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六章 昔の話
第109話(葵の酒の限界は俺達の萌えの限界を超えさせる)紅視点
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葵の初めて酒を飲んだ話をしようとすると葵が止めようとしたが、鈴が口移しで酒を飲ませて酔わせていた。
(鈴の奴、、、よくやった!これで葵の可愛い話が出来るな!)
「じゃあ、話すぜ?葵が初めて酔っ払ったのは葵が二十歳の時だ。家では成人したらどのくらいで酒に酔うか確かめる為に限界まで酒を飲む」
俺が話し始めるとみんなが飲み物を持ちながら俺の話を聞くようにこっちを見た。
葵、二十歳のある日 (成人して数日)
その日は白の親父さんや鈴の親父さんやそこの組長が家に来て親父と飲んでいた。
白のところと俺の家は仲が良いので、どちらも家業が暇な時はどちらかの家に行き、酒を飲んで盛り上がってそのまま泊まってから朝か昼に帰るのが今でも当たり前だ。
なので、その日も親父達は部下達も交えて盛り上がっていた。
最初は俺達も親父達の所で飲んでたんだが、それを見ていた (というか参加していた)母さん達 (白と鈴の母親も居る)に『葵がどれだけ飲めるか今のうちに確かめてきなさい』と言われたので別室で葵に酒を飲ませた。
ちなみに、俺と鈴は引き続き酒を飲みながら、白は葵が酔ってしまった時の為に飲まないでいた。
“ゴクン”
「ど~だ?旨いか?」
「葵ちゃん、大丈夫?旨くなかったら違うのもあるぞ?」
「美味しくなかったらちゃんと言うんだぞ?ちなみに、わたしは最初に飲んだのがビールだったんだが不味くて堪らなかった」
「、、、、ん、不味くはない」
「まぁ、ビールよりは不味くねぇだろうな。しかし最初がビールってよく白は飲めたな?」
「いや、飲めなかった。なので違うものに変えてもらった」
「変えてもらった?」
「うちでは酒の種類を選べるんだよ。オレはカクテル選んだから旨かった。ちなみに、白銀が変えてもらった酒がオレの飲んでたカクテルな?」
「カクテルは美味しかったんだがな、、、最初の印象のせいか未だにビールは飲めん」
「あ~、、、まぁ、ビールは苦いもんな。俺も最初にアレ飲んだ時はなんでこんなもんを他の奴らは旨いと思って飲んでんだ?って思ったからな」
「オレも思ったわ。けど、飲んでるうちにコレが良いなって思ってきたんだよな」
「あぁ、わかるわかる」
俺は、俺達は気づいていなかった。
俺達がそんな話をしている間も葵は日本酒 (普通より度が高い)を黙々と飲んでいることを気づいていなかった。
「葵ちゃんもそのうちビールも飲んでみる?」
「わたしはあんな苦くて不味いモノを葵に飲ませたくない」
「ん~、、、まぁ、葵が試しに飲んでみたいってんなら飲まして良いぜ?」
「、、、、。」
「ん?葵ちゃん?って!?」
「鈴?」
「どうした鈴矢?」
「、、、葵ちゃんに飲ませてた日本酒、、、半分になってる」
「は?」
「何を言ってる?葵に飲ませてる日本酒は葵にしか飲ませてないからそんな、、に、、、無い」
「、、、葵?」
「、、、、。」
座って酒を静かに黙々と飲んでいた葵は日本酒 (普通より度が高い)を一人で半分も飲んでしまっていた。
俺達がそれに気づいて葵の方を見てみると、葵は酒の入っているお猪口を持ちながらソレを飲まずにじっとしていた。
「葵?、、、もしかして酔ったか?」
「、、、、。」
「葵ちゃん?オレ達が分かる?」
「、、、、。」
「葵?、、、これは酔ってるみたいだな?」
「、、、~っこ」
「ん?葵?なんか言ったか?」
名前を呼んでも動かない葵を見て俺達は葵が酔ってるのを確信したが、少しして葵が何かを喋った。
だが、その声は小さくよく聞こえなかった俺達はもう一度なんと言ったか葵に確認した。
「ん、、、ぁっこ」
「ん~?葵、もう少し大きな声で言えるか?」
「ん、兄しゃん」
「グホォ!!、、、あ、葵?今、なんて?」
「あ、葵ちゃん?」
「だ、大丈夫か?あ、葵?」
「う?ん、らいりょううら白兄」
「「「グハッ!!」」」
「うぅ?兄しゃん?白兄ぃ?鈴の兄しゃん?ろーちたのぉ?」
「「「ガハッ!!」」」
喋りだした葵の呂律が回ってない幼い喋り方に俺達は逝った。
だが、俺達が顔を畳に向けて震えているのを心配した葵の不安そうな声に俺達は直ぐに生き返った。
「う~、兄しゃん?白兄ぃ?鈴の兄しゃん?ろこかいちゃいにょ?」
「っ、ど、どこも痛くねぇよ?なんでもねぇから心配すんな、な?」
「う?ほんろ?」
「ほ、本当だよ?ほら、オレ達どこにも怪我してないだろ?な、葵ちゃん?」
「ん~?ん」
「そ、それより、葵はさっきなんて言ったんだ?すまないがわたし達には聞き取れなかったからもう一度言ってくれるか?」
「う?うん!あのね?んっとね?」
「ぐふ、ん、んんっ、、、ゆっくりで良いぞ?」
「うん、兄しゃん」
酔ってる葵は頬が赤くなっていて目は熱で潤んで (しかも上目遣い)いてとても色っぽくなっていたが、言動や仕草が幼いせいで可愛いと思ってしまう。
(アー!俺の弟世界一可愛い!!)
「あのにゃ?ぼ、オレ、、う?オレにゃ?」
「うん」
「だっこちて欲しい」
「うん、、、うん?え?だ、抱っこ?」
「しょう!オ、オ、レ、、う?オレ?ん?ぼく、ん!ぼく、らっこしてほしい」
「「「ぼく!?抱っこ!?」」」
「う~?兄しゃんたゃち、、、やっか?らめ?」
色々と驚いたり萌え死にしたいほど可愛かったが、葵がうるうると泣きそうになったのを見てそんな色々なものは捨てた。
「イヤな訳ねぇだろ?葵を抱っこしたいに決まってるだろ!」
「ほ、ほんちょか?」
「当たり前だよ葵ちゃん!オレ達が駄目なんて言うわけないだろ?」
「らめらない?」
「そうだぞ葵!わたし達が葵を抱っこするチャンスをみすみす逃す訳ない!」
「う?ん?、、、えっちょ?らっこしちぇくれるにょか?」
「「「当たり前だ!!」」」
「えへへ!兄しゃんたちらいしゅきら!」
三人で葵に抱きつくと葵が嬉しそうに笑いながら大好きと言われた。
当然、葵の可愛さにとっくに限界が超えていた俺達は萌え死んだ。
(鈴の奴、、、よくやった!これで葵の可愛い話が出来るな!)
「じゃあ、話すぜ?葵が初めて酔っ払ったのは葵が二十歳の時だ。家では成人したらどのくらいで酒に酔うか確かめる為に限界まで酒を飲む」
俺が話し始めるとみんなが飲み物を持ちながら俺の話を聞くようにこっちを見た。
葵、二十歳のある日 (成人して数日)
その日は白の親父さんや鈴の親父さんやそこの組長が家に来て親父と飲んでいた。
白のところと俺の家は仲が良いので、どちらも家業が暇な時はどちらかの家に行き、酒を飲んで盛り上がってそのまま泊まってから朝か昼に帰るのが今でも当たり前だ。
なので、その日も親父達は部下達も交えて盛り上がっていた。
最初は俺達も親父達の所で飲んでたんだが、それを見ていた (というか参加していた)母さん達 (白と鈴の母親も居る)に『葵がどれだけ飲めるか今のうちに確かめてきなさい』と言われたので別室で葵に酒を飲ませた。
ちなみに、俺と鈴は引き続き酒を飲みながら、白は葵が酔ってしまった時の為に飲まないでいた。
“ゴクン”
「ど~だ?旨いか?」
「葵ちゃん、大丈夫?旨くなかったら違うのもあるぞ?」
「美味しくなかったらちゃんと言うんだぞ?ちなみに、わたしは最初に飲んだのがビールだったんだが不味くて堪らなかった」
「、、、、ん、不味くはない」
「まぁ、ビールよりは不味くねぇだろうな。しかし最初がビールってよく白は飲めたな?」
「いや、飲めなかった。なので違うものに変えてもらった」
「変えてもらった?」
「うちでは酒の種類を選べるんだよ。オレはカクテル選んだから旨かった。ちなみに、白銀が変えてもらった酒がオレの飲んでたカクテルな?」
「カクテルは美味しかったんだがな、、、最初の印象のせいか未だにビールは飲めん」
「あ~、、、まぁ、ビールは苦いもんな。俺も最初にアレ飲んだ時はなんでこんなもんを他の奴らは旨いと思って飲んでんだ?って思ったからな」
「オレも思ったわ。けど、飲んでるうちにコレが良いなって思ってきたんだよな」
「あぁ、わかるわかる」
俺は、俺達は気づいていなかった。
俺達がそんな話をしている間も葵は日本酒 (普通より度が高い)を黙々と飲んでいることを気づいていなかった。
「葵ちゃんもそのうちビールも飲んでみる?」
「わたしはあんな苦くて不味いモノを葵に飲ませたくない」
「ん~、、、まぁ、葵が試しに飲んでみたいってんなら飲まして良いぜ?」
「、、、、。」
「ん?葵ちゃん?って!?」
「鈴?」
「どうした鈴矢?」
「、、、葵ちゃんに飲ませてた日本酒、、、半分になってる」
「は?」
「何を言ってる?葵に飲ませてる日本酒は葵にしか飲ませてないからそんな、、に、、、無い」
「、、、葵?」
「、、、、。」
座って酒を静かに黙々と飲んでいた葵は日本酒 (普通より度が高い)を一人で半分も飲んでしまっていた。
俺達がそれに気づいて葵の方を見てみると、葵は酒の入っているお猪口を持ちながらソレを飲まずにじっとしていた。
「葵?、、、もしかして酔ったか?」
「、、、、。」
「葵ちゃん?オレ達が分かる?」
「、、、、。」
「葵?、、、これは酔ってるみたいだな?」
「、、、~っこ」
「ん?葵?なんか言ったか?」
名前を呼んでも動かない葵を見て俺達は葵が酔ってるのを確信したが、少しして葵が何かを喋った。
だが、その声は小さくよく聞こえなかった俺達はもう一度なんと言ったか葵に確認した。
「ん、、、ぁっこ」
「ん~?葵、もう少し大きな声で言えるか?」
「ん、兄しゃん」
「グホォ!!、、、あ、葵?今、なんて?」
「あ、葵ちゃん?」
「だ、大丈夫か?あ、葵?」
「う?ん、らいりょううら白兄」
「「「グハッ!!」」」
「うぅ?兄しゃん?白兄ぃ?鈴の兄しゃん?ろーちたのぉ?」
「「「ガハッ!!」」」
喋りだした葵の呂律が回ってない幼い喋り方に俺達は逝った。
だが、俺達が顔を畳に向けて震えているのを心配した葵の不安そうな声に俺達は直ぐに生き返った。
「う~、兄しゃん?白兄ぃ?鈴の兄しゃん?ろこかいちゃいにょ?」
「っ、ど、どこも痛くねぇよ?なんでもねぇから心配すんな、な?」
「う?ほんろ?」
「ほ、本当だよ?ほら、オレ達どこにも怪我してないだろ?な、葵ちゃん?」
「ん~?ん」
「そ、それより、葵はさっきなんて言ったんだ?すまないがわたし達には聞き取れなかったからもう一度言ってくれるか?」
「う?うん!あのね?んっとね?」
「ぐふ、ん、んんっ、、、ゆっくりで良いぞ?」
「うん、兄しゃん」
酔ってる葵は頬が赤くなっていて目は熱で潤んで (しかも上目遣い)いてとても色っぽくなっていたが、言動や仕草が幼いせいで可愛いと思ってしまう。
(アー!俺の弟世界一可愛い!!)
「あのにゃ?ぼ、オレ、、う?オレにゃ?」
「うん」
「だっこちて欲しい」
「うん、、、うん?え?だ、抱っこ?」
「しょう!オ、オ、レ、、う?オレ?ん?ぼく、ん!ぼく、らっこしてほしい」
「「「ぼく!?抱っこ!?」」」
「う~?兄しゃんたゃち、、、やっか?らめ?」
色々と驚いたり萌え死にしたいほど可愛かったが、葵がうるうると泣きそうになったのを見てそんな色々なものは捨てた。
「イヤな訳ねぇだろ?葵を抱っこしたいに決まってるだろ!」
「ほ、ほんちょか?」
「当たり前だよ葵ちゃん!オレ達が駄目なんて言うわけないだろ?」
「らめらない?」
「そうだぞ葵!わたし達が葵を抱っこするチャンスをみすみす逃す訳ない!」
「う?ん?、、、えっちょ?らっこしちぇくれるにょか?」
「「「当たり前だ!!」」」
「えへへ!兄しゃんたちらいしゅきら!」
三人で葵に抱きつくと葵が嬉しそうに笑いながら大好きと言われた。
当然、葵の可愛さにとっくに限界が超えていた俺達は萌え死んだ。
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