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<2回目>6月4日(2) まどか視点
お母さんとみんなの会話
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「ごめんね、みんな! わたしの部屋は、二階だよ!」
「ちょっと、まどか。その前に、着替えて来なきゃでしょ」
「あっ! そうだった!」
あざかちゃんから指摘を受けたわたしは、みんなを自分の部屋へ案内したら制服から私服へ着替えられないことに気づいたの。
でも、リビングには、お母さんがいるし……。
みんなと一緒に待ってもらうのは、どうなんだろう?
「ノワールと松本くんの面倒を見るのは、あたし達に任せなさい」
「ちょ、ちょっと待ってて!」
あざかちゃんの力強い声に後押しされて、廊下を走る。
急いでリビングにいるお母さんへ、許可を取らないといけないって思ったからだよ!
「お母さん!」
ドアを開ければ、お母さんは椅子に座ってニュース番組を見てるところだった。
わたしが凄い勢いで、リビングへ駆け込んだせいだよね?
何事なのかって、目を丸くしてるのがとっても印象的で……。
わたしは申し訳無さでいっぱいになったの。
ごめんね、お母さん。
朝っぱらから意味不明な言動をしたかと思ったら、連絡もなしにみんなを連れてきちゃって。
これからもっと迷惑をかけちゃうかもしれないけど。
わたしが死ぬよりはマシだって、思ってもらえるといいなぁ。
「あら、まどか。お帰りなさい。どうしたの? そんなに急いで……」
「あのね! 友達が遊びに来たの! わたしが着替え終わるまで、リビングにいてもいいかな!?」
「まぁ。お友達が来てるの? もちろんよ。今、飲み物を準備するわね」
「四人分、お願い!」
やったあ!
お母さんから、許可をもらったよ!
わたしはダッシュで来た道を戻ると、三人をリビングへ案内したの。
「みんな! お待たせ! ひとまず、リビングへどうぞ!」
「ありがと、まどか」
「んじゃ、邪魔すんぜ」
「お邪魔します……」
靴を揃えてみんなが玄関からリビングへ移動したタイミングを見計らって、わたしはドタバタと階段を駆け上がったの。
制服を脱ぎ散らかしたまマジゃ、みんなを部屋に案内できないもん!
ちゃんとハンガーにかけて、クローゼットから引っ張り出してきた私服に着替える。
パジャマじゃなければ、なんでもいいや!
黒猫が大きく描かれたプリントTシャツと、デニム生地のプリーツスカートを引っ張り出して身につければ、準備は万端だよ!
ドタバタと転げ落ちないように、急いで階段を降りてリビングに戻れば――。
「まどかには、あざかちゃんしかお友達がいないんじゃないかって心配してたのよ」
「霧風さんは、友達が多い方っすよ。なぁ?」
「家に呼ぶほどの仲ではないだろうけど、そうね」
「男の子を連れてくるようになるなんて……まどかも年頃になったわねぇ」
「あー。感動してるところ申し訳ないっす。そう言うのは、拓真だけなんで、よろしくお願いしまーす」
「海斗」
「霧風がいない今がチャンスってこと。お母さんにアピールしとけ。外堀埋めとけば、後々楽だぞー」
わたしがいない間に、みんなはお母さんとすっかり打ち解けてた。
海斗くんは敬語を交えて、松本くんを猛プッシュしてる。
松本くんはあんまりお話したくないみたいで、海斗くんを嫌そうに見つめてるのが印象的だった。
「拓真、くん? うちのまどかを、お願いね」
「……いえ。俺の気持ちだけじゃ、どうにもならないので……」
「あら、大人なのね? うちのまどかは、ほら。子どもっぽいところがあるでしょう?」
「そうっすよね?」
「海斗。怒るぞ」
「こわくねーし?」
「拓真くんのような大人っぽい男の子は、まどかにピッタリだと思うのよ」
「よかったわね。松本くん。まどかママに気に入られて!」
「いや……だから……」
松本くんは幼馴染コンビに茶化されて、うんざりしているみたい。
今すぐ割って入ったら、きっと話題を変えられるよね!
わたしは勢いよく、リビングへ飛び込んだの。
「ちょっと、まどか。その前に、着替えて来なきゃでしょ」
「あっ! そうだった!」
あざかちゃんから指摘を受けたわたしは、みんなを自分の部屋へ案内したら制服から私服へ着替えられないことに気づいたの。
でも、リビングには、お母さんがいるし……。
みんなと一緒に待ってもらうのは、どうなんだろう?
「ノワールと松本くんの面倒を見るのは、あたし達に任せなさい」
「ちょ、ちょっと待ってて!」
あざかちゃんの力強い声に後押しされて、廊下を走る。
急いでリビングにいるお母さんへ、許可を取らないといけないって思ったからだよ!
「お母さん!」
ドアを開ければ、お母さんは椅子に座ってニュース番組を見てるところだった。
わたしが凄い勢いで、リビングへ駆け込んだせいだよね?
何事なのかって、目を丸くしてるのがとっても印象的で……。
わたしは申し訳無さでいっぱいになったの。
ごめんね、お母さん。
朝っぱらから意味不明な言動をしたかと思ったら、連絡もなしにみんなを連れてきちゃって。
これからもっと迷惑をかけちゃうかもしれないけど。
わたしが死ぬよりはマシだって、思ってもらえるといいなぁ。
「あら、まどか。お帰りなさい。どうしたの? そんなに急いで……」
「あのね! 友達が遊びに来たの! わたしが着替え終わるまで、リビングにいてもいいかな!?」
「まぁ。お友達が来てるの? もちろんよ。今、飲み物を準備するわね」
「四人分、お願い!」
やったあ!
お母さんから、許可をもらったよ!
わたしはダッシュで来た道を戻ると、三人をリビングへ案内したの。
「みんな! お待たせ! ひとまず、リビングへどうぞ!」
「ありがと、まどか」
「んじゃ、邪魔すんぜ」
「お邪魔します……」
靴を揃えてみんなが玄関からリビングへ移動したタイミングを見計らって、わたしはドタバタと階段を駆け上がったの。
制服を脱ぎ散らかしたまマジゃ、みんなを部屋に案内できないもん!
ちゃんとハンガーにかけて、クローゼットから引っ張り出してきた私服に着替える。
パジャマじゃなければ、なんでもいいや!
黒猫が大きく描かれたプリントTシャツと、デニム生地のプリーツスカートを引っ張り出して身につければ、準備は万端だよ!
ドタバタと転げ落ちないように、急いで階段を降りてリビングに戻れば――。
「まどかには、あざかちゃんしかお友達がいないんじゃないかって心配してたのよ」
「霧風さんは、友達が多い方っすよ。なぁ?」
「家に呼ぶほどの仲ではないだろうけど、そうね」
「男の子を連れてくるようになるなんて……まどかも年頃になったわねぇ」
「あー。感動してるところ申し訳ないっす。そう言うのは、拓真だけなんで、よろしくお願いしまーす」
「海斗」
「霧風がいない今がチャンスってこと。お母さんにアピールしとけ。外堀埋めとけば、後々楽だぞー」
わたしがいない間に、みんなはお母さんとすっかり打ち解けてた。
海斗くんは敬語を交えて、松本くんを猛プッシュしてる。
松本くんはあんまりお話したくないみたいで、海斗くんを嫌そうに見つめてるのが印象的だった。
「拓真、くん? うちのまどかを、お願いね」
「……いえ。俺の気持ちだけじゃ、どうにもならないので……」
「あら、大人なのね? うちのまどかは、ほら。子どもっぽいところがあるでしょう?」
「そうっすよね?」
「海斗。怒るぞ」
「こわくねーし?」
「拓真くんのような大人っぽい男の子は、まどかにピッタリだと思うのよ」
「よかったわね。松本くん。まどかママに気に入られて!」
「いや……だから……」
松本くんは幼馴染コンビに茶化されて、うんざりしているみたい。
今すぐ割って入ったら、きっと話題を変えられるよね!
わたしは勢いよく、リビングへ飛び込んだの。
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