上 下
10 / 67

9. 校舎裏

しおりを挟む

 入学から一週間が経った。

 ある程度学園にも慣れてきて、授業のサイクルも把握してきた。
 基本的に一,二限目はオーラント国史や世界史、政治経済などの地歴公民。支配階級である貴族にとって大事な教育でもある。
 三限目はいわゆる体育美術枠。ここでは社交ダンスや音楽鑑賞、また男女別で武術・刺繍、といったものもある。

 そしてここで昼食となるのだけれど、これが高級レストランのような豪華な内装の食堂で、学食のランチコース料理を頂くことになる。ぼっちだとなかなか辛い時間になりそうではあるけれど、一応学園の中庭には飲食の出来るテラスがあり、そこでお弁当を持ってきて食べることもできる。

 そして四限目は精霊学。とにかく毎日精霊学。やっとこの世界ならではの授業が出てきたけれど、これが期待外れというか、非常に地味な内容だった。
 間接的に魔法の授業でもあるのだから、派手でワクワクしたものを期待してしまっても仕方がないと思う。
 それがいざ始まってみたら、精霊属性の性質や働き、作用反作用といった勉強で、まるで理科の授業を受けているような気分だった。
 でも実生活の中で、前世でイメージされていたようなサラマンダーやシルフといったような精霊の姿はない。どちらかといえば超自然エネルギー的な感じで捉えられているので、理科というのはあながち間違いではないのかもしれない。

 
 そして、今日も私は精霊学の教師であるマルクス先生に放課後会いに行っていた。

 授業でわからなかった部分を尋ねて、コツコツと知識と先生との交流を積み重ねてゆくのが目的だ。五分から十分程度のわずかな時間とはいえ、連日押しかけても先生は嫌な顔もせず快く相手をしてくれる。
 先生と仲良くなって話を聞けるようになれたら、という下心を持っていることに少し罪悪感を覚えつつ、お礼を言って職務室を後にした。

 そして教室への帰り道。
 廊下を歩いていると、窓から校舎裏の小さな庭園でマリーと二人の女子生徒が話しているのが見えた。
 なにやら険悪な雰囲気だったので、急いで階段を降りてちょうど三人が立っているドア付近まで近寄った。

「……、……それでどんな手を使ってルーク様にすり寄ったのよ!」
「そんな……」
「私たちと同じ伯爵家の娘で、お茶会の時なんてほとんど会話に参加しないで空気同然だったわよね? どうして婚約者候補に選ばれたのかしら。理由を教えてもらえる?」

 ドア越しにややヒステリックな声色が漏れ聞こえた。内容からして王宮のお茶会のことを話しているのだろうか。

 実は、年に二度ほど王宮に通っていたもう一人の婚約者候補というのがマリーだった。
 王家は非公表にしていたので相手が誰だか知らなかったのだけれど、マルクス先生から全員の前で私達二人の名前を発表された。正確に言うと婚約者候補ではなく、聖女候補生としてクラスに紹介された。

 つまりこの学園生活を通して、婚約者候補は聖女選定期間に入るということらしい。
 授業の成績、日常の立ち振る舞い、精霊力の強さなどを元に選定し、晴れて聖女に選ばれた人がルーク様の正式な婚約者となる。
 ゲーム内ではマリーにそんな情報がなかったから派手に驚いてしまったけれど、当のマリーは「私はライラも選ばれていると思っていました」とのほほんとした口調で笑っていた。

 そしてAクラスの女子は、皆あのお茶会に参加していたご令嬢たちである。
 国王は同齢の伴侶を迎えるということが慣例となっているため、必然的にあのお茶会の女子は同い年だけが集まっていた。でも当時はルーク様達のことで頭がいっぱいで、未来の同級生などという発想には至っていなかった。


 私は小さく息を吸ってドアを開けた。

「あら、マリーってば授業が終わってここでおしゃべりしていたのね。……彼女の姿が見えたから声をかけさせてもらったのだけれど。なぁに? お茶会のお話?」

 そう尋ねると「ええ、まぁ…」などときまり悪そうにマリーに詰め寄っていた二人が口を濁す。

 ここで普通にマリーをかばってもいいのだけれど、私は自分に課したルールを守らなければならない。品行方正で穏やかに。
 未来の破滅回避のためには無駄に敵を作ってはいけない。

「あら楽しそう、私も参加させて頂きたいわ。あ、もしよろしかったら今度お休みの日に皆さん家に遊びにいらっしゃらない? うちの菓子職人の新作があるのだけど、それが本当においしくて。うちの自慢のお菓子を披露させてもらいたいのよ」

 どう受け取られるかわからなかったけれど、ここは強引にでもすっとぼけてやり過ごしたかった。上手くいけば友達になれるかもしれないし。

 気さくを装って誘ってみると、令嬢二人は目を輝かせてうなずいた。あまり良い噂が聞こえてこないコンスティ家だけれど、お菓子だけは王妃のお墨付きで定評があるのだ。
 話がまとまると、二人はご機嫌な足取りで校舎に戻っていった。


「ライラ、助けてくれてありがとう」

 結構強めに当たられていたというのに、ほっとしたのか本人はほわんとした笑顔を見せる。

「せっかくのクラスメイトだし、お互いを知って仲良くなるのが一番いいかなと思ってああ言ってしまったけれど。一体どうしたのよ? 何か絡まれていたようだけど」
「えーと、校舎裏までお散歩をしましょうと呼び出されて」

 学園ドラマや漫画などでよく見るアレかしら。まさかこちらの世界で目の当たりにすることになるとは思わなかったわ。

 ちなみに私たちはお互いに敬語はやめている。伯爵家のマリーは基本的には丁寧語で話しているけれど、私に対しては規則を理由に敬語をやめるようお願いした。せっかくまた学校生活を送れるわけだし、昔みたいに気楽に話せる友人がほしかったから。

「でも考えてみれば同じ教室に合格者と落選者を放り込んだら、お互いがギスギスするのもわからなくはないわよね。八つ当たりは勘弁してほしいけれど」

 そう言いながら少し考え込んだ。
 前から疑問に思っていたのだけれど、あのお茶会は必要があったのか? というのがなんとなく頭にあった。
 聖女を第一王子の伴侶にすると法が定めているならば、聖女を決めてからその人を婚約者にすればいいだけに思える。
 それが王家の慣例だというなら考える意味もないのだけれど……。


「あ、いけない。そういえば私、明日の授業の事で先生に確認しなきゃいけないことがあったのを忘れていたわ。ライラはもう帰る?」
「そうね、……」

 ふと視線を横に向けると、赤い薔薇の植え込みに青紫色の薔薇が数本混じっているのが見えた。
 先日の、母の「幻の青い薔薇」の話を思い出してつい笑ってしまった。

「やっぱりもう少しいるわ。裏庭に来たのは初めてだし少し眺めて帰る」

 それではまたね、と言い残しマリーが庭を後にした。私は一人残って、目にした青紫の薔薇に触れる。
 ああいうお母様だけど、なんだかんだお父様といい感じで結婚されたことに少しだけ心がくすぐられた。
 もし私が断罪されることになれば我が家は取り潰しになる運命だ。以前は私自身とルーク様の為に未来を変えなければと思っていたけれど、今ではコンスティ家の家族の為にも、と自然に思うようになっていた。



「青い薔薇って珍しいらしいな」
「ひゃぁ⁉」

 誰もいないと思っていたところで急に話しかけられて変な声が出てしまった。

「俺が意地悪をしたみたいに驚かないでくれ。言っておくがさっきからここにいたぜ」

 綺麗に剪定された植え込みの横から、座って足を組んだまま半身をのぞかせる赤髪の生徒がいた。

「ディノ!……グライアム様」

 どうやら植え込みの向こうにベンチが置かれているらしくそこに居たらしい。

「なんでフルネーム? まぁいいけど、ライラ嬢は俺に話しかける時いつも呼びにくそうにしてるよな。無理して様なんて付けなくていいぜ。敬語もいらない、ディノでいい」
「あ、ありがとう。では私の事もライラと」

 冷や汗が出た。ルーク様とマルクス先生以外の攻略対象者は、内心ずっと敬称略で呼んでいたから咄嗟だとこうしてボロが出てしまう。

「ディノはずっとここにいたの?」
「人と待ち合わせ中なんだ。そうしたらなんか変な集団が来て騒ぎ出すもんだからどうしようかと思った」

 クラスメイト相手に冷たい言い方で少しだけムッとした。

「同じ教室の子じゃない。ちょっと声をかけてあげても良かったんじゃない?」
「女の争いに首を突っ込む趣味はないんでね。あんまり酷かったら割って入ったかもしれないけど、俺が何か言ったところでどうせ場所変えて同じこと繰り返すだろうし意味ないだろ」

 端正な顔で呆れたような表情を浮かべる。じっと見つめられるとその顔面の眩しさに頭がくらくらしてきた。
 さすがディノ、あいかわらず抜群の美形だわ。

 実は、私が『GG』を購入したきっかけはディノのイラストだった。
 普段あれだけルーク様連呼をしている私だけれど、一番初めにビジュアルで一目惚れをしたのはディノだったのだ。男っぽいイケメンが好みの私にはどストライクのキャラで、最速で攻略したのも彼だった。
 
「た、たしかに今思えば無視してくれていて良かったかもしれないわ。私も仲裁しやすかったし、ちょっと責める口調になってしまってごめんなさい」
「気にしてねぇよ。それよりライラは精霊学に熱心なんだな。今も先生んとこに行ってたんだろ?」

 私の抱えている教科書に視線を移して尋ねる。うなずくとディノは何とも言えないような苦笑いを浮かべた。

「そこまで根詰めなくてもいいと思うけどな、聖女になるには精霊力の資質も大きく関わるって話だし。まぁいいや。それより青い薔薇が好きなら今度ルークに頼んでみろよ。たしか王宮にもあったはずだから言えばくれるかもしれないぜ」
「え? いや、そんな図々しいお願いなんて出来ません!」

 突然ルーク様の名前を出されて自分でも顔が赤くなったのがわかる。私が婚約者候補なのを知っているから教えてくれたのだろうけど、自分の恋心を認知されているようで無性に恥ずかしくなって顔を背けてしまった。

「じゃ、じゃあ私帰ります。お邪魔しちゃってごめんなさいね」
「おう、また明日な」

 なんだかディノにルーク様のことを話されると調子が狂うわ。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。 【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。 三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。 目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。 私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。 ムーンライトノベルズにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!

春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前! さて、どうやって切り抜けようか? (全6話で完結) ※一般的なざまぁではありません ※他サイト様にも掲載中

家族と移住した先で隠しキャラ拾いました

狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「はい、ちゅーもーっく! 本日わたしは、とうとう王太子殿下から婚約破棄をされました! これがその証拠です!」  ヴィルヘルミーネ・フェルゼンシュタインは、そう言って家族に王太子から届いた手紙を見せた。  「「「やっぱりかー」」」  すぐさま合いの手を入れる家族は、前世から家族である。  日本で死んで、この世界――前世でヴィルヘルミーネがはまっていた乙女ゲームの世界に転生したのだ。  しかも、ヴィルヘルミーネは悪役令嬢、そして家族は当然悪役令嬢の家族として。  ゆえに、王太子から婚約破棄を突きつけられることもわかっていた。  前世の記憶を取り戻した一年前から準備に準備を重ね、婚約破棄後の身の振り方を決めていたヴィルヘルミーネたちは慌てず、こう宣言した。 「船に乗ってシュティリエ国へ逃亡するぞー!」「「「おー!」」」  前世も今も、実に能天気な家族たちは、こうして断罪される前にそそくさと海を挟んだ隣国シュティリエ国へ逃亡したのである。  そして、シュティリエ国へ逃亡し、新しい生活をはじめた矢先、ヴィルヘルミーネは庭先で真っ黒い兎を見つけて保護をする。  まさかこの兎が、乙女ゲームのラスボスであるとは気づかづに――

冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました

ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。 その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。 それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。 記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。 初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。 それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。 だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。 変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。 最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。 これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎

処理中です...