人の心は深い闇

紅那

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第1章

歳をとるとともに

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痛かった。

年齢が大人に近づくにつれて怪我をしなくなっていった僕の身体が驚く程久々に痛いと思った。
けれど希陽の方が痛そうに見えた。
僕とおでこをぶつけた後に頭の後ろをまたぶつけたりしてたし。。

一応、鏡でおでこ確認しよう。と鏡を見る。
すると…ぶつけた所が赤く、何故か右の目尻から透明ではない液体が溢れ出していた。
顔を右に傾けると、
つーっと頬を撫でる液体の感触があった。
…こんなことになるなら覗き込まなきゃよかったな。。と思った。
けれど希陽の寝顔は可愛かったな、。しみじみと思った。

左手にある濡らした黒色のタオルで目尻からの液体を残さず拭き取りつつ、後が残らないように綺麗に顔も拭く。
右手にある保冷剤を乾いた紫色のタオルで巻いておでこに巻く。
…まぁこれで治るでしょ。
一旦、応急処置が終わったところでリビングに行きソファに座る。

そして目を瞑る。






ひたひたひた

と音がする。

じんじんするなぁ…

という声がする。

来たか。
とそう思い、目を開けて後ろを向く。

そこには

希陽が橙色のタオルをおでこに巻いて立っていた。
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