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第2話 九重然人は影と対峙する
5 じゃあ、それが真実ってことだろ
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「……何だよ」
いつものように尾先家のチャイムを連打したおれを出迎えたのは、不愉快そうな表情の茶介だった。
普段と違い、表情がはっきりしていることから寝起きでは無いようだ。里咲ちゃんが部屋を借りるようになってから、生活リズムも少しは戻ってきたんだろうか。
「おお、茶介か。白過ぎて豆腐人間でも出てきたのかと思ったべ」
いつものように冗談を言うと、あからさまに嫌そうな表情をした茶介が戸を閉めようとした。
おれは必死になって腕を伸ばしそれを阻止する。
「悪かったって、ホワイトチョコ人間くらいには格上げしてやるから!」
「それは格上げなのかよ?」
やいやいと言い合っていると、ふと、妙な臭いが鼻を突いた。
「茶介……何か火にかけたまんまじゃねえ? 焦げ臭えぞ」
こう言うと――これはかなり珍しいことなんだが――茶介はスッとおれから目を離した。何か後ろめたいことでもあるんか?
「いや……この臭いはちょっとした事故で。とにかく、用がないなら……」
追い返されそうになり、ようやくおれは今日の目的を思い出す。
「そうだそうだ。茶介、里咲ちゃんいるか?」
茶介は意外そうな顔をしてこちらに視線を戻した。
……ん? 何かおかしなこと言ったか、俺?
「今朝里咲ちゃんに、枝高で妙な噂が広まってないか探ってきてくれって頼まれたんよ。で、面白そうな話を見つけたからその報告に来たんだけど……」
「ああ。それで……」
茶介は何か合点が行ったようだ。
しばらく何か考えていたようだったけど、そのうち自分の中で何かの整理がついたのか、戸を大きく開けると「上がりな」と言う。
おれは彼に連れられるまま居間に向かう。尾先のじーさんがいた頃とほとんど変わらない廊下、そして居間。
……唯一違うのは、奥の部屋から強烈に香る異臭だ。あの先は……台所だっけ、確か。
「あっ。然人くん! 来てくれたのですね!」
扉が開くと、そこからはモクモクと煙が立ち上り、その中から……真っ黒の里咲ちゃんが飛び出してきた。
「……実験?」
「お料理ですよ!」
良く見ると彼女は皿に何か……本当に何だ、アレ? 縮んだ不可思議な物体を載せていた。
「……屋内バーベキューの、炭?」
「ホットケーキです!」
これ、笑うとこよね? と、おれは茶介を省みたが、彼は目線を床に落としたまま座り込んでいた。
……あっ、ガチなんだね。おれは頂いた消し炭……もとい、独創的なホットケーキを口に運んだ。
「ん、味は見た目ほど壊滅的じゃないな」
「嘘だろ?」
茶介が思わずといった感じで突っ込んでくる。
まあ、おれはあんまり味の違いがわからないからな。……酒屋の息子としてそれは致命的な気もするが、継ぐ気はねえし別に良いだろう。
ともかく、おれは黒い物体をつまみつつ、里咲ちゃんに「影人間」の話をした。
「……噂が無かったからって、適当な話をでっち上げてるんじゃないだろうな」
茶介が横から入ってくる。すると里咲ちゃんがぶんぶん横に首を振った。
「いえ、本当にそのような噂は流れていると思います」
「里咲ちゃん。君だけだぜ、おれを信じてくれるの……」
「あ。断片的にですが、朝聞こえた話にそっくりでしたから」
「そっちかい!」
おれは思わずずっこける。確かにそんなことも言っていたような。
「しかし、ずいぶん僻地の噂だな。然人、お前本当に枝高でこの話を聞いたのか?」
茶介は鼻で笑いながら聞いてくる。
「俺は近里のことはあまり詳しくないけど、枝高の連中であのトンネルを通る人間って、だいぶ限られるだろ」
「ああ……言われてみればそうかもな。駅や住宅街は逆方向だし。こっちは古くからの家ばっかりだからな。この家もそうだし、ノンの……奥之院の家もそうだべ」
……あれ? 喋りながら、違和感に気が付く。
「だとしたら、誰がこの話の発生源なんだ? 怯え様から言って奥之院じゃないんだろ」
「そういえば、ながめも妙なこと言ってたな。……誰から聞いたか覚えてないとか、何とか」
「……じゃあ、それが真実ってことだろ」
「え?」
「ながめが奥之院のことを驚かしたくてついた嘘なんじゃないか、ってことだよ」
「うーん……」
おれは考え込む。あいつがドSなのは認めるけど、わざわざノンをビビらせるために、そんな根も葉もない噂をでっち上げるだろうか?
「ながめがそこまでするとは思えないんだよな、おれ。それに里咲ちゃんだって、朝誰かが話してたのを聞いたんだろ?」
「あ、はい。……朝も言ったとおり断片的で、この話そのものかはわかりませんでしたけれど」
「誰が話してたかってことはわかるか?」
茶介がじっとりと問う。声の抑揚からして、答えにはあまり期待していないようだ。
「う、うーん。誰でしょう……。わたし、ビニールハウス裏に隠れて耳を立てていたので、姿までは見ていないのですよね……。姿を見られるわけにはいきませんでしたし」
妙な話になってきて、茶介は考え込んだ。おれはそんな様子を見ながら、考えすぎじゃないかなと思った。
確かに違和感はあるものの、枝高の生徒か、もしくはその家族があのトンネルを通ることが一切無い、とは言い切れないし。いちいち細かいところまで気にするのは茶介の良くもあり、悪くもある癖だ。
まあ、この前の「不気味な光事件」はこの癖のせいで暴かれたようなもんだけど。
「他に似たような話って無かったのか。そっちと聞き間違えたのかもしれない」
「まったく、茶介クンはそんなにながめを嘘つきにしたいんか」
「嘘つきっていうか……奥之院をからかっただけっていう可能性もあるだろ」
「……あ、そういや、思い出したぞ!」
おれは手のひらをポンと叩く。
「里咲ちゃん、今後出歩くときは注意したほうがいいぜ……。学校内で『四百十九人目』なんて噂が出回ってるからさ」
「『四百十九人目』……ですか?」
「ああ。ほら、夕方の校舎とかで、里咲ちゃんがいるのが何度か目撃されちゃってるみたいだべ……枝高には、神出鬼没の生徒がもう一人いるってさ。気を付けたほうがいいぞ」
「……夕方の、校舎……?」
人差し指を立てて指摘すると、彼女はぽかんとした表情をする。
だがそれも束の間、今朝のことも含めて何か思い当たる節があったのだろう。
「すみません。どんくさくて……」
そう言って、首をすくめた。
「……いや、どんくさいとかじゃなくて。昼間にそんな目立つ所に行ったのか? 近野、今のお前の姿を忘れるなよ。誰かに顔を目撃されたりしたら洒落にならないんだぞ」
茶介が小姑のように小言を言い始めたので、おれは二人の間に割って入った。
「まあまあ、実際バレてるわけじゃねえし。今の程度だったら大丈夫だべ。ただ……隠密スキルは壊滅的みたいだから、今後はより一層気をつけるのをオススメするぜえ。と、おれが持ってきた噂はこれで全部だ。……もっとゴロゴロ転がってるもんかと思ったら、案外無かったんだよなあ」
「引っ越してきた町が、 魑魅魍魎の巣窟であってたまるか。……それに、今回の話はあんまり乗り気にならないな。事実だとしても、近野が狐になったこととあんまり関係なさそうだし」
茶介がクッションに体を放り出すと、里咲ちゃんがぼそりと口を開いた。
「……今は何の情報もありませんから。私、少しでも何かに繋がりそうなら、調べてみようと思います。せっかく然人くんが探してきてくれたお話ですし」
「ま、ともかく。調べる気になったらおれも誘ってくれよな。役に立つぜ!」
「絶対誘わない」
と、寝転がったまま茶介が言った。
「何でだよ!」
「近野の隠密スキルが壊滅的なように、然人の探索スキルも壊滅的だからだ」
む。痛いところを突いてくる。実際この前だって、ライターを先に見つけられていれば、あんなサスペンスみたいな自供をしなくてもよかったんだ。……いや、どこかで謝るつもりではあったけど!
