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五章 本当の問題
第79話(あの子が眠っている間の話)紫視点
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葵が眠った後、ぼく達は何とか正気に戻り紅の実家の方に来た。
先生方は今日学園を休む予定になっていたのでそのまま紅に着いてきた。
葵はぼく達が集まっている部屋の隣の部屋に寝かせた後、黒先生に怪我の様子を診てもらっているので黒先生だけこの部屋に居ない。
ぼく達が黒先生が来るのを待って居ると足音が聞こえてきたので黒先生が向かって来たのが分かった。
「入るよ?」
「ああ」
「待たせて悪かったな?」
「いや、それより葵の怪我は?」
「葵くんの鎖をしていた足首は腫れていて少し血も出ていたが折れても捻挫もしていないみたいだから大丈夫だろうが少しの間は痛いだろうな。痛み止を塗っといたから少しはましだろう。それと、、、もうひとつ」
「ん?まだあるのか?」
「ああ、葵くんの前にした手の怪我だが、、、少し傷が開いて血が出ていた。おそらく小刀を使った時にかなり力を入れて使ったのが原因だろう」
「手の怪我が開いたのか!」
「葵くんは何も言わなかったみたいだが、かなり痛いはずだ。しばらくはあまり両手を使わない方がいいだろう」
「分かった、葵に手を使わせない様にする。あいつは本当に辛い時や痛い時はその事を隠すくせがあるからな、、、俺達に心配かけたく無いみたいなんだよな」
「葵ちゃんは昔熱が出てるのに無理して隠してぶっ倒れた時があるからな~」
「わたし達は隠すなと何度も言っているのだが、、、何度言っても葵は一番辛い事は隠す。あれはもはや葵の悪いくせだな」
「酔ってたのに言わなかったもんな~、、、起きたらまた説教だな」
「ああ、だけどその前に他も大丈夫か確認してからだな」
「わたし達に心配かけたくなかったと言われても隠される方がわたし達は心配だからな」
そう言った後、紅はぼく達の方を向いてさっきまでの弟を心配しているお兄さんという雰囲気をガラリと変えて話し出した。
「葵の話はここまでだ。これからの事を話し合うがその前に、、、縁、炎信、お前らなんでそんなに灰炉にくっついてる?」
そう、さっきから無視していたけど縁完と炎信は灰炉にくっついていた。
灰炉はすごく嫌そうな顔をしていたが文句を言わないで受け入れているので何か理由があるみたいだ。
(菫が少し悲しそうな顔をしてる、、、下手な理由だったらぶっ殺してやろう)
「あ~、、、理由はある」
「灰炉がスッゲェ嫌そうな顔してんのに文句言わねぇくらいだから理由があるのは分かってるが、、、、菫が泣きそうな顔してんぞ?」
「え?菫!悪い!オレもお前以外触るのは嫌だったが理由が理由だから」
「え!いや、その、ボクも何か理由があるのは分かってるから、、、ただ、その、、、理由があるのは分かってるけど、、、灰炉くんにボク以外がくっついてるのには妬いちゃうんだ、、、ごめん」
「ッ~、、、いや、本当に悪い」
「う、ううん。そ、それで理由は?」
菫は恥ずかしそうに話を反らす為に理由を聞いた。
(菫可愛い、さすがぼくの可愛い弟。妬く理由も可愛い)
「あ~、、悪い。そっちの紫の弟は灰炉と良い仲か?」
「紫様の弟じゃなくて菫だよ。ごめんね?菫。これには理由があるんだ。灰炉さんにくっついてる理由ってのは僕達の叔父さんが理由だよ」
「お前らの叔父?」
「ああ、叔父の能力がまだ完璧に解けてねぇみたいでな」
「灰炉さんに触ってると大丈夫なんだけど、触ってないと少しヤバいかも」
「え!大丈夫?灰炉くん二人に触っていてあげて?」
「ああ、分かってる」
心優しい菫は理由が分かった瞬間に二人を心配して灰炉にそう頼んだ。
(本当に良い子に育ったな、さすがぼくの可愛い弟)
「叔父の能力?それはなんだ?」
「ああ、その話しもしておかないとな。オレ達の叔父の能力は自分に好意を無理矢理よせさせて性格までも少し変える事が出来る能力だ」
「ん?」
「簡単に言うと自分に盲目に成るくらい好意を持たさせて自分の為に何でもする性格にさせるんだ。炎信がいい例だ」
「僕が正気に戻る前の性格はどんなんだったか思い出して下さい」
そしてみんなで炎信が正気に戻る前の性格を思い出して驚いた。
(何で?あんなに違う性格だったのに何で、、)
「あ?、、、全然違う性格だってのに何で性格が変わってる事に気づかなかったんだ俺?」
「紅もか?オレも言われて思い出すまであんなに違う性格だったのに違和感を全然感じてなかった」
「わたしもだ」
紅、鈴矢、白銀がそう言ったのを聞いてぼく達全員がその言葉に同意するように同じように頷いた。
「やっぱりそういう反応だよな。灰炉はやっぱり能力が効いて無いというより能力事態を無効にしてるから元々効いて無かったんだな」
「どういう意味だ?」
「この家に来る途中で灰炉が炎信の性格がさっきと全然違うが何故だ?と聞いてきてな」
「いや、そうじゃねぇ。それも聞きてぇがそれよりも何で俺達は言われて思い出すまで気づかなかったんだ?」
紅がそう聞くと縁完は“ああ、そっちか”と言ってから話し出した。
(縁完って少しアホ、、、天然な所があるからちゃんと言わないと伝わらない時があるんだよね)
「それも叔父の能力だ。性格が全然違う、、、正反対な性格にされて戻っても言われて思い出すまで誰も気づかない記憶認証を妨害する力もあるみたいなんだ。だからまたオレ達が叔父に能力を使われてお前達の所に戻っても灰炉が居ないと誰も気づかない可能性がある」
「、、、そうか。なら、灰炉にはこれが解決するまで縁と炎信の側に居てもらった方が良いな。悪いが灰炉、頼めるか?」
「理由が理由だからな。菫には悪いが分かった引き受ける」
「ボクも灰炉くんの近くに居ても良い?それなら、、その、、寂しくないし、ボクは嬉しいんだけど」
「当たり前だろ!それにお前だけじゃなくてオレも嬉しいに決まってんだろ!」
「う、うん!、、、ふ、ふふっ少し恥ずかしいけどとても嬉しいな」
そう言った菫の顔は赤く染まっていたけど可愛らしい笑みを浮かべ、浮かべて、、、。
(ッ~、、、か、可愛い!菫!本当に可愛い!さすがぼくの天使!)
「あ~、、、それで今後の事だが、」
“ドサッ”
「、、、なんの音だ?隣の部屋から、、、っ葵!」
紅が話を進めようとした時、葵が居る隣の部屋から何かが倒れる音がした。
先生方は今日学園を休む予定になっていたのでそのまま紅に着いてきた。
葵はぼく達が集まっている部屋の隣の部屋に寝かせた後、黒先生に怪我の様子を診てもらっているので黒先生だけこの部屋に居ない。
ぼく達が黒先生が来るのを待って居ると足音が聞こえてきたので黒先生が向かって来たのが分かった。
「入るよ?」
「ああ」
「待たせて悪かったな?」
「いや、それより葵の怪我は?」
「葵くんの鎖をしていた足首は腫れていて少し血も出ていたが折れても捻挫もしていないみたいだから大丈夫だろうが少しの間は痛いだろうな。痛み止を塗っといたから少しはましだろう。それと、、、もうひとつ」
「ん?まだあるのか?」
「ああ、葵くんの前にした手の怪我だが、、、少し傷が開いて血が出ていた。おそらく小刀を使った時にかなり力を入れて使ったのが原因だろう」
「手の怪我が開いたのか!」
「葵くんは何も言わなかったみたいだが、かなり痛いはずだ。しばらくはあまり両手を使わない方がいいだろう」
「分かった、葵に手を使わせない様にする。あいつは本当に辛い時や痛い時はその事を隠すくせがあるからな、、、俺達に心配かけたく無いみたいなんだよな」
「葵ちゃんは昔熱が出てるのに無理して隠してぶっ倒れた時があるからな~」
「わたし達は隠すなと何度も言っているのだが、、、何度言っても葵は一番辛い事は隠す。あれはもはや葵の悪いくせだな」
「酔ってたのに言わなかったもんな~、、、起きたらまた説教だな」
「ああ、だけどその前に他も大丈夫か確認してからだな」
「わたし達に心配かけたくなかったと言われても隠される方がわたし達は心配だからな」
そう言った後、紅はぼく達の方を向いてさっきまでの弟を心配しているお兄さんという雰囲気をガラリと変えて話し出した。
「葵の話はここまでだ。これからの事を話し合うがその前に、、、縁、炎信、お前らなんでそんなに灰炉にくっついてる?」
そう、さっきから無視していたけど縁完と炎信は灰炉にくっついていた。
