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第二章 プレイヤー
14話 出来る事
しおりを挟むダンジョン攻略後。
俺は宿に直帰した。
プランターはギルドに報告しに行ってくれた。
宿は別々にとっていたのだが、これからは同じ宿に泊まる事になった。
彼女の帰る場所は俺が居るところだし、俺が帰る場所も彼女のいる場所となった。
色々あったけど、今は顔が無意識にニヤついてしまうほどには幸せだ。
だってだ、考えてみて欲しい。
自分の押しキャラが自分の部下になって従順で好意的で何よりも触れられる場所にいるんだぜ?
これで幸せじゃないとかいう奴は幸せなど一生味わえんわ。
って言っても不安要素が無い訳じゃ無い。
当然、あのエセ神共だ。
あいつらと会話して分かったことがある。
身体が老化しないせいか、『不老』の効果なのか知らないが、アイツら多分精神も成長していない。
千年も生きているのだから知識はあるだろう、だが知能は変化していない。
親とか教師とか、そう言う押さえつける存在が居なくなった事で同時に成長する事が出来なくなっている。
実際は、あの体は仮想の身体だったはずなので年齢は知らない。
けど、確実に今のあいつらは欲しい物が手に入らなくて駄々をこねるガキのそれだ。
そんな子供でも向こうの世界では力を持たない存在だから、増徴する事は早々無かった。
けれど、この世界は違う。
今のあいつらはこの世界でトップレベルの力を持つ存在だろう、だからこそ増長する事を避けられない。
って言っても俺も同じ状況のはずなんだけどな。
暴走……プランターに俺の神に誓おう、絶対にそんな事にはならないと。
そうしておく事で俺は俺のままでいられる気がする。
ダンジョンで俺は様々な物を手に入れた。
プランターに大量のスキルに拠点に。
本当に様々だ。
メニューからアバターデータを開く。
【レベル】125
【体力】 312,500
【攻撃】 312,500
【速度】 250m/s
【スキル】
『レベル上限消失』
『能力制御・極』
『完全解析』
『能力解析』
『瞬間記憶』
『異次元収納』
『盗み見』
『奪神の忠誠』
【プレイヤースキル】
『メニュー表示』
『マッピング』
『遠隔命令』
『不老』
『エネルギー自動生成』
『睡眠疲労排泄病気無効』
『召喚』
インフレぇぇぇぇ。
まず能力値が限界突破もいいとこだ。
スキルだってゲーム時代じゃ2つしかセットできなかったのに7つもセット出来ている。
奪神の忠誠は特別枠という事で勘弁してほしい。
このスキルスロットは数秒で付け替える事が可能なので戦闘中でも取り外し可能のようだ。
今は便利構成となっている。
『レベル上限消失』
・レベルの上限が消滅する。
『完全解析』
・自他問わず、能力値とスキルを読み取る。
『能力解析』
・魔力に宿る指向性を解析する。
『瞬間記憶』
・感覚にって得た情報を一瞬で固定する。
『異次元収納』
・専用の異次元を作成し、物質を保管する。
・一定質量以上の生物は保管不可。
『盗み見』
・技術を見る事で蓄積する。
・規定量の蓄積率を超えるとスキルとして習得する。
まあ、なんか解り難い言葉が多いが、一言で言えばやばいって事だ。
ちょっとチート染みているが、相手は神なのだし多少はね?
【拠点レベル】 100
【貯蔵金貨】 無量大数/1京……
【金貨製造速度】 600枚/m
【拠点専用スキル】 『貯金額増加』×50『金貨製造速度上昇』×50
【スキルスロット】 100
【ユニット強化】 全ステータス100%向上
【ネクストレベル】 不明
拠点もインフレの彼方ですわ。
京ってなんだよ、そんな数字日常生活で使う事めったにないぞ。
『貯金額増加』と『金貨製造速度上昇』は盗賊連合クラスの拠点専用のスキルだ。
そもそも貯蓄金貨が最大値に達するとかゲーム時代じゃ基本的にありえない。
だから死にスキルだったんだが、今となっては有用なスキルだ。
迷宮攻略で得た力は色々あるが。
ちょっと考える必要があるな。
ちょっとやり過ぎてもいいだろう。
これはあいつらと俺とのお遊びに過ぎないんだから。
まずあいつらは、どう動く?
千年の年月があったって事は確実に奴らの金貨もカンストしている。
千年の時間が有ったって事はその分戦力の最大量も俺とは比較にならないだろう。
千年のアドはマップにも響く。
盗賊連合クラスの得意な戦術が既に崩壊している訳だ。
そう考えれば、リソースの数で圧倒的な差がついている俺はあいつらにとって警戒するべき対象ではない。
そう判断する可能性が高い。
慎重に行動したとしても一人一人分けて来るくらいの事しかしないだろう。
全力戦闘になれば勝ち目は薄いな。
単純なリソースのぶつかり合いじゃ確実に負ける。
であれば、いかに少ないリソースで相手のリソースを以下に多く崩壊させるかが重要になる訳だ。
最適解は、拠点の破壊。
これによって全ての金貨を失えば、相手は魔力によってカードを行使するしか無くなる。
そんなのは微々たるものだ。物の数には入らない。
拠点の破壊ができれば力関係は一気にひっくり返るだろう。
だが、問題は相手が3人いる事。単純の考えて俺の3倍のリソースを持っている事になる。
プランターの能力でひっくり返すか?
いや、限りあるリソースは使用するチャンスを見逃すわけにはいかない。
っでだ。
回答は至極簡単。
相手は全力戦闘では負けないと踏んで攻めて来る。
そのうちに相手の拠点を何とか破壊すれば俺の勝ちだ。
問題は3人が時間をずらして突ってきた時だが、その時は3度それを行うだけだ。
相手もプレイヤー。だったら、レンジェンドランクのワールドランキング一位が引く訳には行かねえな。
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