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第一章 孤児院編
1 どんぐりを投げつけたい衝動を抑えられないときは、『どんぐりころころ』を歌いましょう
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孤児院の朝は早い。日の出とともに起床し神様へお祈りをした後に、掃除という名の労働を開始する。掃除場所は、孤児院と神殿だ。5歳から労働を強制されるとは、なんとも世知辛い。
午前いっぱいの時間を必要とする掃除が終わると、次はお勉強の時間だ。孤児は、10歳になる年に、選別が行われる。選別に合格すると、神官や巫女の付きの側仕えとなることができ、神殿で暮らすことができるようになる。選別の合格基準は様々だが、やはりメインは礼儀作法や教養だ。側仕えとして使えるかどうかが重要なのだが、要は神官や巫女に気に入られることが大切なのだ。
ちなみに、誰からも指名されずに側仕えとなれなかったものは、孤児院にそのまま残り下男下女として暮らすこととなる。
今は、今週の担当場所である庭の掃除を終え、昼食をとり、いつもどおりお勉強の時間を迎えていた。
「では、本日は算術のお勉強です。それぞれに配布した問題を解いて、わからないところがあれば質問してくださいね。それでは、始めてください。」
「院長先生! 問題を解き終わったので、自由時間にしてもいいでしょうか!」
「まあ、相変わらずあなたは優秀ですわね、パイル。だけど、それは許可できません。他の子たちの勉強を見てもらいます。」
「私は歌の特訓をしたいのです! 今も体幹を鍛えるために、空気イスを行っています。」
「勉強を見てもらいます。……パイル、このやり取りは毎日行っていますわ。そろそろ、諦めたらいかがかしら。勝手に抜けだしたら、夕食を抜きにしますからね。」
「身体という楽器を育てるために、食事をとることは必要ですね。わかりました。」
私の今の名前は、パイル。年齢は9歳で、いたって普通の少女だ。
だけど、私には前世の記憶がある。前世の私は、日本に住んでいる普通の女子高生、そうJKだった。私は、今を時めくガールズバンド、「JKのかたまり」のボーカル担当だった。
歌うことが何より好きな普通の女子高生だった。あ、そうそう。マイクパフォーマンスも得意で、観客からのウケは絶大だった。
そんな中、ライブハウスに向かう途中で、トラックにはねられて死んでしまった。その日は、2周年記念ライブの日で、浮かれていたのだ。私の不注意が招いた事故。
まだまだ、夢の途中だった。まだまだ歌っていたかった。……そんな願いが通じたのか、私はいわゆる異世界と呼ばれる世界に転生したのだ。
孤児院の生活は案外忙しく、好きなタイミングで歌の練習をとることができない。工夫しなければ!
「パイル、俺にこの問題の解き方を教えてくれよ!」
「ずるい! パイルに教えてもらうのは私が先よ!」
この部屋にいるのは、10歳以下の子供たちと院長先生、そして院長先生の手伝い役の下女が2人だ。今は、周りの孤児たちに引っ張られて、教えを請われている状況だ。
うふふふ。私は元JKのお姉さんですもの。歌の特訓もしたいけれど、子供たちの勉強を見ることも大事よね。
私は部屋を抜け出すのをあきらめて、孤児たちの勉強を見ることにした。
ーー
「それでは、お勉強の時間は終わりにしましょう。当番の人は、森で食料調達を。それ以外の人は、自由時間としてください。」
孤児院といっても、すべての孤児たちに十分な食事を与えることは難しい。メインの食事は、神殿からの下げ渡しとなるが、まったくと言っていいほど量が足りない。スープに至っては、水を入れてかさましするレベルだ。そこで、下町を抜けた先にある森で、木の実や果物などの森の恵みを得るというわけだ。動物なんかを狩れれば最高だ。
ちなみに、私は今日の当番ではないため、晴れて自由時間というわけだ。今日は何をしようかな。歌の練習はもちろんとして、筋力トレーニングも欠かせないね。
私がそうして、今日のトレーニング内容に思いを馳せていると、孤児院の扉が勢いよく開いた。
「おい、今すぐ来月の選別に出る者たちを集めろ。」
「あー、女だけでいいぞ。」
そう言って、下卑た笑みを浮かべながら現れたのは2人の神官だった。
神官が現れたことによって、孤児院内に緊張が走った。そしてすかさず、手を交差させて跪いた。かくいう私も、悪目立ちしないように同じく手を交差させて跪いた。
「申し訳ございません。森へ行ってしまった者もおりますので、全員を集めることは難しいのです。……恐れながら、定期訪問は来週ではないでしょうか。」
院長先生、もとい孤児院長が丁寧に神官たちに尋ねた。
そして、下女たちにアイコンタクトを取り、部屋の外に出てしまった該当者を集めるように指示を出した。
「私たちがいつ訪れようが、其方たちには関係のないことだ。とはいってもこの様なところで、森へ行った者たちを待つのも憚られるな。まあ、いいだろう。今いる者たちを呼べ。」
「………まさかとは思うが、許否なんてしないだろう?」
「ええ、滅相もございません。すぐに呼んでまいります。」
傲慢な態度をとる神官たちに対して、院長先生は和やかな態度で了承した。
なぜ神官たちはこのように、孤児たちに対して傲慢な態度をとるのかというと、この世界にははっきりとした身分差があるからだ。大きく分けると、貴族と平民に分けられる。
神官たちは貴族の血を引いているため、平民のしかも孤児に対する態度はだいたいこんなものだ。対等どころか、同じ人間とすら思っていない。逆らえば、どんな目にあわされるかわからないのだ。仮に、「孤児院をこんなところというのなら、改修でもしてくれ」なんて言った日には、首と胴体が離れることになってしまうかもしれない。だから、私たちに残された選択は、「大人しく従う」ただ1つだ。
少しの時間のあと、待たされることが不機嫌と言わんばかりに床を足でたたいている神官たちの目の前に連れてこられたのは、4人の少女だった。
全員緊張はしているものの、少しの期待感を持っている顔をしている。なぜ期待しているかというと、側仕えとなれば孤児院の暮らしから抜け出すことができるからだ。
神殿で暮らせるとなれば、きれいな寝床も充分な食事も保障されると思っているからだ。
「ふんっ。まあまあだな。」
「ああ、そうだな。おい、このほかにはあと何人いるのだ?」
「女子はあと、5人おります。男子は、8人にございます。」
「全部で9人か……。少ないな。」
「ああ、競争率が激しそうだ。」
神官たちには男子の人数は聞こえなかったようで、女子の人数についてなにやらぶつぶつと話していた。
孤児たちの需要は最近変わってきている。一昔前は、優秀な者のみが側仕えとなっていたが、今は男女問わずに大体が召し上げられる。
周りの純粋無垢な孤児たちは、喜ばしいと思っているかもしれない。……だけど、私のような大人なJKはそうは思わない。この男たちの下卑た笑みを見れば、女子を求める理由なんて想像にたやすい。
「もういい。こんな不潔な場所に長くなんていられないからな。くれぐれも、傷などは作らないようにな。」
神官たちはそういうと、さっさと帰っていった。
神官の方が汚らわしいような気もするが、そんなことを面と向かっていうつもりはさらさらない。
「さあ、みんな。呼び立ててしまって、ごめんなさいね。夕食の時間まで、自由時間にしてくださいね。」
院長先生がそういうと、みんなはばらばらに行動し始めた。
私は歌うことが大好きだ。多くのひとに、私の歌を聴いてもらいたい。私も多くの人の前で歌いたい。
……だけど、それは難しいということも頭ではわかっている。
始めは、少年少女たちの将来を何とかしようと考えた。だけど、単なる孤児でしかない私に何とかできるような問題ではないと実感した。
だからこそ、孤児たちに……家族に、10歳までという残された時間いっぱい、私の歌を届けると決めたのだ。
私自身も、選別のその時までに身の振り方を考えなければいけない。進むべき道は様々あるが、私が歌を歌い続ける道はただ一つ。それは、優秀な成績を残して、上位の神官・巫女に仕えて歌を披露する機会を窺い、そのチャンスをしっかりとつかむこと。
「パイル、パイル! お歌を歌ってよ!」
3、4歳の年少組が私の周りに集まってそうねだってきた。
私の歌を聞きたいだなんて、見どころのある弟妹たちだ。
「ええ、もちろん。あなたたちに、私の持ち歌はまだ早いでしょうから、今日はこの歌にしましょう。」
私はそういうと、いい感じの長さの木の棒を取り出した。
そう、これが私のマイマイクよ!
「じゃあ、歌うよ! 『どんぐりころころ』 アゲテいくぜ!」
午前いっぱいの時間を必要とする掃除が終わると、次はお勉強の時間だ。孤児は、10歳になる年に、選別が行われる。選別に合格すると、神官や巫女の付きの側仕えとなることができ、神殿で暮らすことができるようになる。選別の合格基準は様々だが、やはりメインは礼儀作法や教養だ。側仕えとして使えるかどうかが重要なのだが、要は神官や巫女に気に入られることが大切なのだ。
ちなみに、誰からも指名されずに側仕えとなれなかったものは、孤児院にそのまま残り下男下女として暮らすこととなる。
今は、今週の担当場所である庭の掃除を終え、昼食をとり、いつもどおりお勉強の時間を迎えていた。
「では、本日は算術のお勉強です。それぞれに配布した問題を解いて、わからないところがあれば質問してくださいね。それでは、始めてください。」
「院長先生! 問題を解き終わったので、自由時間にしてもいいでしょうか!」
「まあ、相変わらずあなたは優秀ですわね、パイル。だけど、それは許可できません。他の子たちの勉強を見てもらいます。」
「私は歌の特訓をしたいのです! 今も体幹を鍛えるために、空気イスを行っています。」
「勉強を見てもらいます。……パイル、このやり取りは毎日行っていますわ。そろそろ、諦めたらいかがかしら。勝手に抜けだしたら、夕食を抜きにしますからね。」
「身体という楽器を育てるために、食事をとることは必要ですね。わかりました。」
私の今の名前は、パイル。年齢は9歳で、いたって普通の少女だ。
だけど、私には前世の記憶がある。前世の私は、日本に住んでいる普通の女子高生、そうJKだった。私は、今を時めくガールズバンド、「JKのかたまり」のボーカル担当だった。
歌うことが何より好きな普通の女子高生だった。あ、そうそう。マイクパフォーマンスも得意で、観客からのウケは絶大だった。
そんな中、ライブハウスに向かう途中で、トラックにはねられて死んでしまった。その日は、2周年記念ライブの日で、浮かれていたのだ。私の不注意が招いた事故。
まだまだ、夢の途中だった。まだまだ歌っていたかった。……そんな願いが通じたのか、私はいわゆる異世界と呼ばれる世界に転生したのだ。
孤児院の生活は案外忙しく、好きなタイミングで歌の練習をとることができない。工夫しなければ!
「パイル、俺にこの問題の解き方を教えてくれよ!」
「ずるい! パイルに教えてもらうのは私が先よ!」
この部屋にいるのは、10歳以下の子供たちと院長先生、そして院長先生の手伝い役の下女が2人だ。今は、周りの孤児たちに引っ張られて、教えを請われている状況だ。
うふふふ。私は元JKのお姉さんですもの。歌の特訓もしたいけれど、子供たちの勉強を見ることも大事よね。
私は部屋を抜け出すのをあきらめて、孤児たちの勉強を見ることにした。
ーー
「それでは、お勉強の時間は終わりにしましょう。当番の人は、森で食料調達を。それ以外の人は、自由時間としてください。」
孤児院といっても、すべての孤児たちに十分な食事を与えることは難しい。メインの食事は、神殿からの下げ渡しとなるが、まったくと言っていいほど量が足りない。スープに至っては、水を入れてかさましするレベルだ。そこで、下町を抜けた先にある森で、木の実や果物などの森の恵みを得るというわけだ。動物なんかを狩れれば最高だ。
ちなみに、私は今日の当番ではないため、晴れて自由時間というわけだ。今日は何をしようかな。歌の練習はもちろんとして、筋力トレーニングも欠かせないね。
私がそうして、今日のトレーニング内容に思いを馳せていると、孤児院の扉が勢いよく開いた。
「おい、今すぐ来月の選別に出る者たちを集めろ。」
「あー、女だけでいいぞ。」
そう言って、下卑た笑みを浮かべながら現れたのは2人の神官だった。
神官が現れたことによって、孤児院内に緊張が走った。そしてすかさず、手を交差させて跪いた。かくいう私も、悪目立ちしないように同じく手を交差させて跪いた。
「申し訳ございません。森へ行ってしまった者もおりますので、全員を集めることは難しいのです。……恐れながら、定期訪問は来週ではないでしょうか。」
院長先生、もとい孤児院長が丁寧に神官たちに尋ねた。
そして、下女たちにアイコンタクトを取り、部屋の外に出てしまった該当者を集めるように指示を出した。
「私たちがいつ訪れようが、其方たちには関係のないことだ。とはいってもこの様なところで、森へ行った者たちを待つのも憚られるな。まあ、いいだろう。今いる者たちを呼べ。」
「………まさかとは思うが、許否なんてしないだろう?」
「ええ、滅相もございません。すぐに呼んでまいります。」
傲慢な態度をとる神官たちに対して、院長先生は和やかな態度で了承した。
なぜ神官たちはこのように、孤児たちに対して傲慢な態度をとるのかというと、この世界にははっきりとした身分差があるからだ。大きく分けると、貴族と平民に分けられる。
神官たちは貴族の血を引いているため、平民のしかも孤児に対する態度はだいたいこんなものだ。対等どころか、同じ人間とすら思っていない。逆らえば、どんな目にあわされるかわからないのだ。仮に、「孤児院をこんなところというのなら、改修でもしてくれ」なんて言った日には、首と胴体が離れることになってしまうかもしれない。だから、私たちに残された選択は、「大人しく従う」ただ1つだ。
少しの時間のあと、待たされることが不機嫌と言わんばかりに床を足でたたいている神官たちの目の前に連れてこられたのは、4人の少女だった。
全員緊張はしているものの、少しの期待感を持っている顔をしている。なぜ期待しているかというと、側仕えとなれば孤児院の暮らしから抜け出すことができるからだ。
神殿で暮らせるとなれば、きれいな寝床も充分な食事も保障されると思っているからだ。
「ふんっ。まあまあだな。」
「ああ、そうだな。おい、このほかにはあと何人いるのだ?」
「女子はあと、5人おります。男子は、8人にございます。」
「全部で9人か……。少ないな。」
「ああ、競争率が激しそうだ。」
神官たちには男子の人数は聞こえなかったようで、女子の人数についてなにやらぶつぶつと話していた。
孤児たちの需要は最近変わってきている。一昔前は、優秀な者のみが側仕えとなっていたが、今は男女問わずに大体が召し上げられる。
周りの純粋無垢な孤児たちは、喜ばしいと思っているかもしれない。……だけど、私のような大人なJKはそうは思わない。この男たちの下卑た笑みを見れば、女子を求める理由なんて想像にたやすい。
「もういい。こんな不潔な場所に長くなんていられないからな。くれぐれも、傷などは作らないようにな。」
神官たちはそういうと、さっさと帰っていった。
神官の方が汚らわしいような気もするが、そんなことを面と向かっていうつもりはさらさらない。
「さあ、みんな。呼び立ててしまって、ごめんなさいね。夕食の時間まで、自由時間にしてくださいね。」
院長先生がそういうと、みんなはばらばらに行動し始めた。
私は歌うことが大好きだ。多くのひとに、私の歌を聴いてもらいたい。私も多くの人の前で歌いたい。
……だけど、それは難しいということも頭ではわかっている。
始めは、少年少女たちの将来を何とかしようと考えた。だけど、単なる孤児でしかない私に何とかできるような問題ではないと実感した。
だからこそ、孤児たちに……家族に、10歳までという残された時間いっぱい、私の歌を届けると決めたのだ。
私自身も、選別のその時までに身の振り方を考えなければいけない。進むべき道は様々あるが、私が歌を歌い続ける道はただ一つ。それは、優秀な成績を残して、上位の神官・巫女に仕えて歌を披露する機会を窺い、そのチャンスをしっかりとつかむこと。
「パイル、パイル! お歌を歌ってよ!」
3、4歳の年少組が私の周りに集まってそうねだってきた。
私の歌を聞きたいだなんて、見どころのある弟妹たちだ。
「ええ、もちろん。あなたたちに、私の持ち歌はまだ早いでしょうから、今日はこの歌にしましょう。」
私はそういうと、いい感じの長さの木の棒を取り出した。
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