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2.エスパーとガイド
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「記憶喪失?!」
レオンと呼ばれていた男性が声をあげる。
ルーベンは落ち着いた様子で話を続けた。
「高熱によるショックで、一時的なものだとは思いますが…。自分の名前すらも覚えていない状態です。」
「アルフィ、兄のレオンだよ。ほんとに覚えてないの?」
優しい口調でレオンは俺に向かって話しかけた。
(そういわれても、わからないものは わからない。)
「はい…。すみません。」
「………」
レオンは黙って何やら考えているようだ。
「レオンは、血は繋がっていないけれど、2つ年上の22才。S級エスパーよ。あ、それも覚えてないわよね?」
はっとしたように、ソフィアは俺を見た。
「エスパー?」
「じゃぁ、その話からしようか。」
ルーベンの話によると、この世界には3年ほど前から、ゲートと呼ばれるダンジョンがたびたび現れ、魔物が出るようになった。
同時期、人間の中から不思議な力を使える者が現れ、それらと戦って世界を守っているらしい。彼らを「エスパー」と呼び、ギルドを作って、混乱を招かないようにしている。
強い攻撃スキルの能力を持ったものがダンジョンへ入りボスを倒し、ゲートから出る魔気によって弱いモンスターも出現することがあるため、上級エスパーはゲート攻略・下級エスパーはゲート周辺で戦っているそうだ。壊れた建物などもエスパーの力を使って復興しているのだと言う。
エスパーは力を使うことによって、体力の消費・力を使いすぎると暴走をしてしまうらしく、彼らを癒す力を持つ者たち「ガイド」によって傷を癒したり、精神を保っている。
エスパーをガイドが癒す、ガイディングには身体接触が必要なため、軽いガイディングなら手を握ったり体に触れるだけでも大丈夫だが、暴走に近い状態や力を使いすぎたエスパーには性的接触によって癒やされるという。
初めて聞く話に驚きと不安しかない…。俺は生きて元の世界へ帰れるのか…。雪夜も この世界に来ているのだろうか?
でも、なんて聞いたらいいか、わからない。
悩んだすえ、アルフィという この青年の中に別の人格である俺がいることは今は話さないことにした。もし、「元のアルフィは どうなったのか」と追求・非難されたり、最悪 研究所送りにでもなったら、たまったもんじゃない。
「まさか、アルフィにガイド能力が、発現するなんて驚いたよ。」
そう言うレオンはニコニコと嬉しそうだ。
「傷が治せるなら、A級かしら?危ない目に遭わないか心配だわ。」
ソフィアが不安そうな顔をして言った。
「俺との相性が良かったのかも!アルフィ、俺の専属ガイドになってよ。」
「気が早いわよ。とりあえず、ギルドに登録して経験が必要よ!」
「えっと…」
「大丈夫。不安だろうけど、俺もいるし。いろいろ教えてあげるよ。その内、記憶も戻るさ。」
ニコッと笑ったレオンはカッコよくて、男の俺でもドキドキしてしまう。
(いやいや。男にドキドキとか、おかしいだろ!!)
と、心の中でツッコミつつ、ここでの生活に慣れていくのであった───。
レオンと呼ばれていた男性が声をあげる。
ルーベンは落ち着いた様子で話を続けた。
「高熱によるショックで、一時的なものだとは思いますが…。自分の名前すらも覚えていない状態です。」
「アルフィ、兄のレオンだよ。ほんとに覚えてないの?」
優しい口調でレオンは俺に向かって話しかけた。
(そういわれても、わからないものは わからない。)
「はい…。すみません。」
「………」
レオンは黙って何やら考えているようだ。
「レオンは、血は繋がっていないけれど、2つ年上の22才。S級エスパーよ。あ、それも覚えてないわよね?」
はっとしたように、ソフィアは俺を見た。
「エスパー?」
「じゃぁ、その話からしようか。」
ルーベンの話によると、この世界には3年ほど前から、ゲートと呼ばれるダンジョンがたびたび現れ、魔物が出るようになった。
同時期、人間の中から不思議な力を使える者が現れ、それらと戦って世界を守っているらしい。彼らを「エスパー」と呼び、ギルドを作って、混乱を招かないようにしている。
強い攻撃スキルの能力を持ったものがダンジョンへ入りボスを倒し、ゲートから出る魔気によって弱いモンスターも出現することがあるため、上級エスパーはゲート攻略・下級エスパーはゲート周辺で戦っているそうだ。壊れた建物などもエスパーの力を使って復興しているのだと言う。
エスパーは力を使うことによって、体力の消費・力を使いすぎると暴走をしてしまうらしく、彼らを癒す力を持つ者たち「ガイド」によって傷を癒したり、精神を保っている。
エスパーをガイドが癒す、ガイディングには身体接触が必要なため、軽いガイディングなら手を握ったり体に触れるだけでも大丈夫だが、暴走に近い状態や力を使いすぎたエスパーには性的接触によって癒やされるという。
初めて聞く話に驚きと不安しかない…。俺は生きて元の世界へ帰れるのか…。雪夜も この世界に来ているのだろうか?
でも、なんて聞いたらいいか、わからない。
悩んだすえ、アルフィという この青年の中に別の人格である俺がいることは今は話さないことにした。もし、「元のアルフィは どうなったのか」と追求・非難されたり、最悪 研究所送りにでもなったら、たまったもんじゃない。
「まさか、アルフィにガイド能力が、発現するなんて驚いたよ。」
そう言うレオンはニコニコと嬉しそうだ。
「傷が治せるなら、A級かしら?危ない目に遭わないか心配だわ。」
ソフィアが不安そうな顔をして言った。
「俺との相性が良かったのかも!アルフィ、俺の専属ガイドになってよ。」
「気が早いわよ。とりあえず、ギルドに登録して経験が必要よ!」
「えっと…」
「大丈夫。不安だろうけど、俺もいるし。いろいろ教えてあげるよ。その内、記憶も戻るさ。」
ニコッと笑ったレオンはカッコよくて、男の俺でもドキドキしてしまう。
(いやいや。男にドキドキとか、おかしいだろ!!)
と、心の中でツッコミつつ、ここでの生活に慣れていくのであった───。
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