R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜

文字の大きさ
上 下
14 / 167
番外編、良かったら読んで下さい

可愛く愛らしい恋人 その八

しおりを挟む
紅視点

俺に抱っこを要求した葵が可愛すぎてヤバかったがそのあとの行動と言動に違和感を感じて菫を起こしている紫を指さして葵に紫が誰か分かるか聞くと葵は小さい頃に使っていた一人称である“ぼく”を使い答えた。
葵の異常をほとんど確信して白と鈴を呼ぶと二人も葵の異常に気づいたみたいだったがそこで暗を呼ぶ黒の叫び声を聞いた。
(なんだ!?)

「黒?」
「暗李に何かあったのか?」
「黒先生があんな風に叫び声をあげるのは初めてじゃねぇか?紅も聞いた事ねぇだろ?」
「白、鈴、行くぞ」
「「ああ!」」

葵を抱き抱えながら白と鈴と一緒に黒の側に行くとそこには焦った顔をした黒と顔を青くした明無先生がいた。
(黒も珍しい顔してるが明無先生がこんなに顔色を変えるのは異常だぞ!なにが、、、あそこで丸くなっているのは暗か?)

「黒、どうした?」
「、、、紅?」
「なにがあった?明無先生があんなに顔色を変えるってことはよほどの事なんだろ?」
「あ、、、ああ、、、暗、暗が、、」
「暗がどうした?」
「むか、昔に、子供の頃に戻って、怖がって、怯えて」
「黒!落ち着け!ゆっくり息を吸え!そして吐け!」
「え?息を?、、、、スー、、ハー、、、すまない、落ち着いた」

いつも比較的に冷静な黒がここまで取り乱すのはかなり珍しい事だ。
(さっきの叫び声からしても暗に何かあったみたいだが)

「で、何があった?」
「はぁ、、、暗をそろそろ起こそうと思い起こしたその瞬間だ」
「ああ」
「、、、暗が目を覚ますと突然震え出した。何事だと思い声をかけると暗は部屋のすみに行ったんだが、すみで体を丸めた暗は小さい声でずっと言っていたんだ」
「何を」
「それが、、、“ごめんなさい”“お父さん、ごめんなさい”“怖い、痛い、怖い”“誰か助けて”“ここどこ?黒どこ?怖い”とずっと言っているんだ。小さい頃みたいに大人のとくに男が怖いみたいでな、、、俺の事も起きた時は目の焦点が合ってなかったみたいで俺だと分かって無いみたいでな。それと男が多いこの空間が怖いらしく震えているんだ。精神も小さい頃に戻ってしまったみたいに」
「いや、黒、精神も子供の頃に戻ってる。葵もそうみたいだからな」
「は?なら暗は明無の事も分からないのか?」
「いや、それが葵の反応では何となく誰かは分かってるみたいなんだよ」

俺と黒が話していると明無先生が真っ青な顔をしながら暗に近づいていた。
(明無先生?、、、暗は明無先生が近づいても大丈夫なのか?大人の男が怖いんだよな?)

「、、、あ、暗、、、私が分かるかい?、、、近づいても大丈夫かい?」
「、、、あ、あ、、、明?」
「ああ、そうだよ」
「明!」

暗は明無先生に気づくと明無先生に抱きつくように飛び込んだ。
(んん?)

「明!明!怖い、怖い、明、、、はなれないで」
「もちろん!私が暗を手離すはずが無いだろう!」
「だって、さっきまでいっしょじゃなかった、、」
「ゴメン!暗が怖がるかと思って」
「明がいっしょじゃない方が怖い、、、黒は?黒はどこ?黒?」

暗は明無先生に抱きつきながら黒を必死に探していた。
(あれはヤベェな)

「黒さっさと暗の所に行ってやれ」
「あ、ああ、すまない」

黒は暗の所に行くと明無先生に抱かれた暗の頭をゆっくり撫でながら暗を落ち着かせていた。

「暗、暗、俺だよ。遅くなって悪かったな?もう大丈夫だからな?」
「黒、黒、、、はなれないで」
「ああ、離れないよ。明無も俺も暗の側に居る」
「、、、うん」

暗が落ち着いてくると俺の近くに緑が近づいて来た。
(ん?緑?なんか元気がねぇな)

「、、、紅先輩、、、暗は大丈夫ですかね?」
「まぁ大丈夫だろ。さっきよりは落ち着いてきたみたいだからな」
「、、、そうですね、、、葵には近づいても大丈夫ですか?怖がらないですか?」
「、、ああ、なるほどな。葵は大丈夫だ暗とは違ってそういうトラウマはねぇからな。それに」
「それに?」
「暗の奴お前を探してるみたいだぜ?」
「え?」

緑は暗のトラウマを刺激しないように暗から離れていたみたいだが、少し落ち着いた暗はキョロキョロと誰かを探していた。

「誰か探してるみたいですけどボクじゃ無いですよ。葵か菫を探してるんじゃないですか?」
「そりゃどうかな?暗はお前にかなり懐いてるんだぜ?誰かに甘えたい時はその懐いてる奴を探すんじゃねぇのか?」
「、、、そうですかね?」
「緑!」
「ほら、暗はお前をご指名みたいだが?」
「、、、、うん!紅先輩、ボクは、ボクは暗の所に行きますね!」
「ああ、行ってこい!暗が待ってるぞ?」
「はい!」

キョロキョロと誰か探していた暗は緑を見つけると緑に両手を伸ばし緑の名を呼んだ。
それを見た緑はさっきまでの暗い表情が嘘の様に満面な笑みで暗の所に走って行った。
(可愛い奴)

「クスクス」
「なに笑ってんだ白?鈴もニヤニヤしやがって」
「いや~?ナニって言われてもな?」
「クスクス、、、そうだな鈴矢。ただ微笑ましいと思っただけだが?」
「微笑ましい?それでなんでそんな笑ってんだ?」
「いや、緑はいつも慕ってくれてる暗が今は自分も怖がるだろうと思い暗から離れたが明無先生と黒先生のやり取りを見て寂しくなってしまったのだろう?そこが緑の可愛い所だが、その緑を慰めている紅を見れたのは嬉しい事だと思っただけだ」
「白銀は紅の見たことがない姿を見て惚れ直したのかも知れないがオレはただ好きな奴には相変わらずアマアマで優しいな~っと思っただけだぜ?」
「白は良いが鈴は死ね」
「イヤン!紅くんったらひど~い!」
「うるせぇ!」
「静かにして欲しかったら葵ちゃんをオレに抱かせてくれ」
「駄目だ」
「ケチ!ブラコン!心狭い!」

鈴の文句は無視しながら小さくなった一人の菫の方に行く。
(菫の方は何もねぇと良いが)



しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...