10 / 13
第十話 クソ商品を売りつけて
しおりを挟む
「あー! 疲れた! 結局ずっとこればっかじゃねぇか」
ゼンが背中をのけぞらせて、鼻の付け根を指でつまみながらうめいた。私たちがバーバラの依頼を達成してすでに二週間。つまり私がこの特務部第三課で社会人デビューをしてから、もうそろそろ一ヶ月が経とうとしていることになる。
「仕方ないじゃん……言っちゃえばボスの友達の頼み事を聞いただけだし……」
私も目の下が凝り固まっている。パソコンの電源を切りながらぶっきらぼうに答えた。
「そうかもだけどさ、流石につまんねーぞ。頑張ったんだからなんかこう、ちょっといいことくらいあってもいいだろ」
ゼンは向かいの席から不満そうな顔を覗かせてきた。
「あのバーバラに制服仕立ててもらったし、いっぱい可愛い服貰ったし、もうそれでいいじゃん。ほら、残業禁止なんだからさっさと出るよ」
早くお風呂に入りたい私は、雑に返事をして席を立った。
「あ、待てよ!」
私とゼンだけでなく、第三課の皆もいい加減メール整理にうんざりしているのは同じである。しかし、所詮は皆社会の歯車に過ぎないので、上から仕事を与えられない限りはどうすることも出来ないのだ。エルラダから帰ってきて一週間くらいの間は、皆浮かれて鼻歌を歌ってみたりなんかしながらパソコンと向かい合っていた。かくいう私もついに宇宙を飛び回る仕事ができるのではないかとか期待していたのである。
そんなのも長くは続かず、何日経っても上から一報も連絡は無かった。ボスの顔は曇る一方だし、そして私たちも取り戻した自信を維持することが出来なくなった。こうして今、就業時間中のオフィスにはあの悲しい静けさがまた戻ってきている。ゼンが現況を嘆くのを私がこうして適当にあしらうのもこれで何度目だろうか。
「そういうステラもあんだけ制服喜んでたのに、結局私服着てるのね」
オフィスワーク用に特別ゆったりした、寝巻きみたいな格好をしていた姐さんが言った。あれもバーバラからのお土産にもらったやつだ。
「汚したくないんです! この前ジュディスに醤油かけられそうになった時、心に固く誓ったんです!」
私がジュディスを睨みつけると、ジュディスは声を荒げた。
『ナンダト! ワタシのセイと言いたイノカ』
「そうよ! 醤油差しの使い方がわからないからってぶん回して……ほんっと危なかったんだから」
先の仕事のせいで破壊された憎きジュディスも結局、召使いが必要な博士の手によって生き返ってしまったのだ。
いつもの調子で無駄なやり取りをしながら、今日も何か起こることもなく私たちは一日を終えた——。
翌日——その日は突然にやってきた。物事の流れが変わるのに何か前兆がある場合と、何の前触れもない場合があると思う。私たちの場合はまさに後者の方だった。
私が朝食当番だったので、眠い目をこすりながら味噌汁を作っていた時だった。ガラス張りの壁の向こうで、スタイリッシュでつややかな車体の宇宙車が一機着陸してくるのが見えた。私の見間違いでなければ、あの曲線美と上品な輝きを放つ優雅なデザインを施された車体は、有名なお金持ち御用達の高級車メーカー、“ユアラフマリノフ”社の車だ。そんな車の持ち主がこんな小惑星に用事もなく立ち寄るとは思えなかったが、何も心当たりがない。
「えぇ? こんな早くに——誰」
私はコンロの火を止めてから、不可解な来訪者に会いに駐車場に向かった。
私が謎の車の前に立った時、ちょうど中から持ち主が出てきた。
「えっ」
私は、来訪者の姿に見惚れて腰を抜かしそうになった。おそらく私と同じ地球人の、それは美しい切れ長の目をもった黒い髪の女性で、遠くの惑星の伝統工芸品である、宇宙の闇の色と同じ深みと輝きを放つ藍色の生地で作られたドレスを着ていた。姐さんと同じくらいの背丈の彼女は、私をじっと見つめている。
「あの……本社の方、でお間違いないですか? 一体、なんでこんなところに」
彼女の胸には私たちが勤めているゼノグループの親会社であり、惑星共同体ゼノ連盟の中枢機関、ゼノ・ユニヴァース社役員の証であるブローチが輝いている。私は緊張しながらそう尋ねた。
「はい。ゼノ・ユニヴァース社執行役員、ジア・オです。朝早くから失礼するわ」
ジアと名乗る女性は、やはり重役のようだ。執行役員という肩書きを持つ彼女は、この宇宙の最高権力者に最も近い存在だろう。ジア女史は、極限まで薄く削り出した水晶で出来た半透明の名刺を見せてきた。金色の刻印で会社のロゴがしっかりと刻まれていて、名刺と呼ぶにはあまりにも贅沢な代物だ。少し迷ってから、両手でうやうやしく受け取った。
「こ、こちらこそ……お疲れ様です。私、ステラ・ハシグチと申します。あの、名刺はまだ作ってなくて……」
「構わないわ。それにあなた、その名前に見た目——もしかして地球人? 同胞に会うのは久しぶりだから嬉しい!」
