上 下
107 / 299
第2章・この世界の片隅で

   第108夜・『「涙」~ポスティング中の一瞬の邂逅~』

しおりを挟む
 火曜日は、ポスティングのバイトの日と決めている(当時)。

 でも、来週の火曜日は、店に保健所の監査が入るので、代わりに、今日、ポスティングした。

 なんで、ポスティングを、そうまでして続けるのかと言うと、

 実績を残しているからなのだが、日給でも待遇でも、非常に私を優遇してくれているからだ。

 私が、着の身着のままの無一文になったとしても、ここは、私を受け入れてくれるだろう。

 だから、つながり残しておきたいのだ。

 ちなみに、物流倉庫のフォーク作業の仕事も辞めないのだが、こちらは、私の考える従業員に対しての会社のシステムがしっかりしているからだ(当時)。

 週4日勤務で、社会保険・厚生年金に加入させて貰えるのは、非常に嬉しいことなのだ^^

 私は、こうして、ずーっと休みなく働いてきて、さりとて、映画やデート、保守派の活動(最近は、別に何もしてないけど^^)、最近では落語鑑賞などと楽しく過ごしてきているが、

 どうしても、他人との交流が制限される。

 しかし、仕事=コミュニケーションとなると、お店に同僚たちが来てくれれば、飲んで食って楽しい話が出来るというもので、楽しみな限りだ。

 私は、このブログでは、私を知らない人でも、家族でも、保守派でも、職場の人たちでも、誰が読んでも構わない態勢で書いているが、

 そこはそれ、本当にエロかったりする話は記せない^^;

 それについては、他のお客さんのいない時に、お店で楽しくお話しましょうや^^

 生の私への質問にも、包み隠さずにお答えしましょう^^v

 ・・・さて、今日の現場は、多摩センターの豊ヶ丘と貝取の団地群だった。

 団地故にポストには困らないので、本日のノルマは多かったが、黙々と進める。

 団地ってのは、通路で区画されているが、私はなるべく緑の敷地内を通ったりする。

     


 こういうトコを歩いていると、昔やっていたオンラインゲーム「ファイナル・ファンタジー11」のアレキサンドリア郊外を思い出すんだよな・・・^^

     


 ポスティングを続けていると、とある一角で、他の会社のポスティングの人と鉢合わせになった。

 お互いに頭を下げる。

 驚いた! 赤ちゃんをおぶっていた。

 赤ちゃんは、キョトンとした顔でおんぶされていた。

 色んな、他社の作業者と出会ってきたが、赤ちゃんをおぶっている人は初めてだった。

 なんか、色々と感動した・・・。

 その団地の一棟の端には、乳母車が置かれていた。

 そして、その近くのベンチに、おそらく、お母さんの子供と思われる、二歳くらいの男の子がちょこんと座って、カレーパンを食っていた。

「お母さんは赤ちゃんとあっち行ったのか?」と、私は問うてみた。

「うん」と答える男の子。

「そうか^^ じゃあ、これあげるね。赤ちゃんも平気かなぁ(舐められるかなぁ)」と、私は、カバンの中に入っていたフルーツ飴を全部あげるのだった。

「赤ちゃんじゃなくて、あ~ちゃんだよ」と、見当違いの答えをする男の子。

 まだまだ年端もいかない二人の幼児を育てつつ、お母さん、頑張っているなぁと思うのだ。

 なんか知らないが、涙が出てきてしまった・・・。

               ・・・(2013/02/22)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

涙袋 PART2 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地
エッセイ・ノンフィクション
居酒屋店主の出くわす日常、の<PART2>です。 マスターであったり、ポスティングバイトしたり、フォークリフト運転手であったり、時系列飛び飛び!! 幼女・美少女を愛し、人妻に魅かれ、美人アスリートに憧れる毎日^^ 映画、マンガ、とにかく、物語(エピソード・ネタ)にしか反応しない男。 ・・・おもしろきこともなき世をおもしろく^^ ・・・天を敬い、人を愛する^^

庭木を切った隣人が刑事訴訟を恐れて小学生の娘を謝罪に来させたアホな実話

フルーツパフェ
大衆娯楽
祝!! 慰謝料30万円獲得記念の知人の体験談! 隣人宅の植木を許可なく切ることは紛れもない犯罪です。 30万円以下の罰金・過料、もしくは3年以下の懲役に処される可能性があります。 そうとは知らずに短気を起こして家の庭木を切った隣人(40代職業不詳・男)。 刑事訴訟になることを恐れた彼が取った行動は、まだ小学生の娘達を謝りに行かせることだった!? 子供ならば許してくれるとでも思ったのか。 「ごめんなさい、お尻ぺんぺんで許してくれますか?」 大人達の事情も知らず、健気に罪滅ぼしをしようとする少女を、あなたは許せるだろうか。 余りに情けない親子の末路を描く実話。 ※一部、演出を含んでいます。

四五歳の抵抗

土屋寛文(Salvador.Doya)
エッセイ・ノンフィクション
 この作品は私の『エッセイ』に成ります。 私と妻の前をすれ違って消えて行ったあの時の素敵な「お客様?」達。 全てこの一冊に載せてみました。 よく味わってお読み頂ければ幸いです。  体臭の香る街であった。 そこにサインボードの割れた一軒の店が在る。 この店は日雇い労務者・路上生活者・ブルーテントの住人・生活保護受給者達がよく利用する。 彼等から見ると、そこは唯一の寛げる『健康的な店』だった。・・・が・・・。  では本編に進みましょう。

アルファポリス投稿時間について

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスに投稿する時間はいつ頃がベストなのか?

徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……

紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz 徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ! 望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。 刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...