上 下
70 / 113
2章 傭兵騒動編

3-1 それより問題はこっちのほうだぞ助手よっ!!

しおりを挟む
「――周辺空域警護隊? あんなのに協力するのかね?」

 というのが、アルマに警護隊への参加の話をした時の返答だった。
 学園錬金棟の奥、アルマ班の研究室。あの後アーシャ、セシリアと別れたムジカたちは、そのままの足でアルマに会いに行っていた。
 彼女は休日だというのにいつもと同じように、部屋奥の大型マギコン前に陣取りデスクワークに興じていたが。調子よさそうにコンパネを叩きまくっているので、どうやらいつも以上に興が乗っているようだ。
 だが警護隊の話題に対しては、心底イヤそうな顔をした。

「助手よ。まさかと思うがキミ、連中が私に何をしたのか忘れてるんじゃないだろうね?」
「何をしたって、ポンコツ没収したことか? 俺としてはあんなもん、二度と乗りたくないから封印されても困らないんだが――」
「ポンコツって言うなー!! このてんっさい!! の!! 私の作ったノブリスだぞ!?」
「……へいへい」

 だったらせめて、人がまともに乗れるもん作ってくれねえかなあ……という一言は、済んでのところで飲み込んだ。が、すぐに思い直す――言っておいたほうが将来的にはよかったんじゃなかろうか。
 なんにしても、その辺りでムジカは深々とため息をつく。
 そしてはたと思い出した。何をかと言えば、今回休日だというのに研究室に顔を出していることについてだ。ムジカのノブリス操縦技能をデータ化したいということで呼び出されたのだが――

(<ダンゼル>がねえなら、データの取りようがなくねえか?)

 アルマ研究班は作られたばかりの零細研究班ということもあり、抱えているノブリスはほとんどない。技術試験用機であり没収された<ダンゼル>を除けば、ラウルの<ナイト>と作業用の<サーヴァント>があるだけだ。(アーシャとの訓練の時には、アーシャの研究班の<ナイト>を借りた)
 そしてそのラウルも今日は仕事のため、彼の<ナイト>はない。となればアルマ班には戦闘用のノブリスは一機もないはずで――
 いや、あった。

「……え?」

 見間違いかと見やったガラス張りのパーティションの先、ガレージに見慣れない<ナイト>級ノブリスが二機。うち一機はまだ真っ当に組み上げられた純白のカスタム機だったのだが、もう一機は装甲板をすべて外してこれから調整するかのような状態だった。
 間違いなく、昨日までは存在しなかった二機である。そちらを指さしてムジカは呟いた。

「アルマ先輩? あの二機はなんだ?」
「む? ……ああ、アレか? 白いほうは無視していいぞ。バラシてあるのは助手、キミ用だよ」
「……なに用だって?」

 いきなり降ってわいた話に、思わず食いつく。
 対してアルマは面白くもなさそうに、

「この前のメタル襲撃戦で助手、大活躍しただろう? 流石に無視するわけにもいかなかったようでね。その報酬だそうだよ」
「錬金科の俺に、<ナイト>をか?」
「そ。まあつまり、特例ってやつだよ。元はあの騒動で壊れた<ナイト>のレストア品のようだがね。これくれてやるから、困ったときは働きたまえとでもいったところかな?」
「……喜びにくくねえか? 報酬とか言いつつ仕事押し付けられそうだし」
「いいじゃないか、別に。よっぽどのことがない限り、錬金科に戦えなんて命令は来ないよ」

 でなければノーブルの顔が立たんしね、などと。アルマは微妙に突き放した言い方をした。
 それきり興味もなくなったのか、くるりと椅子をマギコンに向けるが――
 そんな様子を見届けてから、しみじみとリムが言ってくる。

「アニキ、よかったっすね。アニキの専用機っすよ。これで父さんと共用じゃなくなるっす」
「……これまでずっと一緒の<ナイト>使ってたもんなあ……」

 どこまで行っても貧乏所帯だったかつてを思い出して、ついほろりとする。
 半壊状態と言って差し支えのない<ナイト>と、いつ撃てなくなるかもわからないガン・ロッド。それだけしか戦力のないかつてを思えば、今はまさしく天国だ。これ以上を望めば罰が当たるのは間違いない。
 ムジカはこの素晴らしい幸運をしばらく噛みしめたが、それはそれとしてアルマに訊いた。

「そんで、この白いのは?」

 見慣れないもう一機の<ナイト>のことだ。
 白を基調とした、どこか女性的なシルエットの<ナイト>。それも奇妙と言えば奇妙だが、ムジカが最も違和感を覚えたのは、極端に装甲を薄くしておきながら、機動関係のモジュールがあくまで標準仕様に近いというところだ。
 通常、装甲を削ったカスタム機は、その脆弱さを機動性能で補う調整が多い。当たらなければ装甲などいらないと言うと極端な考え方だが、攻撃性能を維持したまま生存性まで維持しようとすれば、いじりやすいのは装甲か機動性かの二択になる。
 問題は、ではわざわざ装甲を削った分の余剰出力を、この機体はどこに割いているのかということだが。

「無視していいと言ったぞ」
「つったって、気になるだろノブリス乗りとしては」
「“ブーケ”は助手とは適性が合わないんだよ。今回ここに置いてあるのも単なる虫干しのためだ。キミには使えない機体だから無視しろと言っている」
「“花束ブーケ”?」

 それが機体名か。だが見た目に花束らしさ――というのが何なのかもよくわからないが――というのは感じない。
 とことんどうでもいいのかアルマはこちらを見もしなかったが、無視まではさすがにしなかった。
 呆れた調子で淡々と言ってくる。

「大昔に興味本位で作った、試作ガン・ロッドのテスト用の機体だよ。本来は<ダンゼル>級で、表に出すつもりもなかったんだがね。とあるアホウがランク戦に持ち出して、結果を出してしまったせいで<ナイト>級として昇格された。ポンコツというならこいつこそがまさしくそうだ。本気で表に出したくはなかったんだがね……」
「ランク戦ってことは、戦闘科の生徒の機体なのか。誰だ、そのアホウって?」

 アルマの言う試作ガン・ロッドとやらも今は近くにないが、一番気になったのはそれだ。あの<ダンゼル>の出来からして、このちんちくりんなマッドと手を組みたがる相手などそういるとは思えないが。
 訊くと、アルマは呆れたように肩をすくめてみせた。ただし、呆れはムジカにではなく、ここにいないその誰かに向けたもののようだ。

「ほっといていいよ。どうせほとんど顔出すこともないだろうし」
「……なんだそりゃ。というかそれって、うちの研究班に俺たち以外で所属してるやつがいるってことか?」
「いるに決まってるだろう。研究班だぞ? 戦闘科との連携が前提なんだ、ノーブルが一人もいない研究班なんぞ申請しても承認されるわけなかろう?」
「……なら、なんで俺たちはそいつを見たことがないんだ?」
「多忙だからな。タイミングが合わないのは仕方がない……し、まあいろいろ事情がある。面倒な事情が」

 そう言って、アルマはなんとも言い難い顔のしかめ方をした。なにやら色々あるらしい。その辺りは詳しく聞くと面倒な予感がするので、気にしないことにしたが。
 と。

「――それより問題はこっちのほうだぞ助手よっ!!」

 唐突と言えば唐突に、そんな叫び声を上げてアルマが“っターンっ!!”とコンパネを叩いた。
 どうやら、ムジカたちに何か見せたかったらしい。壁にかけられた大型ディスプレイに、アルマがマギコンでいじっていたデータが投影される。
 映し出されたのは――なんてことはない、あの<ダンゼル>の設計データだが。
 気づいてムジカはきょとんとまばたきした。

「……あん? この前のとまた仕様変わったか?」

 この前の事件で使った状態と比べると、結構な変更が加えられている。
 最も大きな変更点は装甲板の用意と、左右のガントレットマニピュレータだろう。空力カウルしかなかったバイタルガードは最低レベルではあるが魔導感応装甲を備え、ムジカのケガに合わせて用意された右腕、大型粉砕歪曲腕は外されている。魔剣――イレイス・レイ用共振器が振れればよかった左ガントレットと合わせて、標準的な軽量型のものに変更されていた。
 一方で、空戦機動の根幹を握る大型フライトグリーヴはそのままだ。そしてブーストスタビライザーを含んだ背部レイアウトは……

「……なんでブースター周りの仕様が決まってないんだ?」
「それは助手よ、キミのパーソナルデータが全然集まらないからだよ!!」

 バン、とコンパネを叩き、その反動で椅子を回してアルマが振り向く。
 顔を見るまでもなくわかってはいたが、案の定アルマは不機嫌だった。怒っているとまではいかないが、まあ目を吊り上げてはいる。
 そそくさとリムがムジカから距離を取るのを裏切り者を見る目で見ていると、アルマが人差し指でこちらを串刺しにするかの如く指さしながら言ってきた。

「この前のアレは確かに突貫工事だったからいろいろアレだったかもしれんがね。キミの全力に合わせて作ってやろうとしてるのに、そのキミの全力のデータがないんじゃ決まらないんだよ!! 普段から手を抜いてるのは分かってるんだぞ? このてんっさい!! の私の時間は無限にはないんだ、わかったらとっとと本気でテストを受けたまえ!!」
「えー。とは言うけど、やる気出ないんだよ。テストするにしたって機体もなかったし。それに、<ダンゼル>につけてたあのフライトグリーヴでさえ結構なトンデモだろ? この上変なもの作られたら、俺、すんげえ困るんだけど――」
「困るわけあるかー!! 私を信頼しろ、誰もが唸る素敵なブースターを作ってやるぞ!!」
「それが怖えんだよ……」

 どうせろくなものにはなるまいという予感がある。というよりもはや確信だ。絶対にろくなものにならない。
 ムジカの全力に合わせると言うのであれは、それはおそらくムジカが、という意味合いのはずだ。ブーストスタビライザーは回避の用途に使うことも多い。咄嗟の反射がものを言う世界で、一瞬でも気の抜けない機動用モジュールなど使いたくない。絶対に。
 なので苦い顔をしていると。
 先ほどまでの勢いから一転、『ふ、ふふ……』と引きつけのような笑い方をして、ゆっくりとアルマが口を開く……

「……そーかそーか……つまり助手は、ご褒美を寄こせと言うのだな……?」
「……あん? ごほーび?」
「皆まで言うな、わかっているぞ。というより今悟った。確かに私も狭量だった。アレやれコレやれと指示を出すだけで、確かに助手には報いていなかったなと。わかるぞ。家畜に仕事させるならニンジンを目の前にぶら下げる必要があるというものな。うむ」
「……家畜」
「アニキの扱い結構雑っすよね、アルマ先輩」
(お前が言えたことか?)

 とは言わない程度には、ムジカは大人のつもりだった。
 が、なんにしろそこでアルマはそのご褒美とやらを閃いたらしい。会心の笑みで叫んでくる。

「よし、助手よ! 出血大サービスだ――もし私に快く協力するというのなら、キミにあの<ダンゼル>の命名権をくれてやろう!」
「……命名権? アレに俺が名前つけろって?」
「うむ、キミがあの<ダンゼル>の名付け親というわけだ。正式採用された暁には、あの<ダンゼル>がセイリオスのノブリス・アーキテクチャとして登録されることになる! キミのつけた名が歴史に残るぞ? これはとっても名誉なことだ! どーだ嬉しいだろう!?」
「いや、別に俺、汚名を歴史に残したくはない――」
「そーかそーか嬉しいか! なんなら今決めてしまえ。そうすればもう助手は私に逆らえないからな! さあ決めたまえ今決めたまえ! せーの! さん、はいっ!!」

 なにやらもう、テンションで押し切るつもりらしい。
 手を叩いて拍子をつけ始めたアルマを『こいつ……』と白い目で見ていたら、なんとリムまで合いの手を入れ始めた。そして視線ではこう言った――もうさっさと諦めるっす。
 味方はいないらしい。観念のため息を深々とつくと、放り捨てるような感覚であっさりと告げた。

「“時代遅れカタフラクト”」

 ――瞬間。
 ギシィと音が聞こえそうなほど、ハッキリとアルマが硬直した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

中年おっさんサラリーマン、異世界の魔法には賢者の石搭載万能パワードスーツが最強でした ~清楚幼女や錬金術女子高生と家族生活~

ひなの ねね
ファンタジー
人生のやり直しを切望したとき「パワードスーツ」に取り込まれたら、異世界にいた。 社畜の中年サラリーマンである義贋総司郎は、社会人生活に絶望していたが、純粋な少女達と家族のように過ごすことで、生きがいを取り戻していく。 魔術開発が始まった異世界で、魔術の消滅を願う幼女や、過去のに異世界を救った太古の異世界転移錬金術師と生活し、賢者の石を搭載したパワードスーツで魔術を殲滅。 恋愛面は鈍感など、テンプレを見せるハートフル魔術殲滅バトルアクションストーリー。 ————いつしか彼は異世界で英雄となり、現代での戦いに赴く未来が予知されている。 ※他サイトで公開した過去作となります。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

ギルドを追放された俺、傭兵ギルドのエリートに拾われる〜元ギルドは崩壊したらしい〜

ネリムZ
ファンタジー
 唐突にギルドマスターから宣言される言葉。 「今すぐにこのギルドから去れ。俺の前に二度と顔を出さないように国も出て行け」  理解出来ない言葉だったが有無を言わせぬマスターに従った。  様々な気力を失って森の中を彷徨うと、賞金首にカツアゲされてしまった。  そこに助けようとする傭兵ギルドのA級、自称エリートのフィリア。  モヤモヤとした気持ちに駆られ、賞金首を気絶させる。  行く場所が無い事を素直に伝えるとフィリアは自分のギルドに招待してくれた。  俺は仕事が必要だったのでありがたく、その提案を受けた。  そして後に知る、元所属ギルドが⋯⋯。  新たな目標、新たな仲間と環境。  信念を持って行動する、一人の男の物語。

S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった

ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」  15歳の春。  念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。 「隊長とか面倒くさいんですけど」  S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは…… 「部下は美女揃いだぞ?」 「やらせていただきます!」  こうして俺は仕方なく隊長となった。  渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。  女騎士二人は17歳。  もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。   「あの……みんな年上なんですが」 「だが美人揃いだぞ?」 「がんばります!」  とは言ったものの。  俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?  と思っていた翌日の朝。  実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた! ★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。 ※2023年11月25日に書籍が発売!  イラストレーターはiltusa先生です! ※コミカライズも進行中!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...