47 / 58
<2回目>6月6日 まどか視点
警察の人と一緒に
しおりを挟む
「い、行っちゃった……」
「……今日も集合時間ギリギリだ。委員長に、怒られないといいけど」
「なぁん」
「そっちより、わたしはノワールのことを言われるのがこわいよ……」
裏庭へ放し飼いにして、迷子になっちゃっても困るし……!
このまま一緒にいなきゃいけないのは、確定してるんだけどね!?
うぅ。朝から憂鬱だよ……!
「あっ! いたー! まどちゃーん! まっつん! おはよー!」
「霧風。松本。何やってる。早く来い」
胃が痛いなぁって思ってたらね?
委員長と恵麻ちゃんに声をかけられたんだ。
見覚えのない男の人達を三人連れてるけど……。
あれが二人のお父さん……?
でも、一人多いような……?
「おはよう」
「にゃあん」
松本くんの声に反応したノワールは、「こんにちは」って、恵麻ちゃんと委員長に挨拶するように甘えた声を出したんだ。
恵麻ちゃんはノワールの可愛さに目を輝かせて、大喜び。
瞳がハートになっちゃってるよ!
「わ! かわいー! 黒猫だー!」
「……なぜ猫がいる」
「あ、あのね! これには、事情があって……!」
「はじめまして! 名前は?」
「ノワール」
「めっちゃシャレオツ~!」
恵麻ちゃんって、動物が好きなのかな?
なんだか、ちょっぴり意外。
松本くんとも、話が合いそうだね!
わたしはにこにこと満面の笑みを、浮かべて恵麻ちゃんが黒猫と戯れる様子を見守っていたんだけど……。
委員長から、背筋が凍るような冷たい空気が流れ込んで来たことに気づいたの。
わたしは慌てて、身を引き締めたんだ。
これからバス会社と話し合いをするのに……。
緊張感がなさすぎだって。
委員長に怒られても、おかしくないでしょ?
そう、反省したからだよ!
「……今はいい。とにかく、行くぞ」
「え? あ、うん……!」
だけど……。
いつまで経っても、委員長の雷は落ちなかったんだ。
あれ? てっきり、怒られると思ってたのに……!
委員長はスタスタと、校門の右側へ止められた黄色い三台のバスの方へ、お父さん達を連れて歩いていっちゃった。
わたしもノワールを抱きかかえた松本くんや恵麻ちゃんと一緒に、並んで歩く。
「霧風。僕達の乗ったバスは、何号車だった」
「えっと、二号車だよ!」
「ここだな」
委員長はものおじすることなく――トントンって、バスのドアをたたく。
閉まっていたはずのドアは、すぐに内側からプシューって音とともに、開け放たれたんだけど……。
目を擦っている運転手さんは、なんだか顔色が悪いような……?
「はじめまして。きらめき中学校の生徒です」
委員長は当然のようにバスへ乗り込んだから、わたし達も慌ててぞろぞろと着いて行く。もしも、このまま急発進したら。
全員まとめて、助からないかもしれないなぁって……。
不吉なことを、考えながら……。
「はぁ……。生徒さんが、一体なんのご用で?」
「突然ですが、車内の安全確認をさせてください」
「……なんだって?」
「ああ。ちょっとごめんな。坊や。申し遅れました。私ら、こう言うものなんですわ」
委員長を押しのけたスーツ姿の男性は、バスに乗り込むと、胸ポケットから黒い手帳を取り出したの。
最初はそれが何か、よくわからなかったけど……。
「ひっ。け、警察!?」
「どーも。匿名で、通報があったもんでね。オタクのバス会社、法定検査をサボってるとか……」
「そ、そんなこと!」
「子ども達の安全にかかわることなんで、これは確かめなきゃって話になったんですわ。ご協力、お願いできますね?」
「う……」
スーツの男性は、恵麻ちゃんのパパとバディを組んでる、警察の人なんだって!
もう、びっくりしちゃった!
運転手さんも、逆らえないみたいで……。
委員長のお父さんは許可を得ると、さっそく安全確認を始めたの。
「……今日も集合時間ギリギリだ。委員長に、怒られないといいけど」
「なぁん」
「そっちより、わたしはノワールのことを言われるのがこわいよ……」
裏庭へ放し飼いにして、迷子になっちゃっても困るし……!
このまま一緒にいなきゃいけないのは、確定してるんだけどね!?
うぅ。朝から憂鬱だよ……!
「あっ! いたー! まどちゃーん! まっつん! おはよー!」
「霧風。松本。何やってる。早く来い」
胃が痛いなぁって思ってたらね?
委員長と恵麻ちゃんに声をかけられたんだ。
見覚えのない男の人達を三人連れてるけど……。
あれが二人のお父さん……?
でも、一人多いような……?
「おはよう」
「にゃあん」
松本くんの声に反応したノワールは、「こんにちは」って、恵麻ちゃんと委員長に挨拶するように甘えた声を出したんだ。
恵麻ちゃんはノワールの可愛さに目を輝かせて、大喜び。
瞳がハートになっちゃってるよ!
「わ! かわいー! 黒猫だー!」
「……なぜ猫がいる」
「あ、あのね! これには、事情があって……!」
「はじめまして! 名前は?」
「ノワール」
「めっちゃシャレオツ~!」
恵麻ちゃんって、動物が好きなのかな?
なんだか、ちょっぴり意外。
松本くんとも、話が合いそうだね!
わたしはにこにこと満面の笑みを、浮かべて恵麻ちゃんが黒猫と戯れる様子を見守っていたんだけど……。
委員長から、背筋が凍るような冷たい空気が流れ込んで来たことに気づいたの。
わたしは慌てて、身を引き締めたんだ。
これからバス会社と話し合いをするのに……。
緊張感がなさすぎだって。
委員長に怒られても、おかしくないでしょ?
そう、反省したからだよ!
「……今はいい。とにかく、行くぞ」
「え? あ、うん……!」
だけど……。
いつまで経っても、委員長の雷は落ちなかったんだ。
あれ? てっきり、怒られると思ってたのに……!
委員長はスタスタと、校門の右側へ止められた黄色い三台のバスの方へ、お父さん達を連れて歩いていっちゃった。
わたしもノワールを抱きかかえた松本くんや恵麻ちゃんと一緒に、並んで歩く。
「霧風。僕達の乗ったバスは、何号車だった」
「えっと、二号車だよ!」
「ここだな」
委員長はものおじすることなく――トントンって、バスのドアをたたく。
閉まっていたはずのドアは、すぐに内側からプシューって音とともに、開け放たれたんだけど……。
目を擦っている運転手さんは、なんだか顔色が悪いような……?
「はじめまして。きらめき中学校の生徒です」
委員長は当然のようにバスへ乗り込んだから、わたし達も慌ててぞろぞろと着いて行く。もしも、このまま急発進したら。
全員まとめて、助からないかもしれないなぁって……。
不吉なことを、考えながら……。
「はぁ……。生徒さんが、一体なんのご用で?」
「突然ですが、車内の安全確認をさせてください」
「……なんだって?」
「ああ。ちょっとごめんな。坊や。申し遅れました。私ら、こう言うものなんですわ」
委員長を押しのけたスーツ姿の男性は、バスに乗り込むと、胸ポケットから黒い手帳を取り出したの。
最初はそれが何か、よくわからなかったけど……。
「ひっ。け、警察!?」
「どーも。匿名で、通報があったもんでね。オタクのバス会社、法定検査をサボってるとか……」
「そ、そんなこと!」
「子ども達の安全にかかわることなんで、これは確かめなきゃって話になったんですわ。ご協力、お願いできますね?」
「う……」
スーツの男性は、恵麻ちゃんのパパとバディを組んでる、警察の人なんだって!
もう、びっくりしちゃった!
運転手さんも、逆らえないみたいで……。
委員長のお父さんは許可を得ると、さっそく安全確認を始めたの。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
佐藤さんの四重奏
makoto(木城まこと)
児童書・童話
佐藤千里は小学5年生の女の子。昔から好きになるものは大抵男子が好きになるもので、女子らしくないといじめられたことを機に、本当の自分をさらけ出せなくなってしまう。そんな中、男子と偽って出会った佐藤陽がとなりのクラスに転校してきて、千里の本当の性別がバレてしまい――?
弦楽器を通じて自分らしさを見つける、小学生たちの物語。
第2回きずな児童書大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます!
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
ご当地アイドルなんか、余裕だし!
りりぃこ
児童書・童話
有名プロデューサーによるアイドルオーディションを楽しみにしていた小学六年生の牧村コノハ。しかし田舎への引っ越しにより、そのオーディションは断念するしか無かった。
しかし、引っ越し先で、ボーイッシュな同級生の爽香から、ご当地アイドルのオーディションに誘われる。
爽香と、上がり症の中学生・小波と共にオーディションに合格したコノハは、ご当地アイドルとして、当初の予定とは少し違う、地元密着型のご当地アイドルとしての道を進んでいくことになる。
表紙 イラストACより
【完結】てのひらは君のため
星名柚花
児童書・童話
あまりの暑さで熱中症になりかけていた深森真白に、美少年が声をかけてきた。
彼は同じ中学に通う一つ年下の男子、成瀬漣里。
無口、無表情、無愛想。
三拍子そろった彼は入学早々、上級生を殴った不良として有名だった。
てっきり怖い人かと思いきや、不良を殴ったのはイジメを止めるためだったらしい。
話してみると、本当の彼は照れ屋で可愛かった。
交流を深めていくうちに、真白はどんどん漣里に惹かれていく。
でも、周囲に不良と誤解されている彼との恋は前途多難な様子で…?
化け猫ミッケと黒い天使
ひろみ透夏
児童書・童話
運命の人と出会える逢生橋――。
そんな言い伝えのある橋の上で、化け猫《ミッケ》が出会ったのは、幽霊やお化けが見える小学五年生の少女《黒崎美玲》。
彼女の家に居候したミッケは、やがて美玲の親友《七海萌》や、内気な級友《蜂谷優斗》、怪奇クラブ部長《綾小路薫》らに巻き込まれて、様々な怪奇現象を体験する。
次々と怪奇現象を解決する《美玲》。しかし《七海萌》の暴走により、取り返しのつかない深刻な事態に……。
そこに現れたのは、妖しい能力を持った青年《四聖進》。彼に出会った事で、物語は急展開していく。
幽霊鬼ごっこ
西羽咲 花月
児童書・童話
このキズナ小学校には「幽霊鬼ごっこ」の噂がある
放課後になると学校のどこかで幽霊との鬼ごっこが始まって
それは他者には見えないらしい
そんな噂がまさか本当だったなんて!?
おばあちゃんのおかず。
kitahara
児童書・童話
懐かしい…
懐かしいけれど、作れない…。
懐かしいから食べたい…。
おばあちゃんの思い出は…どこか懐かしくあたたかいな…。
家族のひとくくり。
想いを。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる