
「女の子が出来たらその子は家の嫁に貰うから」
「はあ!いきなり何なんですか」
「そうだね!それはいい考えですね。オーガスト様、アーノルドの血を受け継いだ子供ならかなり賢い子供に育つでしょう。そういう家系ですからな。あの子爵家は、これは長生きして、是非とも実現しなければ。楽しみが増えましたな。ははは」
「いや、そんな問題では…」
ゴニョゴニョ言っている。アルフレッドを他所にオーガストと宰相はのんびりアフタヌーンティーの時間を楽しんでいた。
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