14 / 27
3章
3-2 答えられないんだよ。好きだって言われても
しおりを挟む
図書館は校舎の隅の隅という、立地的にはあんまりな場所にある。
教室からも昇降口からも遠い上に、勉強関係の本はほとんど置いてないので物好きしか来ない。加えて時代性とでも思えばいいのか、いわゆる文学少女は絶滅危惧種。利用者もいないので普段から薄暗く、用事がないならほとんど誰も近寄らない日陰スポットだ。
というわけで、今日もヤナギが図書館に行っても利用者は誰もいなかった。というか、本来ならいるはずの司書すらどこにもいない。鍵は開いているが、明かりすらついていなかった。
明かりをつけてから受付に寄ると、メモ書きが一枚置いてある――“急用のため帰宅します。鍵は帰り際にかけておいてください。”
「……先生サボりかよ」
思わず愚痴る。実際にサボりかは知らないが、それなら最初から閉館しておけと思わないでもない。
ひとまず小さくため息をつくと、受付の傍にある返却ボックスの中身を確かめた。物好きな誰かが借りたのだろう、シリーズもののミステリー小説が数冊入っている。先生も利用者もいないのだから、仕事らしい仕事といえばそれを片付けることくらいだ。
小説を手に取って娯楽小説の棚まで持っていくと、棚の一画にごっそりと穴が開いている。そこに本を戻せば、それだけで今日の仕事はもう終わりだ。
(下手すると一時間もかかるとか、嘘っぱちもいいところだったな)
このまま帰ったら、下手したら帰宅途中でタカトたちと鉢合わせしかねない。誘いを断ってしまった手前、それもなんだか気まずい。
ならば問題は、どうやって時間を潰すかだが――
「――どうしても、ダメですか?」
「……?」
と。
図書館の外から――今にも泣き出しそうな声が聞こえて、きょとんとヤナギはそちらを見やった。
部活は休みで昇降口やグラウンドとは逆側の校舎裏となれば、人気などないのが当たり前だが。窓の外には二人分の人影があった。こちらに背中を向けている少女と、遠くにいるもう一人。
長身で猫っ毛な短髪の――見覚えのある顔。
(アマツマ?)
何でこんな人気のないところに? と怪訝に見やる。
何かをするためにこんな場所に来たのかとも思ったが、違うらしい。アマツマはただそこに、困ったような顔をして立っている。もう一方の少女は後姿しか見えず、何をしようとしているのかわからない――
いや。
察して、さっとヤナギはしゃがみ込んだ。窓の下の死角に隠れる――これは自分が居合わせていいものではない。
その証拠にとでも言えばいいのか。少女の泣きそうな声はこう続いた。
「どうして、ダメなんですか……? 誰か、好きな人がいるんですか? それとも……私が、女だから?」
「そうじゃない。そうじゃないよ……ごめんね。キミのせいじゃないんだ」
“王子様”にしては珍しく、返す声は弱い。
微笑んでいるのだろう、とはわかる。だがいつもと同じ声ではない。
震えるほどに弱くはない。だが明朗な彼女らしい声でもない――そんな声で。
「だけど……ごめん。キミの想いには、答えられない」
それでも明確に、アマツマは彼女を拒絶した。
「――っ! どうして……! だったら、なんで“王子様”なんか……!!」
続く少女の悲痛な悲鳴に、アマツマは何を思ったのか。
最初から居合わせたわけではないが、ヤナギは薄々状況を察していた。つまりは告白だ。あの少女が、アマツマに――そして少女はアマツマにフラれた。
少女の言葉は非難だった。“王子様”なんて呼ばれて、その通りに振舞ってきたアマツマへの。だが身勝手な非難だ。アマツマが“王子様”のように振舞って見せていたことと、少女の行為そのものには何の関連もないのだから。
それでもアマツマは言い訳しなかった。ただ静かにこう言うのだけが聞こえてきた。
「……それしか、息の仕方を知らないんだ」
(……?)
それはどういう意味か。奇妙な言い回しに、不思議と胸がざわついた。
その間も、少女とアマツマの会話は続いている。だがもう叫ぶほどの強さはない。囁くほどの声量となった会話をヤナギが聞き取ることは、もうできなかった。
聞き取れない声のやり取りを数分ほど聞いて――タッ、と。声以外の音を聞いた。
砂を擦ったような音だ。それが一度だけ強く響いて、そこから遠ざかっていく。それが足音だったのだと気づいたのは、その音が完全に聞こえなくなってからだった。
(今のは……)
と。
「――ヒメノ。いる?」
「……っ!?」
不意に声をかけられて、ヤナギは思わず悲鳴を上げかけた。
顔を上げれば、窓の外からアマツマがこちらを覗き込んでいる――が、後になって失敗したと気づいた。死角に隠れていたのだから、顔を上げなければ知らんぷりができた。これでは自分から見つかりに行ったようなものだ。
視線の先、アマツマは最初に見たのと同じ、困ったような苦笑を顔に張り付けていた。窓をノックして言ってくる。
「開けて。ちょっと話をしようか」
「…………」
無視できるか、あるいは無視していいかどうか。わずかばかり迷って、だがすぐにヤナギは観念した。この状況で逃げるという選択肢はない。
窓を開けると、アマツマは身を乗り出すようにして窓の桟にもたれかかる。そうして下から見上げるようにこちらの顔を覗き込むと、前置きもなしにこう訊いてきた。
「聞こえてた? さっきの話」
「……すまん。盗み聞きするつもりはなかった」
「だろうね。キミが盗み聞きのためにここに来るとも思えないし。なんでこんなところに?」
「図書委員の仕事だよ。本を戻してたんだ」
言いながら、観察するようなアマツマの目から顔を逸らす。
感じていたのは気まずさだ。嫌な場面に居合わせてしまった。相手の少女もヤナギが聞いていたと知れば、いい思いはしないに違いない……
と、いやに沈黙が長くて視線を戻す。アマツマは変わらず、こちらを観察していたようだが。
「……なんだよ」
「訊かないんだね。さっきのは何だったのか、とか、何をしてたんだ、とかさ」
「そこまで鈍くはないよ。訊ける空気だと思うか?」
半眼で見やると、アマツマは肩をすくめてみせた。こちらが状況を察していると、アマツマも理解したようだが。
「内緒にしておいてね。言いふらされて楽しい話じゃないだろうから」
「茶化して楽しい話題じゃない。誰にも言ったりしねえよ」
「そっか……うん。ありがとう」
「礼を言われるようなことはしてない」
むしろ、謝るべきなのだろう。盗み聞きしてしまったのだから。だが実際に、ではどう謝ればいいのかというと、答えが出ない。
ごまかすように、ヤナギは訊いた。
「よくあることなのか? ああいうの」
「そうだね……あると言えばあるし、そんなにないと言えばないかな」
「……意味がわからんぞ」
「テンマくん大好きーとか、王子さまー付き合ってーとか、そういうのならたくさんあるってことだよ。それが遊びだってわかってるから、ボクも遊びでそれっぽい言葉を返す。その場限りの冗談だってわかってるからね。そういう遊びやごっこ遊びなら、たくさんある」
「…………」
「だけど時々、本気で好きだって言ってくる子もいる」
さっきの子みたいにか――と、言いそうになってやめた。明らかに言う意味のない言葉だったからだ。
だから代わりに口から出たのは、もっと別の言葉だった。
「付き合ったことはあるのか? 本気で好きだって言われて」
返答はあまりにもあっさりとした、素っ気ないものだった。
「ないよ」
「ないのか?」
「……なんでそこで意外そうな顔をするのさ?」
「いや、だってな……」
思わず口ごもったのは、“王子様”のイメージなら別に何人と付き合っててもおかしくないと思ったからだが。
「ヒメノが僕のことどう思ってるのか、よくわかったよ」
「うっ……」
見透かされたらしい。ジト目で睨まれて、思わずヤナギは息を詰まらせた。ごまかそうにも何も思いつかない。
観念してジト目を甘受すると、アマツマは不意にふっと微笑んで――
「――答えられないんだよ。好きだって言われても」
「……?」
「ボクは……誰かに好かれたくはあっても、誰かを好きになりたくはないんだ」
――たぶん、狂っちゃうから。
そう消え入りそうな声で、ぽつりと呟いた。
その言葉の意味と、その表情のらしくなさに、しばしの間ヤナギは言葉を失うが。
呟いたのと同じだけの唐突さで、アマツマはばっと窓から離れた。
「つまらない話になっちゃった。ごめんね、忘れて?」
「あ、ああ……それは別に、構わないけど」
「ありがとう。ヒメノは図書委員、がんばってね。それじゃ!」
そう言い置くと、速足でアマツマは去っていく。その姿もすぐに校舎の影に消えた。
もはや誰もいなくなった窓の外を呆然と見つめながら、ヤナギは小さくぼやいた。
「結局、なんだったんだかな……特に最後のアレは」
誰かに好かれたくはあっても、誰かを好きになりたくはない――アマツマはそう言っていた。しかもその理由が、自分が狂ってしまうからだと。
思い出すのは、そう言っていた時のアマツマの顔だ。
あの時、アマツマはヤナギを見ていなかった。ヤナギからわずかに視線を逸らして、どこか遠くを見つめて。誰もいない虚空に向けて、寂しそうに言ったのだ。
その物憂げな微笑みが、どうにも脳裏にこびりついて離れない――
「……あーもう、やめだやめ。考えたって仕方ない」
自分とアマツマの間には何もないのだから。ヤナギが彼女のことで悩む筋合いはない。変な奴が変な悩みを抱えているかもというだけの話だ。自分には関係ない。
その程度に割り切って、ヤナギは窓を閉めた。
頑張れと言われた図書委員の仕事も、結局は十分も経たずに終わらせた。
教室からも昇降口からも遠い上に、勉強関係の本はほとんど置いてないので物好きしか来ない。加えて時代性とでも思えばいいのか、いわゆる文学少女は絶滅危惧種。利用者もいないので普段から薄暗く、用事がないならほとんど誰も近寄らない日陰スポットだ。
というわけで、今日もヤナギが図書館に行っても利用者は誰もいなかった。というか、本来ならいるはずの司書すらどこにもいない。鍵は開いているが、明かりすらついていなかった。
明かりをつけてから受付に寄ると、メモ書きが一枚置いてある――“急用のため帰宅します。鍵は帰り際にかけておいてください。”
「……先生サボりかよ」
思わず愚痴る。実際にサボりかは知らないが、それなら最初から閉館しておけと思わないでもない。
ひとまず小さくため息をつくと、受付の傍にある返却ボックスの中身を確かめた。物好きな誰かが借りたのだろう、シリーズもののミステリー小説が数冊入っている。先生も利用者もいないのだから、仕事らしい仕事といえばそれを片付けることくらいだ。
小説を手に取って娯楽小説の棚まで持っていくと、棚の一画にごっそりと穴が開いている。そこに本を戻せば、それだけで今日の仕事はもう終わりだ。
(下手すると一時間もかかるとか、嘘っぱちもいいところだったな)
このまま帰ったら、下手したら帰宅途中でタカトたちと鉢合わせしかねない。誘いを断ってしまった手前、それもなんだか気まずい。
ならば問題は、どうやって時間を潰すかだが――
「――どうしても、ダメですか?」
「……?」
と。
図書館の外から――今にも泣き出しそうな声が聞こえて、きょとんとヤナギはそちらを見やった。
部活は休みで昇降口やグラウンドとは逆側の校舎裏となれば、人気などないのが当たり前だが。窓の外には二人分の人影があった。こちらに背中を向けている少女と、遠くにいるもう一人。
長身で猫っ毛な短髪の――見覚えのある顔。
(アマツマ?)
何でこんな人気のないところに? と怪訝に見やる。
何かをするためにこんな場所に来たのかとも思ったが、違うらしい。アマツマはただそこに、困ったような顔をして立っている。もう一方の少女は後姿しか見えず、何をしようとしているのかわからない――
いや。
察して、さっとヤナギはしゃがみ込んだ。窓の下の死角に隠れる――これは自分が居合わせていいものではない。
その証拠にとでも言えばいいのか。少女の泣きそうな声はこう続いた。
「どうして、ダメなんですか……? 誰か、好きな人がいるんですか? それとも……私が、女だから?」
「そうじゃない。そうじゃないよ……ごめんね。キミのせいじゃないんだ」
“王子様”にしては珍しく、返す声は弱い。
微笑んでいるのだろう、とはわかる。だがいつもと同じ声ではない。
震えるほどに弱くはない。だが明朗な彼女らしい声でもない――そんな声で。
「だけど……ごめん。キミの想いには、答えられない」
それでも明確に、アマツマは彼女を拒絶した。
「――っ! どうして……! だったら、なんで“王子様”なんか……!!」
続く少女の悲痛な悲鳴に、アマツマは何を思ったのか。
最初から居合わせたわけではないが、ヤナギは薄々状況を察していた。つまりは告白だ。あの少女が、アマツマに――そして少女はアマツマにフラれた。
少女の言葉は非難だった。“王子様”なんて呼ばれて、その通りに振舞ってきたアマツマへの。だが身勝手な非難だ。アマツマが“王子様”のように振舞って見せていたことと、少女の行為そのものには何の関連もないのだから。
それでもアマツマは言い訳しなかった。ただ静かにこう言うのだけが聞こえてきた。
「……それしか、息の仕方を知らないんだ」
(……?)
それはどういう意味か。奇妙な言い回しに、不思議と胸がざわついた。
その間も、少女とアマツマの会話は続いている。だがもう叫ぶほどの強さはない。囁くほどの声量となった会話をヤナギが聞き取ることは、もうできなかった。
聞き取れない声のやり取りを数分ほど聞いて――タッ、と。声以外の音を聞いた。
砂を擦ったような音だ。それが一度だけ強く響いて、そこから遠ざかっていく。それが足音だったのだと気づいたのは、その音が完全に聞こえなくなってからだった。
(今のは……)
と。
「――ヒメノ。いる?」
「……っ!?」
不意に声をかけられて、ヤナギは思わず悲鳴を上げかけた。
顔を上げれば、窓の外からアマツマがこちらを覗き込んでいる――が、後になって失敗したと気づいた。死角に隠れていたのだから、顔を上げなければ知らんぷりができた。これでは自分から見つかりに行ったようなものだ。
視線の先、アマツマは最初に見たのと同じ、困ったような苦笑を顔に張り付けていた。窓をノックして言ってくる。
「開けて。ちょっと話をしようか」
「…………」
無視できるか、あるいは無視していいかどうか。わずかばかり迷って、だがすぐにヤナギは観念した。この状況で逃げるという選択肢はない。
窓を開けると、アマツマは身を乗り出すようにして窓の桟にもたれかかる。そうして下から見上げるようにこちらの顔を覗き込むと、前置きもなしにこう訊いてきた。
「聞こえてた? さっきの話」
「……すまん。盗み聞きするつもりはなかった」
「だろうね。キミが盗み聞きのためにここに来るとも思えないし。なんでこんなところに?」
「図書委員の仕事だよ。本を戻してたんだ」
言いながら、観察するようなアマツマの目から顔を逸らす。
感じていたのは気まずさだ。嫌な場面に居合わせてしまった。相手の少女もヤナギが聞いていたと知れば、いい思いはしないに違いない……
と、いやに沈黙が長くて視線を戻す。アマツマは変わらず、こちらを観察していたようだが。
「……なんだよ」
「訊かないんだね。さっきのは何だったのか、とか、何をしてたんだ、とかさ」
「そこまで鈍くはないよ。訊ける空気だと思うか?」
半眼で見やると、アマツマは肩をすくめてみせた。こちらが状況を察していると、アマツマも理解したようだが。
「内緒にしておいてね。言いふらされて楽しい話じゃないだろうから」
「茶化して楽しい話題じゃない。誰にも言ったりしねえよ」
「そっか……うん。ありがとう」
「礼を言われるようなことはしてない」
