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第二章 ニケ、冒険者になる
第2話 よし! 冒険者になろう!
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アイシャの話を聞いていると、やはり冒険者になる以外に他の選択肢は無さそうだった。
魔法協会本部に行って誰が今回の依頼をしたのか調査したい場合、本部があるアレクサンドラに行く必要がある。
アレクサンドラに行くには自分一人の旅費でも1万MPが必要。
アレクサンドラについてからも調査に時間がかかるかもしれない。
そしたらその間の生活費も必要だし、行っても何も分からない可能性だってある。
だったらアレクサンドラについてからも稼げる何かが必要だった。
冒険者なら旅をしながらアレクサンドラを目指すことだってできるかもしれないし、アレクサンドラについてからもそこに冒険者ギルドがあるならそこで依頼を受けることだってできるだろう。
いろいろ考えた上でも今は自分が冒険者になるのが正しいように思える――だけど……
「とりあえず冒険者登録について説明しましょうか?」
そう言うとアイシャはボクを新規冒険者登録用の受付カウンターへと案内してくれた。
バロラも今日はクエストが無くて暇なのかついてきてくれる。
アイシャが手渡してくれた新規登録希望者向けの説明資料には、ルーン文字?みたいなよく分からない文字が書かれている。
ボクが読めなくて困っているとバロラが、
「ニケ。ちゃんと意識を文字に集中してみれば読めるようになるわよ?」
とアドバイスをくれる。
言われた通り、文字に意識を集中すると何が書かれているか読めるようになった。
このVRゲームのシステムには翻訳機能みたいなものが備わっているのだろうか?
バロラの話によれば、昨日教えてもらった『ステータス』、『鑑定』に加えてこの『言語理解』も神によって与えられた魂を持つ者たちなら誰でも使える魔法ということらしい。
ボクは文字が理解できるようになったので、改めて資料に目を通す。
説明資料には木等級から宝石等級までの7つの冒険者のランクについての説明や、その等級に合わせたクエストの受注の仕方の案内、初級冒険者に対する支援内容などが書かれていた。
「ねえ、アイシャさん。ここに書かれている『初級冒険者チャレンジ補助金』って何ですか?」
「ああ、それはですね。普段は冒険者になりたての人を経済的に支援する為に国とギルド本部が半分ずつお金を出して1万MP支援しているんですけど、今はちょっと……」
アイシャはまたも困り顔で頭をぽりぽり掻いている。
この人、困ったらこの仕草をする癖があるな……
「今はちょっとって何かあったんですか?」
「ええ、実は最近、近くのダンジョンでモンスター氾濫の災害が発生しまして、村が一つ壊滅しているんですよ」
「――モンスター氾濫?」
『モンスター氾濫』って言葉は、確か前に読んだラノベとかでも出てきた気がする。
「ええ、ダンジョン内で魔物たちが大量発生してあふれてくるという原因不明の災害です。残念なことにその村は聖神教会の結界法術で守られていなかった為、壊滅状態になり、生き残った村人が大量にこの迷宮都市アンヌンに移住してきたんですよ」
「ふんふん、それって今回のこの補助金と何か関係があるんですか?」
移住してきた村人たちがみんな冒険者になるわけじゃないよね?
中には戦闘向きじゃない人だっているだろうし……
「ええ、それが大ありで……村からやってきた難民たちは着の身着のままで来ている訳で財産なんかも失っている訳ですよ。迷宮都市アンヌンに来たって住む場所も仕事もない。働きたくたってこっちとしてもそんなに都合よく仕事の斡旋なんてできないです。だって難民が来たからってそんなに早くお店が増えたりとかはしないでしょ?」
「確かにそうですね……」
「そうなると彼らは冒険者になる訳です。冒険者になれば魔物たちを倒して体内にある魔晶石を得て、それがそのまま現金収入になるわけですし。私たちが食べる食料も家具や衣類の材料も、全て冒険者や狩人さんたちが街の外から調達してきてくれたものですし。他にも魔導具や武器防具、その他の生活雑貨の原料なんかも彼らが取ってきた素材を使う訳ですから冒険者ならいくら増えたってかまわないんですよ」
「そうするともしかして……」
「はい。もう補助金の予算は全て使い切ってしまいました。なんなら一度、補正予算を組んでもらって、追加で出してもらった補助金の予算ももう使い切ってます。更なる追加は望めないでしょうね……」
なんてタイミングの悪さなんだ!
わざわざボクが目覚めたタイミングでこんなアクシデントが発生しなくても良くない?
どうしろって言うの?
武器も防具も装備せずに外に行ってモンスターと戦えってこと?
「うーん、それだとボク、武器も防具も揃えずに冒険者デビューしないといけないってことになりますよね?」
「いやあ、まあ確かにそういう話になっちゃいますね……いやはや、困りましたね? はははっ」
「はははっ」じゃないよ!
笑い事じゃない!
この人、困ったら笑ってごまかす癖もある気がする。
昨日もバロラにボクの宿泊費を押し付ける時に笑ってごまかしてたもん!
「それなら私のお古の装備を譲ってあげても良いわよ?」
ボクがぷんすか怒っていると隣にいたバロラが助け舟を出してくれる。
「ただし、条件があるわ」
「条件……?」
「ええ、あなたが今着ている服を譲ってほしいのよ」
「ええ!?」
今、ボクが来ている服は何の変哲もない普通の服だ。
むしろ昨日、着替えが無くて洗えてないから少し汗臭い気がする。
バロラはそんなものが欲しいの??
「それってもしかしたら神代の頃の服よね? 『鑑定』で見る限り、確かに防御力もいまいちだし、これといって特別な効果も付いていなそうだけど、素材も私たちが来ている服とは違いそうだし、ちょっと興味があるのよね。それにそういった古代の遺物を喜んで高く買い取ってくれる知り合いもいるし」
「えっ!? そうなの?? じゃあこれを自分で売れば良いんじゃ……」
「あなたはそれを売る為のルートを持っていないでしょ? 普通の道具屋に売りに行ってもその防御力じゃ対して高いお金で買ってくれないわよ?」
「そうなの……?」
カウンターの内側に座っているアイシャも「うん、うん」と頷いているので、たぶんバロラの言う通りなのかな……?
まあでもこの人の場合、めんどくさいことが早く解決するならそれで良し!とか思ってそうだし、当てにならないか?
「うーん、わかったよ。バロラ。ボクの服とバロラのお古の装備とを交換して!」
「良いわよ! 毎度あり!」
バロラが商売人モードになっている。
目隠しで隠れていて分からないけど、たぶんきっと瞳には「¥」マークが浮かんでいることだろう……
いや、この世界での通貨単位は「MP」なんだけどね?
そう言えばこのMPってボクのステータスに出てくるMP(マジックポイント)と同じものなのかな?
「じゃあ、あとはこの説明書に書かれている養成所に通って、初級魔術の講習を受ければボクも無事、冒険者デビューが果たせそうだね!」
ボクがそう言うと、またしてもアイシャが困り顔でぽりぽり頭を搔き始める。
「ねえ、ひょっとして養成所の方もダメなの?」
「いやぁ、まぁ、そうですね…… 先ほど話したスタンピード難民たちが養成所を受講しているので、今は全職種の講習が予約待ちの状態になっています」
「もーっ! それじゃあ結局まだ冒険者デビューできないじゃん!」
アイシャは相変わらず頭をぽりぽり搔きながら「困りましたね?? はははっ」と笑ってごまかす。
もーっ! ほんとに! 「はははっ」じゃないよ!
魔法協会本部に行って誰が今回の依頼をしたのか調査したい場合、本部があるアレクサンドラに行く必要がある。
アレクサンドラに行くには自分一人の旅費でも1万MPが必要。
アレクサンドラについてからも調査に時間がかかるかもしれない。
そしたらその間の生活費も必要だし、行っても何も分からない可能性だってある。
だったらアレクサンドラについてからも稼げる何かが必要だった。
冒険者なら旅をしながらアレクサンドラを目指すことだってできるかもしれないし、アレクサンドラについてからもそこに冒険者ギルドがあるならそこで依頼を受けることだってできるだろう。
いろいろ考えた上でも今は自分が冒険者になるのが正しいように思える――だけど……
「とりあえず冒険者登録について説明しましょうか?」
そう言うとアイシャはボクを新規冒険者登録用の受付カウンターへと案内してくれた。
バロラも今日はクエストが無くて暇なのかついてきてくれる。
アイシャが手渡してくれた新規登録希望者向けの説明資料には、ルーン文字?みたいなよく分からない文字が書かれている。
ボクが読めなくて困っているとバロラが、
「ニケ。ちゃんと意識を文字に集中してみれば読めるようになるわよ?」
とアドバイスをくれる。
言われた通り、文字に意識を集中すると何が書かれているか読めるようになった。
このVRゲームのシステムには翻訳機能みたいなものが備わっているのだろうか?
バロラの話によれば、昨日教えてもらった『ステータス』、『鑑定』に加えてこの『言語理解』も神によって与えられた魂を持つ者たちなら誰でも使える魔法ということらしい。
ボクは文字が理解できるようになったので、改めて資料に目を通す。
説明資料には木等級から宝石等級までの7つの冒険者のランクについての説明や、その等級に合わせたクエストの受注の仕方の案内、初級冒険者に対する支援内容などが書かれていた。
「ねえ、アイシャさん。ここに書かれている『初級冒険者チャレンジ補助金』って何ですか?」
「ああ、それはですね。普段は冒険者になりたての人を経済的に支援する為に国とギルド本部が半分ずつお金を出して1万MP支援しているんですけど、今はちょっと……」
アイシャはまたも困り顔で頭をぽりぽり掻いている。
この人、困ったらこの仕草をする癖があるな……
「今はちょっとって何かあったんですか?」
「ええ、実は最近、近くのダンジョンでモンスター氾濫の災害が発生しまして、村が一つ壊滅しているんですよ」
「――モンスター氾濫?」
『モンスター氾濫』って言葉は、確か前に読んだラノベとかでも出てきた気がする。
「ええ、ダンジョン内で魔物たちが大量発生してあふれてくるという原因不明の災害です。残念なことにその村は聖神教会の結界法術で守られていなかった為、壊滅状態になり、生き残った村人が大量にこの迷宮都市アンヌンに移住してきたんですよ」
「ふんふん、それって今回のこの補助金と何か関係があるんですか?」
移住してきた村人たちがみんな冒険者になるわけじゃないよね?
中には戦闘向きじゃない人だっているだろうし……
「ええ、それが大ありで……村からやってきた難民たちは着の身着のままで来ている訳で財産なんかも失っている訳ですよ。迷宮都市アンヌンに来たって住む場所も仕事もない。働きたくたってこっちとしてもそんなに都合よく仕事の斡旋なんてできないです。だって難民が来たからってそんなに早くお店が増えたりとかはしないでしょ?」
「確かにそうですね……」
「そうなると彼らは冒険者になる訳です。冒険者になれば魔物たちを倒して体内にある魔晶石を得て、それがそのまま現金収入になるわけですし。私たちが食べる食料も家具や衣類の材料も、全て冒険者や狩人さんたちが街の外から調達してきてくれたものですし。他にも魔導具や武器防具、その他の生活雑貨の原料なんかも彼らが取ってきた素材を使う訳ですから冒険者ならいくら増えたってかまわないんですよ」
「そうするともしかして……」
「はい。もう補助金の予算は全て使い切ってしまいました。なんなら一度、補正予算を組んでもらって、追加で出してもらった補助金の予算ももう使い切ってます。更なる追加は望めないでしょうね……」
なんてタイミングの悪さなんだ!
わざわざボクが目覚めたタイミングでこんなアクシデントが発生しなくても良くない?
どうしろって言うの?
武器も防具も装備せずに外に行ってモンスターと戦えってこと?
「うーん、それだとボク、武器も防具も揃えずに冒険者デビューしないといけないってことになりますよね?」
「いやあ、まあ確かにそういう話になっちゃいますね……いやはや、困りましたね? はははっ」
「はははっ」じゃないよ!
笑い事じゃない!
この人、困ったら笑ってごまかす癖もある気がする。
昨日もバロラにボクの宿泊費を押し付ける時に笑ってごまかしてたもん!
「それなら私のお古の装備を譲ってあげても良いわよ?」
ボクがぷんすか怒っていると隣にいたバロラが助け舟を出してくれる。
「ただし、条件があるわ」
「条件……?」
「ええ、あなたが今着ている服を譲ってほしいのよ」
「ええ!?」
今、ボクが来ている服は何の変哲もない普通の服だ。
むしろ昨日、着替えが無くて洗えてないから少し汗臭い気がする。
バロラはそんなものが欲しいの??
「それってもしかしたら神代の頃の服よね? 『鑑定』で見る限り、確かに防御力もいまいちだし、これといって特別な効果も付いていなそうだけど、素材も私たちが来ている服とは違いそうだし、ちょっと興味があるのよね。それにそういった古代の遺物を喜んで高く買い取ってくれる知り合いもいるし」
「えっ!? そうなの?? じゃあこれを自分で売れば良いんじゃ……」
「あなたはそれを売る為のルートを持っていないでしょ? 普通の道具屋に売りに行ってもその防御力じゃ対して高いお金で買ってくれないわよ?」
「そうなの……?」
カウンターの内側に座っているアイシャも「うん、うん」と頷いているので、たぶんバロラの言う通りなのかな……?
まあでもこの人の場合、めんどくさいことが早く解決するならそれで良し!とか思ってそうだし、当てにならないか?
「うーん、わかったよ。バロラ。ボクの服とバロラのお古の装備とを交換して!」
「良いわよ! 毎度あり!」
バロラが商売人モードになっている。
目隠しで隠れていて分からないけど、たぶんきっと瞳には「¥」マークが浮かんでいることだろう……
いや、この世界での通貨単位は「MP」なんだけどね?
そう言えばこのMPってボクのステータスに出てくるMP(マジックポイント)と同じものなのかな?
「じゃあ、あとはこの説明書に書かれている養成所に通って、初級魔術の講習を受ければボクも無事、冒険者デビューが果たせそうだね!」
ボクがそう言うと、またしてもアイシャが困り顔でぽりぽり頭を搔き始める。
「ねえ、ひょっとして養成所の方もダメなの?」
「いやぁ、まぁ、そうですね…… 先ほど話したスタンピード難民たちが養成所を受講しているので、今は全職種の講習が予約待ちの状態になっています」
「もーっ! それじゃあ結局まだ冒険者デビューできないじゃん!」
アイシャは相変わらず頭をぽりぽり搔きながら「困りましたね?? はははっ」と笑ってごまかす。
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