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第2章・この世界の片隅で
第147夜・『彼女にレベル上げさせることについて』
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すまん、午後10時まで残業でして、明日も早いので手短に・・・。
今日は早く終わったら、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を見たかったのにな。
ゲームをやる暇は当然にない。
◇
この間、甥っ子の「ドラクエ1」をやる姿を見た弟が、昔を懐かしみ、私に言った。
「ああ・・・、そう言えば、三笠が、彼女にレベルアップだけさせていたっけ・・・^^;」と言った。
三笠は弟の中学生時代の友人だ。
「ドラクエ1」は、弟が中学生時代に発売されたのだ。
なんちゅうか、私には、中学生時代に異性と交際するという経験がないので、なんとも、そういう話を聞くと、
なんか、心に、ノスタルジックな痛みがもやもやしてくるのだ。
人はそれを「コンプレックス」と呼ぶ。
私が、女学生のセーラー服やブレザー、ブルマなどに異常な執着を持っているのは、この頃の「空虚」に由来する・・・。
なんか、中坊の癖して、彼女を部屋に呼び、長い長い時間がかかるロールプレイングゲームをしながら、疲れたから寝て、その間、自分の彼女に「レベル上げしとけよ」とか言うのである。
クキーッ! なんか悔しい。
だが、ここは大人になって、「そりゃ、ひどい彼氏だな^^;」と答えた。
・・・しかし、思い出すに、確か、その、三笠クンの彼女は、私の同級生だった矢部の妹じゃなかったっけ。
そのことについても、半年くらい前に知って、私は、無性に悔しくなって弟に詳しく聞いたものだった。
矢部君の家は洋館で、居間に暖炉があり、そこは、段々になった床で家族がくつろげるようになっていた。
私は、市長の息子と仲良く、当時から金持ちの市長の屋敷にも出入りしていたが、矢部君の家の暖炉と段々床のインパクトはそれはもう大きかった。
それはさておき、矢部君には姉と妹がいた。
矢部君自身が、色白のハーフっぽい顔立ちだったが、その姉と妹も綺麗だった。
私は過保護に育てられてきた。
だが、具体的にどんなことを言われたかはわからないが、その矢部姉は、初対面で、私にズケズケと何か言った記憶がある。
美しい顔をして、なんか私を遠ざけるのではなく、私を取り込むかのような酷いことを言ったのである。
・・・いや、私は魅かれたね。
で、その妹は、姉を幼くした顔立ちだが、美人ではあった。
記憶の中では人懐っこい笑顔をしている。
そのクールビューティーな姉妹の下のほうが、数年後には、彼氏によって、ゲームのレベル上げという使役に従事させられるのである。
私が「彼氏」であったならば許せる。
しかし、それが他人の話だと、私は何十年昔の話だろうと嫉妬の炎がメラメラと燃え上がる。
「つきあっていたって、どんなつきあいだよ」
私は言った。
弟は、私の表情に浮かんだただならぬ気配を感じ取ったようだ。
「いやぁ^^ 中学生だから、たかが知れたつきあいだよ^^」
「キスはしていたのか!」
「いや、俺らの世代はうぶだったから、一緒にいるだけで、つきあっているってことだったんだよ^^;」
弟は、私の気性を慮って、状況のフォローをした・・・。
「ならば良し!」
私は矛を収めた。
・・・(2011/09/17)
今日は早く終わったら、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を見たかったのにな。
ゲームをやる暇は当然にない。
◇
この間、甥っ子の「ドラクエ1」をやる姿を見た弟が、昔を懐かしみ、私に言った。
「ああ・・・、そう言えば、三笠が、彼女にレベルアップだけさせていたっけ・・・^^;」と言った。
三笠は弟の中学生時代の友人だ。
「ドラクエ1」は、弟が中学生時代に発売されたのだ。
なんちゅうか、私には、中学生時代に異性と交際するという経験がないので、なんとも、そういう話を聞くと、
なんか、心に、ノスタルジックな痛みがもやもやしてくるのだ。
人はそれを「コンプレックス」と呼ぶ。
私が、女学生のセーラー服やブレザー、ブルマなどに異常な執着を持っているのは、この頃の「空虚」に由来する・・・。
なんか、中坊の癖して、彼女を部屋に呼び、長い長い時間がかかるロールプレイングゲームをしながら、疲れたから寝て、その間、自分の彼女に「レベル上げしとけよ」とか言うのである。
クキーッ! なんか悔しい。
だが、ここは大人になって、「そりゃ、ひどい彼氏だな^^;」と答えた。
・・・しかし、思い出すに、確か、その、三笠クンの彼女は、私の同級生だった矢部の妹じゃなかったっけ。
そのことについても、半年くらい前に知って、私は、無性に悔しくなって弟に詳しく聞いたものだった。
矢部君の家は洋館で、居間に暖炉があり、そこは、段々になった床で家族がくつろげるようになっていた。
私は、市長の息子と仲良く、当時から金持ちの市長の屋敷にも出入りしていたが、矢部君の家の暖炉と段々床のインパクトはそれはもう大きかった。
それはさておき、矢部君には姉と妹がいた。
矢部君自身が、色白のハーフっぽい顔立ちだったが、その姉と妹も綺麗だった。
私は過保護に育てられてきた。
だが、具体的にどんなことを言われたかはわからないが、その矢部姉は、初対面で、私にズケズケと何か言った記憶がある。
美しい顔をして、なんか私を遠ざけるのではなく、私を取り込むかのような酷いことを言ったのである。
・・・いや、私は魅かれたね。
で、その妹は、姉を幼くした顔立ちだが、美人ではあった。
記憶の中では人懐っこい笑顔をしている。
そのクールビューティーな姉妹の下のほうが、数年後には、彼氏によって、ゲームのレベル上げという使役に従事させられるのである。
私が「彼氏」であったならば許せる。
しかし、それが他人の話だと、私は何十年昔の話だろうと嫉妬の炎がメラメラと燃え上がる。
「つきあっていたって、どんなつきあいだよ」
私は言った。
弟は、私の表情に浮かんだただならぬ気配を感じ取ったようだ。
「いやぁ^^ 中学生だから、たかが知れたつきあいだよ^^」
「キスはしていたのか!」
「いや、俺らの世代はうぶだったから、一緒にいるだけで、つきあっているってことだったんだよ^^;」
弟は、私の気性を慮って、状況のフォローをした・・・。
「ならば良し!」
私は矛を収めた。
・・・(2011/09/17)
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