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第二章 側仕え編
雨雲は気付いたときには真上にある
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本日は、2度目の孤児院訪問の日だ。
前の訪問の時から、この日が来るのを楽しみにしていた。
この日が来るまで、長かったような短かったような……。
結局、メイウッド公爵様へのライブももう少し先のことだったようで、人前で歌う機会に飢えているのだ。
ミーアお姉ちゃんも一緒に行ければいいんだけどな……。
っと、そんなことを考えているとユットゲー様に名前を呼ばれた。神官長ではなく、ユットゲー様に呼ばれるのは割と珍しいな。私は即座に駆けつけて、ユットゲー様の前に跪いた。
「今日の孤児院訪問では、ミーアも一緒に連れて行くように。日々献身的に仕えてくれている側仕えへの褒美だ。」
「かしこまりました。」
や、やったー! ミーアお姉ちゃんと一緒に孤児院訪問できるなんて、とてもうれしい! ミーアお姉ちゃんもうれしいだろうし、何より孤児院のみんなも喜んでくれるに違いない。
ただ、馬車内での時と同じく、なんとも胡散臭い理由だ。
私の歌姫センサーが反応している。
まあ、ユットゲー様が付いてくるわけではないし、ミーアお姉ちゃんと私が行くだけなら、特に問題ないかな。というか、断るという選択肢がないんだけどね。
ーー
その夜。
神官長室の前に待機していたミーアお姉ちゃんと合流して、一緒に孤児院へと向かった。神殿内の移動中ではあるが、側仕え同士で楽しくおしゃべりしているとお貴族様に目を付けられかねないので、最初の挨拶以外は特に口を開くことなく、はやる気持ちをおさえながら足早に孤児院を目指した。
そして今は、特にハプニングに遭遇することもなく、孤児院の扉の前までたどり着いた。
「着いたね、ミーアお姉ちゃん。緊張してる?」
「ええ、しているわ。私はパイルよりも1年長く、孤児院を離れていたから、気持ちがまだ追いつかないみたい。」
「そうだよね。孤児院に行くように行くように命じられたのは、突然のことだったの?」
「ええ、そうね。褒美だとおっしゃって、楽しんでくるようにと。あとは、孤児院の様子について、報告してほしいと言われたわ。」
「孤児院の様子? 特段変わったことはないと思うけど……。様子と言われても、いつもどおりの孤児院でしたと報告するしかないよね?」
「ええ、そうよね。報告しろと言われても、なかなか難しいわ。まあ、孤児院でどのように過ごしたのかを報告することにするわ。」
「それがいいね。」
やはり、今回の孤児院随行は、褒美だけの意味ではなかったようだ。
といっても、孤児院の様子を知りたいとは理由がよくわからないな。孤児院に訪れる神官様もいたし、知りたいのなら自分でくればいいのではないかと思うけど、口には出さないようにしよう。
孤児院の扉を開いて、私たちは食堂へと向かった。
あれ? なんだろう、この感じ。なんだか、皮膚が少しピリピリするような感じがする。
「どうしたの、パイル?」
玄関に立ち尽くしている私を心配して、ミーアお姉ちゃんが声をかけてくれた。
……肌寒いからかな? 一瞬だったから私の気のせいだったかもしれない。
「んーん、何でもないよ。ちょっと肌寒かっただけ。ごめんね、早速行こうか!」
「え、ええ。それならよかったわ。行きましょう。」
食堂の扉を開くと、いつものようにみんなが食事をとっていた。
だけど、先月に比べて何人かこの場にいない子がいるようだ。もう食事を終えて、席を外しているのだろうか?
「あ! ミーアとパイルだ!」
「ミーア!」
「みんな、久しぶりね!」
私たちに気づいたみんなが周りに駆け寄ってきてくれた。特に、1年以上会うことができなかったミーアお姉ちゃんに対して、多くの声がかけられていた。
ミーアお姉ちゃんも、孤児院のみんなに久しぶりに会うことが喜びで、瞳を潤ませながら言葉を交わしている。
「よう、ミーアにパイル。」
「久しぶりね、ウィル。1年会っていないだけで、すっかりかっこいいお兄さんになったわね。」
「別にかっこよくはねーよ。」
ぶっきらぼうに答えているウィルだが、久しぶりにミーアお姉ちゃんに会えてとてもうれしそうだ。
確かにかっこよくはなっているけど、先月と比べて少しやせたような気がする。まだ春になる前だから、食料を節約する関係で痩せることはあるけど、ちょっと痩せすぎているように見える。それに、他のみんなも先月に比べて痩せている様に見えるけど……。
「ウィル、今回の冬支度は例年とおりだったと思うけど、しっかり食べてるの? 何だか先月よりも、痩せたような気がするよ。」
「……別に普通だ。お前が太っただけじゃねーの?」
「な!」
歌姫の私に向かって、太ったですって!? デリカシーについては、教育が足りなかったようだ。
普通に考えて、私たち側仕えがぶくぶく太るようなほどの食事は出されるはずがない。側仕えに渡すくらいならば、神官様たちが食べてしまうからだ。
「ウィル、女性に向かってそのようなことは言ってはいけません。いいですね?」
ミーアお姉ちゃんが笑顔でそう言うと、ウィルは一つ舌打ちをして、そっぽを向いた。
とても女性らしいミーアお姉ちゃんにそのように言われると、いくらデリカシーが足りないウィルであっても、すこしはこたえるものがあるだろう。
「そういえばウィル、院長先生はどちらにいらっしゃるの? 姿が見えないようだけど。ミーアお姉ちゃんも挨拶したいかなと思って。」
「ええ、確かにそうね。食堂に入ればお会いできるものだと思っていたのだけど、どちらにいらっしゃるのかしら?」
私たちがそういうと、ウィルはなんとも言いづらそうな顔を一瞬したが、すぐに愛想笑いを浮かべた。
「今は、体調を崩している奴らの面倒を見ているんだ。」
「体調を崩している? どんな状態なの!?」
私がウィルにつかみかからんばかりにそう聞くと、ミーアお姉ちゃんが私を静止しながら重ねてウィルに質問をした。
「パイル、落ち着いて。ウィル、ここにいない子が何人かいるようだけど、全員体調を崩しているの?」
ミーアお姉ちゃんの問いに対して、ウィルは少し慌てながら、首を横に振った。もしかして、大げさに言っただけとか……?
「すまない、俺の言い方がわるかった。風邪がちょっと流行っているだけだ。寒さもあって、なかなか治りにくかったが、院長先生を始めみんなの看病によって、今は落ち着いている。」
「風邪ね……。私たちが孤児院にいるときも、風邪がはやることが何度かあったわね。落ち着いているのなら安心だわ。もしかして、みんな痩せているように見えるのは、看病の疲れが出ているからなのかしら?」
「あ、ああそんな感じだ。俺は看病したりされたりしたことがないから、やり方がわからなくて大変だった。俺は水汲みとかの力仕事を頑張ったぜ。」
……何だろう。この感じ。ウィルにしては、言葉数が多くなっている気がする。いつもは何というか、言葉少なげに会話をする印象だ。
「まあ、それは……。もしウィルが看病を必要としたら、何時でも呼ぶのよ。私とパイルがすぐに駆けつけるわ。ねえ、パイル?」
「え!? う、うん。」
「どうしたのよパイル、ボーっとしちゃって。」
「い、いや! 何でもないの! みんなが心配だなと思って……お見舞いできたらいいなと思ってさ。」
「確かにそうね。少し顔を出すくらいなら……」
「だ、だめだ!」
ミーアお姉ちゃんがそういう途中に、ウィルが遮った。私とミーアお姉ちゃんが驚いてウィルを見ると、ウィルはすぐに笑顔で首を横に振った。
「……えーと、あれだ。もしお前等にうつって、主のお貴族様たちにうつったら大変なことになるだろ? だから、見舞いは気持ちだけで十分だ。俺が後から伝えておく。」
「う、うん。わかたっよ。」
理由もまあ納得のいくものだし、そう言われてしまったら、引き下がるしかない。
そうして、食堂にいる皆と会話をして、私とミーアお姉ちゃんは神殿へと帰還した。
前の訪問の時から、この日が来るのを楽しみにしていた。
この日が来るまで、長かったような短かったような……。
結局、メイウッド公爵様へのライブももう少し先のことだったようで、人前で歌う機会に飢えているのだ。
ミーアお姉ちゃんも一緒に行ければいいんだけどな……。
っと、そんなことを考えているとユットゲー様に名前を呼ばれた。神官長ではなく、ユットゲー様に呼ばれるのは割と珍しいな。私は即座に駆けつけて、ユットゲー様の前に跪いた。
「今日の孤児院訪問では、ミーアも一緒に連れて行くように。日々献身的に仕えてくれている側仕えへの褒美だ。」
「かしこまりました。」
や、やったー! ミーアお姉ちゃんと一緒に孤児院訪問できるなんて、とてもうれしい! ミーアお姉ちゃんもうれしいだろうし、何より孤児院のみんなも喜んでくれるに違いない。
ただ、馬車内での時と同じく、なんとも胡散臭い理由だ。
私の歌姫センサーが反応している。
まあ、ユットゲー様が付いてくるわけではないし、ミーアお姉ちゃんと私が行くだけなら、特に問題ないかな。というか、断るという選択肢がないんだけどね。
ーー
その夜。
神官長室の前に待機していたミーアお姉ちゃんと合流して、一緒に孤児院へと向かった。神殿内の移動中ではあるが、側仕え同士で楽しくおしゃべりしているとお貴族様に目を付けられかねないので、最初の挨拶以外は特に口を開くことなく、はやる気持ちをおさえながら足早に孤児院を目指した。
そして今は、特にハプニングに遭遇することもなく、孤児院の扉の前までたどり着いた。
「着いたね、ミーアお姉ちゃん。緊張してる?」
「ええ、しているわ。私はパイルよりも1年長く、孤児院を離れていたから、気持ちがまだ追いつかないみたい。」
「そうだよね。孤児院に行くように行くように命じられたのは、突然のことだったの?」
「ええ、そうね。褒美だとおっしゃって、楽しんでくるようにと。あとは、孤児院の様子について、報告してほしいと言われたわ。」
「孤児院の様子? 特段変わったことはないと思うけど……。様子と言われても、いつもどおりの孤児院でしたと報告するしかないよね?」
「ええ、そうよね。報告しろと言われても、なかなか難しいわ。まあ、孤児院でどのように過ごしたのかを報告することにするわ。」
「それがいいね。」
やはり、今回の孤児院随行は、褒美だけの意味ではなかったようだ。
といっても、孤児院の様子を知りたいとは理由がよくわからないな。孤児院に訪れる神官様もいたし、知りたいのなら自分でくればいいのではないかと思うけど、口には出さないようにしよう。
孤児院の扉を開いて、私たちは食堂へと向かった。
あれ? なんだろう、この感じ。なんだか、皮膚が少しピリピリするような感じがする。
「どうしたの、パイル?」
玄関に立ち尽くしている私を心配して、ミーアお姉ちゃんが声をかけてくれた。
……肌寒いからかな? 一瞬だったから私の気のせいだったかもしれない。
「んーん、何でもないよ。ちょっと肌寒かっただけ。ごめんね、早速行こうか!」
「え、ええ。それならよかったわ。行きましょう。」
食堂の扉を開くと、いつものようにみんなが食事をとっていた。
だけど、先月に比べて何人かこの場にいない子がいるようだ。もう食事を終えて、席を外しているのだろうか?
「あ! ミーアとパイルだ!」
「ミーア!」
「みんな、久しぶりね!」
私たちに気づいたみんなが周りに駆け寄ってきてくれた。特に、1年以上会うことができなかったミーアお姉ちゃんに対して、多くの声がかけられていた。
ミーアお姉ちゃんも、孤児院のみんなに久しぶりに会うことが喜びで、瞳を潤ませながら言葉を交わしている。
「よう、ミーアにパイル。」
「久しぶりね、ウィル。1年会っていないだけで、すっかりかっこいいお兄さんになったわね。」
「別にかっこよくはねーよ。」
ぶっきらぼうに答えているウィルだが、久しぶりにミーアお姉ちゃんに会えてとてもうれしそうだ。
確かにかっこよくはなっているけど、先月と比べて少しやせたような気がする。まだ春になる前だから、食料を節約する関係で痩せることはあるけど、ちょっと痩せすぎているように見える。それに、他のみんなも先月に比べて痩せている様に見えるけど……。
「ウィル、今回の冬支度は例年とおりだったと思うけど、しっかり食べてるの? 何だか先月よりも、痩せたような気がするよ。」
「……別に普通だ。お前が太っただけじゃねーの?」
「な!」
歌姫の私に向かって、太ったですって!? デリカシーについては、教育が足りなかったようだ。
普通に考えて、私たち側仕えがぶくぶく太るようなほどの食事は出されるはずがない。側仕えに渡すくらいならば、神官様たちが食べてしまうからだ。
「ウィル、女性に向かってそのようなことは言ってはいけません。いいですね?」
ミーアお姉ちゃんが笑顔でそう言うと、ウィルは一つ舌打ちをして、そっぽを向いた。
とても女性らしいミーアお姉ちゃんにそのように言われると、いくらデリカシーが足りないウィルであっても、すこしはこたえるものがあるだろう。
「そういえばウィル、院長先生はどちらにいらっしゃるの? 姿が見えないようだけど。ミーアお姉ちゃんも挨拶したいかなと思って。」
「ええ、確かにそうね。食堂に入ればお会いできるものだと思っていたのだけど、どちらにいらっしゃるのかしら?」
私たちがそういうと、ウィルはなんとも言いづらそうな顔を一瞬したが、すぐに愛想笑いを浮かべた。
「今は、体調を崩している奴らの面倒を見ているんだ。」
「体調を崩している? どんな状態なの!?」
私がウィルにつかみかからんばかりにそう聞くと、ミーアお姉ちゃんが私を静止しながら重ねてウィルに質問をした。
「パイル、落ち着いて。ウィル、ここにいない子が何人かいるようだけど、全員体調を崩しているの?」
ミーアお姉ちゃんの問いに対して、ウィルは少し慌てながら、首を横に振った。もしかして、大げさに言っただけとか……?
「すまない、俺の言い方がわるかった。風邪がちょっと流行っているだけだ。寒さもあって、なかなか治りにくかったが、院長先生を始めみんなの看病によって、今は落ち着いている。」
「風邪ね……。私たちが孤児院にいるときも、風邪がはやることが何度かあったわね。落ち着いているのなら安心だわ。もしかして、みんな痩せているように見えるのは、看病の疲れが出ているからなのかしら?」
「あ、ああそんな感じだ。俺は看病したりされたりしたことがないから、やり方がわからなくて大変だった。俺は水汲みとかの力仕事を頑張ったぜ。」
……何だろう。この感じ。ウィルにしては、言葉数が多くなっている気がする。いつもは何というか、言葉少なげに会話をする印象だ。
「まあ、それは……。もしウィルが看病を必要としたら、何時でも呼ぶのよ。私とパイルがすぐに駆けつけるわ。ねえ、パイル?」
「え!? う、うん。」
「どうしたのよパイル、ボーっとしちゃって。」
「い、いや! 何でもないの! みんなが心配だなと思って……お見舞いできたらいいなと思ってさ。」
「確かにそうね。少し顔を出すくらいなら……」
「だ、だめだ!」
ミーアお姉ちゃんがそういう途中に、ウィルが遮った。私とミーアお姉ちゃんが驚いてウィルを見ると、ウィルはすぐに笑顔で首を横に振った。
「……えーと、あれだ。もしお前等にうつって、主のお貴族様たちにうつったら大変なことになるだろ? だから、見舞いは気持ちだけで十分だ。俺が後から伝えておく。」
「う、うん。わかたっよ。」
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