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彼女は天使?
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俺の部屋は自分にとっては、十分に良い部屋だが、流石にここと比べてしまうとかなり厳しい気がする。
「それじゃあ行こうか。いつでも戻って来れるから今日持って来れないものは、また今度持って来ればいいよ。とは言っても俺の部屋狭いからあんまり荷物は置けないかもしれないけど」
「ありがとうございます。私そんなに荷物が多い方では無いと思うのでご迷惑がかからないようにしますね」
「あっ、全然迷惑とかでは無いから気を使わなくて良いよ」
女の子とろくに話した事の無い俺では依織に上手く気遣いも出来ない。
これから上手くやっていけるのか心配しかない
「ここが睦月さんのお家ですか?」
「うん、そう。狭いけど入ってよ」
「はい。お邪魔します」
依織の家から二十分ほど歩いて俺の住んでいるマンション迄到着した。
途中依織のスーツケースを運ぼうかと声をかけたが、腕を骨折している俺に遠慮をした依織が自分で運ぶと言い張ったのでそのまま家まで来てもらう事となった。
「ちょっと待ってね。えっとここに座ってくれるかな」
クッションを敷いて依織に座ってもらう。
「クッション私が使ってもいいんでしょうか?」
「ああ、俺は無くても全然問題ないから使ってよ」
今まで俺1人で住んでいたので当然クッションは俺が使う物1個しかない。
「それでは、失礼します」
「あ~お茶でも飲む?」
「大丈夫です。睦月さんが飲みたいようでしたら私がお茶を入れますよ。場所を教えていただければ」
「いや、うん、大丈夫」
やはりワンルームで依織と二人は思った以上に距離が近い。ベッドや家具を除いたスペースは、ほとんど無いと言っても過言では無いので、この状態で2人で座ると思った以上に距離感が近い。
女の子とこの距離で座った事があるのは学校の教室だが、教室で並ぶのとは全く違った緊張感だ。
「そ、それじゃあ、スーツケースの中身を………ごめん、今すぐスペース作るからちょっと待ってね」
それほど広く無い部屋の収納は当然ながら俺の物でいっぱいだ。今のままでは依織の荷物を入れるスペースが無いので、慌てて俺の荷物と服を目一杯寄せて詰め込み、何とか最低限使えると思えるスペースを確保する事に成功した。
「依織、少し狭いけどここを使ってね」
「ありがとうございます」
依織の笑顔が眩しい。癒される。
「それじゃあ、部屋の説明するね。見ての通りだけどここがキッチンね。あとはTVと冷蔵庫、それとあっちに洗濯機。あとこの部屋狭いけど一応トイレとお風呂は別れてるんだ。俺は普段シャワーしか使わないんだけど、依織はお風呂派かな」
「いえ、私もシャワーで大丈夫です」
「女の子はお風呂好きのイメージあるんだけど俺に遠慮してない? しばらくは依織の家でもある訳だから自由に使ってくれていいよ」
「そうですか……じゃあ、お風呂いいですか?」
「ああ、自由に使ってよ」
そういうと依織が少し嬉しそうな顔でお礼を言ってきた。
「ありがとうございます」
やっぱり依織は遠慮していたようなので、出来るだけ快適に生活できるようにしたあげたい。
まあ知らない人の家に突然住む事になったんだから遠慮もしちゃうよな。
「それとキッチンなんだけど、恥ずかしながら俺自炊とかほとんどしないからご飯どうしようか」
「もし睦月さんが良ければ私が作ってもいいですか?」
「え? 依織作れるの? 記憶が無いんじゃ………」
「私子供の頃からお料理は結構してたんです。だからそれなりには作れると思うんです」
「そうなんだ。子供の頃からか。すごいな。でも作るの大変じゃ無い?」
「いえ、睦月さんには、これからお世話になるのですから、このぐらいはさせて下さい。睦月さんは左手が使えないのですから、家事は全部私に任せてください」
「え……全部って」
「掃除とか洗濯も私がしますね」
「あ、はい……」
この子はやっぱり天使か?
