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心の距離
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俺のスキルは人真似。そもそもスキルの名前が『フェイカー』偽物だ。この事は俺の自信の無さに直結しており、劣化する俺のスキルを見て、いつまで経ってもオリジナルスキルには敵わないと思ってしまっている。
そしてこのスキルは俺の人としての本質が具現化したのかもしれないとも思ってしまっている。
俺自身が偽物、人の真似しか出来ない出来損ない。オリジナルを持たないコピー。
小さい頃からずっと自分にはない物、持っていない物を持っている周りの同級生が羨ましかった。
決して自分には手に入らない他の人が持っている物を欲しいと思ってしまっていた。
自分自身浅ましいと思ったりもしたが、それ以上に他の人が羨ましかった。
クラスメイトがゲームの話をしているのが羨ましかった。
漫画の話をしている事が羨ましかった。
お小遣いの話をしているのが羨ましいと思った。
どこかに遊びに行ったと話しているのを聞いて羨ましいと思った。
どれも俺には決して叶わない夢だった。
高校生になってからは、クラスメイトのスキルが羨ましかった。
クラスメイトが正規パーティを組んでいるのを見て自分も組んでみたいと思った。
サバイバーで稼いだお金で好きな物を買っているのをみて羨ましいと思った。
運良くレベルアップしてお金を稼げる様になってからは、余りそれを思わなくなった。
ただ、今になって省みると心が満たされる事は無かったと思う。
羨ましいと思う気持ちは無くなっていったが、だからと言って自分自身が幸福だと思えた事は一度も無かった。
それが、葵と出会ってから全てが変わった。
葵は俺を見てくれている。葵は俺を認めてくれる。俺が無能者である事を否定してくれる。
俺と一緒にいてくれる。俺とパーティを組んでくれる。俺にご飯を作ってくれて一緒に食べてくれる。俺に勉強を教えてくれる。
葵の行動が、葵の気持ちが俺の心を満たしてくれる。
葵と出会ってから俺は生まれて初めて幸せだと感じているのだと思う。
今まで感じた事の無かったこの心地良い感じが幸せという気持ちなのだと思う。
まだ葵と出会ってから一ヶ月しか経っていないが、葵のお陰で俺の灰色だった自分の心と生活が淡い色を持ち始めた。
それは俺の十六年の人生の中で初めての事だった。
今俺は気がついてしまった。
俺は葵の事が好きなんだ。
今まで誰も好きになった事は無かった。
誰かにそういう気持ちを持つ事自体を諦めていた。だけど、葵と知り合ってしまった。
パートナーになってしまった。彼女の事を知ってしまった。
俺が葵の事を好きになってしまったのは必然だった。
だけど葵と今以上の関係になりたいわけじゃ無い。
俺は葵の笑顔を見ていたい。
葵がずっと笑顔でいられるようにしてあげたい。
彼女が幸せを感じていられる様に助けになってあげたい。
葵が俺に与えてくれた物のうちの僅かでも葵に返していきたい。
自分の気持ちに気がついた途端、何故か俺の目から涙が溢れ出てしまった。
「凛くん!どうしたんですか? 私が何かしちゃいましたか? 大丈夫ですか? ああっ」
「葵のせいじゃない。葵、いつもありがとう。俺とパートナーでいてくれてありがとう」
「り、凛くん、き、きゅうにどうしたんですか……私こそです。私こそありがとうございます。パートナーでいてくれてありがとうございます」
格好悪いけど涙で滲んで葵の表情ははっきりとは分からない、だけど多分笑顔でいてくれている。
葵の言葉で俺は葵とパートナーでいてもいいんだなと思える。
俺はこの日から少しだけ自分に自信が持てた気がする。
この日を境に葵との関係が特別変化した訳では無いが、少しだけ心の距離が近くなった気がする。
そしてこのスキルは俺の人としての本質が具現化したのかもしれないとも思ってしまっている。
俺自身が偽物、人の真似しか出来ない出来損ない。オリジナルを持たないコピー。
小さい頃からずっと自分にはない物、持っていない物を持っている周りの同級生が羨ましかった。
決して自分には手に入らない他の人が持っている物を欲しいと思ってしまっていた。
自分自身浅ましいと思ったりもしたが、それ以上に他の人が羨ましかった。
クラスメイトがゲームの話をしているのが羨ましかった。
漫画の話をしている事が羨ましかった。
お小遣いの話をしているのが羨ましいと思った。
どこかに遊びに行ったと話しているのを聞いて羨ましいと思った。
どれも俺には決して叶わない夢だった。
高校生になってからは、クラスメイトのスキルが羨ましかった。
クラスメイトが正規パーティを組んでいるのを見て自分も組んでみたいと思った。
サバイバーで稼いだお金で好きな物を買っているのをみて羨ましいと思った。
運良くレベルアップしてお金を稼げる様になってからは、余りそれを思わなくなった。
ただ、今になって省みると心が満たされる事は無かったと思う。
羨ましいと思う気持ちは無くなっていったが、だからと言って自分自身が幸福だと思えた事は一度も無かった。
それが、葵と出会ってから全てが変わった。
葵は俺を見てくれている。葵は俺を認めてくれる。俺が無能者である事を否定してくれる。
俺と一緒にいてくれる。俺とパーティを組んでくれる。俺にご飯を作ってくれて一緒に食べてくれる。俺に勉強を教えてくれる。
葵の行動が、葵の気持ちが俺の心を満たしてくれる。
葵と出会ってから俺は生まれて初めて幸せだと感じているのだと思う。
今まで感じた事の無かったこの心地良い感じが幸せという気持ちなのだと思う。
まだ葵と出会ってから一ヶ月しか経っていないが、葵のお陰で俺の灰色だった自分の心と生活が淡い色を持ち始めた。
それは俺の十六年の人生の中で初めての事だった。
今俺は気がついてしまった。
俺は葵の事が好きなんだ。
今まで誰も好きになった事は無かった。
誰かにそういう気持ちを持つ事自体を諦めていた。だけど、葵と知り合ってしまった。
パートナーになってしまった。彼女の事を知ってしまった。
俺が葵の事を好きになってしまったのは必然だった。
だけど葵と今以上の関係になりたいわけじゃ無い。
俺は葵の笑顔を見ていたい。
葵がずっと笑顔でいられるようにしてあげたい。
彼女が幸せを感じていられる様に助けになってあげたい。
葵が俺に与えてくれた物のうちの僅かでも葵に返していきたい。
自分の気持ちに気がついた途端、何故か俺の目から涙が溢れ出てしまった。
「凛くん!どうしたんですか? 私が何かしちゃいましたか? 大丈夫ですか? ああっ」
「葵のせいじゃない。葵、いつもありがとう。俺とパートナーでいてくれてありがとう」
「り、凛くん、き、きゅうにどうしたんですか……私こそです。私こそありがとうございます。パートナーでいてくれてありがとうございます」
格好悪いけど涙で滲んで葵の表情ははっきりとは分からない、だけど多分笑顔でいてくれている。
葵の言葉で俺は葵とパートナーでいてもいいんだなと思える。
俺はこの日から少しだけ自分に自信が持てた気がする。
この日を境に葵との関係が特別変化した訳では無いが、少しだけ心の距離が近くなった気がする。
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