私の痛みを知るあなたになら、全てを捧げても構わない

高校三年生の若草海歌は学校内での精神的な陰口や暴言を苦に、駅のホームから飛び降りようとしていた所を葛本椎名に助けられる。
彼は学校外で、親族たちから肉体的な暴力を受けていた。
形は違えど同じ苦しみを抱く二人は、ある誓いを立てる。

「私と一緒に、命を断っていただけますか」
「決まってんだろ」

海歌は葛本のために生きると決意するが…。

「もう一度人生をやり直しませんか」

過去をやり直さないかとある人物から誘われた海歌は、葛本と交わした約束の狭間で苦悩する。

「あなたには、葛本椎名か山王丸和光との結婚を命じます」

母親に命じられた海歌は、ニつの選択肢を前にして揺れ動く。
このまま葛本と共に生きるべきか、彼と共に命を落とすべきかーー。

「あなたがどんな選択肢をしようとも。三月三日十五時三十三分に、世界は滅亡します」

衝撃的な言葉を告げられた海歌は葛本と共に、それが嘘だという方に賭けーー。


*

場所が変われば、立場も変化する。

学校内では明るく元気、一度外に出れば親族から肉体的な暴行を受ける少年×学校内ではクラスメイトから精神的な加害を受けるが、一族の中では次期当主として崇められる本家筋のお嬢様。

人生に絶望した二人が心を通わせた時、世界はキラキラと光り輝く。



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