ほぼ中学生までの記憶しかないのに家事全般できるって女子力高すぎないか?
「それじゃあ行こうか。いつでも戻って来れるから今日持って来れないものは、また今度持って来ればいいよ。とは言っても俺の部屋狭いからあんまり荷物は置けないかもしれないけど」
「ありがとうございます。私そんなに荷物が多い方では無いと思うのでご迷惑がかからないようにしますね」
「あっ、全然迷惑とかでは無いから気を使わなくて良いよ」
女の子とろくに話した事の無い俺では依織に上手く気遣いも出来ない。
これから上手くやっていけるのか心配しかない
「ここが睦月さんのお家ですか?」
「うん、そう。狭いけど入ってよ」
「はい。お邪魔します」
依織の家から二十分ほど歩いて俺の住んでいるマンション迄到着した。
途中依織のスーツケースを運ぼうかと声をかけたが、腕を骨折している俺に遠慮をした依織が自分で運ぶと言い張ったのでそのまま家まで来てもらう事となった。
「ちょっと待ってね。えっとここに座ってくれるかな」
クッションを敷いて依織に座ってもらう。
「クッション私が使ってもいいんでしょうか?」
「ああ、俺は無くても全然問題ないから使ってよ」
今まで俺1人で住んでいたので当然クッションは俺が使う物1個しかない。
「それでは、失礼します」
「あ~お茶でも飲む?」
「大丈夫です。睦月さんが飲みたいようでしたら私がお茶を入れますよ。場所を教えていただければ」
「いや、うん、大丈夫」
やはりワンルームで依織と二人は思った以上に距離が近い。ベッドや家具を除いたスペースは、ほとんど無いと言っても過言では無いので、この状態で2人で座ると思った以上に距離感が近い。
女の子とこの距離で座った事があるのは学校の教室だが、教室で並ぶのとは全く違った緊張感だ。
「そ、それじゃあ、スーツケースの中身を………ごめん、今すぐスペース作るからちょっと待ってね」
それほど広く無い部屋の収納は当然ながら俺の物でいっぱいだ。今のままでは依織の荷物を入れるスペースが無いので、慌てて俺の荷物と服を目一杯寄せて詰め込み、何とか最低限使えると思えるスペースを確保する事に成功した。
「依織、少し狭いけどここを使ってね」
「ありがとうございます」
依織の笑顔が眩しい。癒される。
「それじゃあ、部屋の説明するね。見ての通りだけどここがキッチンね。あとはTVと冷蔵庫、それとあっちに洗濯機。あとこの部屋狭いけど一応トイレとお風呂は別れてるんだ。俺は普段シャワーしか使わないんだけど、依織はお風呂派かな」
「いえ、私もシャワーで大丈夫です」
「女の子はお風呂好きのイメージあるんだけど俺に遠慮してない? しばらくは依織の家でもある訳だから自由に使ってくれていいよ」
「そうですか……じゃあ、お風呂いいですか?」
「ああ、自由に使ってよ」
そういうと依織が少し嬉しそうな顔でお礼を言ってきた。
「ありがとうございます」
やっぱり依織は遠慮していたようなので、出来るだけ快適に生活できるようにしたあげたい。
まあ知らない人の家に突然住む事になったんだから遠慮もしちゃうよな。
「それとキッチンなんだけど、恥ずかしながら俺自炊とかほとんどしないからご飯どうしようか」
「もし睦月さんが良ければ私が作ってもいいですか?」
「え? 依織作れるの? 記憶が無いんじゃ………」
「私子供の頃からお料理は結構してたんです。だからそれなりには作れると思うんです」
「そうなんだ。子供の頃からか。すごいな。でも作るの大変じゃ無い?」
「いえ、睦月さんには、これからお世話になるのですから、このぐらいはさせて下さい。睦月さんは左手が使えないのですから、家事は全部私に任せてください」
「え……全部って」
「掃除とか洗濯も私がしますね」
「あ、はい……」
この子はやっぱり天使か?
ほぼ中学生までの記憶しかないのに家事全般できるって女子力高すぎないか?
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