ジア女史は近寄りがたい美貌からは想像もつかないほど、気さくに話しかけてくれた。
「地球人です! 私も久々に自分以外の地球人に会いました……!」
無限に広がる宇宙社会、もはやその中で区別することが馬鹿馬鹿しいのはわかっているけれど、やはり同じ種族に会えるのは不思議な嬉しさがある。それはきっと、ジア女史も同じようだ。
「まさかこんなところで会えるなんて!」と女史が言った。
「お会いできて嬉しいです! 本日は、どのようなご用件でいらっしゃったんですか」
いくらジア女史が地球人でも、宇宙の中枢機関の中でも上層の人間がわざわざこんなところに来るのはおかしい。怪訝な顔をしそうになるのを堪えながら、ジア女史の方を見た。
「ここはゼノ・エクセルキトゥス社の特務部第三課の事務所で間違いないわね?」
ジア女史は落ち着いた声でそう言いながら、事務所の建物を一瞥した。
「はい。そう……なんですけど」
ジア女史は表情を変えなかったが、安堵したのか少し息を漏らした。
「よかった。こんなとこに事務所があるなんて。最初はナビが壊れたのかと思ったわ。早速本題に入るのだけど、今日は第三課のあなた達に、仕事を頼みたくて来たの」
「えっ?」
ジア女史の言葉に耳を疑って私は声を漏らし、女史はそれに大層不思議そうな顔をした。
「ん?」
「えー!?」
女史の顔を再度見た私は叫んでしまった。本部の人が、わざわざご足労いただいて持ってくるほどの重要な仕事って何?
しかし驚く私に今度はジア女史が驚き、目を丸く見開いた。
「どうしたの? 急に叫んで……と、とにかく中で少し話をさせてくれるかしら。部署の人を集めてくれる?」
「あ、あが……かしこまりました……どうぞ、こちらです」
調子の悪いロボットのようなぎこちない足取りで、ジア女史を建物の中へ案内した。
「とりあえず、こちらの席で少々お待ちください。部署の者にはすぐ準備をしてもらうよう声掛けしてまいりますので……」
「はい」
そう返事をしたジア女史は、膝の上に車から持ってきた銀色の丸いアタッシュケースを載せて、上品に席に座った。
その後すぐに二階へと駆け上がり、何度も呼び鈴を鳴らして皆を叩き起こした。
「本社の人が来ているんですよ! 起きて! やばいからほんとに!」
私が順番にそう伝えると、皆は血相を変えて準備した。そして五分経つ頃に悠々と博士がやってきて、ようやく特務部第三課の全員が揃った。
「お待たせして申し訳ありません……これで全員です。私がこの特務部第三課の課長、J・Jです」
ボスは女史の向かいの席に座っていた。一番緊張しているようで、例に違わず壊れたスピーカーから情けない声を流している。
「先ほどステラ・ハシグチさんの方からご紹介を頂いたと思います。ゼノ・ユニヴァース社執行役員のジア・オと申します。本日は朝早くに押しかけて申し訳ありません。緊急で我々から、特務部第三課の皆様にお願いがあって直接出向いた次第でございます」
ジア女史はボスと真逆で、落ち着き払った様子で話した。相当若く見えるのに、只者ではない凄みを感じる。
「は、はい——して、一体、お願いというのは……」
ボスは震えながら情けない声で尋ねた。まさかリストラなんじゃないか——バーバラの依頼を受けた件についてかもしれない。どんな恐ろしいことを言われるのだろう。私たちは身構えた。ジア女史が心なしか気まずそうな顔をしているのが気になる。
女史は少し待ってから、口を開いた。
「——平たく言うと我が社が大量に——っていうのは、天文学的な数字ってことよ——大量に在庫を抱えているクソ商品を売りつけて欲しいの」
そう言われるなり私たちは一斉に、噴火する瞬間の火山を見つめる時のような顔で女史の方を向いた。
ゼンが背中をのけぞらせて、鼻の付け根を指でつまみながらうめいた。私たちがバーバラの依頼を達成してすでに二週間。つまり私がこの特務部第三課で社会人デビューをしてから、もうそろそろ一ヶ月が経とうとしていることになる。
「仕方ないじゃん……言っちゃえばボスの友達の頼み事を聞いただけだし……」
私も目の下が凝り固まっている。パソコンの電源を切りながらぶっきらぼうに答えた。
「そうかもだけどさ、流石につまんねーぞ。頑張ったんだからなんかこう、ちょっといいことくらいあってもいいだろ」
ゼンは向かいの席から不満そうな顔を覗かせてきた。
「あのバーバラに制服仕立ててもらったし、いっぱい可愛い服貰ったし、もうそれでいいじゃん。ほら、残業禁止なんだからさっさと出るよ」
早くお風呂に入りたい私は、雑に返事をして席を立った。
「あ、待てよ!」
私とゼンだけでなく、第三課の皆もいい加減メール整理にうんざりしているのは同じである。しかし、所詮は皆社会の歯車に過ぎないので、上から仕事を与えられない限りはどうすることも出来ないのだ。エルラダから帰ってきて一週間くらいの間は、皆浮かれて鼻歌を歌ってみたりなんかしながらパソコンと向かい合っていた。かくいう私もついに宇宙を飛び回る仕事ができるのではないかとか期待していたのである。
そんなのも長くは続かず、何日経っても上から一報も連絡は無かった。ボスの顔は曇る一方だし、そして私たちも取り戻した自信を維持することが出来なくなった。こうして今、就業時間中のオフィスにはあの悲しい静けさがまた戻ってきている。ゼンが現況を嘆くのを私がこうして適当にあしらうのもこれで何度目だろうか。
「そういうステラもあんだけ制服喜んでたのに、結局私服着てるのね」
オフィスワーク用に特別ゆったりした、寝巻きみたいな格好をしていた姐さんが言った。あれもバーバラからのお土産にもらったやつだ。
「汚したくないんです! この前ジュディスに醤油かけられそうになった時、心に固く誓ったんです!」
私がジュディスを睨みつけると、ジュディスは声を荒げた。
『ナンダト! ワタシのセイと言いたイノカ』
「そうよ! 醤油差しの使い方がわからないからってぶん回して……ほんっと危なかったんだから」
先の仕事のせいで破壊された憎きジュディスも結局、召使いが必要な博士の手によって生き返ってしまったのだ。
いつもの調子で無駄なやり取りをしながら、今日も何か起こることもなく私たちは一日を終えた——。
翌日——その日は突然にやってきた。物事の流れが変わるのに何か前兆がある場合と、何の前触れもない場合があると思う。私たちの場合はまさに後者の方だった。
私が朝食当番だったので、眠い目をこすりながら味噌汁を作っていた時だった。ガラス張りの壁の向こうで、スタイリッシュでつややかな車体の宇宙車が一機着陸してくるのが見えた。私の見間違いでなければ、あの曲線美と上品な輝きを放つ優雅なデザインを施された車体は、有名なお金持ち御用達の高級車メーカー、“ユアラフマリノフ”社の車だ。そんな車の持ち主がこんな小惑星に用事もなく立ち寄るとは思えなかったが、何も心当たりがない。
「えぇ? こんな早くに——誰」
私はコンロの火を止めてから、不可解な来訪者に会いに駐車場に向かった。
私が謎の車の前に立った時、ちょうど中から持ち主が出てきた。
「えっ」
私は、来訪者の姿に見惚れて腰を抜かしそうになった。おそらく私と同じ地球人の、それは美しい切れ長の目をもった黒い髪の女性で、遠くの惑星の伝統工芸品である、宇宙の闇の色と同じ深みと輝きを放つ藍色の生地で作られたドレスを着ていた。姐さんと同じくらいの背丈の彼女は、私をじっと見つめている。
「あの……本社の方、でお間違いないですか? 一体、なんでこんなところに」
彼女の胸には私たちが勤めているゼノグループの親会社であり、惑星共同体ゼノ連盟の中枢機関、ゼノ・ユニヴァース社役員の証であるブローチが輝いている。私は緊張しながらそう尋ねた。
「はい。ゼノ・ユニヴァース社執行役員、ジア・オです。朝早くから失礼するわ」
ジアと名乗る女性は、やはり重役のようだ。執行役員という肩書きを持つ彼女は、この宇宙の最高権力者に最も近い存在だろう。ジア女史は、極限まで薄く削り出した水晶で出来た半透明の名刺を見せてきた。金色の刻印で会社のロゴがしっかりと刻まれていて、名刺と呼ぶにはあまりにも贅沢な代物だ。少し迷ってから、両手でうやうやしく受け取った。
「こ、こちらこそ……お疲れ様です。私、ステラ・ハシグチと申します。あの、名刺はまだ作ってなくて……」
「構わないわ。それにあなた、その名前に見た目——もしかして地球人? 同胞に会うのは久しぶりだから嬉しい!」
ジア女史は近寄りがたい美貌からは想像もつかないほど、気さくに話しかけてくれた。
「地球人です! 私も久々に自分以外の地球人に会いました……!」
無限に広がる宇宙社会、もはやその中で区別することが馬鹿馬鹿しいのはわかっているけれど、やはり同じ種族に会えるのは不思議な嬉しさがある。それはきっと、ジア女史も同じようだ。
「まさかこんなところで会えるなんて!」と女史が言った。
「お会いできて嬉しいです! 本日は、どのようなご用件でいらっしゃったんですか」
いくらジア女史が地球人でも、宇宙の中枢機関の中でも上層の人間がわざわざこんなところに来るのはおかしい。怪訝な顔をしそうになるのを堪えながら、ジア女史の方を見た。
「ここはゼノ・エクセルキトゥス社の特務部第三課の事務所で間違いないわね?」
ジア女史は落ち着いた声でそう言いながら、事務所の建物を一瞥した。
「はい。そう……なんですけど」
ジア女史は表情を変えなかったが、安堵したのか少し息を漏らした。
「よかった。こんなとこに事務所があるなんて。最初はナビが壊れたのかと思ったわ。早速本題に入るのだけど、今日は第三課のあなた達に、仕事を頼みたくて来たの」
「えっ?」
ジア女史の言葉に耳を疑って私は声を漏らし、女史はそれに大層不思議そうな顔をした。
「ん?」
「えー!?」
女史の顔を再度見た私は叫んでしまった。本部の人が、わざわざご足労いただいて持ってくるほどの重要な仕事って何?
