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第二章 死ぬまでにしたい【3】のこと
53話 そうだ、魔女に会いに行こう!
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5月に入った。婚約破棄から1ヶ月が経過し、わたくしの余命も残り2ヶ月。
連休を利用して、魔女に会いに行くことにした。
「なんでおまえら、当たり前みたいに着いてくるんだよ。観光にいくんじゃねーんだぞ。バルクシュタイン、マデリン」
イザベラは馬車の窓枠に肘をついて言った。
「妾はフェイトに連休はなにをするのか聞いたら、魔女に会いにいくというでは無いか。面白そうだと思ってこそっとついてきたのじゃ。妾を連れていくと役にたつぞ。フェイトには内緒じゃぞ」
「マデリン、わたくしのひざで甘えていて、なにが内緒ですか」
わたくしが茶色の艶のある髪をなでると、気持ちよさそうに伸びをする。
「あたしもアシュフォード様が連休中、魔女に会いに行くって聞いて、止めようと思ってきたんです。さっ、いますぐ帰りましょう?」
「モテ期かよっ! う、うらやましくなんか、ないんだからな!! こいつらなんとかしてくれ。うるさい! まぶしい! 陽キャが嫌い!」
イザベラの馬車はわたくしの馬車よりも大きくて豪華だ。窓はあるものの、すべてを暗幕で覆われて、かなり暗い。3頭で馬車を引いている。
マデリンの巨大車椅子は馬車に引いてもらって、本人はわたくしのひざにあたまを乗せ、寝っ転がっていた。
「バルクシュタイン、前から言いたかった。おまえはまぶしい。キラキラ系女子だな。私がこの世で三大、だいっっっ嫌いなものは、ひとのものを盗る泥棒と、陽キャ、光だ。おまえはいったいいくつ当てはまっているか、その胸にしかと聞いて、一刻もはやくフェイトの元を去れ、陽キャ!」
「あたし、こんな嫌な女なんで、友達ゼロなんです。余談ですが、文化祭でアラン殿下と婚約破棄しました。だからってわけではないですけど、仲良くしてくださいよ。イザベラ様」
イザベラは急に泣きそうな顔になって、バルクシュタインの手をにぎった。
「す、すまなかった。てっきり陽キャファミリーの一員かと思ってな。おまえもこっち側の人間だったか。陰キャが陽キャに間違われるほど、辛いものはないよな……って婚約破棄ってマジかよっ。アラン殿下、やっべぇな! これ、よかったら食えよ! 遠慮すんなっ」
パンに野菜や肉を挟んだものをバスケットから出した。
目を光らせるわたくしたち。
「「「いただきます!」」」
「いや、おまえらじゃなくて、バルクシュタインにやるんだ! はなせ!!」
「「「いただき、ます!!!!」」」
わたくしたち三人は頬を膨らませながら、この世の幸せを噛みしめた。
文化祭の日、自分の病気が、魔女の攻撃によるものだという衝撃的な事実を告げられた。
だからといって、余命が長くなったり、特効薬や解毒魔法によって完治するという話もなかった。
オリバー先生もすぐに用事があるからとどこかへ行ってしまった。
どの魔女がわたくしを攻撃してきたのか、突き止めなくては。
わたくしの残り時間もあとわずか。【黒闇の魔女】に会って、魔法で自分の分身を作り、わたくしが死んだあとも、生きていることを偽装できるのか聞かなくては。
黒闇の魔女の住む城は、マルクールとの境にある。馬車だと3~4日だが、途中馬を変えて、2日で到着してもらうようにイザベラと交渉した。
イザベラが涙目で言った。
「私の分がなくなっちまったよ!! ったく。フェイトも、こんな奴ら連れてくるんじゃねーよ。おまえが頼み込むから、嫌だけど黒闇の魔女の母さんに面会の機会をつくってやったのによ」
「アシュフォード様、黒闇の魔女になぜ会いにいくのですか? 黒闇の魔女は危険人物ですよ」
「いや、私の前で母さんを危険人物とはオブラートに包まなすぎだろう! まっ。事実だけどよ」
「そうじゃ、フェイト。下手したら、殺されるぞ。勝てる策はあるのか?」
「戦いにいくわけではなくて、魔法について聞きたいことがあるのです。そういう話で通っていますよね、イザベラ?」
みなさま、少年冒険小説の読み過ぎでは? と首をかしげる。
「あー。話はしておいたが、母さん、やべぇからな……。何回か死ぬぐらいは覚悟しておかないと」
「いや、人は何回も死ぬことなどできないはずですが、もう、冗談がすぎますよ! イザベラ」
わたくしが笑って、イザベラの肩をぽん、と叩くと、わたくしの手がこきざみに震える。えっ!?
「こ……怖いんだ。震えがとまらない……私は……母さんと離れたくて、寮があるウィンストン学園を選んだ。物理的に距離を置きたくてな……私はおまえにどうしてもって頼まれたから、やったんだぞ。止めたからな! 私は、何度も止めたんだからな……」
わたくしの笑顔は一瞬でひきつる……。ふとももが冷たい! 黒闇の魔女からの攻撃!? ……マデリンのよだれでございました。気持ちよさそうに寝ている。
バルクシュタインがすがってくる。
「帰りましょう? 連休はみんなでマルクールの城下町を練り歩くのはどうですか?」
「すまねぇ……。フェイト。私では母さんを止められない」
「これって、久しぶりの俗に言う、死亡フラグってやつでしょうか?」
「なにのんきに構えてんだ! 母さんはフェイトに宣戦布告されて、魔女討伐にきたと思っているぞ。私がどんなに手紙で懇切丁寧に書き連ねても、自分のなかの歪んだ真実にただしさを見いだす人だ」
わたくしはまばたきをたくさんし、頬が、ぴくぴく、と痙攣します。
わたくしは文化祭の日、魔女の攻撃により病気になったとわかった時、すぐにイザベラに黒闇の魔女に会わせてほしいとお願いした。
その時、イザベラは何度も断って、注意してくれていたようだが、魔女の攻撃のことと、バルクシュタインの婚約破棄が衝撃的すぎて、あまり聞いていなかった。
「い……いまから、引き返すことはできますでしょうか……」
わたくしはカチコチになりながら、イザベラにすがると。
「母さん、フェイトを出迎える準備を1週間以上前からやっていたみたいだ。さぞかし残念がるだろうな」
わたくしから安堵の息が大量に漏れた。
「もーーーー。驚かさないでくださいよ。普通に素敵なお母さまではないですか!」
ふたたび笑顔にもどると、イザベラが絶望した顔をそのまま、さらけだした。
「様々な趣向の武器を取りそろえ、お待ちしてますってさ」
ああ。完全なる死亡フラグの出来上がりですわ……。
とはいえ、会わないわけにはいかない。わたくしにはもう時間が残されていない。自分が死んでも、みんなを悲しませないため、危険だとわかっていても飛びこまないと。
馬車は馬を温存するぎりぎりの速度で飛ばし、2日で黒闇の魔女の城にまで到着した。
ここから中に入るまでが難しい。アルトメイアの兵が門番で、照覧の魔女であるわたくしの素性がばれると通ることができない。
馬車を出て、大声でイザベラが言った。
「イザベラが帰ったぞ! 母さん、約束どおり友達をつれてきたぞ。これで私もボッチじゃなくなったってわけだよ」
イザベラは謎の哀愁をただよわせた。
伸びをして、太陽をにらみ、魔法使いがかぶるローブをかぶって、イザベラが城の門までの長大な石畳の道を歩き出した。
マデリンを巨大車椅子に乗せ、バルクシュタインとわたくしで押す。
黒闇の魔女の城は圧巻だった。高い岩肌の上に、地を睨めるようにそびえ立つ、黒く光る城。鋭角にとがった柱が何本も立っている。そこにカラス、フクロウがびっしりと羽を休めている。窓はあるものの、そのすべてに暗幕が張られ、人の気配がない。
遭難し、二日歩き続けて、やっと見つけたとしても、入るのに躊躇する不気味さだった。
「イザベラお嬢様。おかえりなさいませ」
アルトメイアの兵が挨拶をする。
「友達を連れてきた。入ってもいいか」
「お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
マデリンとバルクシュタインは名乗った。
「バルクシュタイン様、シャルロワ様、重々存じております。どうぞ、お通りくださいませ。城内大変暗くなっております。どうぞご用心なさってください」
兵士が言って、二人は会釈する。
わたくしも二人に連れて、入ろうとする。
「お待ちください。貴方様のお名前をうかがっておりません――。うわっ!! なんだ!!!」
兵士は飛び退いた。
わたくしはドレスの中に仕込んだ剣をにぎる為、ドレスの隠しボタンを静かに外した。
連休を利用して、魔女に会いに行くことにした。
「なんでおまえら、当たり前みたいに着いてくるんだよ。観光にいくんじゃねーんだぞ。バルクシュタイン、マデリン」
イザベラは馬車の窓枠に肘をついて言った。
「妾はフェイトに連休はなにをするのか聞いたら、魔女に会いにいくというでは無いか。面白そうだと思ってこそっとついてきたのじゃ。妾を連れていくと役にたつぞ。フェイトには内緒じゃぞ」
「マデリン、わたくしのひざで甘えていて、なにが内緒ですか」
わたくしが茶色の艶のある髪をなでると、気持ちよさそうに伸びをする。
「あたしもアシュフォード様が連休中、魔女に会いに行くって聞いて、止めようと思ってきたんです。さっ、いますぐ帰りましょう?」
「モテ期かよっ! う、うらやましくなんか、ないんだからな!! こいつらなんとかしてくれ。うるさい! まぶしい! 陽キャが嫌い!」
イザベラの馬車はわたくしの馬車よりも大きくて豪華だ。窓はあるものの、すべてを暗幕で覆われて、かなり暗い。3頭で馬車を引いている。
マデリンの巨大車椅子は馬車に引いてもらって、本人はわたくしのひざにあたまを乗せ、寝っ転がっていた。
「バルクシュタイン、前から言いたかった。おまえはまぶしい。キラキラ系女子だな。私がこの世で三大、だいっっっ嫌いなものは、ひとのものを盗る泥棒と、陽キャ、光だ。おまえはいったいいくつ当てはまっているか、その胸にしかと聞いて、一刻もはやくフェイトの元を去れ、陽キャ!」
「あたし、こんな嫌な女なんで、友達ゼロなんです。余談ですが、文化祭でアラン殿下と婚約破棄しました。だからってわけではないですけど、仲良くしてくださいよ。イザベラ様」
イザベラは急に泣きそうな顔になって、バルクシュタインの手をにぎった。
「す、すまなかった。てっきり陽キャファミリーの一員かと思ってな。おまえもこっち側の人間だったか。陰キャが陽キャに間違われるほど、辛いものはないよな……って婚約破棄ってマジかよっ。アラン殿下、やっべぇな! これ、よかったら食えよ! 遠慮すんなっ」
パンに野菜や肉を挟んだものをバスケットから出した。
目を光らせるわたくしたち。
「「「いただきます!」」」
「いや、おまえらじゃなくて、バルクシュタインにやるんだ! はなせ!!」
「「「いただき、ます!!!!」」」
わたくしたち三人は頬を膨らませながら、この世の幸せを噛みしめた。
文化祭の日、自分の病気が、魔女の攻撃によるものだという衝撃的な事実を告げられた。
だからといって、余命が長くなったり、特効薬や解毒魔法によって完治するという話もなかった。
オリバー先生もすぐに用事があるからとどこかへ行ってしまった。
どの魔女がわたくしを攻撃してきたのか、突き止めなくては。
わたくしの残り時間もあとわずか。【黒闇の魔女】に会って、魔法で自分の分身を作り、わたくしが死んだあとも、生きていることを偽装できるのか聞かなくては。
黒闇の魔女の住む城は、マルクールとの境にある。馬車だと3~4日だが、途中馬を変えて、2日で到着してもらうようにイザベラと交渉した。
イザベラが涙目で言った。
「私の分がなくなっちまったよ!! ったく。フェイトも、こんな奴ら連れてくるんじゃねーよ。おまえが頼み込むから、嫌だけど黒闇の魔女の母さんに面会の機会をつくってやったのによ」
「アシュフォード様、黒闇の魔女になぜ会いにいくのですか? 黒闇の魔女は危険人物ですよ」
「いや、私の前で母さんを危険人物とはオブラートに包まなすぎだろう! まっ。事実だけどよ」
「そうじゃ、フェイト。下手したら、殺されるぞ。勝てる策はあるのか?」
「戦いにいくわけではなくて、魔法について聞きたいことがあるのです。そういう話で通っていますよね、イザベラ?」
みなさま、少年冒険小説の読み過ぎでは? と首をかしげる。
「あー。話はしておいたが、母さん、やべぇからな……。何回か死ぬぐらいは覚悟しておかないと」
「いや、人は何回も死ぬことなどできないはずですが、もう、冗談がすぎますよ! イザベラ」
わたくしが笑って、イザベラの肩をぽん、と叩くと、わたくしの手がこきざみに震える。えっ!?
「こ……怖いんだ。震えがとまらない……私は……母さんと離れたくて、寮があるウィンストン学園を選んだ。物理的に距離を置きたくてな……私はおまえにどうしてもって頼まれたから、やったんだぞ。止めたからな! 私は、何度も止めたんだからな……」
わたくしの笑顔は一瞬でひきつる……。ふとももが冷たい! 黒闇の魔女からの攻撃!? ……マデリンのよだれでございました。気持ちよさそうに寝ている。
バルクシュタインがすがってくる。
「帰りましょう? 連休はみんなでマルクールの城下町を練り歩くのはどうですか?」
「すまねぇ……。フェイト。私では母さんを止められない」
「これって、久しぶりの俗に言う、死亡フラグってやつでしょうか?」
「なにのんきに構えてんだ! 母さんはフェイトに宣戦布告されて、魔女討伐にきたと思っているぞ。私がどんなに手紙で懇切丁寧に書き連ねても、自分のなかの歪んだ真実にただしさを見いだす人だ」
わたくしはまばたきをたくさんし、頬が、ぴくぴく、と痙攣します。
わたくしは文化祭の日、魔女の攻撃により病気になったとわかった時、すぐにイザベラに黒闇の魔女に会わせてほしいとお願いした。
その時、イザベラは何度も断って、注意してくれていたようだが、魔女の攻撃のことと、バルクシュタインの婚約破棄が衝撃的すぎて、あまり聞いていなかった。
「い……いまから、引き返すことはできますでしょうか……」
わたくしはカチコチになりながら、イザベラにすがると。
「母さん、フェイトを出迎える準備を1週間以上前からやっていたみたいだ。さぞかし残念がるだろうな」
わたくしから安堵の息が大量に漏れた。
「もーーーー。驚かさないでくださいよ。普通に素敵なお母さまではないですか!」
ふたたび笑顔にもどると、イザベラが絶望した顔をそのまま、さらけだした。
「様々な趣向の武器を取りそろえ、お待ちしてますってさ」
ああ。完全なる死亡フラグの出来上がりですわ……。
とはいえ、会わないわけにはいかない。わたくしにはもう時間が残されていない。自分が死んでも、みんなを悲しませないため、危険だとわかっていても飛びこまないと。
馬車は馬を温存するぎりぎりの速度で飛ばし、2日で黒闇の魔女の城にまで到着した。
ここから中に入るまでが難しい。アルトメイアの兵が門番で、照覧の魔女であるわたくしの素性がばれると通ることができない。
馬車を出て、大声でイザベラが言った。
「イザベラが帰ったぞ! 母さん、約束どおり友達をつれてきたぞ。これで私もボッチじゃなくなったってわけだよ」
イザベラは謎の哀愁をただよわせた。
伸びをして、太陽をにらみ、魔法使いがかぶるローブをかぶって、イザベラが城の門までの長大な石畳の道を歩き出した。
マデリンを巨大車椅子に乗せ、バルクシュタインとわたくしで押す。
黒闇の魔女の城は圧巻だった。高い岩肌の上に、地を睨めるようにそびえ立つ、黒く光る城。鋭角にとがった柱が何本も立っている。そこにカラス、フクロウがびっしりと羽を休めている。窓はあるものの、そのすべてに暗幕が張られ、人の気配がない。
遭難し、二日歩き続けて、やっと見つけたとしても、入るのに躊躇する不気味さだった。
「イザベラお嬢様。おかえりなさいませ」
アルトメイアの兵が挨拶をする。
「友達を連れてきた。入ってもいいか」
「お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
マデリンとバルクシュタインは名乗った。
「バルクシュタイン様、シャルロワ様、重々存じております。どうぞ、お通りくださいませ。城内大変暗くなっております。どうぞご用心なさってください」
兵士が言って、二人は会釈する。
わたくしも二人に連れて、入ろうとする。
「お待ちください。貴方様のお名前をうかがっておりません――。うわっ!! なんだ!!!」
兵士は飛び退いた。
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