年下彼氏は犬みたい!

シンフジ サイ

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後編

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 浴室から上がり、水滴をタオルで拭っていく。今更だけど、昨日ムダ毛の処理をしといて良かった。そり残しとかないよね? ちょっと不安になる。
 お互い無言で自分の身体を拭いていき、優希の方が早く終わった。急がないと! そう思って手を早めるけど、声をかけられる。

「焦んなくて良いですよ」
「……わかった」

 ならお言葉に甘えよう。いつものペースに戻してタオルで自分の身体を拭いていく。彼はというと、スケベな顔で私の局部を見てはニヤけている。

「変態さんだなー、もう」
「葵さんだけにですよ」
「……そう言うところだぁ!」

 なんなんだ、この男。私のこと好きすぎじゃないか! 私の方がお姉ちゃんなのに! 可愛いなぁ、もう!!
 いや、好きな男に姉扱いされてもそれはそれでイヤなんだけどさ!
 ちょっと乱暴に歯ブラシと歯磨き粉を取って、これからの情事に備えて口の中をさっぱりさせる。優希もすぐに私に続いた。



 歯磨きを終えた私達は真っ暗な寝室のベッドの上にいる。カーテン越しからの月の光でなんとなく分かる程度だ。
 葵さん。
 そう優希に呼ばれては抱きしめられる。私も彼を抱きしめ返す。密着した部分から優希の体温が伝わってくる。
 優希はそのまま唇を近付けてきた。私も彼に応えるべく、キスしやすいように顔を傾ける。そして、すぐに私と優希は唇でも繋がった。

「「んっ、ふむっ」」

 お互いがお互いを求めて深くキスをする。どんどん激しくなっていき、私達は獣のようにお互いを貪り尽くす。

「っん! ……はぁ」

 優希が私の口に舌を入れてきた。入ってきた舌を私は受け入れて自分の舌で応える。私とはちょっと違う体温が入ってきて違和感を覚える。でも、これが好きな男のものだと思ったら、味わい尽くしたい想いへと変わり、私の方から吸い付く。

「「ん、っむ、はぁ……」」

 息が辛くなってきて、唇を離した。唾液の糸が繋がっている。

「葵さん、好きだ!」
「私も! 優希のことが好き!」

 再び深くキスをする。至近距離で見る優希の瞳には発情した私がいた。
 恥ずかしさ? そんなもの捨ててしまえ! 今は優希だけを見るんだ! そう思うと、大胆なことが出来そうな気分になる。
 優希の手が私の背中から離れて、私の胸に来た。下から優しく持ち上げられる。それが何回か続いたら、さっきは無かった乳首への愛撫が始まる。

「んっ!?」

 優希はキスをしながら的確に私の乳首をいじってくる。親指と人差し指でキュッキュッと抓られて、声にならない歓喜の声が喉奥から漏れてしまう。気持ちよくて駄目になりそうだ。

「……もっとシて?」
「……っ」

 私のお願いに頷いた優希は、私の胸に顔を近付けていく。遂に私の右乳首は彼の口の中に吸い込まれていった。

「あっ!? それ、好きぃ!」
「もっとシてあげるね」

 彼の宣言通り、私の乳首はなぶられていく。舌で舐められて、甘く噛まれて、赤ちゃんみたいに吸い付かれて。
 もう片方も、親指と人差し指で抓られて、爪で弾かれて、押し込まれて。
 左右で違う快感が私を襲って全身に届けられる。必死になってくれてありがとう。そんな意味も込めて、私は優希の頭を撫でる。彼は気持ちよさそうにうっとりしながらも私に愛撫を続ける。

