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五章 本当の問題
第95話(虫除けの威力は凄まじかった)
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保健室に行きノックをしてからドアを開けるとそこにはここの主である黒さんと具合いの悪そうな菫とその菫を心配そうに見てる紫さんと灰炉さんと色々な事情で灰炉さんから離れられない縁完さんと炎信さんと何故か居る明さん(暗の姿を見た瞬間に暗に抱きついた)の六人が居た。
(菫の顔色さっきよりマシになったみたい、、、良かった)
「、、、明、なんでここに居るの」
「私?特に何もする事がなかったから暇潰しに何となく来ただけだよ」
「、、、本当のことだが明無が居るだけで生徒が逃げるようにして居なくなる上に誰も近づかないからいい虫除けになってるよ」
「暗、私はとても役にたってるよ」
「、、、はぁ、イイコダナ。明はイイコ」
「ああ!そうだとも」
暗が疲れた顔をして(無表情だけど雰囲気が)明さんの頭を撫でた。
(虫除けって褒めてないと思うけど)
“ガラガラガラ”
「ん?」
「ハアハア、わりぃ黒、匿ってくれ」
「す、ハアハア、すまないが頼む」
「ハアハア、久しぶりに全力疾走した」
「ハアハア、ハアハア、何あれ!キモい!」
「ハアハア、ハアハア、息がヤバい」
「ヤバい!ハアハア、、、あれはヤバい!」
「ハアハア、無理だ。あれはヤベェ」
そう言いながら兄さん、白兄、鈴の兄さん、緑さん、円鏡さん、夕さん、剣聖さんの順で息を切らせながら入って来た。
(兄さん達が息を切らせるなんて珍し、、、い)
「紅様達が黒先生の保健室に入って行くのを見たわ!」
「本当?ならみんなあそこに?」
「マジかよ!紅様!」
「白銀様!お話を!お話を聞いてください!」
「鈴矢様!お怪我はもう大丈夫ですの?」
「緑ちゃ~ん!これから二週間も休みなんだから色々話そうよ!」
「円鏡さん!少し不安になってしまったのでまた話でも」
「夕さん!どこに?みんな不安がっているのでお姿を見せてください!」
「剣聖先輩!お願いですから慰めてください!」
何故こんなに兄さん達が息を切らせながら入って来たのか分かった。
とても分かった。
(え?これどうするの?あんな人数で来られたら鍵かけてもドアが壊れるんじゃ?)
「明無、、、さっきのを頼む。暗に良いところを見せるチャンスだぞ」
「分かった。暗、よく見てて」
「?ああ、分かった」
黒さんが明さんに何か頼むと明さんは暗にもう一度だけ撫でてもらったあとに廊下に出た。
(さっきのってなんだろ?)
「おや?そこで何をしているんだい?」
「げっ!花見先生、、、」
「何でここに?」
「ああ、暇だったから黒と話をしようかと思ってね?君達は?」
「いえ、その俺達は」
「え~と、人を探してまして」
「人を?まぁいい、暇そうだし私の実験に、」
「ああ!もう帰らないと!」
「私も用事を思い出したわ!」
「あ!オレも!」
明さんが出て少し話すとあれほど居た人達が脱兎の如く逃げる様に(というか逃げた)居なくなった。
(凄い!)
「明さんの実験という言葉だけで逃げていったな」
「まぁ、明の実験の手伝い(という名の贄)にはなりたく無いだろうから仕方ないと思う。何故か俺には一切実験の話すらしないけどな」
「そうなのか?」
「ああ、出会ってから今まで一切実験のじの字も出さなかったな」
「はは、明無はそれほど暗に嫌われたく無いというだけだ」
「黒?どういうことだ?」
「明無にとって実験は生き甲斐と言っていいほど好きだが一部の者以外には怖いとか嫌だとか思われてることも知っている」
「そうだろうな。明は人が自分の事をどう思ってるのか分かってる。けどどうでもいいから我を通すというか貫く」
「ああ、そうだ。けど暗に対してはそうじゃない。暗の事はそれこそ生き甲斐の実験を捨ててもいいと思うほど愛してるからな」
「確かに明さんは堂々とというか明け透けというか暗のことを愛してると全身全霊で表してるよな」
「それほど愛してる暗に実験の事を話して少しでも嫌われるのがイヤなんだアイツは」
「え?俺が明を嫌う?」
「ああ、さっきも言ったが明無は人の心が分からないわけでは無いからな、自分が実験の話をするとほとんどの者が嫌な思いをしているのも知っている。つまり暗に実験の話をして自分の事をイヤだと思って欲しく無いんだよアイツは」
「ん?なんの話をしているんだい?」
黒先生の話が終わる頃に明さんが保健室に帰ってきた。
(タイミング良いな)
「、、、明」
「なんだい?暗」
「少しくらいなら実験の話してもいいぞ」
「え?」
「、、、実験の話だ。明は実験をしている時と実験の話をしてる時が一番嬉しそうな顔をするから、、、、俺も明の嬉しそうな顔を見たい」
「!?ほ、本当に?な、なら、す、少しだけ話すよ」
「うん」
「、、、話の邪魔をして悪いんだが、暗」
「なんだ、葵」
「明さんが実験してんのや実験の話をするのを何時見たんだ?本人からは聞いた事ねぇって言ってただろ?」
「、、、、、たまに」
「たまに?」
「明にバレない様に明の居る教室を覗いたり、たまたま明が楽しそうに実験の話をしている相手(犠牲者)を見たりしてたから、、、」
「ああ」
「俺も間近で見たいと思って」
「ああ、成る程、、、まぁ、そうだな、、、そんな顔をしていたら見たくなるよな」
「うん、、、俺がまだ見て無い明の顔を俺以外の色々な奴が見たことがあるのは嫌だったというか、、、俺が勝手に妬いただけだ」
「え!本当に?ヤキモチ妬いたの?暗が?私を思って?」
「、、、、、、、うん」
「暗!」
それから明さんはずっと暗にベッタリで可愛いとか愛してるとか言っていた。
(うん、とってもとっても私の妹は可愛かったよ?抱き締めたいのも分かる!けど本当に明さんは明け透けで見てるこっちの方が恥ずかしくなるんだけど!けど、、、いいなぁって思うんだよね。私ももっと鈴の兄さんの色々な顔を見て見たいたいなぁ)
(菫の顔色さっきよりマシになったみたい、、、良かった)
「、、、明、なんでここに居るの」
「私?特に何もする事がなかったから暇潰しに何となく来ただけだよ」
「、、、本当のことだが明無が居るだけで生徒が逃げるようにして居なくなる上に誰も近づかないからいい虫除けになってるよ」
「暗、私はとても役にたってるよ」
「、、、はぁ、イイコダナ。明はイイコ」
「ああ!そうだとも」
暗が疲れた顔をして(無表情だけど雰囲気が)明さんの頭を撫でた。
(虫除けって褒めてないと思うけど)
“ガラガラガラ”
「ん?」
「ハアハア、わりぃ黒、匿ってくれ」
「す、ハアハア、すまないが頼む」
「ハアハア、久しぶりに全力疾走した」
「ハアハア、ハアハア、何あれ!キモい!」
「ハアハア、ハアハア、息がヤバい」
「ヤバい!ハアハア、、、あれはヤバい!」
「ハアハア、無理だ。あれはヤベェ」
そう言いながら兄さん、白兄、鈴の兄さん、緑さん、円鏡さん、夕さん、剣聖さんの順で息を切らせながら入って来た。
(兄さん達が息を切らせるなんて珍し、、、い)
「紅様達が黒先生の保健室に入って行くのを見たわ!」
「本当?ならみんなあそこに?」
「マジかよ!紅様!」
「白銀様!お話を!お話を聞いてください!」
「鈴矢様!お怪我はもう大丈夫ですの?」
「緑ちゃ~ん!これから二週間も休みなんだから色々話そうよ!」
「円鏡さん!少し不安になってしまったのでまた話でも」
「夕さん!どこに?みんな不安がっているのでお姿を見せてください!」
「剣聖先輩!お願いですから慰めてください!」
何故こんなに兄さん達が息を切らせながら入って来たのか分かった。
とても分かった。
(え?これどうするの?あんな人数で来られたら鍵かけてもドアが壊れるんじゃ?)
「明無、、、さっきのを頼む。暗に良いところを見せるチャンスだぞ」
「分かった。暗、よく見てて」
「?ああ、分かった」
黒さんが明さんに何か頼むと明さんは暗にもう一度だけ撫でてもらったあとに廊下に出た。
(さっきのってなんだろ?)
「おや?そこで何をしているんだい?」
「げっ!花見先生、、、」
「何でここに?」
「ああ、暇だったから黒と話をしようかと思ってね?君達は?」
「いえ、その俺達は」
「え~と、人を探してまして」
「人を?まぁいい、暇そうだし私の実験に、」
「ああ!もう帰らないと!」
「私も用事を思い出したわ!」
「あ!オレも!」
明さんが出て少し話すとあれほど居た人達が脱兎の如く逃げる様に(というか逃げた)居なくなった。
(凄い!)
「明さんの実験という言葉だけで逃げていったな」
「まぁ、明の実験の手伝い(という名の贄)にはなりたく無いだろうから仕方ないと思う。何故か俺には一切実験の話すらしないけどな」
「そうなのか?」
「ああ、出会ってから今まで一切実験のじの字も出さなかったな」
「はは、明無はそれほど暗に嫌われたく無いというだけだ」
「黒?どういうことだ?」
「明無にとって実験は生き甲斐と言っていいほど好きだが一部の者以外には怖いとか嫌だとか思われてることも知っている」
「そうだろうな。明は人が自分の事をどう思ってるのか分かってる。けどどうでもいいから我を通すというか貫く」
「ああ、そうだ。けど暗に対してはそうじゃない。暗の事はそれこそ生き甲斐の実験を捨ててもいいと思うほど愛してるからな」
「確かに明さんは堂々とというか明け透けというか暗のことを愛してると全身全霊で表してるよな」
「それほど愛してる暗に実験の事を話して少しでも嫌われるのがイヤなんだアイツは」
「え?俺が明を嫌う?」
「ああ、さっきも言ったが明無は人の心が分からないわけでは無いからな、自分が実験の話をするとほとんどの者が嫌な思いをしているのも知っている。つまり暗に実験の話をして自分の事をイヤだと思って欲しく無いんだよアイツは」
「ん?なんの話をしているんだい?」
黒先生の話が終わる頃に明さんが保健室に帰ってきた。
(タイミング良いな)
「、、、明」
「なんだい?暗」
「少しくらいなら実験の話してもいいぞ」
「え?」
「、、、実験の話だ。明は実験をしている時と実験の話をしてる時が一番嬉しそうな顔をするから、、、、俺も明の嬉しそうな顔を見たい」
「!?ほ、本当に?な、なら、す、少しだけ話すよ」
「うん」
「、、、話の邪魔をして悪いんだが、暗」
「なんだ、葵」
「明さんが実験してんのや実験の話をするのを何時見たんだ?本人からは聞いた事ねぇって言ってただろ?」
「、、、、、たまに」
「たまに?」
「明にバレない様に明の居る教室を覗いたり、たまたま明が楽しそうに実験の話をしている相手(犠牲者)を見たりしてたから、、、」
「ああ」
「俺も間近で見たいと思って」
「ああ、成る程、、、まぁ、そうだな、、、そんな顔をしていたら見たくなるよな」
「うん、、、俺がまだ見て無い明の顔を俺以外の色々な奴が見たことがあるのは嫌だったというか、、、俺が勝手に妬いただけだ」
「え!本当に?ヤキモチ妬いたの?暗が?私を思って?」
「、、、、、、、うん」
「暗!」
それから明さんはずっと暗にベッタリで可愛いとか愛してるとか言っていた。
(うん、とってもとっても私の妹は可愛かったよ?抱き締めたいのも分かる!けど本当に明さんは明け透けで見てるこっちの方が恥ずかしくなるんだけど!けど、、、いいなぁって思うんだよね。私ももっと鈴の兄さんの色々な顔を見て見たいたいなぁ)
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