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第三章 ウェルカムキャンプ編
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「キル、久しぶり! 元気そうで何よりだよ!」
「………ああ。」
え? 久しぶりに、3年ぶりに会ったのにそれだけなの?
というか、すぐに目をそらされたんですけど!
久しぶりに会った俺の大切な人は、絶賛思春期真っ只中らしい。
ーー
「アース様、いよいよ貴族院入学でございますね。」
「そうですね、カーナイト様。ようやくこの日が来ました。」
俺の領地謹慎期間に魔法指導に当たってくれたのは、バルザンス家前当主のカーナイト様だ。アルベルト殿下が、
俺のためにカーナイト様を派遣してくれたのだ。カーナイト様は転移魔法を使えるため、公務にあまり支障がないとのことで笑顔で引き受けてくれたとのことだ。本当にありがたかった。独学では限界だっただろうし、3年間を棒に振らずに済んだ。
「アース様。私もアース様と一緒に馬車で王都に向かおうと思います。」
「え? 馬車では2週間ほどかかるのですよ? カーナイト様であれば転移魔法で一瞬で王都に向かうことが可能なはずです。私への気遣いは不要ですよ。公務などのご予定もあるでしょうし………。」
俺がそういうと、カーナイト様は笑顔でゆっくりと首を横に振った。
「私がアース様との旅路を楽しみたいというのもございますが、キルヴェスター殿下に頼まれたのですよ。公務で迎えに行けなくなった自分の代わりに、アース様を守ってほしいと。まあ、アース様の実力があれば、S級が襲ってでもこない限り大丈夫でしょうけど。」
そう、あの別れの時キルは、迎えに来てくれると言っていた。直前の手紙のやり取りでもそういう手はずになっていた。
しかし、急に公務が入ったようでこれなくなったのだ。貴族院に入学するということで、キルも公務が任されるようになったのだ。
まあ、まだ入学式を行っていないのだから正式には貴族院生ではない。いわゆる、0学期という自称進学校のような制度が適用されたらしい。
「カーナイト様がおっしゃると、本当に遭遇しそうで怖いですね。そういうことであれば、お願いいたします。
お手数をおかけしてしまい、申し訳ございません。」
「ほほほほほほっ。楽しい旅路になりそうですね。」
そうして、俺とカーナイト様は王都に向けて、馬車での長い旅路に出た。
ーー
「誠に不運ですね。」
「不運としか言いようがないですね。」
トラブルは3日目にして起こってしまった。
辺境伯領は王都から離れた僻地にあると言っても過言ではないので、その道のりには、山道や細道、一本道などが溢れている。
そのうちの一つの山道が、土砂崩れでふさがっているのだ。ここが通れないとなると、迂回する必要がある。そうすると、
到着が遅くなってしまう。俺たちは、ちょうど貴族院の入学の前日に到着する予定で出発していた。中身は大人なのだから、余裕をもって出発しろといわれるかもしれないが、俺は謹慎を命じられているのだ。余裕しゃくしゃくと出発して、王都で過ごすわけにはいかなかったのだ。
「これは………迂回するしかないですよね。魔法で吹き飛ばすにしても、二次災害が怖いですし………。」
「そのようですね。私の転移魔法も、この土砂とは相性が悪いですから、飛ばすにしても魔力や時間を大量に要します。迂回した方が結果的に早く着くでしょう。」
カーナイト様も、迂回に賛成のようだ。迂回すると、1週間ほどの遅れになるかな。
入学早々、1週間遅れとは………先行きが不安だな。
「うん? 何だ? もう着いたのかぁ………?」
そう眠たげな眼をこすりながら、気の抜けた声で聴いてきたのは、まるでぬいぐるみのフォルムをした羽の生えたカピバラのようなチャーミングな生き物だ。
「まだ、全然途中だよ………阿修羅丸。」
「あ? じゃあなんで、止まっているんだよ?」
「土砂崩れが起きたようで、迂回するしかなくなったんだよ。」
「うーん、どれどれ?」
阿修羅丸は、そういいながらチャーミングな体を動かして、窓から外をのぞいた。
「あー、確かにそうみたいだな。よし、俺が魔法で吹っ飛ばしてやるぜぇ?」
「阿修羅丸の威力で吹っ飛ばしたら、二次災害が起こるかもしれないだろ。だから、迂回することになったんだよ。」
「あっそ。じゃあ、俺はまた寝るから。着いたら適当に起こしてくれ。」
阿修羅丸はそういうと、再び深い眠りについてしまった。
阿修羅丸。通常モード。
阿修羅丸は、まごうことなきあの時の鬼人だ。阿修羅丸は、フォルムが色々とあるがこの姿は無害といってもいい姿だ。
名前に関しては新しいのがいいとのことだったので、鬼人の姿をベースにつけさせてもらった。このチャーミングな姿は、彼のこだわりらしい。
あの鬼人の姿はもちろんかっこいいのだが、何しろ目立ちすぎる。こちら側に勝手に来てもいい条件として、平時の時はこの無害な姿でいてもらっている。
うん、この3年間でなんとか阿修羅丸と協力関係になれた。この姿を見たら、みんなきっと驚くだろうな。
「では、話もついたようですのですぐに迂回しましょう。近くの町に着いたら、早馬を出して、遅れることを手紙でお伝えした方が良いですね。」
「確かにその通りですね。各方面へ連絡したいと思います。お気遣い痛み入ります。」
「いえいえ。では、参りましょう。」
ーー
皆様、お久しぶりです。
お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。
ストックを溜めるためにお休みをいただいていたところですが、結論としては、あまりストックを溜めることができませんでした。
これからは、週2・3回の投稿をして、ストックがなくなり次第、再びお休みを頂ければと思います。何とかキリのいいところまで書き切りたいと思っていますので、応援のほどよろしくお願いいたします。
「………ああ。」
え? 久しぶりに、3年ぶりに会ったのにそれだけなの?
というか、すぐに目をそらされたんですけど!
久しぶりに会った俺の大切な人は、絶賛思春期真っ只中らしい。
ーー
「アース様、いよいよ貴族院入学でございますね。」
「そうですね、カーナイト様。ようやくこの日が来ました。」
俺の領地謹慎期間に魔法指導に当たってくれたのは、バルザンス家前当主のカーナイト様だ。アルベルト殿下が、
俺のためにカーナイト様を派遣してくれたのだ。カーナイト様は転移魔法を使えるため、公務にあまり支障がないとのことで笑顔で引き受けてくれたとのことだ。本当にありがたかった。独学では限界だっただろうし、3年間を棒に振らずに済んだ。
「アース様。私もアース様と一緒に馬車で王都に向かおうと思います。」
「え? 馬車では2週間ほどかかるのですよ? カーナイト様であれば転移魔法で一瞬で王都に向かうことが可能なはずです。私への気遣いは不要ですよ。公務などのご予定もあるでしょうし………。」
俺がそういうと、カーナイト様は笑顔でゆっくりと首を横に振った。
「私がアース様との旅路を楽しみたいというのもございますが、キルヴェスター殿下に頼まれたのですよ。公務で迎えに行けなくなった自分の代わりに、アース様を守ってほしいと。まあ、アース様の実力があれば、S級が襲ってでもこない限り大丈夫でしょうけど。」
そう、あの別れの時キルは、迎えに来てくれると言っていた。直前の手紙のやり取りでもそういう手はずになっていた。
しかし、急に公務が入ったようでこれなくなったのだ。貴族院に入学するということで、キルも公務が任されるようになったのだ。
まあ、まだ入学式を行っていないのだから正式には貴族院生ではない。いわゆる、0学期という自称進学校のような制度が適用されたらしい。
「カーナイト様がおっしゃると、本当に遭遇しそうで怖いですね。そういうことであれば、お願いいたします。
お手数をおかけしてしまい、申し訳ございません。」
「ほほほほほほっ。楽しい旅路になりそうですね。」
そうして、俺とカーナイト様は王都に向けて、馬車での長い旅路に出た。
ーー
「誠に不運ですね。」
「不運としか言いようがないですね。」
トラブルは3日目にして起こってしまった。
辺境伯領は王都から離れた僻地にあると言っても過言ではないので、その道のりには、山道や細道、一本道などが溢れている。
そのうちの一つの山道が、土砂崩れでふさがっているのだ。ここが通れないとなると、迂回する必要がある。そうすると、
到着が遅くなってしまう。俺たちは、ちょうど貴族院の入学の前日に到着する予定で出発していた。中身は大人なのだから、余裕をもって出発しろといわれるかもしれないが、俺は謹慎を命じられているのだ。余裕しゃくしゃくと出発して、王都で過ごすわけにはいかなかったのだ。
「これは………迂回するしかないですよね。魔法で吹き飛ばすにしても、二次災害が怖いですし………。」
「そのようですね。私の転移魔法も、この土砂とは相性が悪いですから、飛ばすにしても魔力や時間を大量に要します。迂回した方が結果的に早く着くでしょう。」
カーナイト様も、迂回に賛成のようだ。迂回すると、1週間ほどの遅れになるかな。
入学早々、1週間遅れとは………先行きが不安だな。
「うん? 何だ? もう着いたのかぁ………?」
そう眠たげな眼をこすりながら、気の抜けた声で聴いてきたのは、まるでぬいぐるみのフォルムをした羽の生えたカピバラのようなチャーミングな生き物だ。
「まだ、全然途中だよ………阿修羅丸。」
「あ? じゃあなんで、止まっているんだよ?」
「土砂崩れが起きたようで、迂回するしかなくなったんだよ。」
「うーん、どれどれ?」
阿修羅丸は、そういいながらチャーミングな体を動かして、窓から外をのぞいた。
「あー、確かにそうみたいだな。よし、俺が魔法で吹っ飛ばしてやるぜぇ?」
「阿修羅丸の威力で吹っ飛ばしたら、二次災害が起こるかもしれないだろ。だから、迂回することになったんだよ。」
「あっそ。じゃあ、俺はまた寝るから。着いたら適当に起こしてくれ。」
阿修羅丸はそういうと、再び深い眠りについてしまった。
阿修羅丸。通常モード。
阿修羅丸は、まごうことなきあの時の鬼人だ。阿修羅丸は、フォルムが色々とあるがこの姿は無害といってもいい姿だ。
名前に関しては新しいのがいいとのことだったので、鬼人の姿をベースにつけさせてもらった。このチャーミングな姿は、彼のこだわりらしい。
あの鬼人の姿はもちろんかっこいいのだが、何しろ目立ちすぎる。こちら側に勝手に来てもいい条件として、平時の時はこの無害な姿でいてもらっている。
うん、この3年間でなんとか阿修羅丸と協力関係になれた。この姿を見たら、みんなきっと驚くだろうな。
「では、話もついたようですのですぐに迂回しましょう。近くの町に着いたら、早馬を出して、遅れることを手紙でお伝えした方が良いですね。」
「確かにその通りですね。各方面へ連絡したいと思います。お気遣い痛み入ります。」
「いえいえ。では、参りましょう。」
ーー
皆様、お久しぶりです。
お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。
ストックを溜めるためにお休みをいただいていたところですが、結論としては、あまりストックを溜めることができませんでした。
これからは、週2・3回の投稿をして、ストックがなくなり次第、再びお休みを頂ければと思います。何とかキリのいいところまで書き切りたいと思っていますので、応援のほどよろしくお願いいたします。
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