ヒーローよりも少年の方が強すぎる件〜少年は今日も無自覚に無双する〜

一章 姉さん達の学園生活！

ハルの生活 パート❶

　重い…私は自分のお腹に掛かる重さに目を覚ました。見ると自分のお腹を枕にして寝ている弟の姿があった。

　余りに幸せそうに寝ていると怒る気になれない。だって可愛い過ぎるもの。

　頭を撫でるとくすぐったそうに仕草をし、尚且（なおか）つフニァという声を出すんだもの！とはいえ私は今日は入学試験があるのでもう起きなければならない。

「カタナ、私もう起きないと行けないの。退（ど）いてくらるかな？」

「…うにゅ？」

「もう…。仕方ないんだから！」

弟は私から退いてまた寝てしまった。それも幸せそうに。

　その後はご飯を食べて昨日の内に済（す）ませておいた準備を確認し直した。

「もう行く時間よ。それじゃあ行くわね父さん」

「おう、頑張れよ！」

　父さんはエールを送って二度寝をしに行った。私達も玄関から出ようとした時、弟が私達に抱きついた。

　ダメ。私は余りに可愛いくて行か無くても良いかなと、つい思い掛けて頭を振った。マシロ姉さんが弟を抱きしめているので私はずるいと呟きながら頭を撫でた。

「行って来るね。お姉ちゃん頑張って絶対合格して来るからね！」

　そう言って家を出た。

　出る時、マシロ姉さんは私が弟と寝ていたのが不満だったらしく弟に、今日は私と寝るのよと言っていた。

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　学園に向かう道中。

「弟の為になる絶対受かろうね！」
「そうね。それにしても見て来る人が多いような…」

　私達は視線が段々と気になり出した。

「あの子達可愛い過ぎない？」

「分かるー。声かけてみようかな？」

「そこの可愛い子ちゃん。俺と付き合ってよ！」

「いや待て。俺様と付き合わないか？」

「遠慮するわ。興味ないもの」

「他を当たってくれるかしら？」

　何回かナンパをされたけど全部月返した。それはもう冷たくだ。何回かしているとして来なくなった。

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　学園に到着するとかなりの受験生が来ていた。私達は改めて気合いを入れ直した。

　受験生はまず、学園長の話を聞いた。と言ってもこの学園はから始まる普通の話だけど。そんな学園長の15分間の話が終わり、いよいよ試験に付いての話しが始まった。

　話しによると〔ヒーローエナジー〕の測定と実技の２つをやるようだ。

　測定器は間違えない様に工夫してあり1回ですむ。そしてここで５０％に届かない人はまず脱落する。

　実技試験。試験官と模擬戦してある程度の実技が有れば合格となり晴れて入学できるのだ。

　〔ヒーローエナジー〕を測定するために測定室に向かった。

　受験生はこの時から気持ちを切り替える。