「ん! んんっ!? ……はぁ」

 遂に軽く達してしまった。心臓がバクバクいってドキドキが止まらない。深呼吸を繰り返して息を整えようとする私を優希は再び抱きしめた。

「すっげえバクバクしてますね」
「誰のせいよ……」
「まあ、俺も緊張してんですけど……」

 言われてみれば確かに。なんとなーく心拍数が上がっているような気もする。でも、それはお互い様だ。好きな男に裸を見られることへの羞恥心、情事への期待感や絶頂してしまった快楽の渦。それらに包まれて、私も緊張しているかもしれない。

「んむ。……じゃあ、下も、ね?」
「……はい」

 私からキスをして、自分では可愛らしくお願いしたつもりだ。ちょっと上を見ないといけない優希の顔は真っ赤になって、ちいさく自分の欲求を伝えた。さっきまで私を虐めていた男の姿はどこに行ったんだ、ちょっと憤慨する。

「葵さん」
「……あ」

 優希は優しく私をベッドへと押し倒す。抵抗する間もなく私はベッドに仰向けにされた。
 ギラッとした視線を見せて優希は私の両脚の間に陣取る。そして、優しくも強引に力を入れて踏ん張っている私の太ももを両手でこじ開けていく。一応抵抗するけれど、私はすんなり脚を広げていく。

「葵さん、綺麗です」
「……バカ」

 優希は自分がこじ開けた私の大事な部分を見て、そんな感想を言った。恥ずかしくて身じろぎしながら顔を隠す。
 付き合ってきてもう数え切れない位SEXをしてきたけど、いつもこの瞬間だけは慣れない。隠そうと太ももを擦り合わせたくても、優希は自分の身体をねじ込ませていて出来そうに無かった。

「痛かったら言ってくださいね?」
「……ぅん」

 私の了承を取った優希は、顔を私の股間に近付ける。そして、私の大事なところのすぐそこで止まった。優希の息が当たって、日常では与えられない感覚に身をよじることしか出来ない。

「もうトロトロですね」
「……ぅっさい」

 ここまできてまだ私を焦らすのか。お風呂場でもそうだけど、今までの経験からどこまで私が耐えられるかを優希は把握してしまっている。普段の生活では私の方が引っ張ることが多いけど、エッチなことをするときは優希の方が引っ張ることが多い。今回もそうだし。

「じゃあ、いきます」

 優希の顔が私の大事なところに近付くのを見て……、遂に到達した。

「んっ!!」

 優希の舌が私の大事なところを舐める。温かくも滑った感覚が私を襲った。来ることが分かっていたので、なんとかよがり声を出さなかったけど私の理性はこれだけでも崩壊しそうだ。

「んっ! はぁ! んっ……!」

 優希は両手で膣穴を広げて、舌で中を舐めていく。その快楽は私が待ち望んでいたものだけど、性感帯からの刺激は強すぎて、私を絶頂へと誘っていく。
 勝手に嬌声を上げようとする口を手で塞ぐけれど、徐々に苛烈さを増す優希からの愛撫に耐えることが出来ないでいる。

「っあ!? っあ!? っあ!? っあ!?」

 もう駄目だ! 我慢出来ない!!
 性感帯からの刺激は私を快楽の海へと潜らせていき、どんどん深いところにまで導いていく。このまま達してしまおう! そう思った瞬間に、優希は私のクリトリスを優しく舐めあげた。

「あ。…………っっっっ!?」

 それが最後の鍵となって、私は絶頂する。ため込んでいた快楽が暴発して私の身体と心を攻撃してきた。
 必死に酸素を求めて喘ぐけどなかなか上手くいかない。声にならない嬌声を上げ続ける。
 数分、いや数時間かもしれない。大分時間が経つと、分離していた私の心と体が一体化した。

「ぁーー…………」

 全身が気怠くなって、私はベッドに体重を掛ける。私は一瞬のうちにほとんどの体力を失った。
 そんな私の様子を見て、優希が心配そうな表情をみせる。

「葵さん、大丈夫ですか?」
「だいじょーぶ……。ほら、つづけて……?」
「はいっ」

 既に準備していたのか、優希は1つのコンドームのパッケージを持っていた。表か裏かを確認して、その封を切る。手とか口で大きくしなくても優希のおちんちんは既に直立していて、初めての時があったなんて思えないくらい見違えた手つきでコンドームを付けていく。
 あ、私の中にあれが入るんだ……。
 限界まで直立した優希のおちんちんはとても立派だ。彼は私の大事なところに挿れるために自分の腰を進めていく。優希の初めてを。そして、私の初めてとなったおちんちんとヴァギナが再び合体しようとする。

「じゃあ挿れます。ただいま、葵さん」
「お帰り、優希」

 私の膣口におちんちんの先があてがわれた。狙いを定めた優希は腰を進めてくる。
 っぐ! っっぐ!! っっっぐ!!!
 私のヴァギナの中に優希のおちんちんが入ってくる。異物が入ってくる拒絶感と擦れることによる快楽が神経を伝って全身に届けられる。私は深呼吸をしながら、おちんちんを受け入れていく。
 おちんちんが入ってくる度に私のヴァギナは広げられる。どんどん奥に入っていって、遂には私と優希の陰毛が当たるくらい密着した。全部入ったみたいだ。

「葵さん、大好きです」
「優希、大好きだよ」

 慣らすためと言う理由もあるけれど、優希はそのまま腰を動かさずに私を抱きしめる。当然私も抱きしめ返す。そして、再びキスをしてお互いの身体を貪った。

「動いて良いですか?」
「もちろん、いっぱいシてくれるんでしょ?」

 私の問いに優希は大きく頷いた。そして、優希は私の腰を掴んで腰を進退させる。

「んっ、んっ、んっ、んっ……」

 生まれてくる快楽に耐えながら、私は必死な表情で腰を動かす優希と視線を合わせる。普段の子供らしさも仕事中の表情でも無い。私だけが見られる優希の表情だ。なんて愛おしいんだろう。
 眉を顰めながら必死に自分の快楽に耐えて、それでもなお私を満足させようとしてくれる。私はそんな優希のことが大好きで、私もまた優希を満足させたい。
 キュッ、キュッ。
 私はヴァギナに力を入れておちんちんを締め付ける。

「あっ……! あおいさん、それだめです!!」
「いっぱいっ、出してねぇっ!!」
「ああっ!?」

 優希は、私を満足させようとしていた動きから自分の性的欲求を満たそうとする動きに変えていく。ベッドが大きく軋んで、壊れちゃうんじゃ無いかってくらいだ。
 更に、私はあいている自分の両手を優希の胸に伸ばして、彼の乳首をいじくる。優希は情けない声を上げだした。それに、優希のおちんちんが大きく膨れた気がする。

「あっ!? あおいさん! おれ、もう!?」
「いっぱい出しちゃえ!!」
「あ゛あ゛あ゛!! でるっ!!」

 その瞬間、優希は力一杯私の腰を掴んで私の奥に射精しようとする。その精を吐き出すごとにおちんちんは震えて、優希も大きく息を吐いて放心状態になる。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
「よく頑張ったね」

 おちんちんが小さくなってコンドームから精液が漏れる可能性も出てしまうから、動けない優希の代わりに私が彼から離れる。名残惜しいけれど、私達はまだ恋人ってだけで婚約もしていない。望まない妊娠は私達自身だけじゃなくて色んな人に迷惑を掛けてしまう。生でするなら、最低でもプロポーズされるくらいまでは関係を進めておきたい。

「すっご、沢山でたね!」
「はぁ、はぁ…………」

 徐々に回復してるけど、優希はまだ放心状態だ。案の定おちんちんが小さくなってきていたので、私はおちんちんからコンドームだけを引き抜く。袋から溢れるんじゃ無いかってくらい優希の精液が溜まっていた。

「おー、すごーい!」

 高校の時の化学の授業でフラスコを揺らした時みたいにコンドームを揺らす。プルプルした精液がコンドームの中で揺れる。そんな風に遊んでいると、優希は復活した。

「ちょっと、俺ので遊ばないでくださいよー」
「こんなに出して凄いよ? 歴代でもトップ3に入るんじゃない?」
「えーん、葵さんが虐めるー」

 虐めてきたのはどっちだ! 全くもう。
 SEXとは違った遊びをして楽しんでいると、優希がベッド脇の机にあったスマホを操作して私に見せてきた。コンドームを触ってしまったから彼のスマホを受け取れない。彼の手にあるスマホを私は覗き込む。
 銀行口座の貯金残高だった。初めて見たかもしれない。
 えーっと、1、10、100、1000、10000、100000、1000000……ってこんなに!? 私より貯まっているかもしれない。ちょっとショックだ。でも、いきなりなんだろう。

「こんなに大金どうしたの? 危ないことしたわけじゃ無いよね?」
「違いますよ、正真正銘俺が稼ぎました。起業してからの稼ぎです」
「こんなに貯まったんだね、よく頑張った! でもいきなりどうしたの?」

 私がそう聞くと、優希は顔を強張らせて何度も深呼吸する。仕事よりも緊張してるんじゃ無いかって思う。
 優希の表情を見てやっと察しが付いた。

「葵さん、俺と!」
「ストーップ!!」
「…………えっ」

 私が遮っちゃったせいで断られると勘違いしたのか、優希は泣きそうな顔になる。ってそうじゃなくて!
 世界の終わりって感じの顔をした優希を励ますためにも、自分の思いを伝えていく。

「こういう日常のなかでその言葉を言われるのも素敵だと思うんだけどさ、せっかくなら夜景が綺麗なところとかで言って欲しいかな」
「……ぁっ」
「ごめんね、わがままで」
「いえ、至らない俺が悪かったです」
「そう卑下しないで? 目茶苦茶嬉しいんだから」
「……でも」

 そんなにショック受けなくても……。いや、真面目な優希だからしょうが無いか。

「ほら、私の方が年上だし、優希は働いてるけど大学生でも有るじゃ無い?
 これから先の人生で優希に相応しい人がいるんじゃないかって思ったらなかなか私から行動出来なくてさ。だから、優希がそう思っててくれるのが分かってほっとしたんだ」
「俺には葵さんしかいません!!」
「分かんないよー? 私達だってそうだったじゃない?」
「それは……」

 中高女子校・国際系の大学に通っていたこともあって、そもそも恋愛に興味が無かった私。そんな私が親友から紹介されて親友の弟と付き合うなんて思ってもみなかった。あの日、私が親友の家に行かなかったらきっとこんな風にはならなかったはずだ。
 だって、私は恋愛に興味が無くて、優希はパソコンとかプログラム系にしか興味が無いし。そんな私達がどこかで出逢っていたなんてことは想像出来ない。奇跡の巡り合わせだ。

「うーん……」

 何やら考え込んでいる優希の頬を両手で挟んで、無理矢理私と視線を合わせる。そして、私からキスをして彼の口に舌を入れていく。呆けていた優希はそこで気がつき私に応える。息が苦しくなるまで続いた。

「はっ、はっ…………どうしたんですか?」
「まだ出来そう?」
「え、はい」
「ゴムいらない、シよ?」
「えっ!?」

 私の提案に、小さくなっていた優希のおちんちんは再び硬さを取り戻す。私は自分からベッドに倒れ込んで足を開いて彼を待つ。
 再び"男"の側面を見せる優希は初めてコンドームを付けないSEXに興奮したのか、さっき以上に呼吸が荒くなっていく。私は全てを曝け出して彼を待つ。
 優しくて、真面目で、でもたまに変態さんで……。私の後を追いかけてこようとする優希を私は大好きで。
 何かに似てるなと思ったら、親友が飼っていたミニチュアダックスフンドだった。
 この状況に名前をつけるなら……。うん、年下彼氏は犬みたい! ってね!!
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