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五章 本当の問題

第91話(学園の様子)中編

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 円鏡さんと剣聖さんの話では帰りの頃までは特に何事もなく終わったらしい。

「騒がしくなったのは午後の最後の授業が終わった時だったな」
「俺の所も同じだな。俺の所では人が少ない事に気づいた奴らが不安に思ったのか夕の所に詰め寄ってたが」
「確かにあいつら『私の友人が朝から居ないんです』とか『朝から連絡が取れないんだ!なんか知らないか!』とか言ってうざ、、大変だったけどな」
「はじめの方はまだ生徒しか居なかったんだけどよ、しばらくすると教師どもが朝から数人の教師が居ないのを不信に思って夕に何か知らないか聞いて来たんだよ。まぁ夕はすっとぼけたけどな」
「オレの所には不安に思った生徒達数人が何故かオレに抱きついてきながら『不安なの側に居て』とか『怖いから抱き締めてくれ』とか言っていたな」
「はぁ?円鏡お前それはどさくさに紛れてお前に抱きついただけじゃね?」
「はぁ、抱き締めかえして無いよね?」

円鏡さんの話を聞いて不安に思ったらしい円鏡さんの従兄弟の縁完さんと炎信さんが円鏡さんにそう聞いた。
(まあ、あからさまに円鏡さんに触るのを目的にしてるもんね)

「そうだったのか?不安に思って抱きついて来たのだと思っていたんだが?」
「違うから!それで?抱き締めて返して無いよね?」
「ん?ああ、抱き締めては無いぞ?抱きついて来た時の顔がニヤついていて気持ち悪かったからな。それに好きでも無い奴に何故優しくしなければならない?」
「気持ち悪い顔してたのは下心があったからだよ。だけどその様子なら抱きついて来た奴らは突き放したみたいだね」
「気色悪かったからな」
「はぁ、、、それなら良いよ」

どうやら円鏡さんは少し天然みたいで従兄弟の二人はそれを心配してるみたいだ。
(演技が上手な人が居たら危なかったんじゃ?まぁ縁完さんと炎信さんが側にいれば大丈夫だろうけど、、、今まで(縁完さんと炎信さんが操られて側に居なかった時)は大丈夫だったのかな?)

「まぁそれから何か騒がしくなってきたのでオレが夕さんと剣聖さんの所に行ったんだが」
「昨日は風紀委員長の白銀も副委員長の鈴矢も居なかったからその分が夕の所に集まったみたいで、、、な」
「二人の教室の前には生徒と教師でごった返してたな」
「俺は何も知らないって言ってるのに詰め寄ってくるからな。まぁそいつらの大半は剣聖を見たら剣聖の所に行ってたな、、、、目の前でスッゲェセクハラされてる剣聖を助けようとしても俺も動けなかったからな」
「、、、、そんなにか?」
「紅は見てねぇから分かんねぇかも知れねぇけどあれはアメに群がるアリみたいだった」
「、、、、キモいし堂々とセクハラしてくるし昨日は疲れた」

それからなんとか抜け出してから兄さんに連絡したらしい。
昨日はみんな混乱していたので成果は無いだろうと思いそのまま家に帰ろうとしたらしい。
(大変だったんだろうな、、、どうやって抜け出せたんだろう?)

「まぁ昨日はそんな感じで特になんの成果も無かったが帰ろうと思ったんだが」
「何かあったのか?」
「ああ、帰りに数人が集まって何か話しててな?俺達はまた教室での二の舞いにならない様に隠れたんだが、そいつらが話してた内容がな、、、」
「最初は何を話してるかよく分からなかったんだけどよ騒ぎになってるとかなんとか言ってたから疲れてる剣聖には悪いけどもう少し近づいて聞いてみたんだ」
「内容は朝の事で何故か集会が無かったとか夢が叶うかも知れないのにとかよく分からない事を言ってましたがその中の一人が葵の事を言ってたんです」
「葵の事?俺の葵に何か言ってたのか?」

円鏡さんがその一言を言った瞬間、嫌なものを見た様な顔をした。
(私の事?何だろ?また悪口かな?)

「、、、、その、始めは葵の悪口だったんです。紅さん達に我が儘を言って困らせているとかの、、、それだけならまだ、まだ我慢出来ました!あいつらっ」
「、、、殺しとけば良かった」
「あー、、、円鏡も剣聖もこの話は冷静に出来ねぇと思うから俺が話すぜ?」

イライラし出した二人に代わって夕さんが話してくれるみたいだ。
(え?そんなにムカつく事なの?)

「この二人が飛び出して行こうとするのを見て止める事をしてなければ俺でも殺してやりたくなるくらいムカついたし胸糞悪い事だったからな覚悟して聞けよ?」
「、、、分かった」
「あいつらさ
『アレ(葵の事らしい)って紅様の弟だけあって顔だけなら良いじゃねぇか?』
『体も悪く無いよな』
『だからよ、紅様達に我が儘言ってる罰に俺達が躾てやろうぜ?』
『はぁ?躾る?』
『ここにいるみんなであいつの事レイプしてもう紅様達に我が儘言いませんって誓わせようぜ?』
『へぇ、まぁアレならヤれるな。良いぜノッタ!』
『むしろオレらの奴隷にしてオレら無しじゃ生きられない体にしてやろうぜ』
『良いなそれ!アレの体つきもなんかエロいし色々仕込んでやろう』
『確かにエロい体してるよな、、、まぁ気持ち良い罰なんだから俺らも優しいよな?』
『本当だぜ』
『ハハハ、いつやるよ』
とか言ってた、」
「あ?」
「、、、。」
「オレの葵ちゃんをなんだって?」

夕さんの話を聞いた瞬間に兄さん達三人の殺気が凄い事になった。
(これはヤバい!兄さん達キレてる!なんとかしないと!)

「兄さん達」
「なんだ?」
「夕さん達の話がまだ途中だろ?それに何かあっても兄さん達が助けてくれるんだろ?」
「「「当たり前だ」」」
「なら、オレに何かあるはずねぇだろ?オレも兄さん達が助けてくれるって信じてるんだから大丈夫だ。だから落ち着いて話を聞けよ」
「、、、はぁ、、、葵には敵わねぇな」
「わたし達が葵に敵わないのは昔からだろう」
「、、、葵ちゃんずりぃよ、そんなこと言われたら黙るしかねぇじゃねぇか」
「わりぃな、けどそんな兄さん達がオレは大好きだぞ?っと悪いな話を続けてくれ」
「お、おう」

兄さん達が真っ赤になって震えていたけどそれは無視して先を促した。
(はぁ、そんなこと昔からよく言われてたって兄さん達に言わない様にしよう、、、絶対にキレて収拾がつかなくなる)



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