19 / 54
19 勇者 間宮蒼花
しおりを挟む
ステータスを確認すると魔力が2上がっていたので、やはりそれなりのモンスターだったようだ。
という事は魔石もそれなりのはずだが、デカすぎるし硬すぎて取り出せる気がしない。
朱音もお手上げのようだし仕方が無い。
『火炎剣』
俺は炎の剣を発現させてグランドタートルを解体し始めた。
炎の刃はグランドタートルの甲羅をも炭化させながら切断する事が可能で、二十分ほどかけて、ようやく魔石を取り出す事に成功した。
「リュートさん、やっぱりS級……」
「何を訳のわからない事を言っているんだ。この魔石の売却益を半分ずつでいいか?」
「私にもくれるんですか?」
「それは二人で倒したんだから当たり前だろ」
「やっぱりリュートさんはいい人ですね」
「そんな事はどうでもいいが、お前、前より強くなったな」
「そうですか? 毎日モンスター退治を頑張ってますからね。ようやくこの世界にも少しだけ慣れてきましたし」
「そうか、まあがんばれよ」
「はい」
朱音の魔法に相性はあるだろうが、モンスター相手であれば十二分に戦えているようなので、心配はなさそうだ。
まあ俺にはこいつが死んでも別に関係ない事だが。
グランドタートルを倒してから二ヶ月間は再び毎日のようにモンスター狩りを続けて俺のステータスも少し上がった。
そろそろ勇者を狩るタイミングかもしれない。
「リュートさ~ん、一緒に行きますよ」
「おい、勝手に何を言ってるんだ? それにそいつは誰だ?」
「リュートさん怖いですって。こちらは 間宮蒼花ちゃんです。新米勇者です」
こいつも勇者が……
俺の中から一瞬殺気が漏れ出すが、朱音の前なので何とか抑え込む。
「間宮蒼花です。よろしくお願いします」
「…………」
「リュートさん、無視しないでください」
「……リュートだ」
「はい、よろしくお願いします」
「この子も最近こっちにきたんですけど、他の勇者と馴染めなくて、私と一緒にいる事になったんです」
「馴染めない?」
「そうですよ。基本勇者って男の人が多い上に、この世界に来てる人は、勘違いしている人が多いので、女性には難しいんですよ」
「そうなのです。他の勇者の人は怖いです。朱音さんだけは優しくしてくれて。それで朱音さんがリュートさんに紹介してくれるって」
「おい、お前、俺が勇者を嫌いなのはわかってるんだよな」
「蒼花はいい子なので大丈夫ですよ」
「そう言う事じゃないんだ」
なぜか朱音の俺への対応がおかしくなってきている気がする。
「リュートさん。大丈夫なのです。私も勇者の事が嫌いなので」
何を言ってるんだこいつは。自分と朱音も勇者なのを忘れているのか?
「お前も勇者だろ」
「私はいい勇者なのです」
「ふ~っ……朱音それじゃあな」
「リュートさん待ってください。一緒に行きますよ」
「どこにだよ」
「もちろんモンスター狩りです。蒼花は剣を使うので私では教えられないんです」
「剣? こいつが?」
「はい。私のスキルは『風切』という剣に風を纏わせて戦うものなのですが、私は剣など触った事も無いので、リュートさんに教えてもらいたいんです」
まあ、こいつを殺す時に能力を知っておくのも悪くは無いか……
「わかったよ。それじゃあさっさと行くか」
「はい」
という事は魔石もそれなりのはずだが、デカすぎるし硬すぎて取り出せる気がしない。
朱音もお手上げのようだし仕方が無い。
『火炎剣』
俺は炎の剣を発現させてグランドタートルを解体し始めた。
炎の刃はグランドタートルの甲羅をも炭化させながら切断する事が可能で、二十分ほどかけて、ようやく魔石を取り出す事に成功した。
「リュートさん、やっぱりS級……」
「何を訳のわからない事を言っているんだ。この魔石の売却益を半分ずつでいいか?」
「私にもくれるんですか?」
「それは二人で倒したんだから当たり前だろ」
「やっぱりリュートさんはいい人ですね」
「そんな事はどうでもいいが、お前、前より強くなったな」