むしろ、謝るべきなのだろう。盗み聞きしてしまったのだから。だが実際に、ではどう謝ればいいのかというと、答えが出ない。
ごまかすように、ヤナギは訊いた。
「よくあることなのか? ああいうの」
「そうだね……あると言えばあるし、そんなにないと言えばないかな」
「……意味がわからんぞ」
「テンマくん大好きーとか、王子さまー付き合ってーとか、そういうのならたくさんあるってことだよ。それが遊びだってわかってるから、ボクも遊びでそれっぽい言葉を返す。その場限りの冗談だってわかってるからね。そういう遊びやごっこ遊びなら、たくさんある」
「…………」
「だけど時々、本気で好きだって言ってくる子もいる」
さっきの子みたいにか――と、言いそうになってやめた。明らかに言う意味のない言葉だったからだ。
だから代わりに口から出たのは、もっと別の言葉だった。
「付き合ったことはあるのか? 本気で好きだって言われて」
返答はあまりにもあっさりとした、素っ気ないものだった。
「ないよ」
「ないのか?」
「……なんでそこで意外そうな顔をするのさ?」
「いや、だってな……」
思わず口ごもったのは、“王子様”のイメージなら別に何人と付き合っててもおかしくないと思ったからだが。
「ヒメノが僕のことどう思ってるのか、よくわかったよ」
「うっ……」
見透かされたらしい。ジト目で睨まれて、思わずヤナギは息を詰まらせた。ごまかそうにも何も思いつかない。
観念してジト目を甘受すると、アマツマは不意にふっと微笑んで――
「――答えられないんだよ。好きだって言われても」
「……?」
「ボクは……誰かに好かれたくはあっても、誰かを好きになりたくはないんだ」
――たぶん、狂っちゃうから。
そう消え入りそうな声で、ぽつりと呟いた。
その言葉の意味と、その表情のらしくなさに、しばしの間ヤナギは言葉を失うが。
呟いたのと同じだけの唐突さで、アマツマはばっと窓から離れた。
「つまらない話になっちゃった。ごめんね、忘れて?」
「あ、ああ……それは別に、構わないけど」
「ありがとう。ヒメノは図書委員、がんばってね。それじゃ!」
そう言い置くと、速足でアマツマは去っていく。その姿もすぐに校舎の影に消えた。
もはや誰もいなくなった窓の外を呆然と見つめながら、ヤナギは小さくぼやいた。
「結局、なんだったんだかな……特に最後のアレは」
誰かに好かれたくはあっても、誰かを好きになりたくはない――アマツマはそう言っていた。しかもその理由が、自分が狂ってしまうからだと。
思い出すのは、そう言っていた時のアマツマの顔だ。
あの時、アマツマはヤナギを見ていなかった。ヤナギからわずかに視線を逸らして、どこか遠くを見つめて。誰もいない虚空に向けて、寂しそうに言ったのだ。
その物憂げな微笑みが、どうにも脳裏にこびりついて離れない――
「……あーもう、やめだやめ。考えたって仕方ない」
自分とアマツマの間には何もないのだから。ヤナギが彼女のことで悩む筋合いはない。変な奴が変な悩みを抱えているかもというだけの話だ。自分には関係ない。
その程度に割り切って、ヤナギは窓を閉めた。
頑張れと言われた図書委員の仕事も、結局は十分も経たずに終わらせた。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
おてんばプロレスの女神たち ~男子で、女子大生で、女子プロレスラーのジュリーという生き方~
ちひろ
青春
おてんば女子大学初の“男子の女子大生”ジュリー。憧れの大学生活では想定外のジレンマを抱えながらも、涼子先輩が立ち上げた女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスで開花し、地元のプロレスファン(特にオッさん連中!)をとりこに。青春派プロレスノベル「おてんばプロレスの女神たち」のアナザーストーリー。
何故か超絶美少女に嫌われる日常
やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。
しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。
無敵のイエスマン
春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる