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あくまの論理と思考

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「でもそれが何?俺が好きなんだから問題ないよね?」

「…っ!?…、そ、いうのがおかしいと思います!」

「なんで?」

「ーー"なんで"、…」


エルファリ様はほんとにわからないみたいな顔をする。


わたしは異国のひとと会話しているの…?
まったく話が通じないのはわかっていたつもりだったけど、…わたしは真面目に伝えようとしているのに。


ーーなんだか落ち込んでくる…。


でもそんな様子は気にも留めないのがエルファリ様だ。


「そりゃあできれば俺だって好きになってほしいけど…そこは長期戦なの覚悟してるし。
カラダは手に入れたし侯爵にも許可は取ってるしね」

「…お父様に許可…?」

「もちろんだよ。クリスは俺の家で生活させます、って言ったらこれからは夫人と二人っきりになれるって震えるくらい喜んでたよ?倒れちゃうんじゃないかってハラハラしたもん」

「…エルファリ様の家で暮らす…?」

「当然でしょ?別々に住む意味ある?ないよね。
王都に戻ったら俺の邸から学園に通うんだよ?もう部屋も整えてあるからね、離れだから安心でしょ?」

「…」

「そんな深刻に考えないで政略だと思えばいいんだよ。だってそれで、侯爵に手紙出したんでしょう?だったら俺で、問題ないよね?」


わたしは抱えられているのに、倒れそうになってくる。



お父様はわたしを片づけることができるなら、余程の相手ではない限り話があれば受けるだろう。
エルファリ様でも、べつに。

わたしだって、べつに。
政略だって、もしわたしを望んでくれる相手がいるのなら、それでいいと思った。


ーーでも、エルファリ様は、「…クリス、」


わたしはどんな顔をしているんだろう。
ちいさく呼ぶ声に顔をあげる。



「俺のことが嫌い…?」」



エルファリ様は切なそうな、かなしそうな顔をしていた。このひとはずるいのだ。
たまに、こんな風な表情をする。
ごくたまに、だし。演技かもしれない、けど。

でもだからわたしも、わからなくなってくる。


下ろしてください、ともう一度お願いしたら今度はきいてくれるから。
わからなくなる。
ふらつきそうな心で見つめ返した。



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