「そうですか? 毎日モンスター退治を頑張ってますからね。ようやくこの世界にも少しだけ慣れてきましたし」
「そうか、まあがんばれよ」
「はい」
朱音の魔法に相性はあるだろうが、モンスター相手であれば十二分に戦えているようなので、心配はなさそうだ。
まあ俺にはこいつが死んでも別に関係ない事だが。
グランドタートルを倒してから二ヶ月間は再び毎日のようにモンスター狩りを続けて俺のステータスも少し上がった。
そろそろ勇者を狩るタイミングかもしれない。
「リュートさ~ん、一緒に行きますよ」
「おい、勝手に何を言ってるんだ? それにそいつは誰だ?」
「リュートさん怖いですって。こちらは 間宮蒼花ちゃんです。新米勇者です」
こいつも勇者が……
俺の中から一瞬殺気が漏れ出すが、朱音の前なので何とか抑え込む。
「間宮蒼花です。よろしくお願いします」
「…………」
「リュートさん、無視しないでください」
「……リュートだ」
「はい、よろしくお願いします」
「この子も最近こっちにきたんですけど、他の勇者と馴染めなくて、私と一緒にいる事になったんです」
「馴染めない?」
「そうですよ。基本勇者って男の人が多い上に、この世界に来てる人は、勘違いしている人が多いので、女性には難しいんですよ」
「そうなのです。他の勇者の人は怖いです。朱音さんだけは優しくしてくれて。それで朱音さんがリュートさんに紹介してくれるって」
「おい、お前、俺が勇者を嫌いなのはわかってるんだよな」
「蒼花はいい子なので大丈夫ですよ」
「そう言う事じゃないんだ」
なぜか朱音の俺への対応がおかしくなってきている気がする。
「リュートさん。大丈夫なのです。私も勇者の事が嫌いなので」
何を言ってるんだこいつは。自分と朱音も勇者なのを忘れているのか?
「お前も勇者だろ」
「私はいい勇者なのです」
「ふ~っ……朱音それじゃあな」
「リュートさん待ってください。一緒に行きますよ」
「どこにだよ」
「もちろんモンスター狩りです。蒼花は剣を使うので私では教えられないんです」
「剣? こいつが?」
「はい。私のスキルは『風切』という剣に風を纏わせて戦うものなのですが、私は剣など触った事も無いので、リュートさんに教えてもらいたいんです」
まあ、こいつを殺す時に能力を知っておくのも悪くは無いか……
「わかったよ。それじゃあさっさと行くか」
「はい」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
ノリオ
ファンタジー
今から約200年前。
ある一人の男が、この世界に存在する数多の人間を片っ端から大虐殺するという大事件が起こった。
犠牲となった人数は千にも万にも及び、その規模たるや史上最大・空前絶後であることは、誰の目にも明らかだった。
世界中の強者が権力者が、彼を殺そうと一心奮起し、それは壮絶な戦いを生んだ。
彼自身だけでなく国同士の戦争にまで発展したそれは、世界中を死体で埋め尽くすほどの大惨事を引き起こし、血と恐怖に塗れたその惨状は、正に地獄と呼ぶにふさわしい有様だった。
世界は瀕死だったーー。
世界は終わりかけていたーー。
世界は彼を憎んだーー。
まるで『鬼』のように残虐で、
まるで『神』のように強くて、
まるで『鬼神』のような彼に、
人々は恐れることしか出来なかった。
抗わず、悲しんで、諦めて、絶望していた。
世界はもう終わりだと、誰もが思った。
ーー英雄は、そんな時に現れた。
勇気ある5人の戦士は彼と戦い、致命傷を負いながらも、時空間魔法で彼をこの時代から追放することに成功した。
彼は強い憎しみと未練を残したまま、英雄たちの手によって別の次元へと強制送還され、新たな1日を送り始める。
しかしーー送られた先で、彼には記憶がなかった。 彼は一人の女の子に拾われ、自らの復讐心を忘れたまま、政府の管理する学校へと通うことになる。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる