71 / 151
第二章 初学院編
70
しおりを挟む
!? こんなに接近するまで、まるで気が付くことができなかった。キルも俺と同様の様で、驚きを隠せないようだ。
「久しぶりだな、アース。今回の件は本当によくやった。アイバーン帝国貴族院からの推薦状なんて、俺も初めて見たぞ。」
「恐れ入ります。しかし、私の仮説の検証のためアルベルト殿下を始め、側近の方々が奔走してくださったからです。本当にありがとうございました。」
俺はそういい終わると、アルベルト殿下に頭を下げた。事実、俺の仮説をここまで引き上げてくれたのはアルベルト殿下だ。アルベルト殿下がいなければ、俺の単なる妄想に終わった可能性もある。
それに対してアルベルト殿下は一つ頷くと、俺に頭を上げるようにと言った。俺が頭を上げるのを確認すると、アルベルト殿下は次にキルのことを厳しいまなざしで見つめた。
「キル、先程のアースに対する発言は何だ? お前の他者を気遣える性格は美点だ。だが、先程のように「行きたければ行け」と突き放すような言い方をすれば、側近は自分は主に求められていないのではないかと不安になるものだ。大事な局面では、自分が必要としていることを側近たちに伝えなければならない。」
アルベルト殿下の言葉に、キルは一瞬ハッとした表情を浮かべた後にバツの悪そうな顔でうつむいてしまった。………アルベルト殿下の言葉には一理あるけど、ここは俺が庇った方がよさそうだ。
「アルベルト殿下、俺は大丈夫ですので………」
「側近はお前だけではないだろう? アースが大丈夫でも、他の側近が大丈夫とは限らないだろ? それに、キルを甘やかしすぎるのもよくない。お前が仕えているのは、一国の第二王子だ。そのことを改めて肝に銘じろ。もうそろそろ、甘えられる年でもなくなってきているはずだ。お前たち側近がキルを甘やかし続ければ、キルは腑抜けな王子だと揶揄されることになるぞ。」
俺がキルを庇おうとしたところ、アルベルト殿下に軽く睨まれて俺までお説教を食らってしまった。
アルベルト殿下の言うことは正論だ。俺たちはそろそろ貴族院を意識しなければいけない年齢だし、アルベルト殿下は将来自分を支える立場となる、第二王子のキルの成長を願っているのだろう。俺が、俺たちが甘いと言われればそうなのかもしれない。
………だけど、俺の主を、キルを腑抜けになると言われて黙ってはいられない。相手はこの国の第一王子殿下だ。それはわかっている………。俺は冷静にかつ落ち着いて怒りを鎮めて、笑顔でキルを背にしてアルベルト殿下の正面に立った。
「アルベルト殿下、従者の身でありながら無礼な発言をお許しください。キルヴェスター殿下は、決して腑抜けではございません。ましてや、今後なることもございません。………キルヴェスター殿下の側近として、先程の発言の撤回を要求いたします。」
俺がそういうと、アルベルト殿下は面白そうに、そして俺たちを試すような視線を送ってきた。キルはと言うと、俺はキルを背にしているため直接は見ることはできないけど、黙ったままだった。
「ほう………。自分の側近にすら意志表示ができない主が、腑抜けではないというのか?」
「私の自由にしていいという意思表示をなさいました。この優しさは、キルヴェスター殿下の美点であると考えます。」
「なるほど。それではお前は、主が自分を必要としているのかわからないまま誠心誠意仕えることができるのだな?」
………キルには必要とされたい、それは先ほども思ったことだ。俺は少し口ごもってしまい、すぐに返事をすることができなかった。
それに対してアルベルト殿下は、勝ちを確信して満足そうに微笑んだ。
………くそっ、キルに必要とされなくてもいいなんて思えないじゃないかよ。俺は言い返せずに下を向いてしまった。そして後ろにいるキルの方を向くと、キルが拳を強く握りしめているのが見えた。
俺たちが悔しさを噛みしめて、黙ったままでしかいられないと、誰かの足音が近づいてくるのが聞こえてきた。その方向を見てみると、アルフォンスさんだった。
「殿下、その辺にしてはいかがですか? 殿下がキルヴェスター殿下を含めた弟世代を大切に思っているのは存じているのですが、殿下はかわいがりすぎて逆に相手を瀕死に追い詰めてしまうきらいがあるので、注意が必要です。大切に思っている弟世代をつぶしたいわけではないでしょう?」
アルフォンスさんが笑顔でそう言うと、アルベルト殿下は少しひきつった笑みを浮かべて俺とキルを交互に見た。
「………俺はキルたちに成長してほしいと、少し構っているだけだが?」
「殿下の「ただ構っている」という行動は、相手にとっては「追いつめられるほどの恐ろしい」行動なのです。少しは自重なさってください。」
「一考の余地はあるが、それはアルフォンスがキルに甘いだけではないのか? 昔から面倒を見ているから、情があるだろう?
「情はもちろんあります。ただし、それを差し引いても殿下が構いすぎると相手は追い詰められます。殿下に長年仕えてきた側近の意見として、考慮していただければ幸いです。しかし頻度や内容を考えれば、キルヴェスター殿下たちの成長につながるとも考えております。殿下でしたらその匙加減ができると私は信じております。」
俺とキルは兄世代の言葉の応酬を、ただ見ることしかできなかった。アルフォンスさんのこれが諫言であり、主をのせる言葉なのだろう。アルフォンスさんの言葉にアルベルト殿下は、ふっと笑った。
「わかった、今回はお前にのせられてやろう。それじゃあ、お前たちが今後どのように成長するのか楽しみにしているぞ。次は………また近いうちに様子を見に来るからな。」
アルベルト殿下はそういうと、満足そうにアルフォンスさんを連れて去っていった。その際、「側近も連れずにうろつくのはおやめください」というアルフォンスさん苦言が聞こえてきたけど、アルベルト殿下は軽く流していた。………アルベルト殿下の側近は大変そうだな。
さて、俺も怒られてしまったけどキルの方がグサグサと言われていたから、俺は大丈夫だよ、とキルのことをフォローしよう。そう思って、俺が後ろを振り向くと同時にキルがためらいがちに言葉を発した。
「………俺には! 俺には、アースが必要だ。だから、帝国にはいかないでほしい。」
ちょっと、そんな今にも捨てられそうな子犬のような顔で言われたら………。うれしい、嬉しいよ! だけど、無性に頭をワシャワシャしたくなってしまう。いや、いっそしてしまおう!
俺はキルの頭に手を伸ばして、頭をワシャワシャした。
「キル、そんな顔をしなくても俺は帝国へは行かないよ。まあ正直に言うと、魔法が盛んな帝国の貴族院で学びたいという気持ちが全くないわけではないんだ。だけど、それ以上にキルや側近のみんなと貴族院生活を送りたいと思っているんだ。だから俺は、帝国へは行かないよ。」
「………ああ。」
「あとそれから、必要だと言ってくれてありがとう。すごくうれしかったよ。俺の方こそ、これからもよろしくね。
俺がそういと、キルは恥ずかしそうなそして、嬉しそうな笑顔でうなずいてくれた。………このままの関係がいつまでも続くといいな。
「久しぶりだな、アース。今回の件は本当によくやった。アイバーン帝国貴族院からの推薦状なんて、俺も初めて見たぞ。」
「恐れ入ります。しかし、私の仮説の検証のためアルベルト殿下を始め、側近の方々が奔走してくださったからです。本当にありがとうございました。」
俺はそういい終わると、アルベルト殿下に頭を下げた。事実、俺の仮説をここまで引き上げてくれたのはアルベルト殿下だ。アルベルト殿下がいなければ、俺の単なる妄想に終わった可能性もある。
それに対してアルベルト殿下は一つ頷くと、俺に頭を上げるようにと言った。俺が頭を上げるのを確認すると、アルベルト殿下は次にキルのことを厳しいまなざしで見つめた。
「キル、先程のアースに対する発言は何だ? お前の他者を気遣える性格は美点だ。だが、先程のように「行きたければ行け」と突き放すような言い方をすれば、側近は自分は主に求められていないのではないかと不安になるものだ。大事な局面では、自分が必要としていることを側近たちに伝えなければならない。」
アルベルト殿下の言葉に、キルは一瞬ハッとした表情を浮かべた後にバツの悪そうな顔でうつむいてしまった。………アルベルト殿下の言葉には一理あるけど、ここは俺が庇った方がよさそうだ。
「アルベルト殿下、俺は大丈夫ですので………」
「側近はお前だけではないだろう? アースが大丈夫でも、他の側近が大丈夫とは限らないだろ? それに、キルを甘やかしすぎるのもよくない。お前が仕えているのは、一国の第二王子だ。そのことを改めて肝に銘じろ。もうそろそろ、甘えられる年でもなくなってきているはずだ。お前たち側近がキルを甘やかし続ければ、キルは腑抜けな王子だと揶揄されることになるぞ。」
俺がキルを庇おうとしたところ、アルベルト殿下に軽く睨まれて俺までお説教を食らってしまった。
アルベルト殿下の言うことは正論だ。俺たちはそろそろ貴族院を意識しなければいけない年齢だし、アルベルト殿下は将来自分を支える立場となる、第二王子のキルの成長を願っているのだろう。俺が、俺たちが甘いと言われればそうなのかもしれない。
………だけど、俺の主を、キルを腑抜けになると言われて黙ってはいられない。相手はこの国の第一王子殿下だ。それはわかっている………。俺は冷静にかつ落ち着いて怒りを鎮めて、笑顔でキルを背にしてアルベルト殿下の正面に立った。
「アルベルト殿下、従者の身でありながら無礼な発言をお許しください。キルヴェスター殿下は、決して腑抜けではございません。ましてや、今後なることもございません。………キルヴェスター殿下の側近として、先程の発言の撤回を要求いたします。」
俺がそういうと、アルベルト殿下は面白そうに、そして俺たちを試すような視線を送ってきた。キルはと言うと、俺はキルを背にしているため直接は見ることはできないけど、黙ったままだった。
「ほう………。自分の側近にすら意志表示ができない主が、腑抜けではないというのか?」
「私の自由にしていいという意思表示をなさいました。この優しさは、キルヴェスター殿下の美点であると考えます。」
「なるほど。それではお前は、主が自分を必要としているのかわからないまま誠心誠意仕えることができるのだな?」
………キルには必要とされたい、それは先ほども思ったことだ。俺は少し口ごもってしまい、すぐに返事をすることができなかった。
それに対してアルベルト殿下は、勝ちを確信して満足そうに微笑んだ。
………くそっ、キルに必要とされなくてもいいなんて思えないじゃないかよ。俺は言い返せずに下を向いてしまった。そして後ろにいるキルの方を向くと、キルが拳を強く握りしめているのが見えた。
俺たちが悔しさを噛みしめて、黙ったままでしかいられないと、誰かの足音が近づいてくるのが聞こえてきた。その方向を見てみると、アルフォンスさんだった。
「殿下、その辺にしてはいかがですか? 殿下がキルヴェスター殿下を含めた弟世代を大切に思っているのは存じているのですが、殿下はかわいがりすぎて逆に相手を瀕死に追い詰めてしまうきらいがあるので、注意が必要です。大切に思っている弟世代をつぶしたいわけではないでしょう?」
アルフォンスさんが笑顔でそう言うと、アルベルト殿下は少しひきつった笑みを浮かべて俺とキルを交互に見た。
「………俺はキルたちに成長してほしいと、少し構っているだけだが?」
「殿下の「ただ構っている」という行動は、相手にとっては「追いつめられるほどの恐ろしい」行動なのです。少しは自重なさってください。」
「一考の余地はあるが、それはアルフォンスがキルに甘いだけではないのか? 昔から面倒を見ているから、情があるだろう?
「情はもちろんあります。ただし、それを差し引いても殿下が構いすぎると相手は追い詰められます。殿下に長年仕えてきた側近の意見として、考慮していただければ幸いです。しかし頻度や内容を考えれば、キルヴェスター殿下たちの成長につながるとも考えております。殿下でしたらその匙加減ができると私は信じております。」
俺とキルは兄世代の言葉の応酬を、ただ見ることしかできなかった。アルフォンスさんのこれが諫言であり、主をのせる言葉なのだろう。アルフォンスさんの言葉にアルベルト殿下は、ふっと笑った。
「わかった、今回はお前にのせられてやろう。それじゃあ、お前たちが今後どのように成長するのか楽しみにしているぞ。次は………また近いうちに様子を見に来るからな。」
アルベルト殿下はそういうと、満足そうにアルフォンスさんを連れて去っていった。その際、「側近も連れずにうろつくのはおやめください」というアルフォンスさん苦言が聞こえてきたけど、アルベルト殿下は軽く流していた。………アルベルト殿下の側近は大変そうだな。
さて、俺も怒られてしまったけどキルの方がグサグサと言われていたから、俺は大丈夫だよ、とキルのことをフォローしよう。そう思って、俺が後ろを振り向くと同時にキルがためらいがちに言葉を発した。
「………俺には! 俺には、アースが必要だ。だから、帝国にはいかないでほしい。」
ちょっと、そんな今にも捨てられそうな子犬のような顔で言われたら………。うれしい、嬉しいよ! だけど、無性に頭をワシャワシャしたくなってしまう。いや、いっそしてしまおう!
俺はキルの頭に手を伸ばして、頭をワシャワシャした。
「キル、そんな顔をしなくても俺は帝国へは行かないよ。まあ正直に言うと、魔法が盛んな帝国の貴族院で学びたいという気持ちが全くないわけではないんだ。だけど、それ以上にキルや側近のみんなと貴族院生活を送りたいと思っているんだ。だから俺は、帝国へは行かないよ。」
「………ああ。」
「あとそれから、必要だと言ってくれてありがとう。すごくうれしかったよ。俺の方こそ、これからもよろしくね。
俺がそういと、キルは恥ずかしそうなそして、嬉しそうな笑顔でうなずいてくれた。………このままの関係がいつまでも続くといいな。
167
お気に入りに追加
3,575
あなたにおすすめの小説

十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?

婚約破棄されたショックで前世の記憶&猫集めの能力をゲットしたモブ顔の僕!
ミクリ21 (新)
BL
婚約者シルベスター・モンローに婚約破棄されたら、そのショックで前世の記憶を思い出したモブ顔の主人公エレン・ニャンゴローの話。

転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!

弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました!
※12/14 どうしてもIF話書きたくなったので、書きました!これにて本当にお終いにします。ありがとうございました!
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる