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私の魔力の源はイケメンです!?
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「...さん!...みつきさん!」
私の名前を呼ぶ声にゆっくりと意識が浮上する
「みつきさん気がついて良かった!」
真っ白な世界に
いるのは私とさっきから喋ってる人だけ...?
ここどこ...?
「混乱してるって顔だね!大丈夫!1から説明するからそのまま聞いて?」
仰向けのまま聞いた話では
私は道路に飛び出したワンコを助けようとして轢かれて即死
実はそのワンコは神様の使いでとても助かったと
この人神様だったらしい
お詫びと言ってはなんだけど
別世界で蘇生してあげるよと
勿論特典も色々つけるよと
よくある異世界に行った系の私tuee系らしい
なんとそこは私みたいな普通の顔が美人とされ
さらに男女の比率が7:3で女性を大事にする世界
魔法もあり冒険もあると
勿論イケメンもいるよ!と得意げに言われた
いやいや別にそこは重要じゃ...嘘です本当は嬉しくてニヤニヤしたい気持ち押し殺してます
得意魔法は回復
RPGなら定番のヒロインポジ
「ただちょっと問題があってねぇ...みつきさんのいた世界は魔法がないから、異世界の魔素と同調できなくてこのままじゃ魔法が使えないんだ」
「どうにかならないんですか...?」
魔法が使えると浮かれてた気持ちが一気に沈んだ
「その代わりと言ってはなんだけど、君の気持ちのイケメンバロメーターを魔力に変換することに成功したんだ!」
イケメンバロメーター?
なんかださい...
「イケメンを見ると癒されたり、モチベーションが上がったりするでしょ?そのプラスの気持ちが魔力になるんだ!この異世界では必然的にもてはやされるだろうから特に問題なく魔力をチャージできると思うよ」
なんだそのビッチみたいな設定は
いや、よく考えてみればみんなイケメンが好きなんだから健全といえば健全かもしれない
「そうだ!試しに僕に魔法使ってみてよ!これでも結構僕に心酔してる信者も多いんだから!」
...自信満々なところ悪いのですが
さっきからずっと思ってたけど
神様イケメンではないんだよね
身長は平均くらいか
身体はまん丸くて
目は顔の肉で見えないし
鼻もぺちゃっとしている
確信が持てる
絶対魔法発動しない自信がある
頭が混乱してとかなんとか誤魔化し
その場を乗り切った
そして思った
この神様がイケメンなら
異世界もイケメンの基準がこれなのではないかと
そして飛ばされ今に至る
目の前には怪我をしてるオーk...いや、イケメン。この世界のイケメン。
「天より使えし女神よ..!!どうか癒しの力でこの傷を癒してはくれまいか!!」
とてもピンチです
だって魔力が貯まる気が全然しないから
神様の要らん気遣いで
怪我をしたイケメンのそばに飛ばしてくれたみたいだけど
傷を治したいのは山々なんだけど
"きゅんっ"の"き"の字もない。
気持ちがこもらないくらいオーク
こうなったら妄想で何とかフィルターをかけようとした時だった
「アルイーン様!!」
茂みから傷だらけの
イケメンが出てきた
無論私基準のイケメンだった
もしや2人は主従関係なのでは?
イケメンくんは体を引きずりながらも
オークを心配していた
様呼ばわりしていたし
偉い人なのかな?
ついイケメンくんをじっと見つめてしまう
短めの青みがかった黒髪に
どっちかっていうと可愛い系の顔立ち
ワンコな後輩というイメージがとても合う
なんだかポカポカする
これが魔力というものかもしれない
今なら魔法も使える気がする
よし!と気合を入れ直し
オーク様に向き直った時だった
パァンっ!!!と思いっきりはたく音とともに
イケメンくんが吹っ飛んだ
「俺に近づくなと言ったはずだ!!不細工が!!気持ちが悪い顔を近づけるな!!...女神様お目汚し失礼しました。平民上がりの学習能力のない馬鹿でして、礼儀も知らず...」
横でなんとかかんとかオークが喋ってたけど
それどころじゃなかった
今こいつなにやった?なんて言った?
人としてやっちゃいけないことしたよね?
私はうるさく喋るこの男を無視して
彼が吹っ飛んだ方向へ向かった
後ろからなんか叫んでるけど心底どうでもいい
少し進んだ先に彼はいた
元々傷だらけだった身体もよく見たら今日できたものではないようだった
「ゔっ...」
彼は痛みに少し呻きながらもゆっくりと目を開け、驚愕に目を見開いた
「女神..様...私を見ないで..下さい...目が腐ってしま..います。さぁ..御主人様の...ところ..へ」
彼は今にも泣きそうな顔をしながら、痛みに耐えながらそう伝えてきた
ごめんなさいと謝りながら痛みで上がらない手で自分の顔を隠そうとする
「腐るわけないでしょ!!なんでそんな悲しいこと言うのっ!?」
こんな仕打ちを受けても尚
優しく健気な彼に涙が止まらなかった
なんでアイツみたいなやつのそばに居るの!?こんな良い子が
思わず彼を抱きしめる
「っ!!」
絶対治す!古い傷も全部!アイツがつけたであろう傷は全部治す!
「癒しを!」
治れ!と思いっきり気持ちを込めて唱えると
まばゆい光に包まれた束の間
目の前には驚いた顔のまま固まっている彼の姿があった
勿論傷は全部消えていた
彼はピクッと動いた後
辛そうな顔をしていた
「女神様っ!!無理をしないでください!!なぜあなたはそんなに慈悲深いのですか!?私は見るも耐えない顔だと言うのにっ...!!」
「私は別にそういうつもりでやったんじゃありません!君を助けたい一心で...っ」
この世界のズレた美醜感覚では
私がなにを言っても聞いてくれないんだろう
彼は私に顔を向けないように手で顔を隠しながら
必ず恩に報いると言った
「じゃあ一つお願いがあります」
「はい!なんなりと!」
「私のそばにいてください」
彼の、驚きつつも真っ赤に染める顔に
私の魔力が満ちていくのを感じるのであった
私の名前を呼ぶ声にゆっくりと意識が浮上する
「みつきさん気がついて良かった!」
真っ白な世界に
いるのは私とさっきから喋ってる人だけ...?
ここどこ...?
「混乱してるって顔だね!大丈夫!1から説明するからそのまま聞いて?」
仰向けのまま聞いた話では
私は道路に飛び出したワンコを助けようとして轢かれて即死
実はそのワンコは神様の使いでとても助かったと
この人神様だったらしい
お詫びと言ってはなんだけど
別世界で蘇生してあげるよと
勿論特典も色々つけるよと
よくある異世界に行った系の私tuee系らしい
なんとそこは私みたいな普通の顔が美人とされ
さらに男女の比率が7:3で女性を大事にする世界
魔法もあり冒険もあると
勿論イケメンもいるよ!と得意げに言われた
いやいや別にそこは重要じゃ...嘘です本当は嬉しくてニヤニヤしたい気持ち押し殺してます
得意魔法は回復
RPGなら定番のヒロインポジ
「ただちょっと問題があってねぇ...みつきさんのいた世界は魔法がないから、異世界の魔素と同調できなくてこのままじゃ魔法が使えないんだ」
「どうにかならないんですか...?」
魔法が使えると浮かれてた気持ちが一気に沈んだ
「その代わりと言ってはなんだけど、君の気持ちのイケメンバロメーターを魔力に変換することに成功したんだ!」
イケメンバロメーター?
なんかださい...
「イケメンを見ると癒されたり、モチベーションが上がったりするでしょ?そのプラスの気持ちが魔力になるんだ!この異世界では必然的にもてはやされるだろうから特に問題なく魔力をチャージできると思うよ」
なんだそのビッチみたいな設定は
いや、よく考えてみればみんなイケメンが好きなんだから健全といえば健全かもしれない
「そうだ!試しに僕に魔法使ってみてよ!これでも結構僕に心酔してる信者も多いんだから!」
...自信満々なところ悪いのですが
さっきからずっと思ってたけど
神様イケメンではないんだよね
身長は平均くらいか
身体はまん丸くて
目は顔の肉で見えないし
鼻もぺちゃっとしている
確信が持てる
絶対魔法発動しない自信がある
頭が混乱してとかなんとか誤魔化し
その場を乗り切った
そして思った
この神様がイケメンなら
異世界もイケメンの基準がこれなのではないかと
そして飛ばされ今に至る
目の前には怪我をしてるオーk...いや、イケメン。この世界のイケメン。
「天より使えし女神よ..!!どうか癒しの力でこの傷を癒してはくれまいか!!」
とてもピンチです
だって魔力が貯まる気が全然しないから
神様の要らん気遣いで
怪我をしたイケメンのそばに飛ばしてくれたみたいだけど
傷を治したいのは山々なんだけど
"きゅんっ"の"き"の字もない。
気持ちがこもらないくらいオーク
こうなったら妄想で何とかフィルターをかけようとした時だった
「アルイーン様!!」
茂みから傷だらけの
イケメンが出てきた
無論私基準のイケメンだった
もしや2人は主従関係なのでは?
イケメンくんは体を引きずりながらも
オークを心配していた
様呼ばわりしていたし
偉い人なのかな?
ついイケメンくんをじっと見つめてしまう
短めの青みがかった黒髪に
どっちかっていうと可愛い系の顔立ち
ワンコな後輩というイメージがとても合う
なんだかポカポカする
これが魔力というものかもしれない
今なら魔法も使える気がする
よし!と気合を入れ直し
オーク様に向き直った時だった
パァンっ!!!と思いっきりはたく音とともに
イケメンくんが吹っ飛んだ
「俺に近づくなと言ったはずだ!!不細工が!!気持ちが悪い顔を近づけるな!!...女神様お目汚し失礼しました。平民上がりの学習能力のない馬鹿でして、礼儀も知らず...」
横でなんとかかんとかオークが喋ってたけど
それどころじゃなかった
今こいつなにやった?なんて言った?
人としてやっちゃいけないことしたよね?
私はうるさく喋るこの男を無視して
彼が吹っ飛んだ方向へ向かった
後ろからなんか叫んでるけど心底どうでもいい
少し進んだ先に彼はいた
元々傷だらけだった身体もよく見たら今日できたものではないようだった
「ゔっ...」
彼は痛みに少し呻きながらもゆっくりと目を開け、驚愕に目を見開いた
「女神..様...私を見ないで..下さい...目が腐ってしま..います。さぁ..御主人様の...ところ..へ」
彼は今にも泣きそうな顔をしながら、痛みに耐えながらそう伝えてきた
ごめんなさいと謝りながら痛みで上がらない手で自分の顔を隠そうとする
「腐るわけないでしょ!!なんでそんな悲しいこと言うのっ!?」
こんな仕打ちを受けても尚
優しく健気な彼に涙が止まらなかった
なんでアイツみたいなやつのそばに居るの!?こんな良い子が
思わず彼を抱きしめる
「っ!!」
絶対治す!古い傷も全部!アイツがつけたであろう傷は全部治す!
「癒しを!」
治れ!と思いっきり気持ちを込めて唱えると
まばゆい光に包まれた束の間
目の前には驚いた顔のまま固まっている彼の姿があった
勿論傷は全部消えていた
彼はピクッと動いた後
辛そうな顔をしていた
「女神様っ!!無理をしないでください!!なぜあなたはそんなに慈悲深いのですか!?私は見るも耐えない顔だと言うのにっ...!!」
「私は別にそういうつもりでやったんじゃありません!君を助けたい一心で...っ」
この世界のズレた美醜感覚では
私がなにを言っても聞いてくれないんだろう
彼は私に顔を向けないように手で顔を隠しながら
必ず恩に報いると言った
「じゃあ一つお願いがあります」
「はい!なんなりと!」
「私のそばにいてください」
彼の、驚きつつも真っ赤に染める顔に
私の魔力が満ちていくのを感じるのであった
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