見知らぬ隣人さん

小笠原雛乃2

四歳の誕生日に珠子から言われたことを、一晩寝ると不思議とすんなり心が受け入れた。

それからは歳が同じなのに誕生日が分からないという珠子とみんなに内緒で誕生日を同じ日にしようと言ってみた。
珠子はあまり笑わない子で近寄りがたさが子供ながらにあったがその時は少し笑ってくれた。

それから羽衣音が入ってくるまでは、毎日一緒にお互いの主張をせずお互いのことも聞かず子供らしく良い子にしてればいつから迎えが来るのではないかと内心思いながら毎日を過ごした。

羽衣音が来てからは、歳の近い子供が少ない上に女の子があまりいなかったので積極的に声をかけた。

羽衣音は小学一年生なのに珠子よりも近寄り難い雰囲気を醸し出していた。
自分のことは語らず、呼べば来るし呼ばなければこない。同じ子供に見えない年下の子供で感情を毎日殺しているのに溢れ出して泣いてしまう雛乃には、とても不思議だった。

それからは特に何事もなく、何年も過ごした。

小学生を羽衣音が卒業し、羽衣音が中一、二人が中三になった年に、あのおばさんが現れた。