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<2回目>6月5日 まどか視点
足止め
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「受け持った子ども達が、先生の判断ミスで命を落としたなら……。中止にした時より、もっと酷い罵倒を保護者から受けることになります」
「遠野くんに心配されるようなことでは、ありません!」
「すべての事実が明らかになった時、担任の先生は力になってくれなかったと、僕達の口から説明してもいいんだな」
「う……っ。それは……!」
委員長はバリケード越しに、先生の説得を続けてる。
わたし達の仲間に、引き入れようとしてくれてるみたい。
まさかの展開に、びっくりしちゃった!
でもね? この状況は、修学旅行に参加したいって思っていたクラスメイト達の心を動かすことにも、一役買ってくれたんだ。
「先生に怒られたりしなければ……」
「うん。委員長も、みんなと同じ考えみたいだし……」
「ほんと!? みんな、ありがとう!」
委員長が、先生が説得してる途中だけど……。
松本くんがみんなへ丁寧に説明してくれたおかげで、全員の協力を取りつけられたよ!
あとは、当日を迎えるだけだね!
「委員長! まどちゃん達、オッケーぽいよー!」
「……わかった」
恵麻ちゃんの声を聞いた委員長は、みんなで一緒に作ったバリケードを退かし始めたの。
話し合いが済んだなら、立て籠もってる必要はないって考えたのかも。
「委員長! わたしも……!」
「霧風」
一箇所に集めた椅子や机を一人で元に戻すのは、大変だよね?
わたしは委員長の、お手伝いをしようって決めたんだけど……。
松本くんがわたしの名字を呼んで、呼び止めたんだ。
目を合わせたら、瞳が不安そうに揺れてるって気づいたの。
委員長の方に行ったら、わたしまで怒られちゃうよって、心配してくれてるのかも。
「――悪いのは、変なこと言ったわたしだもん。ちゃんと、伝えなくちゃ!」
でもね。
このままわたしだけ、安全なところになんていられないよ……!
「霧風……っ!」
悲痛な松本くんの声を聞きながら、わたしは椅子と机を退かす為に、委員長と恵麻ちゃんがいる前方のドアまで走り出したの。
「あれー? まどちゃん。いいの? まっつん、一緒に居てほしそーにしてるのにさ?」
「恵麻ちゃんだって……! ここに居たら、巻き込まれちゃうよ?」
「私の携帯から電話かけてるって、番号見ればすぐわかっちゃうし。私は委員長と、レンタクだからねー」
「レンタル……?」
「一蓮托生だ」
聞いたことのない単語を聞き返せば、委員長が互いに支え合い、どんな困難も一緒になって乗り越えるって意味だと教えてくれたの。
わぁ。二人にぴったり!
恵麻ちゃんと遠野くんは、難しい言葉を知ってるんだね!
わたしは感心しながら。
ドアの鍵と扉を開けて、顔を合わせた先生に向かって叫んだの。
「先生! 委員長のこと、怒らないでください! 全部、わたしが悪いんです!」
「き、霧風さん……?」
委員長が出てくると思ってたから、先生は目を見開いて驚いてる。
その隙に、あざかちゃんと海斗くんが後ろのドアを開けて、クラスのみんなを誘導したんだ。
「みんな! こっちよ!」
「忘れものに気をつけろー」
「な……っ!」
先生はみんなが荷物を持って出ていくのを、止めようとしたんだ。
でもね? わたしがいる限り、そんなことは絶対にさせないよ!
「先生!」
わたしは必死に先生の右手にしがみつくと、皆の方へ行かないよう足止めしたんだ。
「遠野くんに心配されるようなことでは、ありません!」
「すべての事実が明らかになった時、担任の先生は力になってくれなかったと、僕達の口から説明してもいいんだな」
「う……っ。それは……!」
委員長はバリケード越しに、先生の説得を続けてる。
わたし達の仲間に、引き入れようとしてくれてるみたい。
まさかの展開に、びっくりしちゃった!
でもね? この状況は、修学旅行に参加したいって思っていたクラスメイト達の心を動かすことにも、一役買ってくれたんだ。
「先生に怒られたりしなければ……」
「うん。委員長も、みんなと同じ考えみたいだし……」
「ほんと!? みんな、ありがとう!」
委員長が、先生が説得してる途中だけど……。
松本くんがみんなへ丁寧に説明してくれたおかげで、全員の協力を取りつけられたよ!
あとは、当日を迎えるだけだね!
「委員長! まどちゃん達、オッケーぽいよー!」
「……わかった」
恵麻ちゃんの声を聞いた委員長は、みんなで一緒に作ったバリケードを退かし始めたの。
話し合いが済んだなら、立て籠もってる必要はないって考えたのかも。
「委員長! わたしも……!」
「霧風」
一箇所に集めた椅子や机を一人で元に戻すのは、大変だよね?
わたしは委員長の、お手伝いをしようって決めたんだけど……。
松本くんがわたしの名字を呼んで、呼び止めたんだ。
目を合わせたら、瞳が不安そうに揺れてるって気づいたの。
委員長の方に行ったら、わたしまで怒られちゃうよって、心配してくれてるのかも。
「――悪いのは、変なこと言ったわたしだもん。ちゃんと、伝えなくちゃ!」
でもね。
このままわたしだけ、安全なところになんていられないよ……!
「霧風……っ!」
悲痛な松本くんの声を聞きながら、わたしは椅子と机を退かす為に、委員長と恵麻ちゃんがいる前方のドアまで走り出したの。
「あれー? まどちゃん。いいの? まっつん、一緒に居てほしそーにしてるのにさ?」
「恵麻ちゃんだって……! ここに居たら、巻き込まれちゃうよ?」
「私の携帯から電話かけてるって、番号見ればすぐわかっちゃうし。私は委員長と、レンタクだからねー」
「レンタル……?」
「一蓮托生だ」
聞いたことのない単語を聞き返せば、委員長が互いに支え合い、どんな困難も一緒になって乗り越えるって意味だと教えてくれたの。
わぁ。二人にぴったり!
恵麻ちゃんと遠野くんは、難しい言葉を知ってるんだね!
わたしは感心しながら。
ドアの鍵と扉を開けて、顔を合わせた先生に向かって叫んだの。
「先生! 委員長のこと、怒らないでください! 全部、わたしが悪いんです!」
「き、霧風さん……?」
委員長が出てくると思ってたから、先生は目を見開いて驚いてる。
その隙に、あざかちゃんと海斗くんが後ろのドアを開けて、クラスのみんなを誘導したんだ。
「みんな! こっちよ!」
「忘れものに気をつけろー」
「な……っ!」
先生はみんなが荷物を持って出ていくのを、止めようとしたんだ。
でもね? わたしがいる限り、そんなことは絶対にさせないよ!
「先生!」
わたしは必死に先生の右手にしがみつくと、皆の方へ行かないよう足止めしたんだ。
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