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第3話 奥之院和佳は亡霊を追う
7 チェーンの巻かれた意味
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幽霊について、これほど考えたことは今まで無かった。
というより、そもそも幽霊がいるだのいないだの、そんなことを考える以前に、不可解なものがあれば踏み込まない。それが、あたしのスタンスだった。
逆に言えば、そこから一歩踏み込むのは初めてだった。階段から消えた女子高生。これが果たして、何かの仕掛けによるものなのか、本物の幽霊なのか。
叶うならまた夕方に戻って、もっと注意深く観察することができたらと思う。
こんなヤキモキした気持ちになるのは、どれもこれも全部、然人の馬鹿が余計なことを言い残したからだ。
突き落とされた件について詳しいことを聞こうと、あの後何度かスマホでメッセージを送ってみた。が、あいつは送り返してこないどころか、既読にすらしなかった。ちょっと心配になる自分が腹立たしい。
連絡が取れない状況か。入院しているんだろうか。ただの骨折で入院なんてするんだろうか。頭を打っていたりしたら。
どんどん、悪い方へ、悪い方へと考えてしまう。
無駄に頑丈なあいつのことだ。スマホをどこかに置きっぱなしにしているんだろう。
あるいは、スマホなんてそっちのけで、滅多に食べられない病院食や看護師との会話や夜の病院なんかを楽しんでいるのかも。
これも、全部あたしの思い過ごしで、毎日の朝練で溜まった疲労をここぞとばかりに回復すべく、家に帰って爆睡しているかもしれない。心配したこっちがバカバカしくなるほどに。
「ノンねえ、変えていい?」
妹の麗の声で、急に現実へ引き戻される。彼女はリモコンを手に取り、上目遣いでこちらを見ていた。
「あたし見てないから、好きにすれば」
「やった!」
麗はテレビに向き直ると慣れた手つきで、サブスクで古いアニメを再生しようとする。
「麗。そろそろ寝な」
すると、背後から気に食わない声が聞こえてきた。……もう風呂から上がってきたようだ。髪くらいゆっくり乾かしてくりゃいいのに。
「いいじゃん、一話くらい見せてやれば」
あたしはソファに深く座り込んだまま、背後からの声に答える。そこで、背面の時計が十時を指しているのに気が付く。
……思ったよりも、長い時間考え事をしていたようだ。ちなみに、考え事を始めた当初から自室にいなかったのは、お化けが怖かったからではない、決して。
「一話見たら、もう一話見たくなるだろう。確かその話、続きが気になるようになっていたはずだ。するとあっという間に十一時。お化けが出るぞ」
背後の声はおどけた内容を、いたって真面目なトーンで話す。嫌悪感を覚えて仕方がなかった。
あたしはテレビの画面を見る。
確かに、この回はいかにも続きが見たくなる回だったような気がする。幼いころ、同じシチュエーションでぐずった記憶がわずかに蘇ってきた。あたしですらあやふやな記憶なのに、なぜ兄貴が覚えているのか不思議でしょうがない。
「麗、お化け怖くないもん!」
「なら好きなだけ見てもいい。その代わり、もし夜トイレに行きたくなっても兄ちゃんは知らないぞ」
麗は悲しみと怖さが入り混じったような表情で、リモコンをテーブルの上に置いた。
「すぐにお布団に行くので、夜トイレに行きたくなったら付いてきてください」
「任せなさい」
麗はとぼとぼと寝室に向かった。彼女に注意をした声の主……あたしの兄でもある、奥之院泰平は、麗が二階に向かったのを見送ると流しへ向かい、コップに水を入れて飲み干した。
兄は都内に借り家があり、家に戻ってきているのは珍しいことだった。
曰く、何冊か本を取りに来たらしい。大学の授業の参考に使うのか、研究に使うのか、はたまた塾講師のバイトに使うのかは知らない。いずれにしても彼は珍しく帰って来ていて、ついでにシャワーを浴びていた。
この後すぐ車で東京に戻ると言っていたのに、麗のトイレに付き合う約束をするなんて。もし麗が夜中に起きたら、起こされるのはあたしじゃないか。
「和佳、お前は麗に甘すぎる。明日は土曜なんだから、朝から好きなだけ見せてやればいいだろう」
「うるせえ、クソ兄貴」
あたしが悪態を吐くと、兄貴はコップにもう一杯水を注ぎ、あたしの後ろまで歩いてくる。
「んだよ」
「中間試験の話、聞いたぞ。……和佳の頑張った結果なんだろうから、反省はしてもいいが気に病むことはないんじゃないかな。父さんも母さんも、和佳に期待しているんだ。ちょっとキツく当たることもあるかもしれんが、それだけ和佳のことを大切に思っているってことだよ」
あたしは、胸の中で何か火薬のようなものが煙を吐き、頭に熱が立ち上っていくのを感じた。
クソ兄貴が優秀すぎるから、あたしが比較されるんだ。なのに、怒りをぶつけたい当の本人には、何というか、怒りをぶつける的が無いのだ。いっそ蔑んでくれればどれだけ楽なことか。
このクソ兄貴と会話するたび、あたしの心の中にある劣等感がぐらぐらと煮えたぎる。
「兄貴が言うと嫌みにしか聞こえない」
「そんなつもりは無いんだがなあ」
兄貴は頬を掻いた。
わかっている。彼が自分と比較して、学年一位には遠く届かないあたしの成績を蔑んでいるのではないことくらい。……だが、幼いころから両親に、アンタと比較され続けてきたあたしは、そう捉えることができないのだ。
唐突にリビングに息苦しさを感じてきて、あたしは無言で立ち上がり、自分の部屋に向かおうとする。兄貴はそれを咎める気もないようで、麗が置いていったリモコンを手に取り、テレビの電源を切った。
その横顔を見て、ふと思い付く。
……そういえば兄貴は、今年の春に枝高を卒業したばかりだ。直接的に『いないはずの枝高生』の話を知らないにしたって、枝高のことについては、あたしなんかよりよっぽど詳しいんじゃないだろうか。
何せ、この三月まで三年間も通っていたのだ。たかだか二か月程度通ったあたしよりも、何かおかしなことが起こっていると聞いて、関連付けられる物事は多いはずだ。
屋上や幽霊について聞けば、何かあたしが知らない情報が出てくるかもしれない。
兄貴に聞くのは癪だったが、このまま心の中にあの女子高生を抱えたままというのも気持ちの悪い話だった。
あたしは嫌なことと嫌なことを天秤にかける。結果として、わずかに持ち上がった「兄と話す」ことを選んだ。
「兄貴。枝高の教室棟の三階の上って、どうなってるか知ってる」
「……どうした、藪から棒に」
振り返ると、タオルで髪を拭きながらこちらに耳を傾けているようだった。興味を示しすぎず、引きすぎずといった感じの、いつもの体勢だ。
「んなの、どうだっていいだろ。……ちょっと、気になったことがあんだよ」
「好奇心というやつか。珍しいな、和佳にしては」
自分でもそう思う。けれど、それを兄貴に指摘されるのは、気分が良くないものだった。
「……もう一年を過ぎるのに、まだチェーンが巻かれてるのか、あの扉は」
まだ、というからには、少なくとも兄貴の在学中にも、あのゴテゴテとした南京錠は掛けられていたということか。しかも言い様から察するに、在学中ずっと巻かれていたわけではないようだ。……となると。
「例の、自殺に関係あんの」
「和佳。……ただの興味でこの件を掘り下げるのはやめてやってくれ。静かにしておいてやって欲しい」
あたしは、兄貴の物言いに少しだけ苛立ちながら、それでもなるべく冷静に続ける。兄貴がそうやって拒否すること自体が、あたしが気にしていることに関してアンタが情報を持っているという証左なんだ。
「……今、学校でおかしな噂が流れてんだよ。その噂が原因なんじゃないかって怪我をした人間も出た」
昼に話した涼子のことを思い出す。
このまま話が大きくなっていけば、彼女のように噂好きな人間は四百十九人目を必ずあの自殺に絡めてくるだろうし、現にあたしは四百十九人目が幽霊なのではないかと頭の片隅で考え始めている。
「仮に誰かがイタズラでそんな噂を流しているとしても、あたしはその自殺について詳しく知らない。だから、偽物だと判断する要素が何もない。これはただの興味ではなくて……今後枝高で過ごしていく上で、どうしても知っときたいことなんだよ」
兄貴は少しの間考えたような素振りを見せて、やがて自分の中で何かの整理がついたのか、こちらを向いた。
「不必要に多くの人間に話すなよ。面白半分でこの話が広がるのは、彼女にとっては名誉なことじゃないはずだから」
「やっぱり、というか当然だけど。……関係があんのね」
「そうだ。扉のチェーンは、死んだ囚地エリ……彼女が残した、たった一つの生きた証だ」
というより、そもそも幽霊がいるだのいないだの、そんなことを考える以前に、不可解なものがあれば踏み込まない。それが、あたしのスタンスだった。
逆に言えば、そこから一歩踏み込むのは初めてだった。階段から消えた女子高生。これが果たして、何かの仕掛けによるものなのか、本物の幽霊なのか。
叶うならまた夕方に戻って、もっと注意深く観察することができたらと思う。
こんなヤキモキした気持ちになるのは、どれもこれも全部、然人の馬鹿が余計なことを言い残したからだ。
突き落とされた件について詳しいことを聞こうと、あの後何度かスマホでメッセージを送ってみた。が、あいつは送り返してこないどころか、既読にすらしなかった。ちょっと心配になる自分が腹立たしい。
連絡が取れない状況か。入院しているんだろうか。ただの骨折で入院なんてするんだろうか。頭を打っていたりしたら。
どんどん、悪い方へ、悪い方へと考えてしまう。
無駄に頑丈なあいつのことだ。スマホをどこかに置きっぱなしにしているんだろう。
あるいは、スマホなんてそっちのけで、滅多に食べられない病院食や看護師との会話や夜の病院なんかを楽しんでいるのかも。
これも、全部あたしの思い過ごしで、毎日の朝練で溜まった疲労をここぞとばかりに回復すべく、家に帰って爆睡しているかもしれない。心配したこっちがバカバカしくなるほどに。
「ノンねえ、変えていい?」
妹の麗の声で、急に現実へ引き戻される。彼女はリモコンを手に取り、上目遣いでこちらを見ていた。
「あたし見てないから、好きにすれば」
「やった!」
麗はテレビに向き直ると慣れた手つきで、サブスクで古いアニメを再生しようとする。
「麗。そろそろ寝な」
すると、背後から気に食わない声が聞こえてきた。……もう風呂から上がってきたようだ。髪くらいゆっくり乾かしてくりゃいいのに。
「いいじゃん、一話くらい見せてやれば」
あたしはソファに深く座り込んだまま、背後からの声に答える。そこで、背面の時計が十時を指しているのに気が付く。
……思ったよりも、長い時間考え事をしていたようだ。ちなみに、考え事を始めた当初から自室にいなかったのは、お化けが怖かったからではない、決して。
「一話見たら、もう一話見たくなるだろう。確かその話、続きが気になるようになっていたはずだ。するとあっという間に十一時。お化けが出るぞ」
背後の声はおどけた内容を、いたって真面目なトーンで話す。嫌悪感を覚えて仕方がなかった。
あたしはテレビの画面を見る。
確かに、この回はいかにも続きが見たくなる回だったような気がする。幼いころ、同じシチュエーションでぐずった記憶がわずかに蘇ってきた。あたしですらあやふやな記憶なのに、なぜ兄貴が覚えているのか不思議でしょうがない。
「麗、お化け怖くないもん!」
「なら好きなだけ見てもいい。その代わり、もし夜トイレに行きたくなっても兄ちゃんは知らないぞ」
麗は悲しみと怖さが入り混じったような表情で、リモコンをテーブルの上に置いた。
「すぐにお布団に行くので、夜トイレに行きたくなったら付いてきてください」
「任せなさい」
麗はとぼとぼと寝室に向かった。彼女に注意をした声の主……あたしの兄でもある、奥之院泰平は、麗が二階に向かったのを見送ると流しへ向かい、コップに水を入れて飲み干した。
兄は都内に借り家があり、家に戻ってきているのは珍しいことだった。
曰く、何冊か本を取りに来たらしい。大学の授業の参考に使うのか、研究に使うのか、はたまた塾講師のバイトに使うのかは知らない。いずれにしても彼は珍しく帰って来ていて、ついでにシャワーを浴びていた。
この後すぐ車で東京に戻ると言っていたのに、麗のトイレに付き合う約束をするなんて。もし麗が夜中に起きたら、起こされるのはあたしじゃないか。
「和佳、お前は麗に甘すぎる。明日は土曜なんだから、朝から好きなだけ見せてやればいいだろう」
「うるせえ、クソ兄貴」
あたしが悪態を吐くと、兄貴はコップにもう一杯水を注ぎ、あたしの後ろまで歩いてくる。
「んだよ」
「中間試験の話、聞いたぞ。……和佳の頑張った結果なんだろうから、反省はしてもいいが気に病むことはないんじゃないかな。父さんも母さんも、和佳に期待しているんだ。ちょっとキツく当たることもあるかもしれんが、それだけ和佳のことを大切に思っているってことだよ」
あたしは、胸の中で何か火薬のようなものが煙を吐き、頭に熱が立ち上っていくのを感じた。
クソ兄貴が優秀すぎるから、あたしが比較されるんだ。なのに、怒りをぶつけたい当の本人には、何というか、怒りをぶつける的が無いのだ。いっそ蔑んでくれればどれだけ楽なことか。
このクソ兄貴と会話するたび、あたしの心の中にある劣等感がぐらぐらと煮えたぎる。
「兄貴が言うと嫌みにしか聞こえない」
「そんなつもりは無いんだがなあ」
兄貴は頬を掻いた。
わかっている。彼が自分と比較して、学年一位には遠く届かないあたしの成績を蔑んでいるのではないことくらい。……だが、幼いころから両親に、アンタと比較され続けてきたあたしは、そう捉えることができないのだ。
唐突にリビングに息苦しさを感じてきて、あたしは無言で立ち上がり、自分の部屋に向かおうとする。兄貴はそれを咎める気もないようで、麗が置いていったリモコンを手に取り、テレビの電源を切った。
その横顔を見て、ふと思い付く。
……そういえば兄貴は、今年の春に枝高を卒業したばかりだ。直接的に『いないはずの枝高生』の話を知らないにしたって、枝高のことについては、あたしなんかよりよっぽど詳しいんじゃないだろうか。
何せ、この三月まで三年間も通っていたのだ。たかだか二か月程度通ったあたしよりも、何かおかしなことが起こっていると聞いて、関連付けられる物事は多いはずだ。
屋上や幽霊について聞けば、何かあたしが知らない情報が出てくるかもしれない。
兄貴に聞くのは癪だったが、このまま心の中にあの女子高生を抱えたままというのも気持ちの悪い話だった。
あたしは嫌なことと嫌なことを天秤にかける。結果として、わずかに持ち上がった「兄と話す」ことを選んだ。
「兄貴。枝高の教室棟の三階の上って、どうなってるか知ってる」
「……どうした、藪から棒に」
振り返ると、タオルで髪を拭きながらこちらに耳を傾けているようだった。興味を示しすぎず、引きすぎずといった感じの、いつもの体勢だ。
「んなの、どうだっていいだろ。……ちょっと、気になったことがあんだよ」
「好奇心というやつか。珍しいな、和佳にしては」
自分でもそう思う。けれど、それを兄貴に指摘されるのは、気分が良くないものだった。
「……もう一年を過ぎるのに、まだチェーンが巻かれてるのか、あの扉は」
まだ、というからには、少なくとも兄貴の在学中にも、あのゴテゴテとした南京錠は掛けられていたということか。しかも言い様から察するに、在学中ずっと巻かれていたわけではないようだ。……となると。
「例の、自殺に関係あんの」
「和佳。……ただの興味でこの件を掘り下げるのはやめてやってくれ。静かにしておいてやって欲しい」
あたしは、兄貴の物言いに少しだけ苛立ちながら、それでもなるべく冷静に続ける。兄貴がそうやって拒否すること自体が、あたしが気にしていることに関してアンタが情報を持っているという証左なんだ。
「……今、学校でおかしな噂が流れてんだよ。その噂が原因なんじゃないかって怪我をした人間も出た」
昼に話した涼子のことを思い出す。
このまま話が大きくなっていけば、彼女のように噂好きな人間は四百十九人目を必ずあの自殺に絡めてくるだろうし、現にあたしは四百十九人目が幽霊なのではないかと頭の片隅で考え始めている。
「仮に誰かがイタズラでそんな噂を流しているとしても、あたしはその自殺について詳しく知らない。だから、偽物だと判断する要素が何もない。これはただの興味ではなくて……今後枝高で過ごしていく上で、どうしても知っときたいことなんだよ」
兄貴は少しの間考えたような素振りを見せて、やがて自分の中で何かの整理がついたのか、こちらを向いた。
「不必要に多くの人間に話すなよ。面白半分でこの話が広がるのは、彼女にとっては名誉なことじゃないはずだから」
「やっぱり、というか当然だけど。……関係があんのね」
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