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第二章 初学院編
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俺は屋敷に戻る馬車の中で、兄上と一緒に石板を見ることにした。えーと、なになに。
名:アース・ジーマル
属性:氷・清・召喚
魔力量:9999――
え、何これ。氷以外の情報がわからない。召喚は多分、何かを召喚する無属性の魔法だろう。それに対して清属性って何? あと、魔力量の後ろについている傍線は何だろう? 俺はよくわからなかったので、兄上に見せることにした。
兄上は笑顔で受け取ってくれたが、俺の情報を見た瞬間に笑顔が固まってしまった。魔法の知識がほとんどない俺でも、属性が珍しいことはなんとなくわかる。だけど、そんなに驚くことだろうか?
「えーと、兄上? 何か問題があるでしょうか? その、珍しいですよね、氷属性。」
「………アース、確かに氷属性は珍しいよ。だけど、他の二つが稀有だね。召喚魔法の持ち主は、この世界でお一人しかいなかったから、アースで二人目になるね。清属性は資料でしか見たことなかったけど、光りと水の派生属性だね。ただの水ではなく、癒しや浄化力をもった水を操ることができる。そして、この魔力量が問題だね。魔力の表示は四桁までしかないんだ。どんなに多くても、普通の人は五桁に届かないんだ。だけどアースは表示できる最大の9999な上に、その先もあるという意味の線がついている。つまり、アースの魔力量は常人とは桁が違う。属性も合わせると、潜在能力だけだと世界最高峰の魔導士になれるよ。流石、僕の弟だね!」
いや、待て待て待て! 魔力が表示最大ということは、つまりカンストしているということか? まあ、魔力量が多いに越したことはないけど………。あと、属性は確かに俺が願ったとおりに水に関するものになっている。だけど神様、少しひねくれていないか? 水を固体にしたうえに、キラキラな付加価値まで付いているではないか。あと、召喚魔法って何を召喚するんだ? 変なものでなければいいけど………。あと最後に、俺が世界最高峰の魔導士って荷が重すぎるよ。病弱なんだから、もっと優しくしてほしい。
「だけどこのことが知られると、アースはいろいろな方面から欲しがられるだろうね。アースに手を出した者は、僕が責任をもって潰………対処するから安心してね。」
今、潰すと聞こえた気がしたけど気のせいだろうか? とりあえず俺は、兄上にお礼を言うことにした。
まあ確かに、これほどまでの能力だったらいろいろな人が欲しがるのはわかる。だけど、俺は自重する気はないぞ。少しでも早く、キルに追いつきたいから全身全霊で魔法に取り組む所存だ。
それから屋敷に着いた俺は、別の馬車に乗っていた父上と母上に報告をした。二人は驚いていたがそれと同じくらい、喜んでいた。魔力や属性が豊かなことは、貴族にとって素晴らしいことらしい。そして父上は、凄腕の家庭教師を手配してくれることを約束してくれた。このスペックは大変ありがたいけど、この病弱な体を考慮するとプラスマイナスゼロだと思うんだけど、どうだろうか?
――
そしていよいよ、待ちに待った初学院の登校日だ。先日受けた編入試験は無事に好成績を収めることができたようで、学力が一番上のAクラスへの編入を許可された。今日は始業式のみらしいけど、その後に俺の紹介をしてくれるらしい。クラスで行うと思ったが始業式の後に三年次の集会があるらしいので、そこで自己紹介を行うことになるらしい。社会不適合者になりかけている俺に、五十人以上の生徒の間で自己紹介しろなんて、鬼畜もいいところである。
学園入学前に俺は、兄上に美容院を紹介してもらった。以前、初対面のキルに女性と勘違いされたことが少しショックだったため、その対策として髪を切ることにした。俺の体型は健康時よりも少し小柄だろう。最近調子が良くなったばかりなので、まだまだ貧弱な体である。俺だって少しはかっこよく思われたいので、外見には気を遣っていきたい。
初学院には制服は無いようなので、両親に用意してもらった服を着ることにした。まあ、例によって、兄上とおそろいみたいになっているけど兄上が嬉しそうだったので、良しとしよう。
そして今、集会が行われている大教室の扉の前に担任の先生と一緒にいる。担任の先生の名前は、モール先生である。とても穏やかそうな三十代くらいの男性である。
「アース君、緊張していますか?」
「はい、緊張しています。私家族や使用人以外とほとんど話したことや関わったことがないので、少々不安ですね。」
「アース君の事情は聞いています。しかし、自習で三年次終了くらいの実力をつけ、魔法潜在能力の高いアース君なら、きっとすぐにみんなといい関係を築けますよ。それに、この学年には第二王子殿下がいらっしゃいます。第二王子殿下はここ最近周りに人が集まっており、気立てのいい方です。アース君の事情をお知りになれば、きっと力になってくれるでしょう。」
お、それは初耳だ。この学年には第二王子殿下がいるのか。兄上によると、第一王子殿下は少々熱血タイプのようなのでそのたぐいの性格だろうか? だけど人が集まっているということは、きっと人気者なのだろう。流石、王族である。第二王子殿下も気になるけど、やはりキルに会いたいな………。
「どうやら集会が終わったようですね。後ろに私が控えていますので、安心して前に立ってください。」
「ありがとうございます、モール先生。では、扉を開けますね。」
俺は意を決して、扉を開いた。集会が終わったということもあり、雑談で教室内は満たされていたが、俺が扉を開いたことによって一気に俺へと注目が集まった。うー、視線がすごい刺さる。確かにこういう年ごろって、目新しい人には過剰に反応するきらいがあると思うから仕方がない。ま、まさか、女の子が来たとか思われていないよな?
「では、本日より編入となる新しい仲間を紹介いたします。彼は先日の入学試験でAクラスへの編入を許されました。ではアース君、自己紹介をお願いいたします。」
モール先生はそういうと、俺にマイクのようなものを手渡してくれた。この世界は電機ではなく、魔物からとれる魔石を動力としていろいろなものを動かしているのだ。
って、そんなことよりも何事も初めが肝心だ。舐められないように、きっちり挨拶をこなそう。
名:アース・ジーマル
属性:氷・清・召喚
魔力量:9999――
え、何これ。氷以外の情報がわからない。召喚は多分、何かを召喚する無属性の魔法だろう。それに対して清属性って何? あと、魔力量の後ろについている傍線は何だろう? 俺はよくわからなかったので、兄上に見せることにした。
兄上は笑顔で受け取ってくれたが、俺の情報を見た瞬間に笑顔が固まってしまった。魔法の知識がほとんどない俺でも、属性が珍しいことはなんとなくわかる。だけど、そんなに驚くことだろうか?
「えーと、兄上? 何か問題があるでしょうか? その、珍しいですよね、氷属性。」
「………アース、確かに氷属性は珍しいよ。だけど、他の二つが稀有だね。召喚魔法の持ち主は、この世界でお一人しかいなかったから、アースで二人目になるね。清属性は資料でしか見たことなかったけど、光りと水の派生属性だね。ただの水ではなく、癒しや浄化力をもった水を操ることができる。そして、この魔力量が問題だね。魔力の表示は四桁までしかないんだ。どんなに多くても、普通の人は五桁に届かないんだ。だけどアースは表示できる最大の9999な上に、その先もあるという意味の線がついている。つまり、アースの魔力量は常人とは桁が違う。属性も合わせると、潜在能力だけだと世界最高峰の魔導士になれるよ。流石、僕の弟だね!」
いや、待て待て待て! 魔力が表示最大ということは、つまりカンストしているということか? まあ、魔力量が多いに越したことはないけど………。あと、属性は確かに俺が願ったとおりに水に関するものになっている。だけど神様、少しひねくれていないか? 水を固体にしたうえに、キラキラな付加価値まで付いているではないか。あと、召喚魔法って何を召喚するんだ? 変なものでなければいいけど………。あと最後に、俺が世界最高峰の魔導士って荷が重すぎるよ。病弱なんだから、もっと優しくしてほしい。
「だけどこのことが知られると、アースはいろいろな方面から欲しがられるだろうね。アースに手を出した者は、僕が責任をもって潰………対処するから安心してね。」
今、潰すと聞こえた気がしたけど気のせいだろうか? とりあえず俺は、兄上にお礼を言うことにした。
まあ確かに、これほどまでの能力だったらいろいろな人が欲しがるのはわかる。だけど、俺は自重する気はないぞ。少しでも早く、キルに追いつきたいから全身全霊で魔法に取り組む所存だ。
それから屋敷に着いた俺は、別の馬車に乗っていた父上と母上に報告をした。二人は驚いていたがそれと同じくらい、喜んでいた。魔力や属性が豊かなことは、貴族にとって素晴らしいことらしい。そして父上は、凄腕の家庭教師を手配してくれることを約束してくれた。このスペックは大変ありがたいけど、この病弱な体を考慮するとプラスマイナスゼロだと思うんだけど、どうだろうか?
――
そしていよいよ、待ちに待った初学院の登校日だ。先日受けた編入試験は無事に好成績を収めることができたようで、学力が一番上のAクラスへの編入を許可された。今日は始業式のみらしいけど、その後に俺の紹介をしてくれるらしい。クラスで行うと思ったが始業式の後に三年次の集会があるらしいので、そこで自己紹介を行うことになるらしい。社会不適合者になりかけている俺に、五十人以上の生徒の間で自己紹介しろなんて、鬼畜もいいところである。
学園入学前に俺は、兄上に美容院を紹介してもらった。以前、初対面のキルに女性と勘違いされたことが少しショックだったため、その対策として髪を切ることにした。俺の体型は健康時よりも少し小柄だろう。最近調子が良くなったばかりなので、まだまだ貧弱な体である。俺だって少しはかっこよく思われたいので、外見には気を遣っていきたい。
初学院には制服は無いようなので、両親に用意してもらった服を着ることにした。まあ、例によって、兄上とおそろいみたいになっているけど兄上が嬉しそうだったので、良しとしよう。
そして今、集会が行われている大教室の扉の前に担任の先生と一緒にいる。担任の先生の名前は、モール先生である。とても穏やかそうな三十代くらいの男性である。
「アース君、緊張していますか?」
「はい、緊張しています。私家族や使用人以外とほとんど話したことや関わったことがないので、少々不安ですね。」
「アース君の事情は聞いています。しかし、自習で三年次終了くらいの実力をつけ、魔法潜在能力の高いアース君なら、きっとすぐにみんなといい関係を築けますよ。それに、この学年には第二王子殿下がいらっしゃいます。第二王子殿下はここ最近周りに人が集まっており、気立てのいい方です。アース君の事情をお知りになれば、きっと力になってくれるでしょう。」
お、それは初耳だ。この学年には第二王子殿下がいるのか。兄上によると、第一王子殿下は少々熱血タイプのようなのでそのたぐいの性格だろうか? だけど人が集まっているということは、きっと人気者なのだろう。流石、王族である。第二王子殿下も気になるけど、やはりキルに会いたいな………。
「どうやら集会が終わったようですね。後ろに私が控えていますので、安心して前に立ってください。」
「ありがとうございます、モール先生。では、扉を開けますね。」
俺は意を決して、扉を開いた。集会が終わったということもあり、雑談で教室内は満たされていたが、俺が扉を開いたことによって一気に俺へと注目が集まった。うー、視線がすごい刺さる。確かにこういう年ごろって、目新しい人には過剰に反応するきらいがあると思うから仕方がない。ま、まさか、女の子が来たとか思われていないよな?
「では、本日より編入となる新しい仲間を紹介いたします。彼は先日の入学試験でAクラスへの編入を許されました。ではアース君、自己紹介をお願いいたします。」
モール先生はそういうと、俺にマイクのようなものを手渡してくれた。この世界は電機ではなく、魔物からとれる魔石を動力としていろいろなものを動かしているのだ。
って、そんなことよりも何事も初めが肝心だ。舐められないように、きっちり挨拶をこなそう。
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