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六章 昔の話
第96話(あの頃の私(葵)の話)
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とりあえず明さんのおかげで保健室には私達以外誰も居ない(本当に影も形もないくらい居ない)みたいだ。
(明さん、、、スゴッ)
「はぁ~、、、しっかし、あんな風に追いかけられたのは久しぶりだな」
「まぁ、そうだな。この学園に来てからは初めてじゃないか?高校を卒業してからはあんな勢いで追いかけて来ない様にわたし達も気をつけているからな」
疲れた顔をしながら兄さんと白兄が話していた。
(確かに兄さん達に群がってるのはよく見るけどこんな風に追いかけて来るのは高校を卒業してからは見てないな)
「アイツらストレスでも爆発したのか?捕まったら追い剥ぎの如く毟り取られただろうな」
「そうだな。さっきので兄さん達の高校時代を思い出した。最初に見たときは驚いた上にオレも巻き込まれたからな」
「え!そうなの葵ちゃん?」
「ああ。というか、菫は体調は大丈夫なのか?」
「うん、朝は少しだけ具合いが悪かっただなんけど学園に入ってから生き霊とか悪いモノ(悪霊)を憑けてる人達が多くて具合いが悪化しただけだからね。今は人も生き霊も近くに居ないからだいぶ楽になったよ」
「そうか、それは良かった」
確かに菫の具合いが悪化したのは学園に入ってからなので幽霊が見える菫にはあまりよくない霊が見えて具合いが悪化したのだろう。
(しかし、生きてる人だけじゃなくて生き霊も幽霊も逃げ出す明さんって、、、考えるのはよそう)
「それより葵ちゃんが巻き込まれたってどういうこと?」
「ん?ああ、さっきの話しか、、、そうだな、少し帰るには早すぎるから少し昔話でもするか」
「高校時代の葵ちゃんの話してくれるの?」
「まぁ、暇潰しくらいにはなるだろうからな」
「すごく聞きたい」
「俺も興味ある」
「菫だけじゃなく暗もか?」
「ああ、葵の高校時代はどんなものだったのか知りたい」
「分かった。なら最初に言った兄さん達に巻き込まれた話でもするか。あれはオレが高校を入学してすぐのことだ」
私の昔の話を聞きたいと言ってくれたので少し話す事にした。
(あの頃の私はまだ私が葵に成ってないから本当は葵の昔話なんだけどね)
高校時代
この頃のオレは目立っていた。
兄さん達がことごとく弟(オレ)の話をしていたからだ。
入学式の時に名前を呼ばれた時ざわめきが凄かったのであとで兄さんに話を聞くと兄さん達がオレの話をよくしていたからではないかと言っていた。
その話を聞いて何故なのかオレは分かった。
人気者の兄さん達がよく話す(どんな話の内容かは知らないが)弟(または弟分)がどんな奴か気になったのだろう。
話しかけられることはないが遠くからよく視線を感じるのでオレの事を知っているのだろう。
なのでオレには今のところ遠巻きに見られている以外の被害はない。
今日も特に何事もなかったので家に兄さん達と帰ろうと支度して教室を出ようとした所だった。
(んだが、、、、まさかもう一年にも兄さん達のファンがいるとはな)
「どこだ?」
「紅様の自慢の弟さんに少しお話を聞きたかったんだが」
「スミマセン先輩方、話しかけて少し目を離したら居なくなっていたんです」
「龍蓮花さ~ん!どこですか~?」
「少しお兄さん達のお話を聞きたいんですが~!」
「ここら辺には居ないのかな?」
「あっちの方を探してみるか」
数人の足音がなくなってから窓の外に居たオレは窓から廊下に入った。
(今日は厄日か?話しかけられた時から何か不信に感じていたが)
『あの、龍蓮花くん』
『?、、、なんだ』
『少し話したい事があるんだけど、、、大丈夫?』
『話し?』
『、、、うん』
『何の話だ?』
『えっと、その』
その時何人かの足音が聞こえたのでそちらを見ると上級生だろう者の姿が見えた。
(何故、上級生が一年の教室に、、、まさか!)
『あのね、その』
『、、、お前だけか?』
『え?』
『オレに話があるのはお前だけか?』
『えっと、う、ううん、私だけじゃなくてその、何人かいるの』
『、、、何人だ』
『えっと、、、何人くらいだろう?結構多いと思うけど、、、』
目を見ながら話していたがこの女が嘘は言っていない事は分かった。
(しかし、何故そんなに動揺してんだ?オレが怖いのか?まぁ、そうだよな。何時も不機嫌そうな顔か無表情な奴は怖いだろうよ)
『そうか、それで何の話だ?』
『えっと、あの、私達ね、あなたのお兄さん達のファンで』
『そうか、それで?』
『~っ、、、お兄さん達の話を聞きたくて、、(何でこんなにカッコいいの!顔が良い!さすが紅様の弟!)』
『、、、。』
そいつが何故か顔を下に向けたのでそのうちにその場から離れ窓(二階)から外に出た。
そして今に至る。
(見つかったら面倒だな、、、)
「はあ、、、兄さん達と合流出来んのか?オレはまだしも兄さん達は大丈夫なのか?」
そんな事を思いながら何時もの兄さん達との待ち合わせ場所に向かった。
(無事に着ければいいが、、、)
(明さん、、、スゴッ)
「はぁ~、、、しっかし、あんな風に追いかけられたのは久しぶりだな」
「まぁ、そうだな。この学園に来てからは初めてじゃないか?高校を卒業してからはあんな勢いで追いかけて来ない様にわたし達も気をつけているからな」
疲れた顔をしながら兄さんと白兄が話していた。
(確かに兄さん達に群がってるのはよく見るけどこんな風に追いかけて来るのは高校を卒業してからは見てないな)
「アイツらストレスでも爆発したのか?捕まったら追い剥ぎの如く毟り取られただろうな」
「そうだな。さっきので兄さん達の高校時代を思い出した。最初に見たときは驚いた上にオレも巻き込まれたからな」
「え!そうなの葵ちゃん?」
「ああ。というか、菫は体調は大丈夫なのか?」
「うん、朝は少しだけ具合いが悪かっただなんけど学園に入ってから生き霊とか悪いモノ(悪霊)を憑けてる人達が多くて具合いが悪化しただけだからね。今は人も生き霊も近くに居ないからだいぶ楽になったよ」
「そうか、それは良かった」
確かに菫の具合いが悪化したのは学園に入ってからなので幽霊が見える菫にはあまりよくない霊が見えて具合いが悪化したのだろう。
(しかし、生きてる人だけじゃなくて生き霊も幽霊も逃げ出す明さんって、、、考えるのはよそう)
「それより葵ちゃんが巻き込まれたってどういうこと?」
「ん?ああ、さっきの話しか、、、そうだな、少し帰るには早すぎるから少し昔話でもするか」
「高校時代の葵ちゃんの話してくれるの?」
「まぁ、暇潰しくらいにはなるだろうからな」
「すごく聞きたい」
「俺も興味ある」
「菫だけじゃなく暗もか?」
「ああ、葵の高校時代はどんなものだったのか知りたい」
「分かった。なら最初に言った兄さん達に巻き込まれた話でもするか。あれはオレが高校を入学してすぐのことだ」
私の昔の話を聞きたいと言ってくれたので少し話す事にした。
(あの頃の私はまだ私が葵に成ってないから本当は葵の昔話なんだけどね)
高校時代
この頃のオレは目立っていた。
兄さん達がことごとく弟(オレ)の話をしていたからだ。
入学式の時に名前を呼ばれた時ざわめきが凄かったのであとで兄さんに話を聞くと兄さん達がオレの話をよくしていたからではないかと言っていた。
その話を聞いて何故なのかオレは分かった。
人気者の兄さん達がよく話す(どんな話の内容かは知らないが)弟(または弟分)がどんな奴か気になったのだろう。
話しかけられることはないが遠くからよく視線を感じるのでオレの事を知っているのだろう。
なのでオレには今のところ遠巻きに見られている以外の被害はない。
今日も特に何事もなかったので家に兄さん達と帰ろうと支度して教室を出ようとした所だった。
(んだが、、、、まさかもう一年にも兄さん達のファンがいるとはな)
「どこだ?」
「紅様の自慢の弟さんに少しお話を聞きたかったんだが」
「スミマセン先輩方、話しかけて少し目を離したら居なくなっていたんです」
「龍蓮花さ~ん!どこですか~?」
「少しお兄さん達のお話を聞きたいんですが~!」
「ここら辺には居ないのかな?」
「あっちの方を探してみるか」
数人の足音がなくなってから窓の外に居たオレは窓から廊下に入った。
(今日は厄日か?話しかけられた時から何か不信に感じていたが)
『あの、龍蓮花くん』
『?、、、なんだ』
『少し話したい事があるんだけど、、、大丈夫?』
『話し?』
『、、、うん』
『何の話だ?』
『えっと、その』
その時何人かの足音が聞こえたのでそちらを見ると上級生だろう者の姿が見えた。
(何故、上級生が一年の教室に、、、まさか!)
『あのね、その』
『、、、お前だけか?』
『え?』
『オレに話があるのはお前だけか?』
『えっと、う、ううん、私だけじゃなくてその、何人かいるの』
『、、、何人だ』
『えっと、、、何人くらいだろう?結構多いと思うけど、、、』
目を見ながら話していたがこの女が嘘は言っていない事は分かった。
(しかし、何故そんなに動揺してんだ?オレが怖いのか?まぁ、そうだよな。何時も不機嫌そうな顔か無表情な奴は怖いだろうよ)
『そうか、それで何の話だ?』
『えっと、あの、私達ね、あなたのお兄さん達のファンで』
『そうか、それで?』
『~っ、、、お兄さん達の話を聞きたくて、、(何でこんなにカッコいいの!顔が良い!さすが紅様の弟!)』
『、、、。』
そいつが何故か顔を下に向けたのでそのうちにその場から離れ窓(二階)から外に出た。
そして今に至る。
(見つかったら面倒だな、、、)
「はあ、、、兄さん達と合流出来んのか?オレはまだしも兄さん達は大丈夫なのか?」
そんな事を思いながら何時もの兄さん達との待ち合わせ場所に向かった。
(無事に着ければいいが、、、)
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