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六章 昔の話
第98話(アレには感謝してるけど複雑だ)
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高校時代
オレ達は誰にも会わず無事門の前まで来た。
(ここまで誰にも会わず無事ってのはなんかおかしいよな?ナニかありそうで嫌なんだが)
「あ~、、、誰にも会わず無事に帰れそうだってのに嫌な予感がスッゲェする!」
「喚くな、紅。わたしも嫌な予感がするからその予感は当たりなんじゃないか?」
「嫌な予感が当たっても嬉しくねぇよ!」
「、、、おい、嫌な予感は当たりみたいだぜ?」
嫌な予感がすると言いながら仲良く喧嘩する二人をさえぎるように鈴の兄さんが低い声を出し警戒しながらそう言った。
(なんだ?遠くからはよく見えねぇが制服じゃねぇな、、、教師か?)
「アイツか、、、チッ、こっちに気づいたな」
「こっちに来るぞ」
「兄さん?誰だアイツ?ここの教師みてぇだが」
「確かにアイツはここの教師だが、鈴の、、、ストーカーみてぇなもんだ」
「は?」
「やぁ、今帰りかい?」
兄さんが衝撃的な事を話した瞬間そいつはオレ達、いや、鈴の兄さんに話しかけた。
(ストーカー?鈴の兄さんの?、、、確かにコイツ鈴の兄さんしか見てねぇな。しかも舐め回す様な目で鈴の兄さんを見てやがる、、、気色わりぃな)
「龍蓮花くんと椿くんはいつも鈴矢くんと一緒で仲が良いね、、、君は?初めて見る子だけどここの生徒だよね?」
「、、、ああ」
「コイツは俺の弟だよ、、、笹原(ささはら)先生?」
「ああ!君が有名な龍蓮花くんの弟くんか!初めて僕は笹原。鈴矢くんの所の副担任をしているよ」
「、、、どうも」
この笹原という奴は表面上は穏やかそうに見せてるが中身はドロドロとして気持ち悪い奴だと初対面のオレでさえ分かった。
(鈴の兄さんだけ名前呼びかよ。しかも担任じゃなく副担任なのにその説明をする意味はあるのか?ただ鈴の兄さんとの繋がりを見せつけてぇだけじゃねぇか?)
「よろしく」
「ああ」
「、、、?どうかしたかい?握手しよう?」
「、、、。」
「それより笹原先生?」
そう言って笹原はオレと握手しようと手を出したがオレは笹原に指一本も触りたくなかったのでどうしようか悩んでいると鈴の兄さんがオレを助けるために笹原に話しかけた。
(コイツが狙ってるのは鈴の兄さんなのに、、、生理的に受け付けねぇ)
「何かな?鈴矢くん」
「何でここに?」
「ああ、君達が帰るのを見送るためだよ」
「そうか、、、」
君達と言っているが絶対に鈴の兄さんに会うためにここで待っていたのが分かった。
(良い教師みたいに見せようとしてんだろうがコイツからは気持ち悪さしか感じねぇな。さっさと帰りてぇな、、、鈴の兄さんをコイツの側に居させるのも嫌だしな)
「なら、俺らは帰るわ。じゃあな先生」
「あ、ちょっと待ってくれるかい?」
「なんすか?俺らも早く帰りてぇんだけど」
笹原に呼び止められた瞬間、兄さん達を探していたであろうここの生徒がこっちに向かってくるのが見えた。
(ヤベェ!)
「兄さん!」
「チッ!もうバレたのかよ!白!鈴!行くぞ!」
「分かった!」
「おう!って、ちょっと離してくれません?急いでるんで!」
オレ達がさっさとここから離れようとした時に笹原が鈴の兄さんの腕を掴んでいたのが見えた。
鈴の兄さんも離れる様に言ったのだが笹原は鈴の兄さんを離さない様に掴んでいた腕に力を込めたみたいだ。
「いっ!そんなに力を込めないでくれませんかねぇ?というか急いでいるって言ってるでしょう?聞こえてないんですか?」
「、、、話があるのに君が逃げようとするから」
「、、、急いでるって言ってんだろ!いいから離せ!」
「あっ!」
イラついた鈴の兄さんが無理矢理掴まれていた腕を振り笹原の手を離させた。
(本当にいつまで鈴の兄さんに触ってるんだよ!鈴の兄さんが好きなら迷惑かけない様に努力しろよ!)
「紅様!」
「白銀様!」
「鈴矢様!」
「げっ!追い付かれた!」
笹原のせいで兄さん達のファンに追い付かれ、もう逃げられないくらいの距離にいる。
(オレはまだしも兄さん達はどうするんだ?)
「これはあまり使いたくなかったが、、、鈴、すまん」
「あ?何がだ?ってなんだ急に人のポケットに手を突っ込んで」
兄さんはいきなり鈴の兄さんに謝り鈴の兄さんのポケットに手を突っ込んで何かを掴みそれを地面に投げた。
その次に自分のカバンの中から何かを出すとそれもさっき何かを投げた場所に投げた。
(兄さんはなにを?)
「おっと、鈴の使用済みのハンカチと着替えの写真を落としちまった(棒読み)」
「はあ?お前なにを」
「いいから!今のうちに逃げんぞ!」
兄さんが棒読みでわざとらしくそう言ったあと兄さんが投げた物を奪い合う様に兄さん達のファンと笹原が争っていた。
(確かに今のうちだが、、、なんで兄さんは鈴の兄さんの着替えの写真を?)
「鈴のハンカチと写真は尊い犠牲になった!」
「お前いつの間にオレの着替えの時の写真を撮ったんだ!」
「何かに使えるかと思ってこの間泊まった時に」
「死ねよ盗撮魔!」
「イヤだね。良いじゃねぇか、俺達だけじゃなく葵も無事に逃げられる事が出来たんだからよ」
「チッ、葵ちゃんが無事に逃げられた事には感謝してやるがアレは許さねぇ!」
「それはいいから、葵を見習ってお前らも早く走れ!アイツら正気に戻ったら直ぐに追いかけて来るぞ!」
「「分かってる」」
オレ達は全力で走り(兄さんと鈴の兄さんは言い争いをしながらだが)家に帰った。
現在
その話をするとみんな微妙な顔をした。
(まぁ、そんな顔になるよね)
「本当にアレはねぇだろ」
「悪かったって」
「紅、お前謝る気ねぇだろう」
「まぁな。アレは尊い犠牲だろ?」
「、、、紅、さすがに鈴矢が可哀想だ」
「その、、、、元気出して下さい鈴矢さん」
「鈴矢、、、諦めた方が良いときもあるぞ」
兄さんの悪気の無さにさすがに鈴の兄さんを不憫に思ったのだろう白兄が嗜め、菫と暗が鈴の兄さんを慰め(暗は微妙だけど)た。
(アレは確かに鈴の兄さんが可哀想だったな)
「まぁ、オレもアレには感謝してるが少し複雑だったな」
「複雑?どういう事だ?」
「、、、まぁ、その、、、な」
白兄に質問されたけど言うのは少し恥ずかしいので少し顔に熱が集まる。
(うぅ~、、、絶対に顔赤くなってる)
「、、、好きな人のハンカチや着替えの写真をオレじゃねぇ誰かが持ってるのは、、、気に食わねぇから、な、、、」
「葵ちゃん、、、可愛い!あの時そんな事を思ってたのか!本当に可愛い!」
鈴の兄さんが私を抱き締め頭を撫でてきた。
私は自分の顔が赤くなっているのが分かってるので鈴の兄さんの胸元に顔を埋めた。
(やっぱり言うの恥ずかしい~)
そのあと何故か鈴の兄さんが顔を赤くして私を無茶苦茶に撫で回した。
暗には後で甘える様に顔を胸元に埋めたのが萌えたんだろうと言われた。
オレ達は誰にも会わず無事門の前まで来た。
(ここまで誰にも会わず無事ってのはなんかおかしいよな?ナニかありそうで嫌なんだが)
「あ~、、、誰にも会わず無事に帰れそうだってのに嫌な予感がスッゲェする!」
「喚くな、紅。わたしも嫌な予感がするからその予感は当たりなんじゃないか?」
「嫌な予感が当たっても嬉しくねぇよ!」
「、、、おい、嫌な予感は当たりみたいだぜ?」
嫌な予感がすると言いながら仲良く喧嘩する二人をさえぎるように鈴の兄さんが低い声を出し警戒しながらそう言った。
(なんだ?遠くからはよく見えねぇが制服じゃねぇな、、、教師か?)
「アイツか、、、チッ、こっちに気づいたな」
「こっちに来るぞ」
「兄さん?誰だアイツ?ここの教師みてぇだが」
「確かにアイツはここの教師だが、鈴の、、、ストーカーみてぇなもんだ」
「は?」
「やぁ、今帰りかい?」
兄さんが衝撃的な事を話した瞬間そいつはオレ達、いや、鈴の兄さんに話しかけた。
(ストーカー?鈴の兄さんの?、、、確かにコイツ鈴の兄さんしか見てねぇな。しかも舐め回す様な目で鈴の兄さんを見てやがる、、、気色わりぃな)
「龍蓮花くんと椿くんはいつも鈴矢くんと一緒で仲が良いね、、、君は?初めて見る子だけどここの生徒だよね?」
「、、、ああ」
「コイツは俺の弟だよ、、、笹原(ささはら)先生?」
「ああ!君が有名な龍蓮花くんの弟くんか!初めて僕は笹原。鈴矢くんの所の副担任をしているよ」
「、、、どうも」
この笹原という奴は表面上は穏やかそうに見せてるが中身はドロドロとして気持ち悪い奴だと初対面のオレでさえ分かった。
(鈴の兄さんだけ名前呼びかよ。しかも担任じゃなく副担任なのにその説明をする意味はあるのか?ただ鈴の兄さんとの繋がりを見せつけてぇだけじゃねぇか?)
「よろしく」
「ああ」
「、、、?どうかしたかい?握手しよう?」
「、、、。」
「それより笹原先生?」
そう言って笹原はオレと握手しようと手を出したがオレは笹原に指一本も触りたくなかったのでどうしようか悩んでいると鈴の兄さんがオレを助けるために笹原に話しかけた。
(コイツが狙ってるのは鈴の兄さんなのに、、、生理的に受け付けねぇ)
「何かな?鈴矢くん」
「何でここに?」
「ああ、君達が帰るのを見送るためだよ」
「そうか、、、」
君達と言っているが絶対に鈴の兄さんに会うためにここで待っていたのが分かった。
(良い教師みたいに見せようとしてんだろうがコイツからは気持ち悪さしか感じねぇな。さっさと帰りてぇな、、、鈴の兄さんをコイツの側に居させるのも嫌だしな)
「なら、俺らは帰るわ。じゃあな先生」
「あ、ちょっと待ってくれるかい?」
「なんすか?俺らも早く帰りてぇんだけど」
笹原に呼び止められた瞬間、兄さん達を探していたであろうここの生徒がこっちに向かってくるのが見えた。
(ヤベェ!)
「兄さん!」
「チッ!もうバレたのかよ!白!鈴!行くぞ!」
「分かった!」
「おう!って、ちょっと離してくれません?急いでるんで!」
オレ達がさっさとここから離れようとした時に笹原が鈴の兄さんの腕を掴んでいたのが見えた。
鈴の兄さんも離れる様に言ったのだが笹原は鈴の兄さんを離さない様に掴んでいた腕に力を込めたみたいだ。
「いっ!そんなに力を込めないでくれませんかねぇ?というか急いでいるって言ってるでしょう?聞こえてないんですか?」
「、、、話があるのに君が逃げようとするから」
「、、、急いでるって言ってんだろ!いいから離せ!」
「あっ!」
イラついた鈴の兄さんが無理矢理掴まれていた腕を振り笹原の手を離させた。
(本当にいつまで鈴の兄さんに触ってるんだよ!鈴の兄さんが好きなら迷惑かけない様に努力しろよ!)
「紅様!」
「白銀様!」
「鈴矢様!」
「げっ!追い付かれた!」
笹原のせいで兄さん達のファンに追い付かれ、もう逃げられないくらいの距離にいる。
(オレはまだしも兄さん達はどうするんだ?)
「これはあまり使いたくなかったが、、、鈴、すまん」
「あ?何がだ?ってなんだ急に人のポケットに手を突っ込んで」
兄さんはいきなり鈴の兄さんに謝り鈴の兄さんのポケットに手を突っ込んで何かを掴みそれを地面に投げた。
その次に自分のカバンの中から何かを出すとそれもさっき何かを投げた場所に投げた。
(兄さんはなにを?)
「おっと、鈴の使用済みのハンカチと着替えの写真を落としちまった(棒読み)」
「はあ?お前なにを」
「いいから!今のうちに逃げんぞ!」
兄さんが棒読みでわざとらしくそう言ったあと兄さんが投げた物を奪い合う様に兄さん達のファンと笹原が争っていた。
(確かに今のうちだが、、、なんで兄さんは鈴の兄さんの着替えの写真を?)
「鈴のハンカチと写真は尊い犠牲になった!」
「お前いつの間にオレの着替えの時の写真を撮ったんだ!」
「何かに使えるかと思ってこの間泊まった時に」
「死ねよ盗撮魔!」
「イヤだね。良いじゃねぇか、俺達だけじゃなく葵も無事に逃げられる事が出来たんだからよ」
「チッ、葵ちゃんが無事に逃げられた事には感謝してやるがアレは許さねぇ!」
「それはいいから、葵を見習ってお前らも早く走れ!アイツら正気に戻ったら直ぐに追いかけて来るぞ!」
「「分かってる」」
オレ達は全力で走り(兄さんと鈴の兄さんは言い争いをしながらだが)家に帰った。
現在
その話をするとみんな微妙な顔をした。
(まぁ、そんな顔になるよね)
「本当にアレはねぇだろ」
「悪かったって」
「紅、お前謝る気ねぇだろう」
「まぁな。アレは尊い犠牲だろ?」
「、、、紅、さすがに鈴矢が可哀想だ」
「その、、、、元気出して下さい鈴矢さん」
「鈴矢、、、諦めた方が良いときもあるぞ」
兄さんの悪気の無さにさすがに鈴の兄さんを不憫に思ったのだろう白兄が嗜め、菫と暗が鈴の兄さんを慰め(暗は微妙だけど)た。
(アレは確かに鈴の兄さんが可哀想だったな)
「まぁ、オレもアレには感謝してるが少し複雑だったな」
「複雑?どういう事だ?」
「、、、まぁ、その、、、な」
白兄に質問されたけど言うのは少し恥ずかしいので少し顔に熱が集まる。
(うぅ~、、、絶対に顔赤くなってる)
「、、、好きな人のハンカチや着替えの写真をオレじゃねぇ誰かが持ってるのは、、、気に食わねぇから、な、、、」
「葵ちゃん、、、可愛い!あの時そんな事を思ってたのか!本当に可愛い!」
鈴の兄さんが私を抱き締め頭を撫でてきた。
私は自分の顔が赤くなっているのが分かってるので鈴の兄さんの胸元に顔を埋めた。
(やっぱり言うの恥ずかしい~)
そのあと何故か鈴の兄さんが顔を赤くして私を無茶苦茶に撫で回した。
暗には後で甘える様に顔を胸元に埋めたのが萌えたんだろうと言われた。
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