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<2回目>6月4日(2) まどか視点
下校時間
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「委員長ー。一緒に帰ろ!」
「なぜ僕が……」
「まどちゃんがいると、ガミガミ叱りつけちゃうでしょ? うちになら、いつでも怒っていいけどー?」
「……ふん」
授業が終わると、牧野くんは恵麻ちゃんと一緒に帰って行った。
「ねぇ、さっきの話……」
「委員長を怒らせるとこわいし……」
「でもさ……? 今は二対四だよ……?」
「修学旅行って、中止になったらどうなんだ?」
「休みになるなら、そっちにした方がよくね?」
クラスのみんなは、どっちにつくか迷ってるみたい。
わたし達がいたら、ゆっくり考えられないよね?
急いで机の中に入れておいた文房具と教科書を鞄へ仕舞うと、席を立ってみんなと合流したの。
「あざかちゃん!」
「まどか……。あんたは、ほんとに!」
「ご、ごめんね。ありがとう……!」
「お礼を言うのはまだ早いわ。全部終わってからにして」
「うん……っ」
あざかちゃんは泣きそうなわたしに突き放すような言葉をかけると、頑張れって背中を押してくれたんだ。
泣くのも、お礼を言うのも、まだ早い。
その通りだよね!
わたしはもっと、頑張らなくちゃ……!
「おいおい。オレ達のこと、忘れてね?」
「当然でしょ! 協力してなんて、頼んでないもの」
「あざかちゃん! 海斗くんの言うことは……」
「……俺達のことは、気にしなくていいから」
「松本くんも……ありがとう。ごめんね。巻き込んで……」
お礼が遅れちゃったことも、謝らないといけないよね。
そう思って、言葉を紡いたんだけど……。
なんだか悲しい気持ちになってきちゃった。
わたしが変なことを言ったせいで、クラスのみんなを困惑させてる。
三人のことだって、巻き込んで……。
問題児だって、先生に思われてもおかしくない。
内申点だって、下がっちゃうかも。
もしも、そうなっちゃったら。
高校受験にも響くよね?
松本くんは学年で上から数えた方が早い成績だし、あざかちゃんと海斗くんだって頭の出来は悪くない。
下から数えた方が早いわたしの味方をしたせいで、未来に悪い影響が出たら……。
わたし、どうやってみんなに責任を取ればいいのかなぁ……?
「わたしのせいで、先生から嫌われる可能性だって……」
将来なりたい職業を目指すための学校に、通えなくなる。
それって命を失うのと同じくらい、取り返しのつかないことだよね……?
「霧風」
そう思ったら、申し訳なさすぎて。
みんなと目を、合わせられなくなっちゃった。
眉を伏せてたら、男の子の声で名字を呼ばれたんだ。
はっと顔を上げたら、真剣な表情をしてる松本くんと視線が交じり合う。
「心配する必要なんて、ないから」
「……松本くん……?」
「霧風には、俺達がついてる」
わたしを勇気づける為に、松本くんは安心させるような言葉をかけてくれたんだ。
頼りになるなぁって思う反面、本当に寄りかかってもいいのかなって。
不安な気持ちでいっぱいだったけど……。
「霧風は、いつもみたいに笑ってて」
「松本くん……」
「そうよ。まどかの取り柄は、明るく元気なところでしょ?」
「霧風が笑顔だと、あざかも機嫌はいいもんな?」
「あたしは関係ないでしょ!?」
「いやー。鈍感な幼馴染を持つとほんと苦労するわー」
「何が!?」
あざかちゃんは海斗くんの言葉が気に食わなかったみたいで、またいつもみたいに言い争いを始めちゃった。
ほんとに仲良しさんだなぁ。
わたしはみんなに言われた通り、笑顔を浮かべて気持ちを切り替えたんだ。
「うん。やっぱり、霧風は笑顔の方がいいよ」
「えへへ。そうかなぁ?」
「うん。かわいい」
「へ……っ!?」
そしたら、松本くんから思いがけない感想を受け取ったの。
本当にびっくりして、変な声が出ちゃった。
松本くんはわたしのどこに、かわいさを見いだしたんだろう……?
「おいおい、いいのか? 親友ちゃんが、拓真に口説かれてんぜ」
「茶化すのはやめなさいよ。やる気を無くしたら、どうするつもり?」
「まー、そん時は、笑うしかねぇだろ」
「……海斗。帰ろう」
「はいよ」
「ちょっと! 置いて行かないでよ!」
松本くんから声をかけられた海斗くんは、鞄を肩に載せて椅子から立ち上がったの。
前の席に座っていたあざかちゃんも、慌てて海斗くんの隣に並び立つ。
わたしは、どうしよう?
教室を出たわたし達は松本くんを先頭に、自転車置き場を目指して廊下を歩く。
幼馴染コンビと3人で横並びになったら、他の生徒さん達に迷惑だよね?
わたしは迷った末に、二人の数歩後ろをトボトボと着いて行こうって決めたんだ。
「なぜ僕が……」
「まどちゃんがいると、ガミガミ叱りつけちゃうでしょ? うちになら、いつでも怒っていいけどー?」
「……ふん」
授業が終わると、牧野くんは恵麻ちゃんと一緒に帰って行った。
「ねぇ、さっきの話……」
「委員長を怒らせるとこわいし……」
「でもさ……? 今は二対四だよ……?」
「修学旅行って、中止になったらどうなんだ?」
「休みになるなら、そっちにした方がよくね?」
クラスのみんなは、どっちにつくか迷ってるみたい。
わたし達がいたら、ゆっくり考えられないよね?
急いで机の中に入れておいた文房具と教科書を鞄へ仕舞うと、席を立ってみんなと合流したの。
「あざかちゃん!」
「まどか……。あんたは、ほんとに!」
「ご、ごめんね。ありがとう……!」
「お礼を言うのはまだ早いわ。全部終わってからにして」
「うん……っ」
あざかちゃんは泣きそうなわたしに突き放すような言葉をかけると、頑張れって背中を押してくれたんだ。
泣くのも、お礼を言うのも、まだ早い。
その通りだよね!
わたしはもっと、頑張らなくちゃ……!
「おいおい。オレ達のこと、忘れてね?」
「当然でしょ! 協力してなんて、頼んでないもの」
「あざかちゃん! 海斗くんの言うことは……」
「……俺達のことは、気にしなくていいから」
「松本くんも……ありがとう。ごめんね。巻き込んで……」
お礼が遅れちゃったことも、謝らないといけないよね。
そう思って、言葉を紡いたんだけど……。
なんだか悲しい気持ちになってきちゃった。
わたしが変なことを言ったせいで、クラスのみんなを困惑させてる。
三人のことだって、巻き込んで……。
問題児だって、先生に思われてもおかしくない。
内申点だって、下がっちゃうかも。
もしも、そうなっちゃったら。
高校受験にも響くよね?
松本くんは学年で上から数えた方が早い成績だし、あざかちゃんと海斗くんだって頭の出来は悪くない。
下から数えた方が早いわたしの味方をしたせいで、未来に悪い影響が出たら……。
わたし、どうやってみんなに責任を取ればいいのかなぁ……?
「わたしのせいで、先生から嫌われる可能性だって……」
将来なりたい職業を目指すための学校に、通えなくなる。
それって命を失うのと同じくらい、取り返しのつかないことだよね……?
「霧風」
そう思ったら、申し訳なさすぎて。
みんなと目を、合わせられなくなっちゃった。
眉を伏せてたら、男の子の声で名字を呼ばれたんだ。
はっと顔を上げたら、真剣な表情をしてる松本くんと視線が交じり合う。
「心配する必要なんて、ないから」
「……松本くん……?」
「霧風には、俺達がついてる」
わたしを勇気づける為に、松本くんは安心させるような言葉をかけてくれたんだ。
頼りになるなぁって思う反面、本当に寄りかかってもいいのかなって。
不安な気持ちでいっぱいだったけど……。
「霧風は、いつもみたいに笑ってて」
「松本くん……」
「そうよ。まどかの取り柄は、明るく元気なところでしょ?」
「霧風が笑顔だと、あざかも機嫌はいいもんな?」
「あたしは関係ないでしょ!?」
「いやー。鈍感な幼馴染を持つとほんと苦労するわー」
「何が!?」
あざかちゃんは海斗くんの言葉が気に食わなかったみたいで、またいつもみたいに言い争いを始めちゃった。
ほんとに仲良しさんだなぁ。
わたしはみんなに言われた通り、笑顔を浮かべて気持ちを切り替えたんだ。
「うん。やっぱり、霧風は笑顔の方がいいよ」
「えへへ。そうかなぁ?」
「うん。かわいい」
「へ……っ!?」
そしたら、松本くんから思いがけない感想を受け取ったの。
本当にびっくりして、変な声が出ちゃった。
松本くんはわたしのどこに、かわいさを見いだしたんだろう……?
「おいおい、いいのか? 親友ちゃんが、拓真に口説かれてんぜ」
「茶化すのはやめなさいよ。やる気を無くしたら、どうするつもり?」
「まー、そん時は、笑うしかねぇだろ」
「……海斗。帰ろう」
「はいよ」
「ちょっと! 置いて行かないでよ!」
松本くんから声をかけられた海斗くんは、鞄を肩に載せて椅子から立ち上がったの。
前の席に座っていたあざかちゃんも、慌てて海斗くんの隣に並び立つ。
わたしは、どうしよう?
教室を出たわたし達は松本くんを先頭に、自転車置き場を目指して廊下を歩く。
幼馴染コンビと3人で横並びになったら、他の生徒さん達に迷惑だよね?
わたしは迷った末に、二人の数歩後ろをトボトボと着いて行こうって決めたんだ。
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