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03 お気の毒ですが呪われたようです
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「ハックショイィィイ‼」
さ、寒い。
初夏と言っても全身ずぶ濡れだとやはり寒いのだ。
凍える身体を擦る。
あっ、また鼻水が垂れてる……。
ずずっ。
「お嬢様、こちらが新しいお着替えです‼」
ネロリから新しい着替えを受け取る。
「私は部屋の外で待機してますので何かあればお呼び下さい‼」
そう言って部屋から出て行くネロリ。
ふむ、着替えるだけだし特に用はないだろう。
流石に裸で浴室へは行けないので簡単に脱げる着衣だけ着る。
濡れた服を脱ぎ捨てブラシエールと呼ばれる下着を着る。
「見たことないブラシエールだけど下ろし立てかしら?」
なんて気楽に考えているとーーー。
~デロデロデロデロデーレン♪~
「ん?今何処からか不気味な音が聴こえたような……」
ゾクリッ。
着替えたばかりなのに嫌な汗が伝う。
なんとなく嫌な予感がし、ブラシエールを脱ごうとする。
「あ、あれ?脱げないっ‼」
どんなに引っ張っても身体に張り付くブラシエール。
「ど、どうしよう……」
一人パニックになっていると様子を伺えに来たネロリが私の返事を待たず部屋に入って来た。
おいおい、一応返事きいてから部屋入ってこないと……。
私、下着姿のままだよ?
それに何故かその手には食べ物を持っている。
「お嬢様、湯に浸かる前に少しでも身体を温まって欲しいと思い、熱々のミルク粥お持ちしま……‼」
そしてついにやりやがった。
入り口で何もないのにつまづいて持っていたミルク粥を放り出す。
それはそれは見事な放物線を描き私にかかった。
「熱っっっつぅぅ‼」
あまりの熱さに床を転げ回る。
皆さんお気づきかも知れないがこのネロリと言うメイド、ドジっ子なのである。
それを忘れていた私も悪いのだが普通、湯に浸かる前ミルク粥食べる?
しかも熱々のミルク粥。
ネロリなりに気を使ってくれたのだが完全に空回りしている。
「ふぇーん。す、すみませぇぇんんん‼私ったらお嬢様になんて事を……‼」
ブンブンと音をさせて頭を下げるネロリ。
「いつもそう、何をやっても失敗ばかり。お皿を洗えばお皿を全て割ってしまうし、お掃除したら部屋はめちゃくちゃ……」
えっ?それメイド向いてないんじゃない?
「御使いに頼まれると必ず迷子になるか変な人に絡まれトラブルになる……」
いや、最早ドジっ子のレベルを越えているような……。
「それからーーー」
次々とネロリの口から衝撃的な事実が語られ、懺悔タイムに入る。
「うん、ネロリの懺悔は熱い程……いや、痛い程分かった。けどね、それは今しなくちゃいけない事かな?こっちは熱々のミルク粥被ってんるんだよ?懺悔するよりもせめて拭くものでも持って来て欲しいな」
本音を漏らせばネロリも状況に気付いたのか拭くものを取りにあわただしく部屋を出て行く。
部屋には熱さが無くなってきたミルク粥を被った私だけ残された。
ミルク粥で前が見えない。
そうこうしていると部屋がノックされる。
ネロリならノックしないで入って来るのに変だなぁと思いながら入室を許可する。
しかし、少し動いた瞬間足元のミルク粥に足滑らせ入室してきた人物の上に倒れこんだ。
そしてもにゅりとした何かを掴んだ。
何だこれ?
もにゅもにゅ。
何度も言うが目は塞がれていて何も見えないので手探りで判断するしかない。
ふむ、柔らかいな。
なんか布ぽっいのもあるしこれでいいや顔拭こう。
ゴシゴシ。
ふぅ、やっと視界が開けた。
しかし、飛び込んでたきた光景に驚愕した。
私が今まで掴んでいたのは義弟のナニだったから。
さ、寒い。
初夏と言っても全身ずぶ濡れだとやはり寒いのだ。
凍える身体を擦る。
あっ、また鼻水が垂れてる……。
ずずっ。
「お嬢様、こちらが新しいお着替えです‼」
ネロリから新しい着替えを受け取る。
「私は部屋の外で待機してますので何かあればお呼び下さい‼」
そう言って部屋から出て行くネロリ。
ふむ、着替えるだけだし特に用はないだろう。
流石に裸で浴室へは行けないので簡単に脱げる着衣だけ着る。
濡れた服を脱ぎ捨てブラシエールと呼ばれる下着を着る。
「見たことないブラシエールだけど下ろし立てかしら?」
なんて気楽に考えているとーーー。
~デロデロデロデロデーレン♪~
「ん?今何処からか不気味な音が聴こえたような……」
ゾクリッ。
着替えたばかりなのに嫌な汗が伝う。
なんとなく嫌な予感がし、ブラシエールを脱ごうとする。
「あ、あれ?脱げないっ‼」
どんなに引っ張っても身体に張り付くブラシエール。
「ど、どうしよう……」
一人パニックになっていると様子を伺えに来たネロリが私の返事を待たず部屋に入って来た。
おいおい、一応返事きいてから部屋入ってこないと……。
私、下着姿のままだよ?
それに何故かその手には食べ物を持っている。
「お嬢様、湯に浸かる前に少しでも身体を温まって欲しいと思い、熱々のミルク粥お持ちしま……‼」
そしてついにやりやがった。
入り口で何もないのにつまづいて持っていたミルク粥を放り出す。
それはそれは見事な放物線を描き私にかかった。
「熱っっっつぅぅ‼」
あまりの熱さに床を転げ回る。
皆さんお気づきかも知れないがこのネロリと言うメイド、ドジっ子なのである。
それを忘れていた私も悪いのだが普通、湯に浸かる前ミルク粥食べる?
しかも熱々のミルク粥。
ネロリなりに気を使ってくれたのだが完全に空回りしている。
「ふぇーん。す、すみませぇぇんんん‼私ったらお嬢様になんて事を……‼」
ブンブンと音をさせて頭を下げるネロリ。
「いつもそう、何をやっても失敗ばかり。お皿を洗えばお皿を全て割ってしまうし、お掃除したら部屋はめちゃくちゃ……」
えっ?それメイド向いてないんじゃない?
「御使いに頼まれると必ず迷子になるか変な人に絡まれトラブルになる……」
いや、最早ドジっ子のレベルを越えているような……。
「それからーーー」
次々とネロリの口から衝撃的な事実が語られ、懺悔タイムに入る。
「うん、ネロリの懺悔は熱い程……いや、痛い程分かった。けどね、それは今しなくちゃいけない事かな?こっちは熱々のミルク粥被ってんるんだよ?懺悔するよりもせめて拭くものでも持って来て欲しいな」
本音を漏らせばネロリも状況に気付いたのか拭くものを取りにあわただしく部屋を出て行く。
部屋には熱さが無くなってきたミルク粥を被った私だけ残された。
ミルク粥で前が見えない。
そうこうしていると部屋がノックされる。
ネロリならノックしないで入って来るのに変だなぁと思いながら入室を許可する。
しかし、少し動いた瞬間足元のミルク粥に足滑らせ入室してきた人物の上に倒れこんだ。
そしてもにゅりとした何かを掴んだ。
何だこれ?
もにゅもにゅ。
何度も言うが目は塞がれていて何も見えないので手探りで判断するしかない。
ふむ、柔らかいな。
なんか布ぽっいのもあるしこれでいいや顔拭こう。
ゴシゴシ。
ふぅ、やっと視界が開けた。
しかし、飛び込んでたきた光景に驚愕した。
私が今まで掴んでいたのは義弟のナニだったから。
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