上 下
16 / 167
番外編、良かったら読んで下さい

可愛く愛らしい恋人 その十

しおりを挟む
紅視点

可愛く転んだ葵を心配して俺達三人が葵の元に駆け寄ると目の前に紫がいた。
(紫の、いや、紫と灰炉の顔色が思ったより悪いな)

「紫、何が合った?顔色がかなり悪いぞ?」
「あ、、、菫が」
「菫がどうした?」
「あ、ああ、は、早く、菫を」
「紫!落ち着け」
「お兄様そんなにキツく抱きしめたら菫が苦しがる」
「あ、ああ、うん、、、ごめん、大丈夫?菫?」

かなり動揺している紫に灰炉が声をかけると菫をキツく抱きしめていたのに気づいた紫がゆっくりと力を弱めていくので俺達もようやく菫の顔を見る事ができた。 
(これは!、、、菫を溺愛してるこの二人の顔色が悪くなるわけだ)

「ハッ、、はぁ、、ひゅ、、うっ、ハッはっ、うぅっ」
「こいつは、、、熱か?」
「う、うん。菫の小さい頃は今以上に体が弱くて、、、最悪死んでもおかしく無いってよく言われてた」
「だんだん菫の熱が上がってきてんだよ。オレとお兄様が菫を起こした時は少しぐったりしていたくらいなのに、、、黒先生の叫び声がして何事だと思って黒先生達の所に向かおうとした時に呼吸がおかしくなった」
「ふっ、、うっ、、ハッはっ、、ひゅっ、、ひゅっ、、はぁ」

菫の顔は熱が出ているとは思えないほど真っ青だった。
菫は普通に呼吸を出来ないみたいで吸いすぎたり吐きすぎたりしている。
(これはヤベェな)

「紅、ど、とうしたら菫を助けられる?ぼく、分からなくなって」
「あ~、、、落ち着け紫、お前のそんな顔俺以外にあんま見せたくねぇんだ。大丈夫だから泣きそうな顔すんな、な?」
「、、、うん」

紫は菫を大事に抱えながら泣きそうな顔で俺に助けを求めた。
(好きな奴に泣きそうな顔しながら助けを求められたらどんな事でも叶えてやりたいもんだろ?)

「とりあえず、、、暗の事で色々ある黒には悪いが菫を診てもらおう」
「あ!黒先生」
「あ!そういえばあの人保健医だったな」
「お前ら忘れてたな?」
「いや、菫の事に動揺して」
「うん、それより早く黒先生に菫の事を診てもらわないと」
「あ、紫は菫を動かすな。俺が黒を呼んで来るから待ってろ」
「、、、うん、分かった」
「白と鈴も葵の事を少しよろしく頼む」
「おう、少しじゃなくていつまでもよろしくしてやるよ」
「そうだな紅ばかり葵を愛でるのはズルい」
「別に良いだろ?俺の弟の可愛い可愛い葵を愛でるのは兄である特権だ」
「ずりぃなぁ。オレは葵ちゃんの恋人なのに」
「そう言うならわたしも兄みたいな者だろうが」
「俺の特権だから駄目だ」
「ケチ!」
「横暴!」
「ま、それじゃよろしくな」

俺はそう言うと黒達の元に向かった。
(暗がもう大丈夫なら良いんだが)



しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...