おれはホットケーキの最後の欠片を口に放り込んだ。そして里咲ちゃんにおやつのお礼を言って、そのまま去ることにした。
この前の一件から里咲ちゃんは茶介を信頼しているだろうし、もし「影人間」を調べに行きたいのなら彼に付いて来て欲しいだろう。
でも、茶介の方はおれがいると首を縦に振らないかもしれない。素直じゃねえし。
奥之院姉妹との約束の時間までまだしばらくある。おれは何の気なしに、時間を潰すために自転車でカザミに向かった。
にしても、里咲ちゃんが来てくれたことで、なんだか茶介に明るさが戻ってきたような感じがするな。
狐になるなんて、里咲ちゃんにとっては不幸な出来事だったろう。でも、茶介にとっては……きっと、良いことなのだろう、なんて思った。
いつものように尾先家のチャイムを連打したおれを出迎えたのは、不愉快そうな表情の茶介だった。
普段と違い、表情がはっきりしていることから寝起きでは無いようだ。里咲ちゃんが部屋を借りるようになってから、生活リズムも少しは戻ってきたんだろうか。
「おお、茶介か。白過ぎて豆腐人間でも出てきたのかと思ったべ」
いつものように冗談を言うと、あからさまに嫌そうな表情をした茶介が戸を閉めようとした。
おれは必死になって腕を伸ばしそれを阻止する。
「悪かったって、ホワイトチョコ人間くらいには格上げしてやるから!」
「それは格上げなのかよ?」
やいやいと言い合っていると、ふと、妙な臭いが鼻を突いた。
「茶介……何か火にかけたまんまじゃねえ? 焦げ臭えぞ」
こう言うと――これはかなり珍しいことなんだが――茶介はスッとおれから目を離した。何か後ろめたいことでもあるんか?
「いや……この臭いはちょっとした事故で。とにかく、用がないなら……」
追い返されそうになり、ようやくおれは今日の目的を思い出す。
「そうだそうだ。茶介、里咲ちゃんいるか?」
茶介は意外そうな顔をしてこちらに視線を戻した。
……ん? 何かおかしなこと言ったか、俺?
「今朝里咲ちゃんに、枝高で妙な噂が広まってないか探ってきてくれって頼まれたんよ。で、面白そうな話を見つけたからその報告に来たんだけど……」
「ああ。それで……」
茶介は何か合点が行ったようだ。
しばらく何か考えていたようだったけど、そのうち自分の中で何かの整理がついたのか、戸を大きく開けると「上がりな」と言う。
おれは彼に連れられるまま居間に向かう。尾先のじーさんがいた頃とほとんど変わらない廊下、そして居間。
……唯一違うのは、奥の部屋から強烈に香る異臭だ。あの先は……台所だっけ、確か。
「あっ。然人くん! 来てくれたのですね!」
扉が開くと、そこからはモクモクと煙が立ち上り、その中から……真っ黒の里咲ちゃんが飛び出してきた。
「……実験?」
「お料理ですよ!」
良く見ると彼女は皿に何か……本当に何だ、アレ? 縮んだ不可思議な物体を載せていた。
「……屋内バーベキューの、炭?」
「ホットケーキです!」
これ、笑うとこよね? と、おれは茶介を省みたが、彼は目線を床に落としたまま座り込んでいた。
……あっ、ガチなんだね。おれは頂いた消し炭……もとい、独創的なホットケーキを口に運んだ。
「ん、味は見た目ほど壊滅的じゃないな」
「嘘だろ?」
茶介が思わずといった感じで突っ込んでくる。
まあ、おれはあんまり味の違いがわからないからな。……酒屋の息子としてそれは致命的な気もするが、継ぐ気はねえし別に良いだろう。
ともかく、おれは黒い物体をつまみつつ、里咲ちゃんに「影人間」の話をした。
「……噂が無かったからって、適当な話をでっち上げてるんじゃないだろうな」
茶介が横から入ってくる。すると里咲ちゃんがぶんぶん横に首を振った。
「いえ、本当にそのような噂は流れていると思います」
「里咲ちゃん。君だけだぜ、おれを信じてくれるの……」
「あ。断片的にですが、朝聞こえた話にそっくりでしたから」
「そっちかい!」
おれは思わずずっこける。確かにそんなことも言っていたような。
「しかし、ずいぶん僻地の噂だな。然人、お前本当に枝高でこの話を聞いたのか?」
茶介は鼻で笑いながら聞いてくる。
「俺は近里のことはあまり詳しくないけど、枝高の連中であのトンネルを通る人間って、だいぶ限られるだろ」
「ああ……言われてみればそうかもな。駅や住宅街は逆方向だし。こっちは古くからの家ばっかりだからな。この家もそうだし、ノンの……奥之院の家もそうだべ」
……あれ? 喋りながら、違和感に気が付く。
「だとしたら、誰がこの話の発生源なんだ? 怯え様から言って奥之院じゃないんだろ」
「そういえば、ながめも妙なこと言ってたな。……誰から聞いたか覚えてないとか、何とか」
「……じゃあ、それが真実ってことだろ」
「え?」
「ながめが奥之院のことを驚かしたくてついた嘘なんじゃないか、ってことだよ」
「うーん……」
おれは考え込む。あいつがドSなのは認めるけど、わざわざノンをビビらせるために、そんな根も葉もない噂をでっち上げるだろうか?
「ながめがそこまでするとは思えないんだよな、おれ。それに里咲ちゃんだって、朝誰かが話してたのを聞いたんだろ?」
「あ、はい。……朝も言ったとおり断片的で、この話そのものかはわかりませんでしたけれど」
「誰が話してたかってことはわかるか?」
茶介がじっとりと問う。声の抑揚からして、答えにはあまり期待していないようだ。
「う、うーん。誰でしょう……。わたし、ビニールハウス裏に隠れて耳を立てていたので、姿までは見ていないのですよね……。姿を見られるわけにはいきませんでしたし」
妙な話になってきて、茶介は考え込んだ。おれはそんな様子を見ながら、考えすぎじゃないかなと思った。
確かに違和感はあるものの、枝高の生徒か、もしくはその家族があのトンネルを通ることが一切無い、とは言い切れないし。いちいち細かいところまで気にするのは茶介の良くもあり、悪くもある癖だ。
まあ、この前の「不気味な光事件」はこの癖のせいで暴かれたようなもんだけど。
「他に似たような話って無かったのか。そっちと聞き間違えたのかもしれない」
「まったく、茶介クンはそんなにながめを嘘つきにしたいんか」
「嘘つきっていうか……奥之院をからかっただけっていう可能性もあるだろ」
「……あ、そういや、思い出したぞ!」
おれは手のひらをポンと叩く。
「里咲ちゃん、今後出歩くときは注意したほうがいいぜ……。学校内で『四百十九人目』なんて噂が出回ってるからさ」
「『四百十九人目』……ですか?」
「ああ。ほら、夕方の校舎とかで、里咲ちゃんがいるのが何度か目撃されちゃってるみたいだべ……枝高には、神出鬼没の生徒がもう一人いるってさ。気を付けたほうがいいぞ」
「……夕方の、校舎……?」
人差し指を立てて指摘すると、彼女はぽかんとした表情をする。
だがそれも束の間、今朝のことも含めて何か思い当たる節があったのだろう。
「すみません。どんくさくて……」
そう言って、首をすくめた。
「……いや、どんくさいとかじゃなくて。昼間にそんな目立つ所に行ったのか? 近野、今のお前の姿を忘れるなよ。誰かに顔を目撃されたりしたら洒落にならないんだぞ」
茶介が小姑のように小言を言い始めたので、おれは二人の間に割って入った。
「まあまあ、実際バレてるわけじゃねえし。今の程度だったら大丈夫だべ。ただ……隠密スキルは壊滅的みたいだから、今後はより一層気をつけるのをオススメするぜえ。と、おれが持ってきた噂はこれで全部だ。……もっとゴロゴロ転がってるもんかと思ったら、案外無かったんだよなあ」
「引っ越してきた町が、 魑魅魍魎の巣窟であってたまるか。……それに、今回の話はあんまり乗り気にならないな。事実だとしても、近野が狐になったこととあんまり関係なさそうだし」
茶介がクッションに体を放り出すと、里咲ちゃんがぼそりと口を開いた。
「……今は何の情報もありませんから。私、少しでも何かに繋がりそうなら、調べてみようと思います。せっかく然人くんが探してきてくれたお話ですし」
「ま、ともかく。調べる気になったらおれも誘ってくれよな。役に立つぜ!」
「絶対誘わない」
と、寝転がったまま茶介が言った。
「何でだよ!」
「近野の隠密スキルが壊滅的なように、然人の探索スキルも壊滅的だからだ」
む。痛いところを突いてくる。実際この前だって、ライターを先に見つけられていれば、あんなサスペンスみたいな自供をしなくてもよかったんだ。……いや、どこかで謝るつもりではあったけど!
おれはホットケーキの最後の欠片を口に放り込んだ。そして里咲ちゃんにおやつのお礼を言って、そのまま去ることにした。
この前の一件から里咲ちゃんは茶介を信頼しているだろうし、もし「影人間」を調べに行きたいのなら彼に付いて来て欲しいだろう。
でも、茶介の方はおれがいると首を縦に振らないかもしれない。素直じゃねえし。
奥之院姉妹との約束の時間までまだしばらくある。おれは何の気なしに、時間を潰すために自転車でカザミに向かった。
にしても、里咲ちゃんが来てくれたことで、なんだか茶介に明るさが戻ってきたような感じがするな。
狐になるなんて、里咲ちゃんにとっては不幸な出来事だったろう。でも、茶介にとっては……きっと、良いことなのだろう、なんて思った。
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