14 / 21
第二章 プレイヤー
14話 出来る事
しおりを挟むダンジョン攻略後。
俺は宿に直帰した。
プランターはギルドに報告しに行ってくれた。
宿は別々にとっていたのだが、これからは同じ宿に泊まる事になった。
彼女の帰る場所は俺が居るところだし、俺が帰る場所も彼女のいる場所となった。
色々あったけど、今は顔が無意識にニヤついてしまうほどには幸せだ。
だってだ、考えてみて欲しい。
自分の押しキャラが自分の部下になって従順で好意的で何よりも触れられる場所にいるんだぜ?
これで幸せじゃないとかいう奴は幸せなど一生味わえんわ。
って言っても不安要素が無い訳じゃ無い。
当然、あのエセ神共だ。
あいつらと会話して分かったことがある。
身体が老化しないせいか、『不老』の効果なのか知らないが、アイツら多分精神も成長していない。
千年も生きているのだから知識はあるだろう、だが知能は変化していない。
親とか教師とか、そう言う押さえつける存在が居なくなった事で同時に成長する事が出来なくなっている。
実際は、あの体は仮想の身体だったはずなので年齢は知らない。
けど、確実に今のあいつらは欲しい物が手に入らなくて駄々をこねるガキのそれだ。
そんな子供でも向こうの世界では力を持たない存在だから、増徴する事は早々無かった。
けれど、この世界は違う。
今のあいつらはこの世界でトップレベルの力を持つ存在だろう、だからこそ増長する事を避けられない。
って言っても俺も同じ状況のはずなんだけどな。
暴走……プランターに俺の神に誓おう、絶対にそんな事にはならないと。
そうしておく事で俺は俺のままでいられる気がする。
ダンジョンで俺は様々な物を手に入れた。
プランターに大量のスキルに拠点に。
本当に様々だ。
メニューからアバターデータを開く。
【レベル】125
【体力】 312,500
【攻撃】 312,500
【速度】 250m/s
【スキル】
『レベル上限消失』
『能力制御・極』
『完全解析』
『能力解析』
『瞬間記憶』
『異次元収納』
『盗み見』
『奪神の忠誠』
【プレイヤースキル】
『メニュー表示』
『マッピング』
『遠隔命令』
『不老』
『エネルギー自動生成』
『睡眠疲労排泄病気無効』
『召喚』
インフレぇぇぇぇ。
まず能力値が限界突破もいいとこだ。
スキルだってゲーム時代じゃ2つしかセットできなかったのに7つもセット出来ている。
奪神の忠誠は特別枠という事で勘弁してほしい。
このスキルスロットは数秒で付け替える事が可能なので戦闘中でも取り外し可能のようだ。
今は便利構成となっている。
『レベル上限消失』
・レベルの上限が消滅する。
『完全解析』
・自他問わず、能力値とスキルを読み取る。
『能力解析』
・魔力に宿る指向性を解析する。
『瞬間記憶』
・感覚にって得た情報を一瞬で固定する。
『異次元収納』
・専用の異次元を作成し、物質を保管する。
・一定質量以上の生物は保管不可。
『盗み見』
・技術を見る事で蓄積する。
・規定量の蓄積率を超えるとスキルとして習得する。
まあ、なんか解り難い言葉が多いが、一言で言えばやばいって事だ。
ちょっとチート染みているが、相手は神なのだし多少はね?
【拠点レベル】 100
【貯蔵金貨】 無量大数/1京……
【金貨製造速度】 600枚/m
【拠点専用スキル】 『貯金額増加』×50『金貨製造速度上昇』×50
【スキルスロット】 100
【ユニット強化】 全ステータス100%向上
【ネクストレベル】 不明
拠点もインフレの彼方ですわ。
京ってなんだよ、そんな数字日常生活で使う事めったにないぞ。
『貯金額増加』と『金貨製造速度上昇』は盗賊連合クラスの拠点専用のスキルだ。
そもそも貯蓄金貨が最大値に達するとかゲーム時代じゃ基本的にありえない。
だから死にスキルだったんだが、今となっては有用なスキルだ。
迷宮攻略で得た力は色々あるが。
ちょっと考える必要があるな。
ちょっとやり過ぎてもいいだろう。
これはあいつらと俺とのお遊びに過ぎないんだから。
まずあいつらは、どう動く?
千年の年月があったって事は確実に奴らの金貨もカンストしている。
千年の時間が有ったって事はその分戦力の最大量も俺とは比較にならないだろう。
千年のアドはマップにも響く。
盗賊連合クラスの得意な戦術が既に崩壊している訳だ。
そう考えれば、リソースの数で圧倒的な差がついている俺はあいつらにとって警戒するべき対象ではない。
そう判断する可能性が高い。
慎重に行動したとしても一人一人分けて来るくらいの事しかしないだろう。
全力戦闘になれば勝ち目は薄いな。
単純なリソースのぶつかり合いじゃ確実に負ける。
であれば、いかに少ないリソースで相手のリソースを以下に多く崩壊させるかが重要になる訳だ。
最適解は、拠点の破壊。
これによって全ての金貨を失えば、相手は魔力によってカードを行使するしか無くなる。
そんなのは微々たるものだ。物の数には入らない。
拠点の破壊ができれば力関係は一気にひっくり返るだろう。
だが、問題は相手が3人いる事。単純の考えて俺の3倍のリソースを持っている事になる。
プランターの能力でひっくり返すか?
いや、限りあるリソースは使用するチャンスを見逃すわけにはいかない。
っでだ。
回答は至極簡単。
相手は全力戦闘では負けないと踏んで攻めて来る。
そのうちに相手の拠点を何とか破壊すれば俺の勝ちだ。
問題は3人が時間をずらして突ってきた時だが、その時は3度それを行うだけだ。
相手もプレイヤー。だったら、レンジェンドランクのワールドランキング一位が引く訳には行かねえな。
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる