あの大空の下で 一部 始まりの「Number.2」

KsTAIN

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九章 決着への道

四十一話 『恭子』の因縁

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「……」
僕は家の自室で久々に好物のピザポテトを食べながら熟考する。
もうDreamerの正体は発覚した。ただ、誰にも言うつもりはない。
言いたくないのだ。僕は正体についてまだ確証がついていないのもあるし、それに
信じたくない。
「はあ」
最近ため息が増えた。忙しいのもあるが、やはり問題が多いからだろう。
いうて二つなのだが、そのひとつひとつが重い。
ひとつはDreamerのこと
そして……深雪のこと。
深雪についてはさっさと解決したいのだが、慎重に行かないと割と深雪が壊れるかもしれない。
しかし時間をかけすぎるとDreamerが総力戦仕掛けに来るかもしれない。普通に怖い。もしもDreamerが今総力戦を仕掛けてきたら、多分勝てない。……そして、その理由は、
いや、言わないでおこう。言わなくていいことだ。
「疾風~」
部屋に姉さんが入ってくる。部屋の時計を見るともう正午に近かった。
今日はNumberは休みである

「うお、もう昼か。ご飯作るね」
と、僕は部屋を離れようと椅子を立つ。
「……時間を忘れてピザポテトを食べてんのに、よう言えるわ」
振り返ると、苦笑いしている姉さんが居た。姉さんの顔を見て僕も苦笑した。
…まあ、姉さんの言うとおりなのだが。僕は時間なんて気にしていなかった。おかげで昼にスナック菓子を食べるというアホみたいなことをしていたよ。
「……姉さんのくらい作るよ。」
「優しいわね。じゃ、自室で待ってるわね」
「……ご飯できても呼ばないから、30分後くらいに来てね。研究始めて終わらないとかやめてね」
「はいはい」
姉さんは苦笑いを続けながら別棟にある自室というか研究室に戻っていった。
そんな姉さんの背を見たあと僕は下のキッチンへ向かった。
キッチンにつき、冷蔵庫を覗いた。
僕はハンバーグでも作ろうかなと思った。……が、肉がない。正確にはひき肉がない。そうだった姉さんの好きな肉はもも肉だからな……僕の好きな鶏胸肉と豚もも肉しか冷蔵庫に入ってないのを見て僕は苦笑いした。今日苦笑いが多いなあ、と思いつつもじゃあ豚モモの焼肉でも焼くか、と思い立った。
……流石に野菜くらい添えよう、と思ったが野菜庫から何も出てこなかった。もうなんかめんどくさくなったので昼食はハンバーグにすることにした。
……冷凍の。
姉さんに申し訳なく思いつつも、湯煎用のお湯を鍋で沸かしながら冷凍サラダを常温で解凍するのだった
……さて、後で深雪君のことをささっと解決しよう。
……とりあえず『恭子』を封印、もしくは深雪自身がコントロールできるようにする。
…あとは、深雪を捕まえたDreamerの男をサツg……捕獲しよう。
そんなことを考えつつ、沸騰した湯に冷凍ハンバーグをぶちこんだ



翌日。僕はバイクを突っ走らせていた。Number本部に行くためだ。
確か、今日は深雪は本部に来る日だったはず。だからこそ、今日がチャンスだと思っている。一回引き伸ばすと、引き伸ばしが続くかもしれない。まあ、深雪の空いている時間の長さにもよるが。
本部に着くと……
『出せやゴルアアアアアアアア!!!!!!!!』
という怒鳴り声。…なんやアイツ。うっさ。
僕はエントランスに入る
「うっさいんじゃボケエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
俺はNumber.2モードになっていた。…この叫んでいたおっさんは小汚かった。禿げて、ボロボロの服着て、フケを撒き散らしながらとんでもない一言を言い放った

「は?何だてめえ。早く天ノ川恭子を出しやがれ!ここに居ることは知ってんだよ!」

「……」
そのセリフを聞いた瞬間、僕は口を開けた。
「疾風さん、どうしまし―――ひっ」
受付の女の子が心配そうに見てきたがすぐ怯えて引っ込んだ。なにに怯えたんだろうか
僕は頭の中が真っ白になった。何も考えられない、というのはこういうことか。
「……」
「ああ?!なんとか言えや!」
怒鳴るおっさん。……どうしよ。とりあえず思考を回そう。居ないって嘘つくか。どうやって嘘つこうかな。…そうだ。
「……はあ。すみません。深―――恭子は今居ません。シンガポールにいます。あの国を南北に縦断する地下鉄を作っています。......本当は、あの頃が恋しいと言ってましたけど、でも今はもう少しだけ、知らないふりをするらしいです。」
僕は心のなかでドヤ顔をしながら涙声で言い放った。ネットサーチをしたときに知った構文……ッ!私ったら素晴らしい
「はあ?シンガポールに居るわけねえだろ!本部に居るのは知ってんだよ!はよ出せや!」
「何…言い訳構文がバレた……だと……?」
思わず心の声が漏れた。まずい。まさかこの言い訳構文を知っているとは…
気にせずに暴れるおっさん。
「うるっせえな。とりあえず黙れ」
うるさいので重低音で言い放った。
「ああ?何様だてめえ!いいか、俺様は―――」
今度は自分語りかいな。うんざり。いい加減イライラしてきた。鬱陶しい限りである。
その俺をイライラさせるおっさんが更に鬱陶しい素晴らしさを滲み出している自己紹介を始めようとした。
その時だった。
なにかの感覚が背中に走った。気配を感じる。近くに誰か居る感覚。
ストーカーに見られてる感覚に近いのだろう。
それがあった。そして、その気配は女だ。
そして、前に一度感じた気配だった。一度だけ、一度だけ感じた気配。
憎しみに満ちた気配。怒りと憎しみ、苦しみ、などなど。負の感情のみ感じられる気配。ここまで殺意を孕んだ気配を感じたのはあれっきりだ。そしてその気配をもう一度感じたのだ。
……やばい。僕は直感でそう感じた。逃げたい。ただし、僕が逃げたらNumberの全員死亡するかもしれない。そのレベルの人間なのだ、こいつは。多分。
もしこの気配の正体があの子なら―――いや。僕は確信した。この気配の正体は―――

「……ようやく会ったな…………………………


……………東ッ…………………………」

予想通りの低い女の声が響いた。僕は思わずこう呟いた。



「……天ノ川………」




次の瞬間。鮮血が飛び散った。東と呼ばれた男を見ると、急所は外れたようだが、割と致命傷に近い傷を負っていた。一瞬だった。周りが悲鳴をあげる。
しかし、もっと驚くところがある。
「……素手で、こんな傷を……?あ、違うか」
深雪―――恭子の手には血が大量に付着していた。
……鮮やかな、まるで先程ついたばっかのような。
鼻息荒く呼吸する『恭子』。よく見ると、手にはナイフが握られていた。なるほど。だから一瞬であんな傷をつけられたのか。
「お前は……お前、だけは───────ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
倒れるおっさん。大声を上げながら馬乗りになる恭子。おっさんは腹部に傷を負っていた。だから……
「あああああああああああああああああああ?!?!?!?!?!?!?!」
痛みで叫ぶのは当然のことだ。馬乗りのままナイフを振り上げる。
僕は、それを見てポケットに手を突っ込み────
「恭子!」
バン!
銃声が響き渡る。悲鳴がパタリとなくなった。
見ると、恭子のナイフが砕けていた。
恭子はぼーっとその刃が砕け、柄のみが残ったナイフを見つめる。
見てみると、馬乗りにされているおっさんは失神していた。
「誰か救急室に運んどいてね」
僕は愛銃、駿河をポケットにしまう。
恭子は不意ににぃっと笑った。
僕は拳を構える。
恭子が立ち上がる。周りの受付嬢は震え上がっていた。
「…来いよ。『東恭子』」
僕がそう煽ると、恭子は
「……あはは、あっはははははは……


あははははははあああはははははあはははははははははははははははあはははは!!!!!!!!!!!!」



奇声を上げながら突っ込んできた。相変わらず足が早い。
まずは正拳突きが飛んでくる。とっさに横に回避する。
次に回し蹴り。下段に飛んできた。
それをジャンプして避け、ついでに僕も上段に回し蹴りを飛ばす。
恭子はそれをしゃがんで避ける。
着地する寸前にかかと落としを構える。着地と同時に足を振り抜いた。
恭子はそれを後転で避ける。若干かかとがかすった。
いつの間におっさんは運ばれていた。受付嬢も避難していた。
……逃げ足だけは早えな
後転を終え恭子は立ち上がり、僕を見据える。
その目は、憎悪そのものを表すかのように黒ずんでいた。
恭子はポケットに手を入れる。
ポケットから手が出る。
その手には。黒い鉄の塊が握られていた。
……本気モード、ってことか。
拳銃を壊すわけにもいかない。かといって恭子本体に傷をつけるわけにもいかない。
「……きちいな」
僕も駿河を取り出す。
恭子が引き金に指をかける。僕はそのタイミングで横に華麗にステップを踏む。
刹那銃声が聞こえる。うん。避けておいて正解だった。
足を踏み込む。反動をつけて全力で地を蹴る。恭子は察した様子で右に移動した。
僕はそれを見逃さない。もともと恭子が立っていた場所で体をねじり、無理やり右を向く。同時に足を後ろにのばし、再び地を蹴る。
恭子は慌てて拳銃を構え、撃鉄を起こす。
引き金に指をかけるときには、僕は恭子の懐に入り込んでいた。
僕は銃身を振り抜く。狙いは脇腹。深雪は引き金を引く。
鈍い殴打の音と、甲高い銃声が同時に響いた。

静寂が流れる。
先に倒れたのは僕だった。ドク、ドクという音が足から聞こえ、床を真紅に染めた。
その後に恭子が拳銃を落とし、倒れる。相当痛かったろう。鉄の塊で殴られたんだから、内臓は無事にしても骨が折れているかもしれない。
「…………」
無言で僕に覆いかぶさるように倒れる。びっくりするほど軽い。
……やばいな。これ
無線を胸ポケットから取り出す。番号を入力する。繋ぐ先は―――
『こちらNumber.0。どうした』
姉さんに繋いだ。
「あーこちらNumber.2。足撃たれて失血死しそうなんで本部の受付来てください」
『はあ?!えちょ』
無線を切る。意識が朦朧としてきたので体を床に委ねる。手を前に出し、無線が潰れないようにする。
「…先輩……あり、がとう。」
意識が飛ぶ寸前、聞き慣れた声が耳に届いた。
「…感謝するなら、僕が治るまで代理、頑張れよ」
それだけ言うと僕の視界は暗転した





















「変わんないな、ここも」
女は客間の僕の向かいのソファに座り、そう呟いた。
「久しぶりに会って最初に言う言葉がそれかよ……」
僕、小林圭はそう呟いた
「はは、冗談だ、冗談。…懐かしいな。お前とこうして話すのも。」
「……そうだな」
「疾風とはどうだ?最近お前に会いに来ていたか?」
「……おま、息子だろ。知らないのかよ」
「はは、あいつは一人暮らししてるんだぞ、忘れたか?」
「……だとしても、だ。たまに連絡取るくらいするだろ…」
「いやあ……携帯を持ってないもんでね。」
「……機械音痴も変わってねえな」
「まぁな。」
優雅にソファの前のテーブルに置いてある紅茶を飲む女。美しい姿と態度からは感じられないが、気品さを感じるその所作に少しドキッとする。
この女は、疾風の母親、神無月楓だ。
疾風の前ではこんな態度しないんだがな。昔はこんなもんだった。
多分、今は丸くなった方なんだろう。
「……なあ、お前、そろそろ前に戻るきはないか?」
楓は急にそう言ってきた。
「……なんでさ」
「疾風と理奈はもう立派に育ってくれた。お前のようにな。と、言うことで、私も子育てから離れようと思っていてな。…10年ちょっと、毎日パートに出かけ、金を稼ぎ、二人を養うのはなかなかにキツかったぞ?」
「……お疲れ。僕も金は入れたけどね。」
「養育費と生活費は違うんだよッ……」
「でも生活費要らないって言ったのは……」
「あー!あー!聞こえない!!!!!」
「……やれやれ」
楓は負けず嫌いなのだ。彼女は当時『生活費くらい自分で稼ぐわッ!』と譲らなかった。 
「と、いうことだ。……圭、また一緒にならないか?」
「……なんでこのタイミング……」
僕は頭を抱える。考えて出した結果が―――
「……疾風の、Number.2の問題が片付いてからにしよう。もし僕らが今一緒になったって、疾風は混乱するだけだ。Dreamerは僕の因縁の相手でもあるし、Dreamerが潰れるまで待とうや。疾風たちが困惑して仕事をミスるとか洒落にならん。」
「……」
楓は黙り込んだ後、突如笑いだした。
「…ははは!お前らしい!お前も変わってないな!はははは!!」
腹を抱えて笑う楓。
「……おいおい、こっちは真面目なんだぞ。疾風は事実一回疾走、というか死亡論出たんだからな。これ以上やらかしちまうと―――」
「んなこたあわかってる」
急にガチトーンになる楓。笑いも収まり、ガチトーンになる。昔よく見た凛とした顔だ。また少しドキッとする。」
「……私はお前とまた一緒になりたい。その意志は揺るがん。早く一緒になりたいってのはあるが、疾風も母親の朗報を聞けば、だいぶ喜ぶだろう。……あいつは辛いことばっか起きてる。少しくらいいい報告をしてやりたい。……頼む。母親と―――お前の責務だ。」
そういって頭を下げる楓。
……悩む。
疾風が困惑すると考えるか、喜ぶと考えるか。
僕は紅茶を飲み、ふうっと一息つく。
……小林圭。お前の心は決まっているはずだ。楓と同じ想いのはずだ。
僕は楓の言葉をうけ、出した結論は―――
「……わかったよ。もう一度、今、一緒になろう。楓。」
その言葉を聞き、楓はガバっと顔を上げ
「本当か?!」
と叫び、ダンッと机を叩いて立ち上がる。
僕はゆっくりソファからたちあがる。ゆっくり言葉を紡ぐ。
「本当、だよ。」
僕は後ろを向き、首だけ楓を見る。
「……僕も君と想いは同じだろうからね。ま、疾風も喜ぶならそれでいいさ」
顔を楓から背ける。
照れくさいので僕はそこから立ち去ろうとする。
すると、
「……全く、なに照れくさくなってるんだよ。」
背中に重みを感じた。
「……ごめんよ、ヘタレで」
「ったく。ヘタレが」
多分笑顔で楓が言ってくる。
僕らは黙ったが、優しい時間が流れる。
急に客間のドアが開く。僕は見えなかったが、聞こえてきた声で察した。
「…リーダーたち、未だにラブラブっすね。おっと、失礼します」
ドアが閉まる。多分部下たちはにやけてた。あいつら僕と高校からの付き合いだから僕と楓のことも知っている
なんなら楓は昔の僕らのチームの副リーダーだった。
「……圭。」
楓が僕から離れた。
「…楓。」
「さ、今日はお開きだな。続きはまた今度な。……今度はお前から来いよ」
「え、ちょま」
「じゃあな。私はあいつらと話してから帰る。」
一方的に話を終わらせ帰る楓。
「……鬼嫁……小悪魔……」
僕は誰も居ない客間でそう呟いた
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