灰炉はすごく嫌そうな顔をしていたが文句を言わないで受け入れているので何か理由があるみたいだ。
(菫が少し悲しそうな顔をしてる、、、下手な理由だったらぶっ殺してやろう)
「あ~、、、理由はある」
「灰炉がスッゲェ嫌そうな顔してんのに文句言わねぇくらいだから理由があるのは分かってるが、、、、菫が泣きそうな顔してんぞ?」
「え?菫!悪い!オレもお前以外触るのは嫌だったが理由が理由だから」
「え!いや、その、ボクも何か理由があるのは分かってるから、、、ただ、その、、、理由があるのは分かってるけど、、、灰炉くんにボク以外がくっついてるのには妬いちゃうんだ、、、ごめん」
「ッ~、、、いや、本当に悪い」
「う、ううん。そ、それで理由は?」
菫は恥ずかしそうに話を反らす為に理由を聞いた。
(菫可愛い、さすがぼくの可愛い弟。妬く理由も可愛い)
「あ~、、悪い。そっちの紫の弟は灰炉と良い仲か?」
「紫様の弟じゃなくて菫だよ。ごめんね?菫。これには理由があるんだ。灰炉さんにくっついてる理由ってのは僕達の叔父さんが理由だよ」
「お前らの叔父?」
「ああ、叔父の能力がまだ完璧に解けてねぇみたいでな」
「灰炉さんに触ってると大丈夫なんだけど、触ってないと少しヤバいかも」
「え!大丈夫?灰炉くん二人に触っていてあげて?」
「ああ、分かってる」
心優しい菫は理由が分かった瞬間に二人を心配して灰炉にそう頼んだ。
(本当に良い子に育ったな、さすがぼくの可愛い弟)
「叔父の能力?それはなんだ?」
「ああ、その話しもしておかないとな。オレ達の叔父の能力は自分に好意を無理矢理よせさせて性格までも少し変える事が出来る能力だ」
「ん?」
「簡単に言うと自分に盲目に成るくらい好意を持たさせて自分の為に何でもする性格にさせるんだ。炎信がいい例だ」
「僕が正気に戻る前の性格はどんなんだったか思い出して下さい」
そしてみんなで炎信が正気に戻る前の性格を思い出して驚いた。
(何で?あんなに違う性格だったのに何で、、)
「あ?、、、全然違う性格だってのに何で性格が変わってる事に気づかなかったんだ俺?」
「紅もか?オレも言われて思い出すまであんなに違う性格だったのに違和感を全然感じてなかった」
「わたしもだ」
紅、鈴矢、白銀がそう言ったのを聞いてぼく達全員がその言葉に同意するように同じように頷いた。
「やっぱりそういう反応だよな。灰炉はやっぱり能力が効いて無いというより能力事態を無効にしてるから元々効いて無かったんだな」
「どういう意味だ?」
「この家に来る途中で灰炉が炎信の性格がさっきと全然違うが何故だ?と聞いてきてな」
「いや、そうじゃねぇ。それも聞きてぇがそれよりも何で俺達は言われて思い出すまで気づかなかったんだ?」
紅がそう聞くと縁完は“ああ、そっちか”と言ってから話し出した。
(縁完って少しアホ、、、天然な所があるからちゃんと言わないと伝わらない時があるんだよね)
「それも叔父の能力だ。性格が全然違う、、、正反対な性格にされて戻っても言われて思い出すまで誰も気づかない記憶認証を妨害する力もあるみたいなんだ。だからまたオレ達が叔父に能力を使われてお前達の所に戻っても灰炉が居ないと誰も気づかない可能性がある」
「、、、そうか。なら、灰炉にはこれが解決するまで縁と炎信の側に居てもらった方が良いな。悪いが灰炉、頼めるか?」
「理由が理由だからな。菫には悪いが分かった引き受ける」
「ボクも灰炉くんの近くに居ても良い?それなら、、その、、寂しくないし、ボクは嬉しいんだけど」
「当たり前だろ!それにお前だけじゃなくてオレも嬉しいに決まってんだろ!」
「う、うん!、、、ふ、ふふっ少し恥ずかしいけどとても嬉しいな」
そう言った菫の顔は赤く染まっていたけど可愛らしい笑みを浮かべ、浮かべて、、、。
(ッ~、、、か、可愛い!菫!本当に可愛い!さすがぼくの天使!)
「あ~、、、それで今後の事だが、」
“ドサッ”
「、、、なんの音だ?隣の部屋から、、、っ葵!」
紅が話を進めようとした時、葵が居る隣の部屋から何かが倒れる音がした。
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