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序章

プロローグ 最弱な少年

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「お前みたいな雑魚本当ウザいんだよ!」

 一人の少年が複数の少年に殴られていた。

 それはもうリンチ。周りの人は皆見て見ぬふりや興味ない様に通り過ぎてしまう。その原因は悲しい現実だった。

 理由は後(のち)に話そう。

「僕だけ殴られるだけで良いだろ?コリンは関係ない。コリンに謝れ!」

「はっ。よく言うぜ!くそ雑魚はサンドバッグがお似合いなんだよ。それをその狐(きつね)は邪魔(じゃま)しやがって、むかつくんだよ!」

「「そーだ。そーだ。弱い癖(くせ)に逃げやがって。大人しく殴られてれば良いんだ!」」

 そう言うなり渾身(こんしん)の一撃を少年と狐に放った。

 バコッと鈍い音が当たりに響く。

(くそっ。僕はなんて弱いんだ。ごめんね、コリン…君を守れなくて)

 少年 天川カタナは口から血を吐いて気絶した。

「あーつまんねーの。行こうぜ」

「こんな雑魚ほっといて遊び行こうぜ!」

「「賛成ー」」

 少年四人が去って10分後、女の子二人がカタナに駆け(かけ)つけた。

「カタナ。しっかりして、カタ君!」

「マシロ姉さん、弟が死んじゃう!早く家に帰ろう」

「ええそうね。かたくんを急いで連れて帰るわよ」

 マシロとハルは唇を噛んだ。なぜ自分はカタナを近くで守れなかったのかと、強い憤り(いきどおり)を感じていた。

 マシロに背負われるカタナは見るからに重症だった。

 カタナは弱いことで周りから虐められていた。

 なぜ弱いのか。それは〈ヒーローエナジー〉が関係している。

 〈ヒーローエナジー〉とはヒーローに変身する他に全能力を常に上げる事が出来る。誰でも持っているものだ。

 しかし10億人に人の確率で〈ヒーローエナジー〉が0%セントの人が存在する。

 当然0%の人は能力が上がらないため、他の人よりもどうしても弱くなってしまうのだ。

 例えば、普通の瓦割りをしたとしよう。〈ヒーローエナジー〉が50%ある人は変身しないで50枚割れるのに対し0%の人は0枚と全然割れないのだ。

 これほどに、〈ヒーローエナジー〉は重要かつ必要不可欠(ふかけつ)だ。
 
さらに鍛え上げることもできる。つまりより強くなれるのだ。50%の人が一年後55%になれる。

 しかし、カタナはどんなに頑張っても0%のままだった。これがカタナが虐められたり、ほとんどの人が相手にしない一番の理由だった。
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