R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜

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六章 昔の話

第112話(兄さん達についての重大な問題)

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兄さん達が付き合う前の話と言っても2人が付き合い始めたのは数ヶ月前なので、そう昔の話ではない。
寧ろ、少し前の話と言っていい。



数ヶ月前 葵視点

その日も兄さんと白兄の2人はいつも通り言い争いながらもオレと鈴の兄さんと4人一緒に帰っている途中だった。

「何故、お前は!」
「別に俺がどんな服装してようと白には関係ねぇだろ?」
「わたしは風紀委員だ!風紀を乱してるお前を注意して何が悪い?」
「風紀なんて乱してねぇだろ?」
「胸元を開きすぎだ」
「は?コレくらいは普通だろ?」
「もう少しだけでも閉めろと言ってるんだ」
「別に良いだろ?面倒くせぇ」

そんな風に言い争っているが、白兄はそう言いながらも兄さんの前を閉めている。
兄さんはそれを見ながらも抵抗はしない。
(、、、よく見る朝の夫婦の光景なんだが)

「、、、ハァ」
「葵ちゃん?どうかした?」
「いや、何でも、、、いや、そうだな、、、鈴の兄さん」
「ん?なに?」
「後で話したい、、、相談したいことがあるんだが」
「葵ちゃんが相談?オレに?紅や白銀じゃなく?」
「ああ、、、コレについては鈴の兄さんにしか相談出来ねぇ」
「まぁ、良いよ?けど、今直ぐ話せないこと?」
「ああ、さすがに今は無理だ」
「じゃあ後でオレの方が葵ちゃんの部屋に行こうか?」
「ん、頼む」

オレと鈴の兄さんがそんな話をしていると今度は兄さんが白兄の頬に手を当て白兄の目元をなぞった。

「白、お前、、、少し隈が出来てんぞ?」
「ん?ああ、少し忙しくて眠れていなかっただけだ」
「、、、チッ、お前は肌が白いんだから隈が目立つんだよ」
「別にそこまでわたしに支障はないから大丈夫だが?」
「、、、オレが嫌だから隈はあんま作るな」
「?、、、まぁ、お前がそう言うのなら作らないように努力する」

、、、他人からすると言い争っている2人は何時もこうだ。
(ハァ、コレは、、、オレの鈴の兄さんへの気持ちを優先させるより、こっちをもっと早くに優先させりゃぁよかったな。もっと早くに鈴の兄さんに相談するんだった)




そして家に帰り、約束通り鈴の兄さんがオレの部屋に来た。

「それで、葵ちゃんの相談って?」
「、、、鈴の兄さんはあの2人を見て何と思ってる?」
「あの2人って、紅と白銀のことか?あ~、、、仲良いよな?」
「ああ」
「喧嘩みたいなことをよくやってるが、、、まぁ、喧嘩するほどってやつだよな」
「ああ」
「え~っと?あ~、、、葵ちゃんは何と思ってんの?」
「オレか?オレは、、、喧嘩のような雰囲気を出しながら夫婦のようやり取りや恋人のなようなイチャイチャをしているな、、、と」
「へ~、、、え!?なんて!?」

よく聞こえなかったのか鈴の兄さんが聞き返してきたのでもう一度同じ事を言った。
すると鈴の兄さんはすごく複雑だと言うような顔をしながらオレに話しかけてきた。

「あ~、、、葵ちゃん?2人は犬猿の仲って言われてるけど?」
「あの2人のどこが犬猿の仲なんだ?」
「え~っと、、、あ~、、、もしかして葵ちゃんの相談って」
「ああ、あの2人の事だ」

鈴の兄さんにそう言うと鈴の兄さんは少し複雑な感じの顔をして言った。

「あの2人が両想いなのは昔から知ってるだろ?その2人の事で今更なんの相談?」
「、、、確かに、兄さん達が両想いなのは昔から知っている。というか、2人はオレや鈴の兄さんにそういう気持ちを隠してないからな」
「あ~…まぁ、確かに」
「だが、オレは少し前に重大な事に気づいた」
「重大な事?」
「ああ、かなり重大な問題だ」

オレはそう言ってから真剣な顔で鈴の兄さんを見ながら重大な問題を鈴の兄さんに言った。

「2人は両片想いだった」
「へ?2人が?あ~、まぁ、確かに、両想いでも2人共まだ付き合ってねぇもんな?」
「いや、違う」
「違うって何が?」
「あの2人が両想いでまだ付き合ってないのは間違ってねぇ。ただ、両片想いだったってのが問題なんだ」
「両片想いなのが?まぁ、あの2人を見てると早く付き合えって思うけどよ」

鈴の兄さんにオレが伝えたい重大な問題がちゃんと伝わってないのが分かり、今度はかなり分かりやすく説明した。
(まぁ、オレも最初は意味分からない上に頭が真っ白になったからな。鈴の兄さんが気づけなくとも仕方ねぇか)

「、、、あの2人はお互いの気持ちに一切気づいてねぇ」
「、、、は?」
「あの2人がまだ付き合ってねぇのは相手の気持ちが分かってねぇからだ」
「分かって?、、、分かって、、、ねぇ?、、、は?」

オレが伝えたい重大な問題をよく分かりやすく説明すると鈴の兄さんは混乱した。

「え?アレで?気づいてねぇの?お互いがお互いを好きだってダダ漏れじゃん?え?アレで?」
「ああ、アレでだ」
「え?ウソでしょ?白銀ならまだしも紅も?」
「ああ、兄さんも白兄も一切気づいてねぇ」
「はあ?」

鈴の兄さんが混乱するのも無理はない。
兄さんと白兄は近しい者にはお互いが好きだと隠してないからだ。
ただ、ソレをその好きな相手に一切気づかれてないということをオレも最近知ったばかりだ。
(ソレを気づいた時にオレもかなり混乱したからな。今、鈴の兄さんがどれほど混乱してるのかよく分かる)

「オレもソレを知ったのは最近だ。それまではお互いが好き合っているのを分かっているが、なかなか素直になれないからまだ付き合っていないんだと思っていた」
「オレもそう思ってたんだけど?というか、最近知ったってどういうこと?」
「ああ、それを知ったのは少し前の夜だった」

オレはその時の事を思い出しながら鈴の兄さんに説明した。
(あんな衝撃的な事実は知りたくなかったがな)




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