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告白
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結局、医務室まで運ばれたところで、教諭が学会で不在ということが分かった。
仕方がないので勝手に湿布を貼り、先生を呼びに教員棟に向かわれたソルズベリー侯爵子息に、もう大丈夫なのでそのまま授業に戻るように伝えるため、席を立とうとしたところで、ドアが開いた。
戻ってきたソルズベリー侯爵子息に、勝手に手当したことを驚かれ、せめて侯爵家お抱えの医師を手配したので侯爵家まで来て欲しいと懇願されている。
なぜ??
教員棟に先生を呼びに行くと言ったのではなかったのか。
疑問しかないのだけれど。
「申し訳ありません。そこまでして頂く理由がありませんわ。」
「私が耐えられないから、ということではいけませんか?」
……意味不明である
「……あの、申し訳ありません。どういう意味か全くわかりません。医師なら我が家にも懇意にしてる先生がいらっしゃいますし、必要ありませんわ。」
ここでキッパリ断らないと、押し切られる気がする。
増して婚約を白紙にしたばかりの女が、侯爵家子息と2人きりで長時間密室にいるのも良くない。
侯爵子息の婚約者に目をつけられる事態は避けたい……抱き抱えられ運ばれた時点で既に手遅れな気がするが。
何故こんな状況になっているのだろう!
「授業が始まってしまってますし、お戻りになってくださいませ。大事な授業を遅刻させてしまって申し訳ないのです」
なるべく相手を刺激せず、戻ってもらうにはどうしたらいいのか、全く答えが見えない。
「ソルズベリー侯爵子息様、私は一人で教室に戻れますし本当に大丈夫ですので、どうぞお戻りになってください」
念を押し、治療用の席を立ってドアに向き直ったところで、後ろから声をかけられた。
「…ナルシアドと呼んでください」
「?!……どういう意味か分かりかねます。ファーストネームなど恐れ多いです!」
振り向くと、至近距離にソルズベリー侯爵子息がいた。
「もう、何年も、貴女を想っていたのです」
微かに震える手で私の手を取り、膝をつき、見上げる形で懇願される。
「このまま貴女を帰したくない。唐突なのは分かっています。しかし貴女をようやく見つけたのです。しかも婚約者がいない、何のしがらみもない貴女を。この期を逃したくないのです」
真摯に目を潤ませながら見つめ、思いの丈をぶつけてくる方を振り切れるほど、私は強くも耐性もないです!
しかし、いくら真摯に伝えられたとはいえ、はいそうですかと安易に返事もできないのも事実。
もう何年も、ディード様しか見つめてこなかったですから。
すげなくあしらわれる事しか無かった私が、自分に自信なんかある筈がありません。
16歳で卒業を迎える女性と、18歳で卒業する男性とでは、教育内容が異なるため教育棟自体が違い、すれ違うことも見かけることもない。
男性は女子棟での授業がある科目もあるにはあるが、年に数回と激レアな上に、まず男子棟と女子棟でかなりの距離があり、教員棟や食堂以外で男性を見かけることはまずない。
余程の目的があり、その場所を目指さない限りは。
ディード様に会いに行くのに、かなりの労力を要したのだ。
嫌われ避けられている婚約者がまた会いに来たと。
注目され、遠巻きに陰口を叩かれ、嘲笑われる。
ただ。
向き合いたかっただけなのに。
何故か、無性に虚しくなった。
何故私なのかと。
何故ディード様にこの想いの1/1000でも持って貰えなかったのかと。
好きでなくてもいい、嫌いでも良かった。
ただ。
私という一個人に向き合って欲しかった。
告白されたことよりも、何も出来なかったこの8年が、無性に虚しくなった。
何がいけなかったのか。
私が何かしたなら、言って欲しかった。
ただ只避けられ、何も言われず、答えてもらえず、分からぬまま過ぎた5年が悔しかった。
ツンと鼻の奥が痛くなった。
「……申し訳ありません」
小さく、小さく答える。
「今はまだ貴方様のお気持ちに答えることは出来ません。何も解決していなかったのです。ディード様……は、クウェータ子爵子息とはきちんと話し合って解決しなければ終わらないと気づきました。私のこの想いも昇華してあげないと報われないと。」
あの方の名前を口にすると、泣きそうになる。
気にならないと、興味無いと思い込んで、義務だから、仕方ないからと言い訳し、自分に蓋をしないと泣いてしまいそうになっていた昔の自分を思い出してしまった。
好き、かどうかは分からない。
ただ、この方と一緒に生きていくのだと、8年前に笑いあった、あの方の笑顔が、声が。
ただ、痛かった。
「……申し訳ありません。」
「いえ。貴女とこうして向かい合えている奇跡に浮かれていたようです。こちらこそ突然困惑させてしまい、申し訳ない。」
自嘲するソルズベリー侯爵子息に、慌てて首を振る
「いえ!あの……」
「すみません。……ただ、知っていて欲しいのです。初めて会った時から、私は貴女の虜だと。気持ちはすぐには切り替えられないでしょう。どういった経緯で白紙になったかも知りません。何も聞いていませんから。貴女があいつの婚約者だったとも今日まで知らなかったのです。」
真っ直ぐ見つめられ、吸い込まれそうになる。
「……いつお会いしたのかも覚えていませんの。申し訳ありません」
こんな風に想ってもらえて、純粋に嬉しい。
でも、本当に会った記憶がなかった。
夜会も、数回しか出ていない。
しかしディード様の友人を紹介された記憶はないのだ。
というか、同じ年頃の方がいらっしゃる夜会に出たことがない。
「私が一方的に知っていただけです。4年ほど前に授業に躓き腐っていた時に、裏山によくサボりに行ってたんです。一日中隠れていた時もありました。そんな時、昼食を裏山のベンチで一人でとっている貴女に出会いました。少し寂しそうに、でも食べ終わると必ず負けないわ!と気合を入れ戻っていく貴女に衝撃を受けたのを覚えています」
羞恥で顔が赤くなる。
見られていたなんて!!
「とても新鮮だったんです。出来ないことを腐らず、出来ないからこそやる、止めたら負けだわ!完璧になるまでやってやる!と意気込む貴女に、本当に一瞬で魅せられた。貴女のお陰なんです、今の私があるのは」
真っ赤な私に、ソルズベリー侯爵子息はクスっと笑うと、指先にキスをした。
「あ、と失礼。思わず……そんなに可愛い顔をされては困ってしまう。」
手を離し、私と少し距離をとると、窓の方を向き、顔を逸らすとまた話し始める
「本当に貴女のお陰なんです。年下だと思われる少女に、負けている自分が恥ずかしくなって。そこから必死に努力するようになりました。あなたに、恥ずかしくない自分になろうと思えました。……どの夜会でも会うことはなく、どこのご令嬢か分からぬまま、もう4年です。しばらく行かないうちに貴女は裏山に来なくなっていました。諦めた方がいいのかと思う時もありました。この年齢です。婚約者もいる筈だ、縁がなかったと、このまま親が勧める縁談に進むしかないのか、諦めるしかないのか……悩みながらも何もせず諦めることは出来なかった。会えなくても裏山に行くつもりで出した。どうしても最後に貴女に会いたくて……」
振り向くソルズベリー侯爵子息は泣きそうな顔で、切なそうに笑いました。
「急ぎません。しかし希望があるとわかった以上、諦めることは出来ない。断られることもあるでしょう。でも、少しでいい、考えて欲しい。今すぐでなくとも、貴女が考えられるまで待っています」
ゆっくりと差し出された手を、見つめます。
こんなに真剣に想って貰えるほど、私はすごい人間ではないです。
でも。
今はまだ、何も考えられないけれど。
全てが落ち着いたら、ちゃんと考えたい。
この真摯な想いに向かい合うことが、この方へのお礼だと思えた。
だから、もう少しお待たせする事をお許しください。
仕方がないので勝手に湿布を貼り、先生を呼びに教員棟に向かわれたソルズベリー侯爵子息に、もう大丈夫なのでそのまま授業に戻るように伝えるため、席を立とうとしたところで、ドアが開いた。
戻ってきたソルズベリー侯爵子息に、勝手に手当したことを驚かれ、せめて侯爵家お抱えの医師を手配したので侯爵家まで来て欲しいと懇願されている。
なぜ??
教員棟に先生を呼びに行くと言ったのではなかったのか。
疑問しかないのだけれど。
「申し訳ありません。そこまでして頂く理由がありませんわ。」
「私が耐えられないから、ということではいけませんか?」
……意味不明である
「……あの、申し訳ありません。どういう意味か全くわかりません。医師なら我が家にも懇意にしてる先生がいらっしゃいますし、必要ありませんわ。」
ここでキッパリ断らないと、押し切られる気がする。
増して婚約を白紙にしたばかりの女が、侯爵家子息と2人きりで長時間密室にいるのも良くない。
侯爵子息の婚約者に目をつけられる事態は避けたい……抱き抱えられ運ばれた時点で既に手遅れな気がするが。
何故こんな状況になっているのだろう!
「授業が始まってしまってますし、お戻りになってくださいませ。大事な授業を遅刻させてしまって申し訳ないのです」
なるべく相手を刺激せず、戻ってもらうにはどうしたらいいのか、全く答えが見えない。
「ソルズベリー侯爵子息様、私は一人で教室に戻れますし本当に大丈夫ですので、どうぞお戻りになってください」
念を押し、治療用の席を立ってドアに向き直ったところで、後ろから声をかけられた。
「…ナルシアドと呼んでください」
「?!……どういう意味か分かりかねます。ファーストネームなど恐れ多いです!」
振り向くと、至近距離にソルズベリー侯爵子息がいた。
「もう、何年も、貴女を想っていたのです」
微かに震える手で私の手を取り、膝をつき、見上げる形で懇願される。
「このまま貴女を帰したくない。唐突なのは分かっています。しかし貴女をようやく見つけたのです。しかも婚約者がいない、何のしがらみもない貴女を。この期を逃したくないのです」
真摯に目を潤ませながら見つめ、思いの丈をぶつけてくる方を振り切れるほど、私は強くも耐性もないです!
しかし、いくら真摯に伝えられたとはいえ、はいそうですかと安易に返事もできないのも事実。
もう何年も、ディード様しか見つめてこなかったですから。
すげなくあしらわれる事しか無かった私が、自分に自信なんかある筈がありません。
16歳で卒業を迎える女性と、18歳で卒業する男性とでは、教育内容が異なるため教育棟自体が違い、すれ違うことも見かけることもない。
男性は女子棟での授業がある科目もあるにはあるが、年に数回と激レアな上に、まず男子棟と女子棟でかなりの距離があり、教員棟や食堂以外で男性を見かけることはまずない。
余程の目的があり、その場所を目指さない限りは。
ディード様に会いに行くのに、かなりの労力を要したのだ。
嫌われ避けられている婚約者がまた会いに来たと。
注目され、遠巻きに陰口を叩かれ、嘲笑われる。
ただ。
向き合いたかっただけなのに。
何故か、無性に虚しくなった。
何故私なのかと。
何故ディード様にこの想いの1/1000でも持って貰えなかったのかと。
好きでなくてもいい、嫌いでも良かった。
ただ。
私という一個人に向き合って欲しかった。
告白されたことよりも、何も出来なかったこの8年が、無性に虚しくなった。
何がいけなかったのか。
私が何かしたなら、言って欲しかった。
ただ只避けられ、何も言われず、答えてもらえず、分からぬまま過ぎた5年が悔しかった。
ツンと鼻の奥が痛くなった。
「……申し訳ありません」
小さく、小さく答える。
「今はまだ貴方様のお気持ちに答えることは出来ません。何も解決していなかったのです。ディード様……は、クウェータ子爵子息とはきちんと話し合って解決しなければ終わらないと気づきました。私のこの想いも昇華してあげないと報われないと。」
あの方の名前を口にすると、泣きそうになる。
気にならないと、興味無いと思い込んで、義務だから、仕方ないからと言い訳し、自分に蓋をしないと泣いてしまいそうになっていた昔の自分を思い出してしまった。
好き、かどうかは分からない。
ただ、この方と一緒に生きていくのだと、8年前に笑いあった、あの方の笑顔が、声が。
ただ、痛かった。
「……申し訳ありません。」
「いえ。貴女とこうして向かい合えている奇跡に浮かれていたようです。こちらこそ突然困惑させてしまい、申し訳ない。」
自嘲するソルズベリー侯爵子息に、慌てて首を振る
「いえ!あの……」
「すみません。……ただ、知っていて欲しいのです。初めて会った時から、私は貴女の虜だと。気持ちはすぐには切り替えられないでしょう。どういった経緯で白紙になったかも知りません。何も聞いていませんから。貴女があいつの婚約者だったとも今日まで知らなかったのです。」
真っ直ぐ見つめられ、吸い込まれそうになる。
「……いつお会いしたのかも覚えていませんの。申し訳ありません」
こんな風に想ってもらえて、純粋に嬉しい。
でも、本当に会った記憶がなかった。
夜会も、数回しか出ていない。
しかしディード様の友人を紹介された記憶はないのだ。
というか、同じ年頃の方がいらっしゃる夜会に出たことがない。
「私が一方的に知っていただけです。4年ほど前に授業に躓き腐っていた時に、裏山によくサボりに行ってたんです。一日中隠れていた時もありました。そんな時、昼食を裏山のベンチで一人でとっている貴女に出会いました。少し寂しそうに、でも食べ終わると必ず負けないわ!と気合を入れ戻っていく貴女に衝撃を受けたのを覚えています」
羞恥で顔が赤くなる。
見られていたなんて!!
「とても新鮮だったんです。出来ないことを腐らず、出来ないからこそやる、止めたら負けだわ!完璧になるまでやってやる!と意気込む貴女に、本当に一瞬で魅せられた。貴女のお陰なんです、今の私があるのは」
真っ赤な私に、ソルズベリー侯爵子息はクスっと笑うと、指先にキスをした。
「あ、と失礼。思わず……そんなに可愛い顔をされては困ってしまう。」
手を離し、私と少し距離をとると、窓の方を向き、顔を逸らすとまた話し始める
「本当に貴女のお陰なんです。年下だと思われる少女に、負けている自分が恥ずかしくなって。そこから必死に努力するようになりました。あなたに、恥ずかしくない自分になろうと思えました。……どの夜会でも会うことはなく、どこのご令嬢か分からぬまま、もう4年です。しばらく行かないうちに貴女は裏山に来なくなっていました。諦めた方がいいのかと思う時もありました。この年齢です。婚約者もいる筈だ、縁がなかったと、このまま親が勧める縁談に進むしかないのか、諦めるしかないのか……悩みながらも何もせず諦めることは出来なかった。会えなくても裏山に行くつもりで出した。どうしても最後に貴女に会いたくて……」
振り向くソルズベリー侯爵子息は泣きそうな顔で、切なそうに笑いました。
「急ぎません。しかし希望があるとわかった以上、諦めることは出来ない。断られることもあるでしょう。でも、少しでいい、考えて欲しい。今すぐでなくとも、貴女が考えられるまで待っています」
ゆっくりと差し出された手を、見つめます。
こんなに真剣に想って貰えるほど、私はすごい人間ではないです。
でも。
今はまだ、何も考えられないけれど。
全てが落ち着いたら、ちゃんと考えたい。
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