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60. 嵐のあと
しおりを挟む退院した翌日、私は初めてマリーに怒られた。
「もう、ライラの馬鹿!」
初めてマリーを大泣きさせてしまった。
コンスティ家に見舞いにきた友人の面々はとにかくお怒りだった。
「言っておくけど、マリーに怒られるのは当然だからね。一人で抱え込んで、危ない道を渡ってさ。俺に話していればもっと上手くやれたかもしれないのに」
呆れたような口調でそう語ったエイデン。
「だって、そんなこと言ったって……」との言い訳は遮られた。
「王妃を相手にするから巻き込みたくない、とかだろ? でもそっちの方が困るっての。大体あの時、捕まえた購買所の職員だって危うく逃げられる寸前だったんだからな。あいつを逃したらまずかったんだろ?」
怒り口調で話すわりに、エイデンの声は柔らかい。話によると私がテラスで倒れた時、平民生徒の制服に着替えた職員が生徒に紛れて購買所から出て行こうとしたらしい。
その職員は今や投獄され、芋ずる式に学園に潜んでいた一人の諜報員も捕らえられた。あの職員が諜報員本人かと思ったら、それはまた別にいたということだ。彼らは共に平民で、歴史上初の平民聖女を望んでいたとの話を聞いた。
王妃が彼らに何を話し、何を命令していたかなんてわからないし、今になってはもう知りたいとも思わなかった。本当の目的が王子暗殺だったと知って、愕然としていたという話ももう今更だ。
「ライラは倒れるわ、職員は逃げようとしているわ、どうしようかと思ったよ。あの時の俺の心境わかる?」
たしかにエイデンには頼りきりだった。もし彼がいなかったら私のこの計画は成り立たなかったろうと思う。
そう思って改めてお礼を言うと、「あー、でもあの職員を捕まえたのはディノだから」と教えてくれた。
「あの時、言われた通りライラの話を盗聴して、その言葉をそのまま口に出してディノにも伝えていたんだ。俺は話をしながらその内容にびっくりして、あんまり頭が働いていなかったんだけど。ディノがそれを聞いてすぐに臨戦態勢に入ってくれたおかげで、どうにか逃がさずに捕まえる事ができた」
ディノにもずっと支えてもらっていた。この場にいない彼にもお礼をいわなければ、と改めて思う。
この時、我が家を訪れていた友人はエイデンと女子クラスメイト全員で、皆示し合わせたわけでなく自然と合流してしまったらしい。
ディノはこうなることを見越していたのか、彼は退院してから一週間後、来訪者も落ち着いたところでお見舞い品を持ってコンスティ家にやってきた。
彼はいつもと変わらない様子で体は大丈夫か、とだけ聞いて後は淡々と近況報告をしてくれた。
事件後の学園の事、王宮の混乱、そして中でも驚いたことはジュリアについての話だった
あの事件の直後から、ジュリアは学園に姿を見せなくなったらしい。
それについては先日見舞いに来てくれたマリー達から話を聞いていた。誰もジュリアの事に触れないから彼女はどうしたのかと尋ねたら、渋々といった感じで教えてくれたのだ。
私が倒れて運ばれた後、呆然自失になっていた彼女のことを皆心配していたらしい。しかしその後に知ったことは、彼女はすでに王都を出ていったということだった。
その話を聞いて、私は彼女に対して申し訳ない思いでいっぱいになった。私があんなことになれば彼女は自分を責めてしまう性格だということはわかっていた。
だからこそ自分の告白を皆に聞いてほしかったし、誰の責任でもないことを知ってほしかった。
そんな事をつらつらと考えていたら、ディノがびっくりすることを教えてくれた。
「実は今、ユウリがジュリアを迎えに行っている。彼女の田舎はかなり遠くて馬車でも三日はかかる所にあるんだが、どうにか親を説得して出発していったんだ。ライラの退院を報告しにいくとか言っていたぞ」
そこで初めてディノが面白そうに笑った。
「退院の報告って。あいつ、そのまま大人しく帰るつもりもないくせに」
ええ!? とユウリの意外すぎる行動力に驚いていると、
「そうしたら、それを知ったカトルもジュリアのもとへ向かってさ。ジュリアの家の人もあの二人を相手にするのは大変だろうな」
確かに。雲の上にいるような高位貴族が突然家にやってきて、しかもそれが守護貴族のご令息と知れば慌てふためくどころではなさそうだ。
「だからまぁ、ジュリアの事はそこまで心配しなくていいと思う。きっとユウリとカトルが上手くやるさ」
そう言って、私の中のわだかまりをさりげなく取り除いてくれたディノに、改めて感謝の気持ちを伝えた。
それから数日後。
私はマルクス先生とお話をするために馬車を向かわせていた。
あの王妃の部屋での話も含め、先生にはたくさん聞きたいこともある。今は夏休み期間という事もありお互い時間に余裕があると思ってお願いした。
王都の中心地から少し外れた所にあるこじんまりとした邸宅。
オーリオ侯爵の大邸宅はすでに兄が継ぎ、先生はこちらに居を移しているらしい。事前に訪問することを連絡し、約束の日に会いに行った。
「いらっしゃい、わざわざこちらまで来ていただいて申し訳なかった。いずれ報告しようと思っていたんだが、まさか君の方から来てくれるとは思わなかった」
そう言って快く迎え入れてくれた。
「まず君に一つ伝えておくことがある。ジュリアさんが聖女になることは無くなったよ」
訪問してすぐに先生の口から衝撃的な発言が飛び出した。突然そんなことを言われて私も戸惑ってしまう。
「それはどういうことですか?」
ジュリアが学園を無断で休み、田舎に帰ってしまったからだろうか。精霊祭が中止になった理由は、現聖女である王妃が捕えられ、祭りを謹慎されたからだと聞いている。ジュリアのせいではないと思っていたけれど……、と疑問に思っていると続きを話してくれた。
「ジュリアさんは元々貴族にも劣らない強い精霊力を持っていたけれど、それに上乗せするような形で不正があった。これはジュリアさん本人も知らない事で、ミラ王妃に仕組まれていたことだ」
不正。そういえば王妃から暗殺依頼をされた時にジュリアには秘密があると話していた。それのことだろうか。
「彼女に支給された制服に細工が仕掛けられていたんだ。大霊石の欠片を制服のブローチとして作り渡されていた。それは通常の霊石と違って、精霊殿にある大霊石との親和性を高める。……初めからこうなるように仕組まれていたんだ、ミラの計画によって」
結局、王妃はいつからかわからないけれど、そういった小細工をあらゆる場面で繰り返し、これほどの事件を画策していたのかと思うと哀れに思えた。そしてそれに振り回されてきた私たちも。
「捕らえられた者の証言と、現場の証拠、そしてこの件が明るみになったことでミラが関わっていたことが決定的となった。厳重に護られている大霊石の欠片を得ることが出来るのは、聖女と守護司ぐらいしかいないからね」
マルクス先生は溜息をついて少しの間言葉を切り、そして再び口を開いた。
「彼女自身も、ルーク殿下に手をかけることは難しいと判断した結果なのかもしれない。第一王子を殺せと言って、それを実行する配下はいないだろう。しかもそれを口に出せば、聖女である自分への信仰心も揺らぐ危険がある。それならばと、偽りの標的として君を仕立て上げたということが今回の事件のあらましなんだろう」
「それはつまり、あの購買所の職員と諜報員に私の命を狙わせ、私には聖女の座を餌にルーク様の命を狙わせるという構図を描いたんですね」
私がそう言うと、マルクス先生は頷いた。
「そういうことじゃないかな。不思議だったのは、なぜ彼らを間に入れて事をややこしくしたのかという事だった。聖女の餌で釣るなら、君に直接毒を渡して殺させればいい話だ。でも先日の話でわかった。彼女は君を買っていたんだ。彼らは君を追い詰める道具として利用し、最後は君を犯罪者にしないよう緩衝材として使った。罪の全てを彼に押し付けて、ミラはあの職員を切るつもりだったんだと思う」
そう言って先生は大きく溜息をついた。
「あの後、ミラはひどく混乱してね。軽い錯乱状態に陥った」
少しの間沈黙してから、言葉にするのが辛そうに口を開いた。
「まさか、こんなことになっているとは夢にも思わなかった。イリーナがミラに魔法をかけていたなんて」
「イリーナというのは、クラスメイトの方ですよね。聖女候補生だったと」
私がそう尋ねると頷いた。
「そういえば君は、生まれる前の記憶をもっていると聞いた。その世界では僕たちの事を『物語』として知っていて、そのおかげで今回の事が明るみになったと。もしそれが本当だとしたら、君はイリーナの事を知っていた?」
「いいえ。先生に、あの……好きな同級生がいて、その女性が亡くなったということ以外は知りませんでした」
「そうか……それは知っているのか」
そう言って自嘲ぎみに笑った。
そして先生はイリーナさんとの出会いから、最後の日までを私に話して聞かせてくれた。それはとても悲しい、報われない恋の話だった。
それらを話し終わったマルクス先生は姿勢を改め、ミラ王妃のことを、これから彼女にとって地獄が始まるだろうと話した。
「ミラにかけられた魔法は解けて、これからは自分の行いを振り返る日々が来る。自分が今まで愛する息子に何をしてきたのか。閉じ込められた部屋の中で、ずっとその記憶と向き合うことになるんだ」
私は目を伏せて思いを馳せる。それがどれだけ苦しく辛いことか、なんとなくわかるから。
王妃は加害者ではあるけれど同時に被害者でもあった。あの告白の日の狂気は、彼女の心の底の痛みなのかもしれない。
「今はまだ全てを認められなくても、いずれ少しずつでも受け入れていけたら、もしかしたら何かが変わるかもしれない。……たとえルーク殿下がお許しにならなかったとしてもね」
私は頷いて、それから先生に言った。
「それは、マルクス先生もですか?」
一瞬、先生は虚をつかれた顔をした。
私は先生にも幸せになってもらいたい。過去の呪縛に囚われているのは、王妃だけじゃなく先生も同じはずだ。
『マル先生は、ずっと彼女の事を後悔していて、誰も幸せにすることはできないと自分に絶望していたんだよ。それがヒロインと交流を持つようになって、少しずつ変わっていくの。最後のイベントでその話を打ち明けてくれた時は本当に嬉しかったなぁ』
マルクス先生最推しだった友達の言葉が蘇る。
「僕は……」
何かを言いかけて、気付いたようだ。
「そうか、僕も同じなのか」
先生は、彼女が亡くなってからずっと過去を見続けてきたのではないかと思う。何度も振り返っては後悔して、ずっとイリーナの幻影に囚われていたのではないかと。
この世界には先生推しの友人はいないけれど、同じように先生の側に寄り添ってくれる誰かが現れたら、少しずつ心を開いて癒されていってほしいと思った。
それからしばらく学園の今後のお話をして、お暇することにした。
その帰り際、先生が少し複雑な顔をしながらあることを教えてくれた。
「ライラさんに言うべきか悩んだんだが……君を強く糾弾していた平民棟の生徒は退学したよ」
私は彼の顔を思い浮かべた。全く良い思い出のない彼だけれど理由は気になった。
「彼からの申し出による自主退学なんだ。今回の事件が明るみになって、噂や学園で起きた事件が君のせいじゃないと知ってのことだと」
大事件を起こした犯人たちの動機が『平民聖女の誕生』だったということを知り、自分の中に無意識にあった歪んだ動機を認識したのだという。
「彼を知る平民棟の先生から聞いた話によると、彼は元々真面目で正義感の強い男だったらしい。しかし流された君の悪評に彼の願望が結びついてしまった。信じたいものを信じて暴走した結果、自分の行動の責任を取ったということだ。学園で君への謝罪文を預かっているから、一応君に伝えるべきかと思って」
正直言うと、彼の事は本当にどうでもよかった。謝罪もいらないし、学園にいてもいなくてもどちらでもいい。
今後同じような間違いを犯さず、誰かを傷つける事さえなくなればそれでいいだけの話だった。
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