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五章 本当の問題

第88話(心が落ち着くまでもう少し待ってて)

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 カレーライスを食べて少し落ち着いた私は私が眠った後の事を二人に聞いた。

「え?あれって明先生の能力の暴発だったの?」
「菫は知らなかったのか?」
「うん、ボクだけじゃなくて他の人も知らないんじゃないかな?」
「ん?忙しかったのか?」
「そうみたいだよ?なんか紅さん達で話し合ったり電話してたりしてたみたいだったから」
「紅達が電話していた相手は円鏡だよ。学園の様子を確認してたみたいだよ」
「あ、そっか。円鏡さんと夕さんと剣聖さんの三人は学園に残って学園の様子を探ってたんだっけ?」
「うん、そうだよ。昨日は忙しかったみたいだから今日の夕方頃にここに来るって言ってたみたいだよ」

何がどうなってるのかよく分からなかったので二人に聞くと昨日の朝のあの騒動のあとに兄さん達は家に帰ろうとしたみたいなんだけど、結構大規模な事だったので円鏡さんと夕さんと剣聖さんの三人が学園に残ってあのあとの学園の様子を見てもらう事になったらしい。
(なるほど、だからあの三人を朝から見てないんだ)

「夕方近くにみんなが起きて来たんだけど一番始めに起きたのは紅だったんだ」

暗が言うには兄さんが一番始めに起きて状況を確認すると時間がかなりたっていた事に驚いて近くで寝ていた鈴の兄さんと白兄を起こしたらしい。
二人もかなり時間がたっている事に驚いていたけど何かを確認(多分、学園にいる三人からの連絡)する為にスマホを見たらしい。
特になにもなかったみたいで安心したあと、眠ってる私を起こさない様に鈴の兄さんが私の部屋まで運んでくれたらしい。

「ちなみにお姫様抱っこだったぞ」
「マジか」
「マジで」
「ボクも見たから本当だよ」
「、、、マジか、、、カッコわりぃ」
「いや、、、カッコ悪くはなかったぞ?」
「うん、あんなに大事そうに運んでるのを見たら、、、ね?」
「、、、?」
「まぁそれは置いといて、俺達は特にやることがなかったからご飯食べて寝ただけだ」
「遅いから泊まっていけって言われたから泊まったんだ」
「ちなみに紅と鈴矢と白銀の三人は葵の部屋で寝ていたぞ?」
「は?」
「朝早く起きてなにか色々やってたから葵ちゃんが起きた後は三人とも葵ちゃんの部屋に居なかっただろうけどね」
「、、、オレの部屋で?」
「心配だったんだろうな」
「、、、、。」
「ボク達二人が葵ちゃんの部屋に来た時にたまたま葵ちゃんが起きたからびっくりしてボクが大声あげちゃったのは恥ずかしいけどね」

私が起きた時に側に居たのは暗と菫で私が寝起きでぼーっとしていると菫がいきなり『葵ちゃんが起きたー!』と大声を出したからかなり驚いているとドタバタと廊下から音がしたと思うと兄さん達全員が私の部屋に来たのだ。
(そのあと何か話しかけられたけど頭が完全に起きた時に昨日の事を思い出して暗と菫以外は追い出しちゃったんだよね。恥ずかしかったんだから仕方ないじゃん!だけどあの後、学園に行く黒さんと明さんが私の部屋のドア越しに二人と話してたのは申し訳なかったな。けど、、、)

「、、、色々話さないとならねぇのは分かってるんだが、、、悪いがもう少し待ってくれ」
「大丈夫だよ葵ちゃん。学園に行ってる人達が来るまでに出れば問題ないと思うから」
「そうだな、恥ずかしくてまだ顔を見られないっていうのは俺も分かるからな、、、それと起きた時にあの三人が居なかったから拗ねてたのもあるんだろ?」
「っ、、、なんで分かったんだ」
「これでも妹なんでね?お姉ちゃんが拗ねてる時の雰囲気とかは分かるんだ。あとは声が聞こえたからな」
「声?オレは声なんて出して、、あ」
「心の声が聞こえたからな『なんで兄さん達いないの、、寂しい』って」
「~っ」
「葵ちゃん、、、可愛い!大好きな紅さん達が起きたら居なかったから寂しくて拗ねてたんだ!可愛い!」
「うぅっ、、、可愛くねぇよ、ただの我が儘だ。オレが起きた時に兄さん達が居ない事に勝手に拗ねてる甘ったれだ」
「そうか?俺は俺が少し弱ってる時に黒や明が起きた時に側に居ないのは不安だし嫌だと思うぞ?」
「そうだね、ボクも弱ってる時に起きたら兄上や灰炉くんが居なかったらそんなに好かれてないのか不安だし、、、なんで側に居ないんだって理不尽に怒るっていうか拗ねるよ」
「つまり葵のその行動は俺と菫からしたら普通だぞ?他の奴は知らないけど」
「、、、別に他の奴なんてどうでもいい。菫や暗がオレとおなじって言うなら恥ずかしいが嬉しく思う、、、ありがとな」

私の顔は真っ赤だろうけど二人の気持ちが嬉しかったので嬉しさでにやける顔をどうにか上げて二人にお礼を言った。
(あれ?何で二人が顔を覆ってるの?)

「っ~、、、っ」
「っ~、、ぅぅ」
「おい、どうしたんだ?」
「葵、その顔はズルい」
「葵ちゃん、、、その顔は可愛いからダメ」
「可愛い?真っ赤でニヤケそうな顔がか?」
「、、、葵の顔で恥ずかしそうな真っ赤な顔に嬉しそうな微笑みが重なるとヤバい。可愛いってだけじゃなく少し色っぽいぞ」
「葵ちゃん、誰かに見られたら危ないから気をつけてね?」
「は?、、、、分かった」
「絶対分かってないな」
「うん、絶対分かってないね。まぁボク達が気をつければいいんじゃない?」
「そうだな」
「、、、こんな顔すんのはお前達といる時くらいしかしないから大丈夫だ」

私がそう言うと二人は何故か顔を赤くしたあと息を吐き真顔になり言った。

「そういう所が」
「駄目だと思うよ葵ちゃん」
「ん?」
「まぁいい。それよりまだ落ち着いてないんだろ?」
「、、、まぁな。兄さん達を見たらまた理不尽に怒りが、、、いや、お前らに隠しても意味ねぇよな。まだ拗ねてるからお前らには悪いがまだ兄さん達には会いたくねぇ」
「ボク達は葵ちゃんと居れて嬉しいから悪いって思わなくていいよ?それに葵ちゃんがいいって思った時に会えばいいよ」
「ああ、悪い、、、ありがとな」
「まぁあいつらも分かって無いってわけじゃないだろうからな、、、葵は部屋から出たら少し覚悟しといた方がいいかもな」
「覚悟?、、まぁ暗がそう言うなら覚悟しとくな」

そして私の心が落ち着くまで三人で色々話していた。
(なんの覚悟なんだろう?けど拗ねてるだけじゃなくて恥ずかしいのもあるからなかなか兄さん達に会う覚悟が決まらないんだよね)





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