しかし驚く私に今度はジア女史が驚き、目を丸く見開いた。
「どうしたの? 急に叫んで……と、とにかく中で少し話をさせてくれるかしら。部署の人を集めてくれる?」
「あ、あが……かしこまりました……どうぞ、こちらです」
調子の悪いロボットのようなぎこちない足取りで、ジア女史を建物の中へ案内した。
「とりあえず、こちらの席で少々お待ちください。部署の者にはすぐ準備をしてもらうよう声掛けしてまいりますので……」
「はい」
そう返事をしたジア女史は、膝の上に車から持ってきた銀色の丸いアタッシュケースを載せて、上品に席に座った。
その後すぐに二階へと駆け上がり、何度も呼び鈴を鳴らして皆を叩き起こした。
「本社の人が来ているんですよ! 起きて! やばいからほんとに!」
私が順番にそう伝えると、皆は血相を変えて準備した。そして五分経つ頃に悠々と博士がやってきて、ようやく特務部第三課の全員が揃った。
「お待たせして申し訳ありません……これで全員です。私がこの特務部第三課の課長、J・Jです」
ボスは女史の向かいの席に座っていた。一番緊張しているようで、例に違わず壊れたスピーカーから情けない声を流している。
「先ほどステラ・ハシグチさんの方からご紹介を頂いたと思います。ゼノ・ユニヴァース社執行役員のジア・オと申します。本日は朝早くに押しかけて申し訳ありません。緊急で我々から、特務部第三課の皆様にお願いがあって直接出向いた次第でございます」
ジア女史はボスと真逆で、落ち着き払った様子で話した。相当若く見えるのに、只者ではない凄みを感じる。
「は、はい——して、一体、お願いというのは……」
ボスは震えながら情けない声で尋ねた。まさかリストラなんじゃないか——バーバラの依頼を受けた件についてかもしれない。どんな恐ろしいことを言われるのだろう。私たちは身構えた。ジア女史が心なしか気まずそうな顔をしているのが気になる。
女史は少し待ってから、口を開いた。
「——平たく言うと我が社が大量に——っていうのは、天文学的な数字ってことよ——大量に在庫を抱えているクソ商品を売りつけて欲しいの」
そう言われるなり私たちは一斉に、噴火する瞬間の火山を見つめる時のような顔で女史の方を向いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

シーフードミックス
黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。
以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。
ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。
内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。
『星屑の狭間で』(チャレンジ・ミッション編)
トーマス・ライカー
SF
政・官・財・民・公・軍に拠って構成された複合巨大組織『運営推進委員会』が、超大規模なバーチャル体感サバイバル仮想空間・艦対戦ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』を企画・企図(きと)し、準備して開催(かいさい)に及んだ。
そのゲーム大会の1部を『運営推進委員会』にて一席を占める、ネット配信メディア・カンパニー『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』として、順次(じゅんじ)に公開している。
アドル・エルクを含む20人は艦長役として選ばれ、それぞれがスタッフ・クルーを男女の芸能人の中から選抜して、軽巡宙艦に搭乗(とうじょう)して操り、ゲーム大会で奮闘する模様を撮影されて、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』の中で出演者のコメント付きで紹介されている。
『運営推進本部』は、1ヶ月に1〜2回の頻度(ひんど)でチャレンジ・ミッションを発表し、それへの参加を強く推奨(すいしょう)している。
【『ディファイアント』共闘同盟】は基本方針として、総てのチャレンジ・ミッションには参加すると定めている。
本作はチャレンジ・ミッションに参加し、ミッションクリアを目指して奮闘(ふんとう)する彼らを描く…スピンオフ・オムニバス・シリーズです。
『特別解説…1…』
この物語は三人称一元視点で綴られます。一元視点は主人公アドル・エルクのものであるが、主人公のいない場面に於いては、それぞれの場面に登場する人物の視点に遷移(せんい)します。
