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1章 悪役令嬢の私がどうしてバチェラーに?
1話 私、なんで、バチェラー(王太子妃決定婚活バトルロワイヤル)に呼ばれたの?
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私はこれから、本日3度目の婚約破棄を宣告される。
「突然だが、君に婚約破棄を告げに来た!!! 理由はーー」
王太子は言葉を切り、口角をあげた。
「ちょっと、待ってください」
私は顔を伏せ、ふるえる胸をおさえる。
「悲しませたのも、驚かせたのも無理はない。なぜならこの俺に、婚約破棄をされるのだから」
「待ってくださいってお伝えしているじゃないですか」
私は顔を上げて、王太子殿下を見た。殿下がさぁっと表情を変えた。
「ひぃっっ」
殿下は後ろに下がった。
「どうしました?」
私は笑って、近づく。
「ちょちょちょっとちょっと! ちかちかちか、近いよ!」
殿下は尻餅をついた。虫のように後ろに逃げる。端からずり落ちて床に転がり落ちた。
「だ……大丈夫ですか!!!!」
飛び降りて近づくと、殿下は悲鳴を上げた。
「やめてくれ! もう降りる!!! こんな仕打ちは耐えられない!!!」
殿下役の俳優は劇場から逃げ去った。涙に濡れ、股間が濡れていた。申し訳ないことをしたと思う。
「ストップ!」
監督の声がとんだ。
「アニマ嬢、これで何度目なんだ!」
「すみません。ですが、私は――」
「うるさいな。できないのなら、クビだからね」
「も、申し訳ございません。監督の意のままにいたします」
「はぁーーー。今日は終わりでいい。もう殿下役の俳優がいないからね。あ、これ渡しておくね。ああ、参ったなぁ……」
今日の給料を受け取り、控室に向かう。
控え室の前で私の婚約者であるマシュー様が待っていた。
マシューはハンサムな顔立ち、とても良い声をしていて男爵令息のお金持ちだ。なぜ私と婚約を決めてくださったのか未だによくわかっていない。
「まぁ! 今日はどうされたのですか。いつもは劇場にはいらっしゃいませんよね」
私の声がワントーン、あがった。
「アニマ。突然だが。僕は、婚約破棄を伝えにきたんだ」
気がつくと、私は給与袋をにぎりつぶしていた。
精一杯、笑った。
「ひぃぃっ……」
マシュー様が後ずさる。
「……良かったら訳を話して頂けませんか」
「実は。その……両親が……ね」
私は天をあおぎ、すべてを理解した。
「ご両親が反対なさっているのですね」
マシューを責めるわけにはいかない。選ばれなかった自分を恥じるべきだ。
私は、この方以上にハンサムでお金持ちの男性と今後結婚できる見込みはないだろう。
マシューは黙ったまま、ちいさくうなずいた。
「……承知いたしました。私の両親へお話しくださいますか」
「僕も忙しくてさ。アニマから伝えておいてくれないかな。それじゃあ、もう会うこともないけど。さよなら」
逃げるように去っていった。
これで、本日4回目の婚約破棄のできあがりというわけですね。
胸からせりあがってくる、叫び出したい衝動を必死で抑えこむ。
気を紛らわすために外へ出た。
初春のすこし冷たい風が頬をなでた。照らす光にすこしだけ心が暖かくなる。 劇場近くの広場の木陰に座った。
空高く舞う、鷹に見入っていると、男の子が私の顔をのぞきこんで、はっとした表情をうかべた。
「お姉ちゃん? もしかして……おばけ?」
「私はおばけではないわ」
私は深呼吸をしてから、笑みをうかべた。そうしないと、どうにかなってしまいそうだった。
「そう見える?」
「うわぁ……怖い! ふぇ――」
子どもは泣いて逃げてしまった。
うずくまって顔を伏せた。
ふるえる身体をしっかりと抱き、奥歯を強く噛んだ。
「大丈夫ですか」
男性の声がした。優しい声音だった。あわてて涙をぬぐった。
スーツ姿の初老の男性が笑顔を向けていた。
「よかったら、あちらで休まれませんか」
豪奢な馬車が止まっていた。私が存じ上げないだけで、上級貴族なのだろう。
「あっいえ! ……。すごくいい天気で幸せだなぁって思ったら泣けてきちゃっただけで、そういうあれではないのです!」
「紅茶があります。入れたてなので、からだが暖まりますよ。ほらっ。外はまだ冷えますし」
男性の片眼鏡が日光に反射して、輝く。
この方は私を怖がらない。
「では、すこしだけ、ご厚意に甘えたいと存じます」
「どうぞこちらへ」
馬車の奥へ通される。
なかは思っていたよりもだいぶ狭く感じた。
はて。紅茶が見当たらない。
男性が扉を閉めて、隣に座った。
「寒いですね」
そして、ニッコリとほほえむ。
……迂闊だった! どうして気づかなかったんだろう。
最近王都で馬車に乗りませんかと言って、令嬢が誘拐される事件が起こったらしい。まんまじゃないか。
「すみません用事を思い出しました帰ります」
早口で言って、扉をあけようとするが、制止される。ドレスの下に嫌な汗が流れるのを感じた。
「お話だけでも 聞いて頂けませんか。アニマ・タウンゼント子爵令嬢」
男性が笑って私の名前を告げた。
「どうして?」
私のことを知っている。この人は、だれだ。
「ご紹介いたします。ここにおわすお方は、バイラル王国第1王太子である、セシル殿下です」
「は、はぁ?」
低くて、良くとおる声だった。
「アニマ・タウンゼント子爵令嬢ですね」
「はい」
殿下がしゃべりはじめると、男性は押し黙った。
本日4回目の殿下はニセモノと違って、気品が違った。
素材が違うと言ったらいいだろうか。
色合いといったらいいか。
艶もあるし、上品さも。
角ばっていて、茶色い線がたくさん。
――って!!!! 私の目の前にいるのは、殿下じゃない!!!!!!!!!
木、木目です!!!!! 目の前にあるのは、座高を超える大きな衝立!!!!!!! それによって、殿下のお姿を見ることがことができず、車内がすごく狭く感じたのだった。
私は憎々しげに衝立を押したが、びくともしなかった。足下を見ると、重い鉄がどっしりと鎮座していた。
殿下の重々しい声が、私に告げた。
「あなたを我がバチェラー(王太子妃決定婚活バトルロワイヤル)へお誘いに参りました」
「突然だが、君に婚約破棄を告げに来た!!! 理由はーー」
王太子は言葉を切り、口角をあげた。
「ちょっと、待ってください」
私は顔を伏せ、ふるえる胸をおさえる。
「悲しませたのも、驚かせたのも無理はない。なぜならこの俺に、婚約破棄をされるのだから」
「待ってくださいってお伝えしているじゃないですか」
私は顔を上げて、王太子殿下を見た。殿下がさぁっと表情を変えた。
「ひぃっっ」
殿下は後ろに下がった。
「どうしました?」
私は笑って、近づく。
「ちょちょちょっとちょっと! ちかちかちか、近いよ!」
殿下は尻餅をついた。虫のように後ろに逃げる。端からずり落ちて床に転がり落ちた。
「だ……大丈夫ですか!!!!」
飛び降りて近づくと、殿下は悲鳴を上げた。
「やめてくれ! もう降りる!!! こんな仕打ちは耐えられない!!!」
殿下役の俳優は劇場から逃げ去った。涙に濡れ、股間が濡れていた。申し訳ないことをしたと思う。
「ストップ!」
監督の声がとんだ。
「アニマ嬢、これで何度目なんだ!」
「すみません。ですが、私は――」
「うるさいな。できないのなら、クビだからね」
「も、申し訳ございません。監督の意のままにいたします」
「はぁーーー。今日は終わりでいい。もう殿下役の俳優がいないからね。あ、これ渡しておくね。ああ、参ったなぁ……」
今日の給料を受け取り、控室に向かう。
控え室の前で私の婚約者であるマシュー様が待っていた。
マシューはハンサムな顔立ち、とても良い声をしていて男爵令息のお金持ちだ。なぜ私と婚約を決めてくださったのか未だによくわかっていない。
「まぁ! 今日はどうされたのですか。いつもは劇場にはいらっしゃいませんよね」
私の声がワントーン、あがった。
「アニマ。突然だが。僕は、婚約破棄を伝えにきたんだ」
気がつくと、私は給与袋をにぎりつぶしていた。
精一杯、笑った。
「ひぃぃっ……」
マシュー様が後ずさる。
「……良かったら訳を話して頂けませんか」
「実は。その……両親が……ね」
私は天をあおぎ、すべてを理解した。
「ご両親が反対なさっているのですね」
マシューを責めるわけにはいかない。選ばれなかった自分を恥じるべきだ。
私は、この方以上にハンサムでお金持ちの男性と今後結婚できる見込みはないだろう。
マシューは黙ったまま、ちいさくうなずいた。
「……承知いたしました。私の両親へお話しくださいますか」
「僕も忙しくてさ。アニマから伝えておいてくれないかな。それじゃあ、もう会うこともないけど。さよなら」
逃げるように去っていった。
これで、本日4回目の婚約破棄のできあがりというわけですね。
胸からせりあがってくる、叫び出したい衝動を必死で抑えこむ。
気を紛らわすために外へ出た。
初春のすこし冷たい風が頬をなでた。照らす光にすこしだけ心が暖かくなる。 劇場近くの広場の木陰に座った。
空高く舞う、鷹に見入っていると、男の子が私の顔をのぞきこんで、はっとした表情をうかべた。
「お姉ちゃん? もしかして……おばけ?」
「私はおばけではないわ」
私は深呼吸をしてから、笑みをうかべた。そうしないと、どうにかなってしまいそうだった。
「そう見える?」
「うわぁ……怖い! ふぇ――」
子どもは泣いて逃げてしまった。
うずくまって顔を伏せた。
ふるえる身体をしっかりと抱き、奥歯を強く噛んだ。
「大丈夫ですか」
男性の声がした。優しい声音だった。あわてて涙をぬぐった。
スーツ姿の初老の男性が笑顔を向けていた。
「よかったら、あちらで休まれませんか」
豪奢な馬車が止まっていた。私が存じ上げないだけで、上級貴族なのだろう。
「あっいえ! ……。すごくいい天気で幸せだなぁって思ったら泣けてきちゃっただけで、そういうあれではないのです!」
「紅茶があります。入れたてなので、からだが暖まりますよ。ほらっ。外はまだ冷えますし」
男性の片眼鏡が日光に反射して、輝く。
この方は私を怖がらない。
「では、すこしだけ、ご厚意に甘えたいと存じます」
「どうぞこちらへ」
馬車の奥へ通される。
なかは思っていたよりもだいぶ狭く感じた。
はて。紅茶が見当たらない。
男性が扉を閉めて、隣に座った。
「寒いですね」
そして、ニッコリとほほえむ。
……迂闊だった! どうして気づかなかったんだろう。
最近王都で馬車に乗りませんかと言って、令嬢が誘拐される事件が起こったらしい。まんまじゃないか。
「すみません用事を思い出しました帰ります」
早口で言って、扉をあけようとするが、制止される。ドレスの下に嫌な汗が流れるのを感じた。
「お話だけでも 聞いて頂けませんか。アニマ・タウンゼント子爵令嬢」
男性が笑って私の名前を告げた。
「どうして?」
私のことを知っている。この人は、だれだ。
「ご紹介いたします。ここにおわすお方は、バイラル王国第1王太子である、セシル殿下です」
「は、はぁ?」
低くて、良くとおる声だった。
「アニマ・タウンゼント子爵令嬢ですね」
「はい」
殿下がしゃべりはじめると、男性は押し黙った。
本日4回目の殿下はニセモノと違って、気品が違った。
素材が違うと言ったらいいだろうか。
色合いといったらいいか。
艶もあるし、上品さも。
角ばっていて、茶色い線がたくさん。
――って!!!! 私の目の前にいるのは、殿下じゃない!!!!!!!!!
木、木目です!!!!! 目の前にあるのは、座高を超える大きな衝立!!!!!!! それによって、殿下のお姿を見ることがことができず、車内がすごく狭く感じたのだった。
私は憎々しげに衝立を押したが、びくともしなかった。足下を見ると、重い鉄がどっしりと鎮座していた。
殿下の重々しい声が、私に告げた。
「あなたを我がバチェラー(王太子妃決定婚活バトルロワイヤル)へお誘いに参りました」
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