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27.嫉妬

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「アルフィ!」
「セオ!!」
 雪夜と一緒に、前回と同じ階段を下りるとセオがいた。
 (良かった、瞳は紫色のままだ!)
 顔色も良さそうで安心する。
「アルフィ、大丈夫か?」
 俺の心配はしなくていいのに……たった1週間なのに、長く会ってない気がする。
「うん、セオこそ大丈夫?あと2週間したら、ゲートが開くから…っ」
「俺は大丈夫だよ。一日2回、美味い飯を持ってきてくれるし、この中は魔法も使えるから問題ない。待遇たいぐうを見る感じ、雪夜ってヤツは、そんなに悪いヤツじゃ無さそうだな?」
「フフ、元気そうで良かった……。」
 いつもと変わらないセオの表情に ほっとした。
「セオ、手出して。ガイディングするから。」
 右手を出すとセオは、その手を握った。
「あぁ。ガイディングは軽くでいい。」
 ちょうど、その時 ノアさんが現れ、雪夜に なにやら話をしている。
「秋都、すぐ戻る。ここで待ってて。」
「わかった。」
 
 雪夜が離れると、セオは話を続けた。
「音声はハッキリしないが、レオンたちは無事のようだ。おそらく、ゲートの警戒はしてるはず。2週間か…。何か対策が取れるといいんだが…。」
「俺が、こっちに残れば、ゲートも出現しなくなるし、みんな安全だと思うんだけど。」
「それは無し。俺が嫌だ。たぶんレオンも…。それなら俺たちも、こっちに残る。」
「…………。雪夜が、地上をめるつもりはないって言ってたから……協定とか結べないかな?」
「ダニエルのことだから、アルフィは絶対条件だろう。あいつを捕らえられたら、何か提案は出来そうだが…。」
「……。」
 悩んでいたら、セオに呼ばれた。
「アルフィ」
「ん?」
 セオが手を引っ張り、俺の手にキスをした。
 
「秋都、おまたせ。部屋に戻ろう?」
 そんな時に声をかけられドキッとした。
 見られた……?
「わかった…。じゃぁ、また、セオ。」
「あぁ。」

◇◇◇◇

 無言のまま、手を握られ引っ張られるように部屋へ戻った。
「雪夜……?」
 静かすぎて怖い。すると、立ったまま、ぎゅっと抱きしめられた。
「あれくらいで嫉妬すると思わなかった……。」
「嫉妬?」
「部屋に入るまで、いろいろ考えてた。あの場で、秋都は俺のだって抱けば良かったとか、部屋へ戻ったら どんな恥ずかしいことを させようかとか……。」
 (いや、怖いって!!!)
 踏みとどまってくれたことに、安堵した。
「触手プレイとか興味ない??」
雪夜の背中から触手がバッと出てきて、俺を捕らえ、壁に押し付けた。
「ない!絶対ない!!!」
 会った時のことを思い出し必死に否定した。
 うねうねと、服の 隙間から入ろうとする。
「そう?楽しそうだけど…」
「俺は楽しくないッ」
「じゃぁ、また今度ね。」
 (今度って、いつかするってこと?!)
 そのまま持ち上げられるように移動し、ベッドに座らせられた。
「そういえば、ガイディングって、彼らにしか出来ないものなの?俺にもしてみてほしいな。」
「魔力を持った人になら、出来ると思うけど、相性があって、悪ければ気持ち悪くなったり、痛かったりするんだけど……。」
 (もし相性が悪かったら、すぐ辞めれば問題ない…?あ!もしかしたら、雪夜の弱点になるのでは?!!)
「いいよ、やってみて。」
 雪夜が手を差し出す。
 気持ち悪くなることを期待して、その手を軽く握り気を送った。
「……。」
 (どうしよう…。気持ち悪いどころか、気持ちいい方だ……。)
 しなきゃ良かった……と、後悔した。
「いいね。そのまま続けて?」
 そのまま唇を塞がれてしまった。長いキス。その間もガイディングを続けていると……押し倒された。
 (この流れはヤバイ…)
「挿れたくなっちゃった。」
 服越しでも固くなっているのが、わかる。
 (弱みを握れるなんて、思わなきゃ良かった…!!)

◇◇◇◇

 目を覚ますと、ベッドの上にいた。
 途中から気を失ってしまったようだ……。
 雪夜の姿はない。
 (体、綺麗になってる…。)
 立ちあがろうと思ったが腰が痛くて、すぐには無理だった。
カチャッと扉の開く音がして、見ると雪夜が食事を持って部屋へ入ってきた。
「起きた?今日は、部屋で のんびりしてなよ。」
 (誰のせいだと…!!)
一言、言おうとと思ったが、「グゥ」とお腹が鳴った。
「……。」
 恥ずかしくて赤くなった。
「もうお昼過ぎたからね。ゆっくり食べて?」
 ふふっと笑われてしまった。
「明日は、どこか案内してあげる。」
そういう雪夜は幸せそうに笑った。


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