まず主人公アドル・エルクは一般人のサラリーマンであるが、本人も自覚しない優れた先見性・強い洞察(どうさつ)力・強い先読みの力・素晴らしい集中力・暖かい包容力を持ち、それによって確信した事案に於ける行動は早く・速く、的確で適切です。本人にも聴こえているあだ名は『先読みのアドル・エルク』と言う。
追記
以下に列挙しますものらの基本原則動作原理に付きましては『ゲーム内一般技術基本原則動作原理設定』と言う事で、ブラックボックスとさせて頂きます。
ご了承下さい。
インパルス・パワードライブ
パッシブセンサー
アクティブセンサー
光学迷彩
アンチ・センサージェル
ミラージュ・コロイド
ディフレクター・シールド
フォース・フィールド
では、これより物語は始まります。
静寂の星
naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】
深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。
そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。
漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。
だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。
そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。
足跡も争った形跡もない。
ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。
「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」
音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。
この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。
それは、惑星そのものの意志 だったのだ。
音を立てれば、存在を奪われる。
完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか?
そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。
極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。
銀河戦国記ノヴァルナ 第3章:銀河布武
潮崎 晶
SF
最大の宿敵であるスルガルム/トーミ宙域星大名、ギィゲルト・ジヴ=イマーガラを討ち果たしたノヴァルナ・ダン=ウォーダは、いよいよシグシーマ銀河系の覇権獲得へ動き出す。だがその先に待ち受けるは数々の敵対勢力。果たしてノヴァルナの運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

名前を棄てた賞金首
天樹 一翔
SF
鋼鉄でできた生物が現れ始め、改良された武器で戦うのが当たり前となった世の中。
しかし、パーカッション式シングルアクションのコルトのみで戦う、変わった旅人ウォーカー。
鋼鉄生物との戦闘中、政府公認の賞金稼ぎ、セシリアが出会う。
二人は理由が違えど目的地は同じミネラルだった。
そこで二人を待っていた事件とは――?
カクヨムにて公開中の作品となります。
星屑のアイ・ラヴィー
静風
SF
本作は、少女アイと頭部だけのウサギ型AIロボット、ラヴィーが共に宇宙を旅しながら成長していく物語です。物語は、アイがウサギ型AIロボットのラヴィーを見つけるところから始まります。一人旅だったアイはラヴィーとの出会いを通じて、共に宇宙を旅するパートナーを得ます。二人は共に「アイ・ラヴィー」と名乗り、自分たちの名前に込められた愛と平和のメッセージを広める旅を始めます。
アイの旅行の目的は、宇宙を知ること、人間を知ること、そして自分を知ることです。物語はそれぞれの星でアイが経験するさまざまな挑戦を通じて進行します。最初に訪れたのは、お金が存在しない星、カレンシーレス星です。ここでは、お金と報酬が人々の行動や感情にどのように影響を及ぼすかを学び、内発性と外発性のバランスの重要性を理解します。
次に向かった星はアーティストたちが住む惑星、アートヴィル星です。ここでは、自由な表現と他人からの理解との間に生じる課題に直面し、自己表現と他者との関わりの重要性を再認識します。
物語はアイとラヴィーが経験と知識を深め、宇宙を旅しながら人間らしさを理解していく様子を描き出します。それぞれの星での新たな体験と課題が、アイとラヴィーの絆を深め、共に成長するきっかけとなります。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる